要介護1の母、デイケアでの問題行動…どうすれば？｜認知症ではない母の対応策
要介護1の母、デイケアでの問題行動…どうすれば？｜認知症ではない母の対応策
デイケアにおける高齢者の問題行動、特に認知症ではない場合の対応は非常に難しい課題です。ご心配されているお気持ち、よく分かります。今回は、ご質問にあるケースを元に、具体的な解決策を探っていきましょう。まず、ご質問を整理すると、以下の３つの問題点が挙げられます。
- 送迎バスのドライバーさんへの菓子の提供：施設利用者様の行動による迷惑行為
- デイケア施設内での菓子の大量摂取：施設利用者様の行動によるルール違反
- リハビリにおける不正行為：他利用者様とのトラブルに発展
これらの問題行動は、単なるいたずらではなく、何かしらの欲求不満やコミュニケーションの不足が背景にある可能性が高いです。認知症ではないとはいえ、高齢者の身体的・精神的な変化、社会的な孤立感などが影響していると考えられます。
ケーススタディ：母の問題行動と解決策
まずは、それぞれの問題行動について、個別にケーススタディとして見ていきましょう。そして、具体的な解決策を提案します。
1. 送迎バスのドライバーさんへの菓子の提供
これは、母がドライバーさんに好意を示している、もしくは何かを伝えたいという意思表示の可能性があります。直接的なコミュニケーションが難しい状況下での、母なりの表現方法かもしれません。解決策としては、
- デイケア施設とバス会社に連携を強化してもらう：母がドライバーさんに何かを渡そうとした際に、施設職員が優しく制止し、代わりに「本日はありがとうございました」と感謝の言葉を伝えるように依頼する。
- 母に代替行動を促す：例えば、小さな手作りのプレゼントを用意し、デイケアで職員に渡し、ドライバーさんへの感謝の気持ちを伝えるように促す。これにより、お菓子を渡す行為を別の行動に置き換えることができます。
- 母とコミュニケーションを取る：なぜお菓子を渡したがるのか、その理由を丁寧に聞き出す。何か伝えたいことがあるのかもしれません。
2. デイケア施設内での菓子の大量摂取
これは、空腹感、もしくは注意欠陥による可能性があります。また、お菓子が母にとっての安心材料になっている可能性も考えられます。解決策としては、
- 食事内容の見直し：朝食をしっかり食べさせることは重要です。しかし、強制は逆効果になる可能性があります。母が喜んで食べるものを探したり、少量でも栄養価の高い食事を工夫する必要があります。管理栄養士などに相談してみるのも良いでしょう。
- お菓子の管理方法の改善：菓子鉢ではなく、個包装のお菓子を少量ずつ提供する。もしくは、お菓子ではなく、他の嗜好品（飲み物など）を用意する。
- 職員との連携：職員に、母の様子を細かく観察してもらい、お菓子を食べる行動の背景を探る。何かストレスを抱えている可能性も考慮する。
3. リハビリにおける不正行為
これは、競争意識や承認欲求が背景にある可能性があります。他利用者との関係性も考慮する必要があります。解決策としては、
- リハビリの方法の見直し：競争を促すような方法ではなく、個々のペースで進められる方法に変更できないかデイケア施設に相談する。目標達成への過程を重視するリハビリ方法への変更を検討する。
- 他利用者との関係性の改善：他利用者とのトラブルを避けるため、職員に状況を説明し、適切な対応を依頼する。必要に応じて、グループワークではなく個別リハビリへの変更も検討する。
- 母への声かけ：リハビリへの取り組み方を褒めたり、励ましたりするなど、肯定的なフィードバックを増やすことで、不正行為へのモチベーションを下げる。
専門家の視点：認知症ではない高齢者の問題行動へのアプローチ
高齢者の問題行動は、必ずしも認知症が原因とは限りません。身体的な不調、精神的な不安定さ、社会的な孤立感など、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があります。そのため、問題行動そのものへの対処だけでなく、その背景にある原因を特定し、根本的な解決策を見つけることが重要です。専門家（医師、ケアマネージャー、精神科医など）に相談し、適切なアドバイスを受けることを強くお勧めします。
例えば、精神科医は、母の状態を詳しく診察し、うつ病や不安障害などの可能性を検討できます。ケアマネージャーは、デイケア以外の介護サービスの利用や、在宅介護支援プランの見直しなどをサポートしてくれます。医師は、身体的な不調がないかを確認し、必要に応じて薬物療法などの医療的な介入を検討します。
具体的なアドバイスと実践ステップ
1. **デイケア施設との密な連携:** 施設職員と定期的に連絡を取り、母の状態や問題行動について詳細な情報を共有しましょう。
2. **専門家への相談:** 医師、ケアマネージャー、精神科医など、適切な専門家に相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。
3. **母とのコミュニケーション:** 母とじっくり話し合い、問題行動の背景にある気持ちや欲求を理解しようと努めましょう。
4. **代替行動の提案:** 問題行動を別の、より適切な行動に置き換える方法を考えましょう。
5. **環境調整:** デイケア施設の環境や、母の生活環境を調整することで、問題行動を減らすことができるかもしれません。
6. **記録の保持:** 母の行動や、対応策、その効果などを記録することで、問題解決への取り組みを客観的に評価し、改善に役立てることができます。
成功事例：他施設での対応例
私の経験上、あるデイケア施設では、問題行動を起こす利用者に対して、個別対応プログラムを作成していました。そのプログラムでは、利用者の特性やニーズを詳細に分析し、個別の目標を設定。そして、その目標達成に向けて、職員が個別にサポートしていました。その結果、問題行動が減少するだけでなく、利用者のQOL（生活の質）も向上したという成功事例があります。
この事例からも分かるように、高齢者の問題行動への対応は、画一的な方法ではなく、個々の状況に合わせて柔軟に対応することが重要です。そして、専門家の力を借りながら、継続的に改善していくことが大切です。
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まとめ
要介護1の母がデイケアで問題行動を起こす場合、認知症ではないとしても、様々な要因が考えられます。解決策は、デイケア施設との連携強化、専門家への相談、母とのコミュニケーション、代替行動の提案、環境調整など多岐に渡ります。成功事例を参考に、個々の状況に合わせた柔軟な対応と継続的な改善が重要です。決して諦めずに、母と、そしてご自身のためにも、一歩ずつ解決に向けて進んでいきましょう。