高齢者の退院支援と家族間の意思疎通：車椅子透析患者である母の退院問題

救急病院に入院している母についてです。 もともと車椅子透析患者で、介護一級です。 腰骨骨折し入院して、退院してほしいと病院側から言われた。 まだ車椅子に乗り移れず、リハビリ病院に転院する手配をしているが本人が痴呆でもないのにケースワーカーが父親と勝手にリハビリ病院を決めたりしている。 患者である母本人は、家に一度退院したいのが希望であるが、父が無理と言って聞き入れてもらえず、説明もされない為、母の不満と不信感が収まらないです。 長女の私は嫁に遠方に出ており、妹が父母と同居しているが妹と父が結託している。 どうしたら、良いものか母が可哀想で悩みます。 病院のことなど詳しくなく、よいアドバイスはありますか？

このケースは、高齢者の退院支援における家族間の意思疎通の難しさ、そして医療機関と家族間の連携不足が浮き彫りになっている典型的な事例です。ご心配されているお気持ち、痛いほど分かります。まず、落ち着いて、一つずつ問題を整理していきましょう。ご自身の状況を踏まえ、具体的なアドバイスをさせていただきます。

１．現状の整理と問題点の特定

現状を整理すると、以下の問題点が挙げられます。

• 問題１：患者の意思尊重の欠如

お母様は自宅への一時退院を希望されているにも関わらず、ご父親とケースワーカーによってリハビリ病院への転院が一方的に決定されています。これは、患者の自己決定権（意思決定権）を尊重していない重大な問題です。高齢者の尊厳を保つ上で、意思決定への参加は不可欠です。

• 問題２：家族間の意思疎通の不全

ご父親と妹さんが連携し、ご自身の意見が反映されない状況です。家族間のコミュニケーション不足が、問題を複雑化させています。介護における家族間の協力体制の構築は、非常に重要です。

• 問題３：医療機関と家族間の連携不足

ケースワーカーがご父親とだけでリハビリ病院を決めている点から、医療機関とご家族全体との十分な情報共有や意思疎通が図られていないことが分かります。これは、適切な退院支援を行う上で大きな障害となります。

• 問題４：情報不足

ご自身も病院のシステムや手続きに詳しくないため、適切な対応が難しい状況です。医療・介護制度に関する知識の不足は、問題解決を困難にします。

２．具体的な解決策

では、具体的な解決策を提案します。まず、ご自身が遠方に住んでいることを考慮し、以下のステップで進めていきましょう。

1. 情報収集と理解を深める

まずは、お母様の状態、リハビリ病院の選定基準、退院後の生活支援について、詳細な情報収集が必要です。病院のソーシャルワーカーやケースワーカーに直接連絡を取り、現状の説明と疑問点を解消しましょう。また、介護保険制度や地域包括支援センターなどの情報も入手し、理解を深めてください。インターネット検索や自治体のホームページも活用できます。

2. 家族会議の開催

ご家族全員で話し合う場を設けましょう。妹さん、ご父親と直接話し合い、お母様の意思を尊重した上で、具体的な退院プランを話し合うことが重要です。感情的にならず、冷静にそれぞれの意見を聞き、共通の目標を見つけることが大切です。必要であれば、外部の専門家（医療ソーシャルワーカーや弁護士など）に相談することも有効です。

3. 第二の意見を求める

現在の病院の判断に疑問がある場合は、セカンドオピニオンを求めることを検討しましょう。他の医療機関の医師に診てもらい、お母様の状態や治療方針について、別の意見を聞くことで、より客観的な判断ができます。セカンドオピニオンは、患者さんの権利として認められています。

4. 弁護士への相談

家族間の意見がどうしてもまとまらない場合、または、お母様の意思が尊重されない状況が続いている場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、法律的な観点からアドバイスをくれます。特に、成年後見制度の利用も視野に入れて相談することをお勧めします。

5. 地域包括支援センターの活用

地域包括支援センターは、高齢者の介護に関する相談窓口です。専門の相談員が、介護サービスの利用方法や、家族間の問題解決についてアドバイスしてくれます。積極的に活用しましょう。

３．成功事例と専門家の視点

以前、同様のケースで、ご家族が全員で話し合い、お母様の希望を尊重した退院プランを作成し、地域包括支援センターの協力を得ながら、在宅介護を実現した事例がありました。その際には、ご家族がそれぞれの役割を明確にし、定期的に情報共有を行うことで、スムーズな連携体制が構築されました。専門家のアドバイスを受けることで、家族間の摩擦を軽減し、より良い解決策を見つけることができたのです。

４．まとめ

お母様の状況は、ご家族の協力と、医療機関との連携が不可欠です。ご自身の意見をしっかりと伝え、お母様の意思を尊重した上で、冷静に問題解決に取り組んでいきましょう。一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用することが大切です。まずは、病院のソーシャルワーカーに連絡を取り、状況を説明し、サポートを依頼することから始めましょう。そして、ご家族で話し合い、お母様にとって最善の選択をしましょう。

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