父の死を受け入れられない…介護職の私が抱える深い心の葛藤と、乗り越えるためのヒント

この記事では、介護職として働くあなたが、最愛の父を亡くした喪失感と、それに対する自分の感情に戸惑い、苦しんでいる状況を深く理解し、寄り添います。仕事柄、死に慣れてしまったように感じること、周囲との温度差、そして「冷たい人間」になってしまったのではないかという自己嫌悪。これらの複雑な感情に向き合い、どのように受け止め、乗り越えていくか、具体的なアドバイスと心のケアの方法を提示します。

私は介護職で看取りの仕事もしています。

父が進行性の病気になり、在宅介護を目指して病院からリハビリ施設に行っていました。が、先月その施設でコロナクラスターが発生し、父も陽性となり、回復はしたのですが、免疫が落ちているところで他の感染症で急逝しました。

面会も行けていない状況で、まさか、と思う気持ちでしたが、同じ医療知識がある端くれとしては、仕方がないことだとも思います。

もう骨壺に入って実家に戻っておりますが、悲しくてしかたない、という感情になるとこがなく、自分はどこかおかしいのではないかとも思っています。

母が喪主でいろいろしていたので、私は逝去翌日より普通に仕事に行きました。事情も上層部にしか伝えず、いつも通り仕事をこなしています。忌引は焼き場のときにしかとっておらず、同僚はまったく気が付いていません。

焼き場でもっと泣くのだろうか、とも思いましたが、悲しいというより、病魔と闘った父がこれで苦しまなくて済むんだ、という気持ちのほうが強かったです。

大好きで、最期は家で看取りたくて頑張っていたのに、こんな状況になって落ち込むと思いきや、なんだか実感なく、といった感じです。

私が看取らせていただいたご家族様方はもっと悲しんでいました。そのかたがたが亡くなったときは、私自身送り出しなどで思いっ切り泣けていました。

私は仕事柄、死といものに慣れてしまったのでしょうか。大切な父なのに自分はとても冷たい人間になってしまっているのでしょうか。

父の姿から学んだことは、これからも仕事で生かしていくつもりです。

ただ家族側となってみて、こんな自分でいいのか迷う毎日です。

みなさんはご両親が亡くなられたとき、どうでしたか？私はやはりどこか一本ねじがはずれてしまっているのでしょうか？

1. 喪失感の多様性：感情の波に寄り添う

まず、あなたが感じている「悲しみがない」という感情について、決して「異常」や「冷たい」と自己否定する必要はないことを理解してください。喪失感の表現は、人それぞれ異なります。涙を流すことだけが悲しみの表現ではありません。無感情に見えることも、実は深い悲しみを抱えている場合があります。特に、介護職として多くの死に直面し、感情をコントロールすることを学んできたあなたは、意識的に感情を抑えている可能性もあります。

今回のケースでは、以下のような要因が複雑に絡み合い、感情の表現を難しくしている可能性があります。

• 予期せぬ状況： 在宅介護を望んでいたにもかかわらず、コロナ禍での急な逝去。この予期せぬ展開は、感情の整理を困難にします。
• 面会制限： 面会ができなかったことは、看取りのプロセスを奪い、現実感の欠如につながります。
• 仕事への影響： 喪失感を抱えながらも、すぐに仕事に戻り、普段通りに振る舞う必要があった。これは、感情を押し殺すことにつながります。
• 専門職としての経験： 介護職としての経験は、死に対するある程度の「慣れ」を生み出す可能性があります。しかし、それは冷たさではなく、現実を受け止め、前に進むための自己防衛かもしれません。

あなたの感情は、これらの要素が複雑に絡み合った結果として生じているのです。自分を責めるのではなく、「今はこういう感情なんだ」と受け止めることが、第一歩です。

2. 感情の整理：段階的なプロセスを理解する

喪失感は、段階的なプロセスを経ることがあります。エリザベス・キューブラー＝ロスが提唱した「死の受容」の五段階（否認、怒り、取引、抑うつ、受容）は、喪失感にも当てはまります。しかし、このプロセスは必ずしも順番通りに進むわけではなく、人によって、また状況によって、様々な形で現れます。

あなたが現在感じている「実感のなさ」は、初期段階の「否認」に近いかもしれません。これは、現実を受け入れるための自然な反応です。時間が経つにつれて、他の感情が湧き上がってくることもありますし、そうでないこともあります。焦らず、自分のペースで感情と向き合うことが大切です。

感情の整理を助けるために、以下の方法を試してみてください。

• 日記をつける： 自分の気持ちを言葉にすることで、感情を客観的に見つめることができます。
• 信頼できる人に話す： 家族、友人、同僚、または専門家（カウンセラーなど）に話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になることがあります。
• 心身のケア： 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、心の健康を保つために重要です。
• 故人を偲ぶ時間： 写真を見たり、思い出の品を手に取ったり、故人の好きだった場所を訪れたりすることで、故人とのつながりを感じ、感情を整理することができます。

3. 介護職としての葛藤：プロフェッショナルとしての自分と、家族としての自分

介護職として、あなたは多くの死に立ち会い、ご家族の悲しみに寄り添ってきました。その経験は、プロフェッショナルとしてのあなたを形作っています。しかし、今回は、あなたが家族という立場になったことで、これまでの経験とは異なる感情を抱えていることに、戸惑いを感じているのでしょう。

この葛藤を乗り越えるためには、以下の点を意識することが重要です。

• プロフェッショナルと個人の感情の分離： 仕事中はプロとして、感情をコントロールし、ご家族に寄り添う。しかし、個人的な感情を否定せず、受け止める時間を持つ。
• 自己肯定感を高める： 介護職としてのあなたの経験は、かけがえのないものです。多くの人の支えとなっていることを自覚し、自分を褒めてあげてください。
• 境界線を引く： 仕事とプライベートの境界線を明確にし、休息時間を確保する。
• 仲間との連携： 同じような経験を持つ同僚と話すことで、共感を得て、孤独感を和らげることができます。

4. 周囲との関係：理解を求めること、そして受け入れること

同僚に事情を話していないとのことですが、もし可能であれば、信頼できる人にだけ、あなたの状況を打ち明けてみても良いかもしれません。理解を得ることで、気持ちが楽になることがあります。しかし、無理に話す必要はありません。あなたのペースで、周囲との関係を築いていくことが大切です。

周囲の反応は、人それぞれです。理解を示してくれる人もいれば、そうでない人もいるかもしれません。しかし、それはあなたの価値を左右するものではありません。自分の感情を大切にし、自分を責めないことが重要です。

また、母との関係性も大切にしてください。喪主として忙しい母を支え、寄り添うことで、あなた自身の心のケアにもつながります。

5. 仕事への影響：父から学んだことを活かす

あなたは、父の姿から学んだことを仕事に活かしたいと考えています。これは、素晴らしいことです。父との経験を糧に、より良い介護を提供することは、あなたにとって大きな意味を持つはずです。

具体的には、以下のようなことを意識してみてください。

• 共感力を高める： ご家族の気持ちを理解し、寄り添う姿勢を大切にする。
• コミュニケーション能力を向上させる： ご家族とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築く。
• 専門知識を深める： 介護に関する知識や技術を向上させ、質の高いケアを提供する。
• 自己研鑽を続ける： 常に学び続ける姿勢を持ち、自己成長を目指す。

父との経験は、あなたをさらに成長させ、介護職としてのあなたの価値を高めるでしょう。

6. 未来への一歩：自分を大切に、前へ進む

喪失感から立ち直る道は、人それぞれです。焦らず、自分のペースで、感情と向き合い、自分を大切にすることが重要です。そして、父から学んだことを胸に、前へ進んでいきましょう。

もし、どうしても辛い気持ちが続くようであれば、専門家のサポートを求めることも検討してください。カウンセリングやセラピーは、あなたの心の負担を軽減し、より良く生きていくための力となります。

あなたは決して一人ではありません。あなたの気持ちを理解し、支えてくれる人が必ずいます。そして、あなたは必ず乗り越えることができます。

7. 成功事例：乗り越えた人たちの声

多くの人が、大切な人を亡くした経験から、深い悲しみや喪失感を乗り越えてきました。以下に、その一部をご紹介します。

• Aさんの場合： 夫を病気で亡くしたAさんは、当初、深い絶望感に襲われました。しかし、カウンセリングを受け、自分の感情と向き合うことで、徐々に現実を受け入れられるようになりました。Aさんは、夫との思い出を大切にしながら、新しい生活を歩み始めています。
• Bさんの場合： 介護職として働くBさんは、父親を亡くし、感情の整理がつかない状態でした。同僚に相談し、自分の気持ちを打ち明けることで、孤独感から解放されました。Bさんは、父親との思い出を胸に、これからも介護の仕事を続けていく決意をしています。
• Cさんの場合： 若くして母親を亡くしたCさんは、悲しみを乗り越えるために、ボランティア活動を始めました。他の人の役に立つことで、自分の心の傷を癒し、前向きな気持ちを取り戻しました。

これらの事例からわかるように、喪失感の乗り越え方は、人それぞれです。大切なのは、自分の感情と向き合い、自分に合った方法で、悲しみを乗り越えようとすることです。

8. 専門家の視点：心のケアの重要性

専門家である私は、喪失感に苦しむ多くの人々を支援してきました。その経験から言えることは、心のケアは非常に重要であるということです。喪失感は、心身に大きな影響を与える可能性があります。放置しておくと、うつ病や不安障害などの精神疾患につながることもあります。

専門家は、あなたの感情に寄り添い、適切なアドバイスやサポートを提供します。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも検討してください。

以下に、専門家が提供できるサポートの例を挙げます。

• カウンセリング： 感情の整理、問題解決、ストレス軽減など、心のケアを行います。
• 精神療法： 精神的な問題を抱えている場合に、専門的な治療を行います。
• グループセラピー： 同じような経験を持つ人々と交流し、共感を得ることができます。
• 薬物療法： 必要に応じて、精神科医が薬を処方します。

9. 実践的なアドバイス：今日からできること

最後に、今日からできる具体的なアドバイスをまとめます。

• 自分の感情を認める： 悲しみがない、という感情も、あなたの感情です。否定せず、受け入れましょう。
• 日記をつける： 自分の気持ちを言葉にすることで、感情を整理することができます。
• 休息をとる： 十分な睡眠と休息は、心身の健康を保つために重要です。
• 信頼できる人に話す： 家族、友人、同僚、または専門家に話を聞いてもらいましょう。
• 趣味や好きなことに取り組む： 気分転換になるような活動をしましょう。
• 軽い運動をする： ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。
• 専門家のサポートを検討する： 必要に応じて、カウンセリングやセラピーを受けましょう。
• 故人を偲ぶ時間を作る： 写真を見たり、思い出の品を手に取ったりして、故人とのつながりを感じましょう。
• 焦らない： 喪失感から立ち直るには時間がかかります。焦らず、自分のペースで進みましょう。
• 自分を大切にする： 自分の心と体を大切にしてください。

これらのアドバイスを参考に、少しずつでも前に進んでいきましょう。あなたの心が少しでも軽くなることを願っています。

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