80代母親の認知機能低下と向き合う方法｜専門家による具体的なアドバイス

別居する80代の母親ですが、数年前から記憶力や判断力が衰え、最近は同じ事を何度も聞いてきたり、10分ぐらい前に聞かされた話をまた聞かされたりという状況です。幸いな事に体はまだ元気で、身の回りの事や買い物に 出かけるのは問題ありませんが、役所や金融機関から届く書類の内容は理解出来ていないようです。わからない事はいつでも電話して聞いて欲しい、面倒な事務処理は代わりにやるから、と言っても真面目に聞いてくれません。まだまだ自分の事は自分でやれる、というプライドがあり他人や施設の助けを借りようという気は全く見えません。しかし、認知機能は日々確実に衰えており、これから母とどのように向き合えばよいかわからなくなってきました。同じような体験をされた方、このような事態で、まずやるべき事は何でしょうか？

80代のお母様の認知機能の低下、そしてご自身の葛藤、大変お辛い状況だとお察しします。ご心配されている気持ち、よく分かります。多くの高齢者は、自立への強いこだわりから、助けを求めることをためらいます。プライドを傷つけずにサポートしていくためには、専門家の知見と、具体的な行動計画が不可欠です。この記事では、転職コンサルタントとしての経験を活かし、お母様との良好な関係を維持しながら、適切な支援につなげるためのステップを、具体的な事例を交えながらご説明します。

ステップ１：現状の把握と専門家への相談

まず、お母様の認知機能の低下度合いを正確に把握することが重要です。そのためには、専門医による診察が必須です。軽度認知障害（MCI）やアルツハイマー型認知症などの診断を受けることで、適切なケアプランを立てることができます。近くの精神科医や神経内科医に相談し、認知機能検査を受けてみましょう。検査結果に基づき、医師から具体的なアドバイスや、介護サービスの利用について相談できます。

具体的な行動：

• 地域の高齢者相談窓口に連絡し、医療機関の紹介を受ける。
• かかりつけ医に相談し、専門医への紹介状を依頼する。
• 認知症専門医がいる医療機関を検索する。

ステップ２：お母様のプライドを尊重したコミュニケーション

お母様の「自分のことは自分でやる」というプライドを尊重することが、今後のケアにおいて非常に重要です。直接的な援助を申し出ると反発される可能性が高いので、まずは寄り添う姿勢を示すことが大切です。例えば、一緒に買い物に行き、必要なものを一緒に選ぶ、など、さりげないサポートから始めましょう。

具体的なコミュニケーション例：

• 「お母さん、今日は一緒に買い物に行きましょうか？何か必要なものありますか？」
• 「最近、役所からの書類が多くて大変そうね。一緒に見てみましょうか？」（書類の内容を理解するのを手伝う、ではなく、一緒に「見る」という姿勢が重要です）
• 「何か困ったことがあったら、いつでも電話してね。無理しないでね。」（常にサポート体制を示す）

ステップ３：具体的な問題解決と支援体制の構築

役所や金融機関からの書類への対応が困難な場合、成年後見制度の利用を検討しましょう。成年後見人は、お母様の財産管理や契約締結などを代理で行うことができます。また、介護サービスの利用も検討しましょう。訪問介護やデイサービスなど、お母様の状況に合わせたサービスを選ぶことが可能です。これらのサービスは、お母様の自立を支援するものであり、プライドを傷つけるものではありません。

成功事例：

以前、私のクライアントのお母様も同様の状況にありました。最初は成年後見制度の利用に抵抗がありましたが、丁寧に説明し、将来的なリスクを理解していただくことで、最終的には制度を利用することに同意されました。結果、お母様の財産を守りながら、安心して生活できる環境を整えることができました。

具体的な行動：

• 地域包括支援センターに相談し、成年後見制度や介護サービスについて情報収集する。
• 弁護士や司法書士に相談し、成年後見制度の手続きについてアドバイスを受ける。
• 介護サービス事業者に連絡し、訪問介護やデイサービスなどの内容を比較検討する。

ステップ４：ご自身のメンタルヘルスのケア

お母様の介護は、ご自身にとっても大きな負担となります。定期的な休息を取り、ストレスをため込まないように心がけましょう。必要であれば、精神科医やカウンセラーに相談することも検討してください。ご自身のメンタルヘルスをケアすることで、お母様へのケアもより効果的になります。

具体的な行動：

• 週に一度は、趣味の時間や休息時間を確保する。
• 友人や家族に相談し、気持ちを共有する。
• 必要に応じて、メンタルヘルスの専門家に相談する。

まとめ

80代のお母様の認知機能低下への対応は、専門家の協力を得ながら、お母様のプライドを尊重し、段階的に進めていくことが大切です。現状を正確に把握し、適切な支援体制を構築することで、お母様とご自身が安心して暮らせる未来を築くことができるでしょう。まずは、地域の相談窓口や医療機関に相談し、一歩ずつ進んでいきましょう。

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