施設入所の伯母との関係に悩むMSW（医療ソーシャルワーカー）の方へ：Q&Aで紐解く、QOL（生活の質）の向上とキャリア支援のヒント

この記事は、認知症の伯母の施設入所と、その後の関係性に悩むMSW（医療ソーシャルワーカー）の方に向けて書かれています。介護施設での生活、金銭管理、そしてご自身のキャリアとの両立という複雑な問題に対し、具体的なアドバイスと、多様な働き方に関するヒントを提供します。専門的な知識と、同じような悩みを抱える方々の声を通して、あなた自身の心の負担を軽減し、より良い選択ができるようサポートします。

父方の伯母（81歳）についての質問です。今、認知症でサ高住に入っています。一昨年生活保護の申請をして生活を立て直したが、お金の管理がしっかりできなく、弟である父やその娘である私達にお金をせびるようになり、結果的に施設へ入ることになりました。保証人は訳あって私がなっています。

施設へ入る時は、伯母本人も納得して入りました。もともと物忘れや同じことを何度も言うことはありましたが、もとの性格もあって認知症という感じではありませんでしたが、今思えば認知症なのだと思います。（今まで関りが薄かったのでよくわからないです）

ADLは自立。要介護１の認定がありますが、要支援になるかと思っていたのでびっくりています。（あ、私はMSWやってます）

その伯母から施設入所後すぐに「施設を出ていく」という訴えがひどく、金銭管理も私がしていて、伯母の通帳など預かって施設費用の支払いをしていますが、生活保護なのでギリギリの支払いです。（残るお金が数百円で日用品を購入して終わりです）

「お金がない」ことを何度も伯母に伝えていますが、入所後から「こんなの聞いてない」とか「こんなにお金かかるとは思わなかった」（事前に再三説明しましたが）など訴えがあり、「ここから出ていくから通帳を返せ」「お前の家に押し掛ける」など何度も何度も私に訴えてきます。（施設から出られることはないので、私の家に押し掛けることはできません）

認知症の人のいう事をスルーすればいいのでしょうが、なんだか伯母が気の毒に思うようになってしまいました。施設ではコロナ禍から面会謝絶。デイサービスなどの外へ出るサービスの利用は禁止。入所者同士の部屋の行き来や交流も禁止。閉鎖的な施設で楽しみもなく生活していることにかなりストレスがあるようで、それをぶつけられるのが私だけみたいで、暴言のようなものもあります。

コロナ禍だから仕方ないとはいえ、入所者のQOLは低下するばかりで、伯母を施設へ入れたことも「本当にこれで良かったのか」と悩む日々です。

最近「低所得者世帯への給付金」がもらえることがわかり、そのお金を使って施設を出てアパートで独り暮らしも…とも思いますが、介護サービスをフルに利用すれば現実的に可能か？？と考えたりします。

私の選択（伯母を施設へ入れること）は間違っていたのか、今後その施設を出ることを考えた方がいいのか、悩みます。専門職の方、そうでない方、認知症の家族の方、色々な意見が聞きたいです。

Q&A形式で紐解く、施設入所とQOL（生活の質）に関する悩み

ご相談ありがとうございます。認知症の伯母様の施設入所、そしてその後のQOL（生活の質）に関する悩み、大変お辛い状況ですね。MSW（医療ソーシャルワーカー）として、専門的な知識を持ちながらも、ご自身の家族のこととなると、様々な感情が入り混じり、判断に迷うこともあるでしょう。このQ&Aでは、あなたの抱える悩みを整理し、具体的なアドバイスを提供します。

Q1: 伯母様の施設入所は、本当に間違っていたのでしょうか？

A: 過去の選択を「間違っていた」と断定することは、非常に難しいことです。施設入所という決断は、伯母様の安全と健康を守るために、そしてご自身の負担を軽減するために、やむを得ず選択されたことと思います。当時は、それが最善の選択肢だったはずです。

しかし、コロナ禍の影響で面会制限や外出制限が強化され、伯母様のQOLが低下している現状を考えると、別の選択肢を検討することも重要です。例えば、在宅での介護サービス利用や、より自由度の高い施設への転居なども視野に入れることができます。

重要なのは、過去の選択を後悔するのではなく、現在の状況を改善するために、今何ができるかを考えることです。専門家であるあなたが、伯母様の状況を客観的に評価し、最適なケアプランを再検討することが、今後の鍵となります。

Q2: 伯母様の「施設を出たい」という訴えに、どのように対応すれば良いのでしょうか？

A: 認知症の方の言動は、時に理解しがたいものです。しかし、その訴えの背景には、様々な感情が隠されている可能性があります。例えば、

• 孤独感: 面会制限や交流の制限により、孤独を感じている。
• 不安感: 金銭的な不安や、将来への不安を感じている。
• 不満: 施設での生活に対する不満や、閉塞感を感じている。

まずは、伯母様の気持ちに寄り添い、話を聞いてあげることが大切です。そして、なぜ「施設を出たい」のか、その理由を具体的に尋ねてみましょう。その上で、以下の対応を検討してください。

• 現実的な説明: 施設を出ることが難しい理由を、優しく説明する。
• 代替案の提示: デイサービスや訪問介護の利用など、生活の質を向上させるための代替案を提案する。
• 感情の受け止め: 伯母様の感情を否定せず、「つらいね」「寂しいね」など、共感の言葉を伝える。
• 専門家との連携: 医師やケアマネージャーと連携し、適切なケアプランを検討する。

Q3: 伯母様が施設を出て、アパートで一人暮らしをすることは可能でしょうか？

A: ADL（日常生活動作）が自立していること、要介護1の認定を受けていることを考えると、介護サービスをフルに利用することで、アパートでの一人暮らしも現実的に可能です。ただし、以下の点を考慮する必要があります。

• 金銭的な問題: 生活保護を受けている場合、家賃や介護サービスの利用料が、生活費を圧迫する可能性があります。給付金や、その他の収入源についても検討が必要です。
• 介護サービスの利用: 訪問介護、訪問看護、デイサービスなど、必要な介護サービスを適切に利用できる体制を整える必要があります。ケアマネージャーと連携し、最適なケアプランを作成しましょう。
• 安全対策: 転倒防止のための手すりの設置や、緊急時の連絡手段の確保など、安全な生活を送るための環境を整える必要があります。
• 認知症ケア: 認知症の症状が悪化した場合に備え、専門的なケアを受けられる体制を整える必要があります。

アパートでの一人暮らしを検討する際には、これらの課題をクリアできるかどうかを、慎重に検討する必要があります。ケアマネージャーや、地域包括支援センターに相談し、専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。

Q4: 施設での生活を改善するために、できることはありますか？

A: 施設での生活を改善するために、できることはたくさんあります。以下に、具体的な提案をいくつかご紹介します。

• 施設との連携: 施設のスタッフと積極的にコミュニケーションを取り、伯母様の状況を共有し、必要なケアを依頼する。
• 面会: 面会制限が緩和された際には、積極的に面会し、伯母様との時間を過ごす。オンライン面会も活用する。
• レクリエーション: 施設でのレクリエーション活動に参加し、伯母様の楽しみを見つける。
• 環境整備: 伯母様の部屋に、好きな写真や思い出の品を飾り、居心地の良い空間を作る。
• 情報収集: 施設のイベント情報や、他の入居者との交流について、積極的に情報収集する。

これらの取り組みを通じて、伯母様のQOLを向上させ、施設での生活をより豊かにすることができます。

Q5: MSW（医療ソーシャルワーカー）として、この問題にどのように向き合うべきでしょうか？

A: MSW（医療ソーシャルワーカー）であるあなたは、専門的な知識と経験を活かし、伯母様の状況を多角的に評価し、最適な支援を提供することができます。以下に、具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。

• 情報収集: 伯母様の病状、生活状況、金銭状況など、必要な情報を収集し、正確に把握する。
• アセスメント: 伯母様のニーズをアセスメントし、問題点を明確にする。
• ケアプランの作成: ケアマネージャーと連携し、伯母様に最適なケアプランを作成する。
• 関係機関との連携: 医師、看護師、介護士、地域包括支援センターなど、関係機関と連携し、多職種協働で支援を行う。
• 相談支援: 伯母様やご家族の相談に応じ、精神的なサポートを提供する。
• 権利擁護: 伯母様の権利を守り、自己決定を尊重する。

MSWとして、あなたは伯母様とご家族にとって、かけがえのない存在です。あなたの専門的な知識と温かいサポートが、伯母様のQOL向上に大きく貢献します。

Q6: MSWの仕事と、家族の介護を両立させるには、どのような工夫が必要ですか？

A: MSWの仕事は多忙であり、家族の介護と両立させることは、容易ではありません。しかし、以下の工夫をすることで、両立を目指すことができます。

• タイムマネジメント: スケジュールを効率的に管理し、時間的余裕を作る。
• タスクの整理: 仕事と介護に関するタスクを整理し、優先順位をつける。
• 周囲のサポート: 家族や友人、職場の同僚など、周囲のサポートを活用する。
• 情報共有: 職場の同僚や上司に、介護の状況を共有し、理解と協力を得る。
• 休息時間の確保: 休息時間を確保し、心身の健康を保つ。
• 多様な働き方の検討: 状況に応じて、時短勤務や在宅勤務など、多様な働き方を検討する。

仕事と介護の両立は、簡単ではありませんが、工夫次第で実現可能です。無理をせず、自分に合った方法を見つけ、バランスの取れた生活を送ることが大切です。

Q7: キャリアチェンジを考えています。MSWの経験を活かせる仕事はありますか？

A: MSWとしての経験は、非常に汎用性が高く、様々な仕事に活かすことができます。以下に、MSWの経験を活かせるキャリアパスの例をいくつかご紹介します。

• 介護保険事業所の管理者: 介護保険事業所の運営管理、人員管理、サービス提供などを行います。
• ケアマネージャー: 利用者のケアプランを作成し、サービス提供の調整を行います。
• 相談員: 病院、施設、地域包括支援センターなどで、相談業務を行います。
• 福祉施設の職員: 特別養護老人ホーム、グループホームなどで、入居者の生活支援を行います。
• 医療機関の事務職: 医療事務、クラークなど、医療機関での事務業務を行います。
• コンサルタント: 介護保険事業や福祉事業に関するコンサルティングを行います。
• 起業: 訪問介護事業、デイサービス事業など、介護・福祉関連の事業を立ち上げます。
• 教育・研究: 大学や専門学校で、福祉に関する教育や研究を行います。
• 一般企業: 企業のCSR（企業の社会的責任）担当として、社会貢献活動を企画・実行します。

MSWの経験は、コミュニケーション能力、問題解決能力、多職種連携能力など、様々なスキルを培うことができます。これらのスキルは、多くの仕事で役立ちます。あなたの興味や適性に応じて、様々なキャリアパスを検討することができます。

Q8: キャリアチェンジを成功させるために、必要なことは何ですか？

A: キャリアチェンジを成功させるためには、以下の点を意識することが重要です。

• 自己分析: 自分の強み、弱み、興味、価値観を理解する。
• 情報収集: 興味のある仕事に関する情報を収集し、理解を深める。
• スキルアップ: 必要なスキルを習得するために、研修や資格取得などを行う。
• 転職活動: 履歴書や職務経歴書の作成、面接対策など、転職活動の準備を行う。
• 人脈形成: 転職したい業界の人々と交流し、情報交換を行う。
• キャリアコンサルタントの活用: キャリアコンサルタントに相談し、アドバイスを受ける。

キャリアチェンジは、大きな決断ですが、あなたの将来を大きく変える可能性を秘めています。積極的に行動し、目標に向かって努力することで、必ず成功を掴むことができます。

Q9: 転職活動で、MSWとしての経験をどのようにアピールすれば良いですか？

A: 転職活動では、MSWとしての経験を効果的にアピールすることが重要です。以下に、具体的なアピール方法をいくつかご紹介します。

• 具体的な実績: 担当した事例や、解決した問題、改善した点を具体的に説明する。
• スキル: コミュニケーション能力、問題解決能力、多職種連携能力など、培ってきたスキルをアピールする。
• 資格: 取得している資格（社会福祉士、精神保健福祉士など）を明記する。
• 経験: 経験年数、担当した業務内容、専門分野などを具体的に説明する。
• 自己PR: 自分の強みや、仕事に対する熱意を伝える。
• 志望動機: なぜその仕事を選んだのか、その会社で何をしたいのかを明確に伝える。

履歴書や職務経歴書、面接対策など、転職活動の準備をしっかりと行い、MSWとしての経験を最大限に活かして、希望する仕事を実現しましょう。

Q10: 家族の介護と仕事を両立しながら、キャリアアップを目指すには？

A: 家族の介護と仕事を両立しながら、キャリアアップを目指すことは、容易ではありませんが、以下の方法を組み合わせることで、実現可能です。

• 計画的なキャリアプラン: 長期的なキャリアプランを立て、目標を設定する。
• スキルアップ: 研修や資格取得など、スキルアップのための努力を継続する。
• 情報収集: 業界の最新情報を収集し、知識をアップデートする。
• 人脈形成: 積極的に人脈を広げ、情報交換を行う。
• 周囲のサポート: 家族や友人、職場の同僚など、周囲のサポートを活用する。
• 柔軟な働き方: 時短勤務、在宅勤務など、柔軟な働き方を検討する。
• 自己投資: 自分の成長のために、時間やお金を投資する。

家族の介護と仕事を両立しながら、キャリアアップを目指すことは、大変な努力が必要ですが、あなたの努力は必ず報われます。諦めずに、目標に向かって努力を続けましょう。

まとめ：あなた自身のQOL（生活の質）も大切に

今回のQ&Aでは、認知症の伯母様の施設入所と、その後の関係性に悩むMSW（医療ソーシャルワーカー）の方に向けて、様々な角度からアドバイスを提供しました。伯母様のQOL（生活の質）を向上させるための具体的な方法、そして、ご自身のキャリアと介護を両立させるためのヒントをお伝えしました。

最後に、最も大切なことは、あなた自身のQOL（生活の質）も大切にすることです。介護は、心身ともに負担のかかるものです。一人で抱え込まず、周囲のサポートを頼り、休息を取り、自分の時間を確保するように心がけてください。そして、MSWとしての専門性を活かし、自己成長を続けることで、あなたのキャリアも、そしてあなたの人生も、より豊かになるはずです。

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