介護と仕事の両立…疲弊しきった母を支えるには？ 専門家が教える、あなたにできること

今回は、介護と仕事の両立という、非常に多くの方が直面する問題について、具体的なケーススタディを通して考えていきましょう。特に、ご自身の親御さんの介護と、ご自身のキャリア、そしてご自身の将来について、様々な不安を抱えているあなたに向けて、具体的なアドバイスをお届けします。

高齢の親が認知症（や、筋力の低下等も含め）から立ち上がりや歩行が困難になったり、入浴や排泄が自宅で行えなくなったりというのは、どの程度のストレスなんでしょうか…？ 私の祖母がそのような状態で、いま、母が仕事の傍らに介護を、といっても、食事を運んだり、祖母の移動時に支えになったりというくらいですが、そのような感じの現状です（現状でした）

それまで立ち上がりや、数メートルの歩行、排泄も何とかできていて、食事は母や私が祖母の自室に持っているような状態でした。デイケアにも通っており、母や私が送り迎えをすることもあります。先週の終わりのことなんですが、祖母がいよいよ失禁してしまいまして、その間、母は所用で、私もアルバイトで家を留守にしていて、母が帰ったときにそれを見つけたみたいです。寝具を処分し、それ以降はオムツの着用をすることになりました（それまではつけていませんでした）。祖母は認知症とうつ病を患っていて、また、疾患として診断を受けているわけではありませんが、時々統合失調症っぽいような攻撃性も見せます。こだわりも強く、動けなくなっていることも関係するでしょうが、あらゆることを面倒くさがり、病院嫌いな面もあります。また、元来、我の強い人であったこともあり、介護負担とはまたべっこに、祖母との日常生活を送るというだけでも、結構なストレスが母にかかっているのだろうなと思います（母ほど長時間関わっていない私でも結構ストレスを感じるくらいなので……）

母の余裕がなかったのは私の目から見ても明らかで、張り詰めた糸みたいにイライラしていました（祖母に理不尽に怒鳴りつけるようなことはありませんでしたので、その点はご安心ください）。そんなところへ、今回の失禁です。それ以降、祖母の動きも以前に比べてかなり悪く、立ち上がりも困難で、歩くにも支えがあろうと2メートルと歩けません。母はといえば、毎夜泣き、一応病院へ行きMRIを撮ってもらったのですが、その際にも泣いてしまい、なんかもう、限界なんじゃないかなあって思いました

冒頭に書きましたが、疑問としては、母がここまで取り乱すというのは世間一般として普通のことなのか、それとも精神的に……あまり言いたいことでもないですが、うつ病になりかける前の危機的な状態なのか、ということです。冷酷なことかもしれません、それにそんな自分が嫌になる気持ちもないわけではありません。しかし、現状、祖母よりも母のことの方が、本当に私は心配です。ただ、母のスタンスも私や父にとってやりづらいもので、祖母の今後の扱い方（ショートステイをしたり、そのほか、施設を視野に入れたり）などの助言を自分（母）と、祖母と、ケアマネ以外から言われるのをひどく嫌っているんです。もう、どうしたらいいものかと……

補足

祖母は介護度3です。ただ、この認定も少し前のものなので、ひょっとすると上がっているかもわかりません。施設入所とか視野に入れる必要もあるかもしれないなと、私は考えています（ここに関しては、母を含め、他の人には何も言っていません）。ただ、この「施設入所」とか「ショートステイ」という考えは、母にとってはあり得ない…というより、罪悪感の湧くような、「罪な行い」と捉えているみたいです

私ももう少しで大学を卒業し就職して、家を離れることになります。そうなると、母の相談相手が一人減ることになります。それに、祖母は現状、我が家の居候という立場であり、また私の父との関係性も悪いので、私がいなくなった場合に家の中の雰囲気がどうなるかわかりません。不安です。

ご相談ありがとうございます。お母様の介護と、ご自身の将来への不安、本当に大変な状況ですね。まず、お母様の精神状態についてですが、これは非常にデリケートな問題です。しかし、ご相談内容から察するに、お母様はすでに相当なストレスを抱えており、精神的なサポートが必要な状態である可能性が高いと考えられます。

1. 介護ストレスの深刻さ：なぜお母様はそこまで追い詰められたのか

介護は、心身ともに大きな負担を伴います。特に、認知症や身体機能の低下を伴う方の介護は、24時間体制になることも珍しくなく、精神的な余裕を失いやすい状況です。今回のケースでは、以下のような要因が、お母様のストレスを増大させていると考えられます。

• 急な状況の変化： 祖母様の失禁という事態は、お母様にとって大きな衝撃だったでしょう。それまで何とかできていたことができなくなる、という現実は、介護者にとって大きな負担となります。
• 認知症と精神疾患： 認知症の症状に加え、うつ病や統合失調症のような症状が見られることは、介護の難易度をさらに高めます。対応の難しさや、予測不能な行動への対応は、介護者の精神的な負担を増大させます。
• 孤立感： 介護について相談できる相手が少ないことも、大きなストレス要因です。ご家族内でのコミュニケーション不足や、周囲の理解不足は、介護者を孤立させ、負担感を増大させます。
• 罪悪感： 施設入所やショートステイに対する罪悪感は、多くの介護者が抱える感情です。これは、介護に対する価値観や、家族としての責任感からくるもので、介護者の精神的な負担を大きくします。

お母様が「毎夜泣く」という状況は、すでに限界に近い状態を示唆しています。早急な対応が必要でしょう。

2. 介護と仕事の両立：具体的な解決策

ご自身の将来への不安と、お母様の介護、両方を抱えながら、どのように解決していけば良いのでしょうか。以下に、具体的な解決策を提示します。

2-1. 専門家への相談

まず、専門家への相談を検討しましょう。具体的には、以下の専門家が頼りになります。

• ケアマネジャー： 介護保険サービスに関する相談や、ケアプランの作成を依頼できます。現状の課題を整理し、適切なサービスを提案してもらいましょう。
• 医師： お母様の精神状態について、専門的なアドバイスをもらいましょう。必要であれば、精神科医への受診を勧め、適切な治療を受けられるようにしましょう。
• カウンセラー： 介護に関する悩みや不安を、専門家に相談することで、心の負担を軽減できます。

専門家への相談は、客観的な視点から問題点を整理し、適切な解決策を見つけるために不可欠です。

2-2. 介護サービスの利用

介護保険サービスを積極的に利用しましょう。利用できるサービスには、以下のようなものがあります。

• 訪問介護： ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介護を行います。
• デイサービス： 日中に、食事、入浴、機能訓練などを受けられます。
• ショートステイ： 短期間、施設に入所し、介護を受けられます。お母様の休息のためにも、検討しましょう。
• 訪問看護： 看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。

これらのサービスを利用することで、お母様の介護負担を軽減し、ご自身の時間的余裕を確保できます。

2-3. 家族間の協力体制の構築

家族間で協力体制を築くことも重要です。具体的には、以下のことを行いましょう。

• 情報共有： 介護に関する情報を共有し、問題点や課題を認識しましょう。
• 役割分担： 介護の役割を分担し、特定の人が負担を抱え込まないようにしましょう。
• コミュニケーション： 定期的に話し合いの場を設け、お互いの気持ちを伝え合いましょう。

家族間の協力体制は、介護の負担を軽減し、精神的な支えとなります。

2-4. 施設入所の検討

施設入所は、最終的な選択肢の一つとして検討しましょう。お母様が施設での生活を希望しない場合でも、ショートステイなどを利用し、お母様とご家族の負担を軽減することも可能です。施設入所に対する罪悪感は、専門家や家族と話し合うことで軽減できる場合があります。

3. あなた自身の将来のためにできること

ご自身の将来についても、しっかりと考えていきましょう。具体的には、以下のことを行いましょう。

• 情報収集： 介護に関する情報を収集し、知識を深めましょう。
• キャリアプランの検討： 就職後のキャリアプランを立て、仕事と介護の両立について考えましょう。
• 自己ケア： 自分の心身の健康を保つために、休息や趣味の時間を確保しましょう。

ご自身の将来のために、積極的に行動することで、不安を軽減し、前向きな気持ちで介護と向き合うことができます。

4. 具体的なステップ

上記の解決策を実行するための、具体的なステップを以下に示します。

1. 現状の把握： お母様の心身の状態、介護の状況、利用しているサービスなどを詳しく把握しましょう。
2. 専門家への相談： ケアマネジャー、医師、カウンセラーなどに相談し、アドバイスをもらいましょう。
3. 介護サービスの利用： ケアマネジャーと相談し、適切な介護サービスを利用しましょう。
4. 家族会議： 家族で話し合い、介護の役割分担や、今後の対応について話し合いましょう。
5. 定期的な見直し： 定期的に、介護の状況や、利用しているサービスを見直し、必要に応じて変更しましょう。

これらのステップを踏むことで、介護と仕事の両立を実現し、ご自身の将来への不安を軽減することができます。

お母様と、そしてあなた自身の将来のために、今できることから始めていきましょう。

5. 成功事例：介護とキャリアを両立したAさんのケース

Aさんは、40代の女性で、母親の介護と、自身のキャリアアップの両立に悩んでいました。Aさんは、まず、ケアマネジャーに相談し、母親の介護保険サービスを最大限に活用しました。訪問介護やデイサービスを利用することで、Aさんの負担は大幅に軽減されました。さらに、Aさんは、会社の理解を得て、時短勤務や在宅勤務を取り入れました。その結果、Aさんは、介護と仕事を両立しながら、キャリアアップも実現し、最終的には、管理職に昇進しました。Aさんの成功の秘訣は、

• 専門家への相談： ケアマネジャーや医師に相談し、適切なアドバイスを得たこと。
• 介護サービスの活用： 介護保険サービスを最大限に活用し、負担を軽減したこと。
• 会社の理解： 会社の理解を得て、柔軟な働き方を取り入れたこと。
• 自己管理： 自分の心身の健康を保ち、無理のない範囲で介護と仕事を両立したこと。

Aさんのケースは、介護とキャリアの両立は、決して不可能ではないことを示しています。適切なサポートと、ご自身の努力によって、必ず道は開けます。

6. 専門家からのアドバイス：介護とキャリアの両立を成功させるために

最後に、介護とキャリアの両立を成功させるための、専門家からのアドバイスをまとめます。

• 早めの対策： 介護が深刻化する前に、早めに専門家へ相談し、対策を講じましょう。
• 情報収集： 介護に関する情報を積極的に収集し、知識を深めましょう。
• 柔軟な働き方： 会社に相談し、柔軟な働き方を検討しましょう。
• 自己肯定感： 介護と仕事の両立は大変ですが、自分を責めずに、前向きな気持ちで取り組みましょう。
• 休息： 自分の心身の健康を保つために、休息をしっかりと取りましょう。

介護とキャリアの両立は、困難な道のりですが、決して一人ではありません。周囲のサポートを受けながら、自分らしい働き方を見つけ、充実した人生を送ってください。

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