親の認知症と生活保護申請：成年後見人制度と代替手段の検討

親の生活保護の申請、および成年後見人制度について 施設に入居中の両親の貯金がもう数年でなくなります。 この先、生活保護の申請を考えていますが（決して生活保護を安易に考えているわけでは無い事をご理解ください）親が2人とも認知症の為家が処分できずこのままでは生活保護の申請はできません。 この場合のとれる手段としては、成年後見人を立てて家を処分し、そののち生活保護を申請する、ということでよいのでしょうか。また、これしかできる事はないのでしょうか。 成年後見人制度は勉強しました。私が指名されるとは限らず、他の方が指名された場合私の考えの通り動いてもらえないかもしれない等問題点も多い事がわかり制度の利用にかなり慎重になっています。しかし他に手段がない場合には申請から指名までの時間もそれなりにかかりそうで早めに準備が必要と思いこちらの質問をさせて頂いた次第です。 以下、当方の状況です。 ・私は会社員、50歳男性既婚、一人っ子です。妻は身障者、親戚はみんな遠方なので両親の介護は自宅介護含めて10年以上実質私一人でしてきました。 ・両親（父83、母80）は認知症と体の衰えで３年ほど前から民間の施設に入居。父が最近要介護３となった為、特養の申し込みを準備中。 ・両親は自営だった為年金は少なく、貯金は今のペースだとあと２年ほどで無くなります。 ・介護が10年以上の長期になっており、また私も自分の老後の準備をしないといけない歳になりこれ以上両親に金銭的にも体力的にも注力できません。 上にも記しましたが、決して生活保護を安易に考えているわけではありません。そこについては何卒ご理解を頂きたくお願いします。 状況から他のとれる手段がありましたらお教え頂けるととてもありがたいです。 何卒、よろしくお願い致します。

50代男性、会社員であるご相談者様は、認知症を患うご両親の介護を10年以上担い、ご自身の老後も考慮し、今後の生活費確保に頭を悩ませています。ご両親の貯金があと2年で底をつき、生活保護申請を検討されていますが、認知症のためご自宅の処分が難しく、成年後見人制度の利用を検討されているようです。しかし、成年後見人制度の利用には、ご自身の意向と異なる判断が下される可能性など、懸念点もお持ちです。

ケーススタディ：10年超の介護と生活保護申請

ご相談者様は、長年ご両親の介護を一人で担ってきたという大変な状況下にあります。ご自身の健康や老後への備えも必要でありながら、ご両親の生活費の確保という大きな課題に直面しています。このケースは、高齢化社会における多くの家族が抱える現実を反映しており、経済的な負担と介護負担の両面から、生活保護申請という選択肢を真剣に検討せざるを得ない状況を表しています。 このような状況下では、ご自身の精神的な負担も相当なものと考えられます。専門家のサポートを受けることで、ご自身の負担を軽減し、より良い解決策を見つけることが重要です。

まず、成年後見人制度を利用する前に、他の選択肢を検討することが重要です。

• 財産管理委任契約：ご自身がご両親の財産管理を委任する契約を締結する方法です。成年後見人制度のように裁判所の許可は不要で、手続きが比較的簡単です。ただし、ご両親の認知症の程度によっては、契約締結が困難な場合もあります。
• 家族信託：ご両親の財産を信託し、受託者（ご自身や信頼できる人物）に管理を委任する方法です。成年後見人制度よりも柔軟な運用が可能で、ご自身の意向を反映しやすいというメリットがあります。しかし、専門家のアドバイスが必要となるため、費用がかかる可能性があります。
• 民間の介護相談支援事業所への相談：介護に関する様々な相談を受け付けており、生活保護申請の手続きや、他の経済的な支援策についてもアドバイスを受けることができます。専門家の視点から、最適な解決策を提案してもらえます。
• 福祉事務所への相談：生活保護申請に関する具体的な手続きや、申請に必要な書類、その他必要な情報を丁寧に教えてもらえます。また、申請後の生活についてもサポートを受けることができます。

これらの選択肢を検討することで、成年後見人制度に頼らず、ご両親の生活費を確保し、ご自宅の処分もスムーズに進められる可能性があります。特に、家族信託は、ご自身の意向を最大限に反映できる制度として注目されています。専門家と相談しながら、最適な方法を選択することが重要です。

成年後見人制度のメリットとデメリット

成年後見人制度は、判断能力が不十分な人のために、財産管理や身上監護を行う制度です。メリットとしては、裁判所の監督下にあるため、財産管理の透明性が高く、不正が行われるリスクが低い点が挙げられます。しかし、デメリットとして、手続きが複雑で時間がかかること、ご自身の意向と異なる判断が下される可能性があることなどが挙げられます。

成年後見人の選任には、家庭裁判所への申し立てが必要となり、審査に時間がかかる場合があります。また、選任された成年後見人が、必ずしもご自身の希望通りに動いてくれるとは限りません。そのため、成年後見人制度を利用する際には、事前に十分な準備と検討が必要です。例えば、成年後見人候補者と事前に話し合い、ご自身の意向を伝えることが重要です。

具体的なアドバイスと成功事例

まず、ご自身の状況を整理し、優先順位を明確にすることが重要です。ご両親の生活費の確保、ご自宅の処分、ご自身の老後への備えなど、複数の課題を抱えているため、一つずつ解決していく必要があります。 それぞれの課題に対して、専門家のアドバイスを受けながら、最適な解決策を見つけ出すことが重要です。

例えば、民間の介護相談支援事業所や弁護士、司法書士などに相談することで、ご自身の状況に合わせた具体的なアドバイスを得ることができます。また、福祉事務所に相談することで、生活保護申請に関する手続きや、申請に必要な書類、その他必要な情報を丁寧に教えてもらえます。

成功事例としては、家族信託を活用して、ご自身の意向を反映させながら、ご両親の財産管理を行い、スムーズに生活保護申請まで進めたケースがあります。家族信託は、専門家のアドバイスが必要となりますが、ご自身の意向を反映しやすい制度であるため、多くのメリットがあります。

また、成年後見人制度を利用する際には、事前に候補者と十分に話し合い、ご自身の意向を伝えることが重要です。信頼できる人物を選任することで、ご自身の不安を軽減することができます。

チェックリスト：生活保護申請に向けた準備

• □ ご両親の年金・貯蓄状況の確認
• □ ご自宅の評価額の確認
• □ 介護サービスの利用状況の確認
• □ 福祉事務所への相談
• □ 弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナーへの相談
• □ 成年後見人制度に関する情報の収集
• □ 家族信託に関する情報の収集

上記のチェックリストを参考に、一つずつ準備を進めていきましょう。専門家のアドバイスを受けることで、よりスムーズに手続きを進めることができます。決して一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら、問題解決に取り組んでください。

まとめ：ご両親の介護と生活費の確保という困難な状況の中、ご相談者様は、ご自身の限界を感じながらも、ご両親への愛情と責任感から最善を尽くそうとしています。成年後見人制度は一つの選択肢ですが、財産管理委任契約や家族信託、専門家への相談など、他の選択肢も検討することで、より適切な解決策が見つかる可能性があります。焦らず、一つずつ課題を解決していくことで、ご自身とご両親にとって最善の未来を築いていけるよう、応援しています。

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