介護老人保健施設（老健）の入所期間とケアプラン：89歳母のケースから考える

介護老人保健施設について質問です。８９歳の母です。パーキンソン病を患っていてリハビリしてもらう目的で６日に老人保健施設に入所しました。介護老人保健施設は３ケ月毎査定があると聞きました。継続と決まったらどの位まで入所しなければいけないのでしょうか。院長先生はじめ介護支援相談員さん達のお許すが出るまで入所が必要なのでしょうか。詳しく教えて下さい。補足追伸 ケアプランの計画は車椅子から立って一人でトイレに行けるようになるまでになっていますが目標に達成するまで入所が必要なのでしょうか。

89歳のお母様、パーキンソン病を患い、リハビリ目的で介護老人保健施設（老健）に入所されたとのこと、ご心配ですね。老健は、ご自宅での生活復帰を目指した短期リハビリを目的とした施設です。3ヶ月ごとの査定と、その後の入所期間について、詳しくご説明いたします。

老健の3ヶ月ごとの査定と入所期間について

介護老人保健施設では、3ヶ月ごとに利用者の状態や、リハビリの進捗状況などを評価する「3ヶ月ごとの査定」が行われます。これは、利用者の状態が変化した場合、適切なケアプランの見直しや、在宅復帰の可能性などを判断するために行われます。この査定の結果を受けて、継続利用の可否が決定されます。

しかし、「院長先生はじめ介護支援相談員さん達のお許しが出るまで」という表現は、少し誤解があるかもしれません。老健の入所期間は、利用者の方やご家族の意向だけで決まるものではありません。　査定の結果、リハビリ効果が見られ、在宅復帰の見込みがある場合は、原則として3ヶ月で退所となります。逆に、リハビリ効果が不十分で、さらに老健でのリハビリが必要と判断された場合は、継続利用が認められます。ただし、継続利用には上限があり、原則として2年間です。2年間を過ぎた場合は、他の介護サービス（特別養護老人ホームなど）への転換が必要になります。

重要なのは、「お許し」ではなく、利用者の方の状態と、ケアプランの目標達成度です。　ケアプランに記載されている目標（車椅子から立って一人でトイレに行けるようになる）を達成したからといって、必ずしも退所しなければならないわけではありません。目標達成後も、さらに状態を維持・向上させるためのリハビリが必要と判断されれば、継続利用が認められる可能性があります。逆に、目標を達成できなくても、状態が安定し、在宅復帰の見込みがあれば、退所となるケースもあります。

ケアプランと目標達成：具体的なアドバイス

お母様のケアプランは、「車椅子から立って一人でトイレに行けるようになる」ことを目標に設定されているとのことですが、これは具体的な目標であり、非常に良い出発点です。しかし、この目標達成だけが、老健での入所期間を決定する要素ではありません。

• 目標の現実性：89歳でパーキンソン病を患っているお母様にとって、この目標は達成できるレベルでしょうか？医師や理学療法士などの専門家と相談し、目標の難易度や達成可能性を改めて確認することが重要です。必要であれば、目標を修正する事も検討しましょう。
• 日常生活動作（ADL）の改善：トイレへの移動だけでなく、食事、着替え、入浴など、日常生活動作（ADL）全般の改善状況も評価されます。これらのADLの改善度合いも、継続利用の判断材料となります。
• 在宅復帰への準備：老健でのリハビリ期間中は、在宅復帰に向けた準備を進めることが大切です。例えば、自宅のバリアフリー化、介護用品の選定、介護サービスの利用計画などです。これらの準備状況も、査定の際に考慮されます。
• ご家族の負担：ご家族の介護負担も考慮されます。ご家族の状況を介護支援専門員にきちんと伝え、適切な支援を受けましょう。
• 定期的な面会とコミュニケーション：お母様と定期的に面会し、状態や気持ちの変化を把握しましょう。そして、介護スタッフやケアマネージャーと積極的にコミュニケーションを取り、ケアプランの見直しや、ご自身の不安などを相談しましょう。

成功事例：在宅復帰を実現したケース

以前、70代後半で脳梗塞の後遺症で老健に入所された方がいらっしゃいました。当初は車椅子での生活でしたが、老健での集中的なリハビリと、ご家族の献身的な協力により、杖を使って歩けるようになり、見事に在宅復帰を果たされました。このケースでは、目標達成だけでなく、ご家族の協力体制や、自宅環境の整備も大きな成功要因となりました。

専門家の視点：介護支援専門員からのアドバイス

介護支援専門員として、多くの高齢者の方々のケアプラン作成や、老健入所に関する相談を受けてきました。重要なのは、「目標達成」だけでなく、「ご本人にとって最善の生活環境」を追求することです。　老健はあくまで手段であり、目的は「より良い生活」です。ご家族と一緒に、お母様にとって何が一番幸せなのかを考え、介護支援専門員や医療スタッフと連携して、最適なケアプランを作成し、実行していくことが大切です。

まとめ

老健の入所期間は、3ヶ月ごとの査定によって決定されます。しかし、それは「お許し」の問題ではなく、お母様の状態やリハビリの進捗状況、在宅復帰の可能性などを総合的に判断した結果です。ケアプランの目標達成度も重要ですが、それ以上に、お母様の状態や、ご家族の状況、在宅復帰への準備状況などを総合的に判断して、継続利用の可否が決定されます。ご不安な点は、介護支援専門員や医師、看護師などに相談し、安心してケアを進めていきましょう。

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