年金7万円でも入れる施設はある？親の介護と住まいの問題を解決する方法【専門家が解説】

今回は、親御さんの介護と住まいに関する深刻な問題について、具体的な解決策を求めている方に向けて、専門的な視点からアドバイスをさせていただきます。ご相談者様の置かれている状況を理解し、現実的な選択肢を提示することで、少しでも不安を解消できるよう努めます。

私の母は66歳、要支援２です。現在私と私の旦那と私の母の3人世帯です。昔から母は協調性がなく、すぐにカッとなって怒り出す性格で最近、旦那と母が衝突してしまうことが増えてきたため、別々に暮らすことにしました。今住んでる家は、私たち夫婦の持ち家なので母が一人で暮らすことになりました。ですが、母は年金を14～15万程度（2か月単位）しかもらっていないので、一人で暮らすのは厳しいと言われました。私たち夫婦もローンなどがあり、支援することはできません。出来れば施設のような所に入れたいのですが、年金だけでは賄えないうえ、要支援なので老人ホームは入れないと言われました。

そこで、質問なのですが…月々の年金約7万円＋介護保険で、一人で暮らせるような施設はあるのでしょうか？関東圏で探しています。やはり、普通の安いアパートなどを借りて、節約しながら暮らしてもらうしか方法はないのでしょうか？

ご相談ありがとうございます。66歳のお母様が、ご夫婦との関係性の変化から一人暮らしをすることになり、経済的な問題と介護の必要性から、今後の生活について不安を感じていらっしゃるのですね。年金収入が限られている中で、介護保険サービスを利用しながら、安心して暮らせる場所を探すことは、非常に重要な課題です。この記事では、そのような状況にある方々が直面する問題を解決するために、具体的な選択肢と、それらを実現するためのステップを解説します。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を整理し、問題点を具体的に把握することから始めましょう。ご相談内容から、以下の点が主な問題点として挙げられます。

• 経済的な問題: 月々の年金収入が約7万円と限られており、住居費や生活費を賄うことが難しい。
• 介護の必要性: 要支援2の認定を受けており、日常生活の一部に介護サービスが必要。
• 住まいの問題: 一人暮らしをするための適切な住居を探す必要がある。
• 施設入所の可能性: 年金収入だけでは、老人ホームなどの施設入居が難しい。

これらの問題点を踏まえ、具体的な解決策を検討していく必要があります。

2. 介護保険サービスの活用

要支援2の認定を受けているお母様は、介護保険サービスを利用することができます。介護保険サービスを最大限に活用することで、生活の質を維持しつつ、経済的な負担を軽減することが可能です。

2-1. 介護保険で利用できるサービス

要支援2の方が利用できる主な介護保険サービスには、以下のようなものがあります。

• 訪問介護（ホームヘルプサービス）: 身体介護（食事、入浴、排泄などの介助）や生活援助（掃除、洗濯、調理など）を受けられます。
• 訪問看護: 看護師による健康管理や医療処置を受けられます。
• 通所介護（デイサービス）: デイサービスセンターに通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けられます。
• 通所リハビリテーション（デイケア）: 病院や診療所、介護老人保健施設などに通い、リハビリテーションを受けられます。
• 福祉用具貸与: 車椅子や歩行器などの福祉用具を借りることができます。
• 特定福祉用具購入: ポータブルトイレや入浴補助具などの特定福祉用具を購入できます。
• 住宅改修: 手すりの設置や段差の解消など、自宅のバリアフリー化のための工事費用の一部を補助してもらえます。

2-2. 介護保険サービスの利用手順

介護保険サービスを利用するためには、以下の手順で手続きを進めます。

1. ケアマネジャーとの相談: まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、ケアマネジャー（介護支援専門員）を紹介してもらいましょう。ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用計画（ケアプラン）を作成し、サービス事業者との連絡調整を行います。
2. ケアプランの作成: ケアマネジャーが、お母様の心身の状態や生活環境などを詳しく聞き取り、必要なサービスを盛り込んだケアプランを作成します。
3. サービスの利用開始: ケアプランに基づいて、サービス事業者と契約し、サービスを利用開始します。
4. 費用の支払い: 介護保険サービスを利用した際の費用は、原則として費用の1割～3割を自己負担します（所得に応じて異なります）。

介護保険サービスを適切に利用することで、一人暮らしでも安心して生活を送ることが可能になります。ケアマネジャーと密に連携し、お母様の状況に合ったサービスを組み合わせていくことが重要です。

3. 費用を抑えた住まいの選択肢

年金収入が限られている場合、住居費を抑えることが重要です。以下の選択肢を検討してみましょう。

3-1. サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）は、バリアフリー設計で、安否確認や生活相談などのサービスが提供される高齢者向けの住宅です。自立した生活を送れる方を対象としていますが、介護が必要になった場合は、訪問介護などのサービスを利用することができます。

サ高住のメリットは、

• 比較的安価な家賃で入居できる物件がある
• 安否確認や生活相談サービスが受けられる
• 介護が必要になっても、外部の介護サービスを利用できる

一方、デメリットとしては、

• 一般的な老人ホームに比べて、介護サービスの質が低い場合がある
• 入居一時金が必要な物件もある

などが挙げられます。サ高住を選ぶ際には、施設の設備やサービス内容、費用などを比較検討し、お母様の状況に合った物件を選ぶことが重要です。

3-2. 賃貸住宅（UR賃貸住宅、公営住宅など）

UR賃貸住宅や公営住宅は、家賃が比較的安く、礼金や仲介手数料がかからないため、初期費用を抑えることができます。また、バリアフリー設計の物件も増えており、高齢者でも安心して生活できます。

賃貸住宅のメリットは、

• 家賃が比較的安い
• 初期費用を抑えられる
• バリアフリー設計の物件がある

一方、デメリットとしては、

• 入居条件がある場合がある（収入制限など）
• 介護サービスは、別途契約する必要がある

などが挙げられます。UR賃貸住宅や公営住宅を探す際には、お住まいの地域の情報を収集し、入居条件や空き状況を確認しましょう。地域包括支援センターや、市区町村の窓口でも相談できます。

3-3. グループホーム

認知症の方を対象とした施設ですが、比較的少人数で共同生活を送るため、アットホームな雰囲気の中で生活できます。介護保険サービスを利用しながら、生活支援や認知症ケアを受けることができます。

グループホームのメリットは、

• 少人数でアットホームな雰囲気
• 認知症ケアに特化している
• 介護保険サービスを利用できる

一方、デメリットとしては、

• 認知症の方を対象としている
• 費用が、他の施設に比べて高め

などが挙げられます。グループホームを選ぶ際には、施設の雰囲気やサービス内容、費用などを比較検討し、お母様の状況に合った施設を選ぶことが重要です。

4. 経済的な支援策の活用

年金収入だけでは生活費が不足する場合、以下の経済的な支援策を検討しましょう。

4-1. 生活保護

生活保護は、生活に困窮している方に対して、最低限の生活を保障する制度です。住居費や生活費などが支給されます。生活保護の申請は、お住まいの地域の福祉事務所で行います。

生活保護のメリットは、

• 生活費が保障される
• 医療費が無料になる

一方、デメリットとしては、

• 資産の保有が制限される
• 生活に制約が生じる場合がある

などが挙げられます。生活保護を利用するかどうかは、お母様の状況や価値観を考慮して、慎重に判断する必要があります。福祉事務所に相談し、制度の詳細について確認しましょう。

4-2. 医療費助成制度

医療費が高額になる場合は、医療費助成制度を利用することができます。高額療養費制度や、特定疾患医療費助成制度など、様々な制度があります。これらの制度を利用することで、医療費の自己負担額を軽減することができます。

医療費助成制度のメリットは、

• 医療費の自己負担額が軽減される

一方、デメリットとしては、

• 申請手続きが必要
• 所得制限がある場合がある

などが挙げられます。お母様の病状や所得に応じて、利用できる制度を確認し、申請手続きを行いましょう。お住まいの地域の役所や、医療機関の相談窓口で相談できます。

4-3. 家族からの経済的支援

ご夫婦の経済状況が許す範囲で、お母様への経済的支援を検討することもできます。毎月一定額を援助したり、必要な物を購入したりすることで、お母様の生活を支えることができます。ただし、無理のない範囲で支援することが重要です。

家族からの経済的支援のメリットは、

• お母様の生活を支えることができる
• 安心感を与えることができる

一方、デメリットとしては、

• ご自身の経済的な負担が増える

などが挙げられます。家族で話し合い、無理のない範囲で支援方法を検討しましょう。

5. 専門家への相談

介護や住まいの問題は、複雑で、一人で解決するのは難しい場合があります。専門家への相談も検討しましょう。

5-1. ケアマネジャー

ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用に関する専門家です。ケアプランの作成や、サービス事業者との連絡調整など、様々なサポートをしてくれます。困ったことがあれば、気軽に相談しましょう。

5-2. 社会福祉士

社会福祉士は、生活上の様々な問題に関する相談に応じ、専門的なアドバイスをしてくれます。経済的な問題や、制度に関する相談もできます。地域包括支援センターや、福祉事務所で相談できます。

5-3. 弁護士

相続や成年後見制度など、法律に関する問題がある場合は、弁護士に相談しましょう。専門的なアドバイスを受けることができます。

専門家への相談は、問題解決への第一歩です。積極的に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

6. まとめと今後のステップ

今回の相談内容を踏まえ、今後のステップをまとめます。

1. 現状の整理: お母様の現在の状況（健康状態、経済状況、生活環境など）を改めて整理し、問題点を明確にする。
2. ケアマネジャーへの相談: 地域の地域包括支援センターに相談し、ケアマネジャーを紹介してもらい、介護保険サービスの利用について相談する。
3. 住まいの検討: サービス付き高齢者向け住宅、賃貸住宅、グループホームなど、費用を抑えた住まいの選択肢を検討する。
4. 経済的な支援策の検討: 生活保護、医療費助成制度、家族からの経済的支援など、経済的な支援策を検討する。
5. 専門家への相談: ケアマネジャー、社会福祉士、弁護士など、専門家への相談を検討する。

これらのステップを踏むことで、お母様が安心して生活できる環境を整えることができます。焦らず、一つずつ問題を解決していくことが重要です。ご家族で協力し、お母様の意向を尊重しながら、最適な方法を見つけていきましょう。

今回の情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。ご相談者様と、お母様の今後の生活が、穏やかで安心できるものになることを心から願っています。

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