寝たきり寸前の義母、介護拒否とプライド…どうすれば良い？認知症高齢者のケアと家族の心の支え方

一人暮らしだった８６歳の義母が、特養に入居しましたが、寝たきりの生活です。 認知症が進み、衣服管理、食事のしたく、排泄のコントロールはできず、汚れ物を隠したりしますが、歩行はかなりできますし、出されたものは自分で箸で食べられます。辻褄が合わないながら、口も達者です。 見舞いに行くと、いつも個室のベッドに横たわってうとうとしています。共有スペースでテレビをみたり、レクリエーションに参加したり、他の入居者と散歩に出たりすることは嫌います。自宅にいるときから、一日中茶の間に寝ている状態で、デイサービスも嫌って参加しませんでした。 認知症の進行とともに、自分は他の人とは違う階級？で特別扱いであるという気持ちが制御できないようです。実際は、預貯金も家も無く、特養の費用は減免措置を受けている状態ですが、プライドが高く介護拒否、帰宅願望があります。施設側では、大きい問題がなければ、放っておいてくれているようです。 私が心配なのは、寝たきりになるほど弱っていないのにこういう生活が続くと、体力がますますなくなって、認知症も悪化するのではということです。もう自然に任せて老衰するのを待つしかないのでしょうか。

８６歳、寝たきり寸前、認知症、介護拒否、プライド…多くの課題を抱えたご状況、ご心配な気持ち、よく分かります。ご義母様の状況は、多くの高齢者介護において見られる複雑な問題を凝縮したようなケースです。結論から言うと、「自然に任せる」のではなく、ご義母様の状態を理解した上で、適切なアプローチと継続的なケアが必要です。 この状況を改善するためには、ご義母様のプライドを傷つけずに、意欲を引き出し、少しでも活動的な生活を送れるようサポートすることが重要です。 以下、具体的なステップと、専門家の視点、成功事例を交えて解説します。

１．ご義母様の「特別扱い」の背景を探る

ご義母様の「自分は特別」という意識は、認知症による症状である可能性が高いです。しかし、その背景には、過去の経験や価値観が影響している可能性もあります。例えば、若い頃の社会的地位、家族関係、人生経験などが、現在の行動に影響を与えているかもしれません。 施設のスタッフや、もし可能であれば、ご義母様をよく知るご友人などに話を聞いてみることで、その背景を理解する手がかりが得られるかもしれません。 この理解が、今後のケアプラン作成に大きく役立ちます。

２．小さな成功体験を積み重ねる

寝たきりではないとはいえ、活動量が極端に少ない状態は、体力低下や認知症の悪化につながります。まずは、小さな目標を設定し、達成することで自信を取り戻すお手伝いをしましょう。例えば、

• 目標１：ベッドから少しだけ座る：最初は５分でも構いません。座ることを褒めて、達成感を味わってもらいましょう。
• 目標２：部屋の中を少し歩く：杖などを利用し、安全に配慮しながら、少しずつ歩行距離を伸ばしましょう。散歩ではなく、部屋の中を歩くことから始めます。
• 目標３：簡単な作業に参加する：折り紙や簡単な編み物など、ご義母様の興味を引く作業を見つけることで、認知機能の維持・向上を図りましょう。無理強いは禁物です。

これらの目標達成には、ご褒美を用意するのも効果的です。お気に入りの飲み物やお菓子、小さなプレゼントなど、ご義母様の喜びそうなものを用意しましょう。 重要なのは、無理強いせず、ご義母様のペースに合わせて進めることです。小さな成功体験を積み重ねることで、自信を取り戻し、活動意欲を高めることができます。

３．施設スタッフとの連携を強化する

特養のスタッフは、ご義母様の状態を最もよく理解している立場です。彼らと密に連携を取り、ご義母様の状況を共有し、ケアプランの見直しを検討しましょう。 定期的な面談を行い、ご義母様の変化や課題、そしてご自身の不安などを率直に伝えることが大切です。 また、施設のレクリエーションプログラムに参加するよう促す際にも、スタッフの協力を得ることで、よりスムーズに進めることができます。 例えば、ご義母様の興味を引くような、個別対応のレクリエーションプログラムを提案してみるのも良いでしょう。

４．専門家のサポートを活用する

介護に悩むご家族をサポートする専門機関は数多く存在します。 ケアマネージャー、医師、精神科医、認知症専門の相談窓口など、必要に応じて専門家の力を借りましょう。 特に、認知症の専門医に相談することで、ご義母様の状態を正確に把握し、適切な治療やケア方法をアドバイスしてもらうことができます。 また、介護に関する相談窓口では、介護保険制度や介護サービスに関する情報を提供してもらえます。 一人で抱え込まず、専門家のサポートを活用することで、より効果的なケアを実現できるでしょう。

５．ご自身の心のケアも大切

介護は、肉体的にも精神的にも負担の大きいものです。ご自身の健康状態にも気を配り、定期的な休息を取り、ストレスを溜めないようにしましょう。 友人や家族、または専門機関に相談することで、心の負担を軽減することができます。 介護疲れは、介護の質を低下させるだけでなく、ご自身の健康にも悪影響を及ぼします。 定期的なリフレッシュや、専門家によるカウンセリングなどを活用し、ご自身のメンタルヘルスケアにも力を入れてください。

成功事例：プライドの高い高齢者へのアプローチ

以前、プライドが高く、介護を拒否する高齢者のケアに携わった経験があります。その方は、かつては社会的に成功した方で、介護を受けることを屈辱と感じていました。 そこで、私たちは、その方の過去の経験や功績を尊重し、介護を「サポート」という形に変えてアプローチしました。 具体的には、その方の得意分野を生かしたボランティア活動などを提案し、社会参加を促しました。 結果として、その方は徐々に介護を受け入れるようになり、穏やかな生活を送れるようになりました。 重要なのは、その方の尊厳を尊重し、自立心を尊重することです。 介護は、一方的な援助ではなく、相互尊重に基づいた関係性を築くことが大切です。

まとめ

ご義母様の状況は、簡単には解決できない複雑な問題です。しかし、ご義母様の尊厳を尊重し、ご自身の心身の状態にも気を配りながら、地道な努力を続けることで、状況は必ず改善に向かいます。 小さな成功体験を積み重ね、専門家の力を借りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。 ご自身の負担を軽減するためにも、周囲の協力を得ながら、継続的なケアを心がけてください。

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