要介護3相当でも大丈夫？デイサービス利用とキャリアプラン、専門家が徹底解説

今回は、介護保険の申請前でありながら、すでに要介護3相当の状態にある方のデイサービス利用に関するご相談にお答えします。ご本人の状態や、受け入れ体制、相談窓口について、具体的なアドバイスをさせていただきます。

介護認定はまだの65歳です。

ネットのチェックテストでは要介護3と出ました。

現在の状態は下記のとおりです。

• 一人での歩行が非常に不安定
• ベッドからの起き上がり不可
• 衣服の脱衣は介助が必要
• お風呂とトイレはなんとか一人で可能
• 言葉が不明瞭
• 認知機能は問題なし

介護認定をとってリハビリができるようなデイサービスに通わせたいのですが、このような状態でも受け入れてもらえるのでしょうか？

受け入れてもらえた場合、どなたか付きっきりにでないといつ転倒するか分からないすごく危ない状態なのですが、付きっきりでケアしてもらえるのでしょうか？

最後に、このような相談はどこにしたら良いのでしょうか？区役所？それとも、デイサービス施設直接聞いてみないといけないのでしょうか？

質問ばかりですみません。よろしくお願いします。

はじめに：状況の整理と、デイサービス利用への道筋

ご相談ありがとうございます。65歳で介護保険の申請前とのことですが、すでに身体的な負担が大きく、デイサービスを利用したいというお気持ち、大変よく分かります。まずは、現状の状況を整理し、デイサービス利用への道筋を具体的に見ていきましょう。

ご相談者様の状況は、歩行が不安定、起き上がりが困難、着替えに介助が必要、言葉が不明瞭であるなど、日常生活において多くの困難を抱えていることが伺えます。一方で、認知機能に問題がないことは、今後のリハビリや生活の質を維持する上で非常に重要です。

デイサービスを利用するためには、まず介護保険の申請を行う必要があります。介護保険の申請は、お住まいの市区町村の窓口で行います。申請後、訪問調査が行われ、その結果に基づいて介護度が認定されます。認定結果が出るまでには、通常1ヶ月程度の期間を要します。

介護保険の申請と並行して、デイサービスを探し始めることができます。しかし、現時点では介護度が認定されていないため、受け入れ可能な施設は限られる可能性があります。まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

ステップ1：介護保険申請と認定までの流れ

デイサービスを利用するための第一歩は、介護保険の申請です。このプロセスをスムーズに進めるための具体的なステップを解説します。

1. 申請手続き

お住まいの市区町村の介護保険窓口で申請を行います。申請には、本人確認書類（身分証明書など）が必要です。申請書は窓口で入手できます。

2. 訪問調査

申請後、市区町村の職員または委託された調査員が自宅を訪問し、心身の状態や生活状況について聞き取り調査を行います。この調査結果が、介護度の判定に大きく影響します。

3. 主治医意見書

主治医に、心身の状態に関する意見書作成を依頼します。主治医意見書は、訪問調査の結果と合わせて、介護度の判定に用いられます。

4. 介護認定審査会

訪問調査の結果、主治医意見書をもとに、介護認定審査会で介護度が審査されます。審査の結果は、申請者に通知されます。

5. 介護保険証の発行

介護度が認定されると、介護保険証が発行されます。この保険証を使って、デイサービスなどの介護サービスを利用することができます。

ステップ2：デイサービス選びのポイント

介護保険の申請と並行して、デイサービスを探し始めることが重要です。しかし、ご自身の状態に合ったデイサービスを見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

1. 受け入れ体制の確認

ご相談者様のように、歩行が不安定で、介助が必要な状態の場合、受け入れ体制が整っているデイサービスを選ぶことが重要です。具体的には、以下のような点を確認しましょう。

• 看護師の配置：常勤の看護師が配置されているか、医療的なケアが必要な場合に適切な対応ができるかを確認しましょう。
• 介護職員の配置：十分な数の介護職員が配置されているか、手厚い介護を受けられるかを確認しましょう。
• リハビリ体制：理学療法士や作業療法士などの専門職が配置されているか、リハビリプログラムが充実しているかを確認しましょう。
• 送迎サービス：自宅までの送迎サービスがあるか、安全に送迎してもらえるかを確認しましょう。

2. 施設の雰囲気

デイサービスは、ご本人が毎日過ごす場所です。施設の雰囲気も、重要な要素です。見学に行き、施設の清潔さ、明るさ、スタッフの対応などを確認しましょう。

3. サービス内容

デイサービスによって、提供されるサービス内容が異なります。ご自身のニーズに合ったサービスを提供している施設を選びましょう。例えば、入浴サービス、食事サービス、レクリエーション、リハビリなどがあります。

4. 利用料金

介護保険を利用すると、利用料金の一部を自己負担することになります。自己負担額は、所得によって異なります。事前に、利用料金を確認しておきましょう。

ステップ3：相談窓口の活用

デイサービスに関する相談は、どこにすれば良いのでしょうか。適切な相談窓口を活用することで、スムーズに問題解決に進むことができます。

1. 地域包括支援センター

お住まいの地域の地域包括支援センターは、介護に関する総合的な相談窓口です。介護保険の申請手続き、デイサービスの情報提供、介護に関する悩み相談など、様々なサポートを受けることができます。

2. ケアマネジャー

介護保険の申請後、ケアマネジャー（介護支援専門員）が決定されます。ケアマネジャーは、ご本人の状況に合わせて、ケアプランを作成し、介護サービスの利用を支援します。デイサービス選びについても、相談することができます。

3. デイサービス施設

気になるデイサービスがあれば、直接施設に問い合わせて、相談することもできます。施設の担当者から、詳しい説明を受けることができます。見学を申し込むことも可能です。

ステップ4：具体的な行動計画

ここまでの情報を踏まえ、具体的な行動計画を立てましょう。以下に、ステップごとの具体的な行動をまとめました。

1. 介護保険の申請

お住まいの市区町村の介護保険窓口で、介護保険の申請を行います。申請に必要な書類を準備し、窓口で手続きを行いましょう。

2. 情報収集

地域包括支援センターに相談し、デイサービスに関する情報を収集します。インターネットや地域の情報誌などを活用して、気になるデイサービスを探しましょう。

3. デイサービスの選定

気になるデイサービスを見つけたら、見学に行き、施設の雰囲気やサービス内容を確認しましょう。ご自身の状況に合ったデイサービスを選びましょう。

4. 契約と利用開始

利用したいデイサービスが決まったら、契約手続きを行い、利用を開始しましょう。ケアマネジャーと相談しながら、ケアプランを作成し、適切なサービスを受けましょう。

ステップ5：デイサービス利用開始後の注意点

デイサービスを利用し始めてからも、いくつかの注意点があります。これらの点に注意することで、より快適な生活を送ることができます。

1. 定期的な情報共有

デイサービスのスタッフと、ご本人の状態について定期的に情報共有を行いましょう。体調の変化や、気になることがあれば、すぐに相談しましょう。

2. ケアプランの見直し

ケアプランは、定期的に見直す必要があります。ご本人の状態やニーズに合わせて、ケアプランを調整しましょう。ケアマネジャーと相談しながら、適切なケアプランを作成しましょう。

3. 家族のサポート

ご家族は、ご本人の生活を支える重要な存在です。デイサービスとの連携を密にし、ご本人の生活をサポートしましょう。必要に応じて、家族も介護に関する知識やスキルを身につけましょう。

専門家からのアドバイス

介護保険の申請前であっても、デイサービスを利用できる可能性はあります。まずは、地域包括支援センターに相談し、状況を詳しく説明しましょう。施設の受け入れ体制や、ご本人の状態によっては、体験利用ができる場合もあります。諦めずに、積極的に情報収集し、行動することが大切です。

また、ご本人の状態に合わせて、適切な介護サービスを利用することが重要です。デイサービスだけでなく、訪問介護や、訪問看護などのサービスも検討しましょう。ケアマネジャーと相談しながら、最適なサービスを組み合わせ、より良い生活を送れるようにしましょう。

今回のケースでは、歩行が不安定で、転倒のリスクが高いことが懸念されます。デイサービスを選ぶ際には、転倒予防に配慮した施設を選びましょう。例えば、床が滑りにくい素材でできている、手すりが設置されている、スタッフが常に目を配っているなどの施設がおすすめです。

言葉が不明瞭であることについては、コミュニケーションを円滑にするための工夫が必要です。デイサービスのスタッフに、ご本人のコミュニケーション方法を共有し、理解を深めてもらいましょう。筆談や、絵カードなどのツールを活用することも有効です。

認知機能に問題がないことは、非常に大きな強みです。リハビリやレクリエーションを通して、認知機能を維持し、生活の質を向上させることができます。デイサービスでは、様々なレクリエーションプログラムが提供されています。ご本人の興味や関心に合わせて、積極的に参加してみましょう。

最後に、介護は、ご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな負担となることがあります。一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、無理のない範囲で介護を行いましょう。地域包括支援センターや、ケアマネジャーなどの専門家は、あなたの強い味方です。積極的に相談し、サポートを受けながら、より良い生活を送れるようにしましょう。

まとめ

今回の相談者様のように、介護保険の申請前であっても、デイサービスを利用できる可能性は十分にあります。まずは、地域包括支援センターに相談し、状況を詳しく説明しましょう。そして、ご自身の状態に合ったデイサービスを選び、積極的に利用することで、より快適な生活を送ることができます。

介護は、一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、無理のない範囲で行うことが大切です。専門家のアドバイスを受けながら、ご本人とご家族が笑顔で過ごせるように、サポート体制を整えましょう。

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