90歳認知症の母の介護と仕事の両立は可能？シングルマザーが抱える悩みと解決策

今回は、90歳認知症の母親の介護と、シングルマザーとして仕事との両立に悩む方からのご相談です。有料老人ホームに入居しているものの、認知症の症状が悪化し、施設からの退去を迫られている状況。ご自身での介護は難しく、今後の対応に不安を感じているとのことです。認知症の進行と余命、乳がんを患っていることへの不安など、多くの問題を抱え、精神的な負担も大きいことと思います。この問題を解決するために、介護と仕事の両立支援、そして、今後の生活設計について、具体的なアドバイスをさせていただきます。

90歳認知症の母のことです。4年ほど有料老人ホームに入居していますが、このところ、トイレットペーパーを口に詰め込んだり、他人の部屋に入って同じようなことをしたりという行動が出始めたとのこと。施設からは、他人に迷惑がかかるようになると退去してもらわざるを得ないといわれました。退去してもうちで面倒を見ることは不可能で（私がシングルマザーで娘が一人いますが、部屋が狭く、母の部屋はありません。仕事をしているので介護は不可能です）、精神病院で認知症病棟で長期間入院できるところはないでしょうか？千葉県在住です。正直母がこれから先何年生きるのか、考えると頭を抱えてしまいます。認知症がここまで進んだ場合、余命はどのくらいでしょうか。また進行はしてませんが乳癌も患っています。

1. 現状の課題を整理する

ご相談内容から、いくつかの重要な課題が浮かび上がります。まずは、現状を整理し、問題の本質を理解することから始めましょう。

• 介護サービスの利用状況: 4年間有料老人ホームに入居しているものの、認知症の進行により、施設での生活が困難になっている。
• 介護者の状況: シングルマザーであり、仕事と子育てを両立しているため、在宅介護は難しい。
• 住環境: 部屋が狭く、母親の介護ができる環境ではない。
• 健康状態: 認知症に加え、乳がんを患っており、今後の健康状態への不安が大きい。
• 経済状況: 介護費用や医療費など、経済的な負担も大きい可能性がある。
• 精神的な負担: 母親の介護と仕事の両立、今後の生活への不安から、精神的な負担が非常に大きい。

これらの課題を一つずつ解決していくことが、今後の生活を安定させるために重要です。

2. 認知症の進行と余命について

認知症の進行と余命について、正確な予測をすることは非常に難しいです。しかし、現状の情報を基に、考えられる選択肢と、専門家への相談の重要性について解説します。

認知症の進行について:

認知症の進行速度は、原因となる疾患や個々の状態によって大きく異なります。今回のケースでは、具体的な認知症の種類（アルツハイマー型、レビー小体型など）が不明ですが、症状から判断すると、かなり進行していると考えられます。トイレットペーパーを口に入れる、他人の部屋に入るなどの行動は、認知機能の低下と、問題行動として現れている可能性があります。

余命について:

認知症の進行度合い、年齢、その他の健康状態（乳がんなど）によって、余命は大きく左右されます。一般的に、認知症の進行とともに、肺炎やその他の合併症のリスクが高まり、寿命が短くなる傾向があります。しかし、適切な医療と介護を受けることで、できる限り長く、質の高い生活を送ることも可能です。

乳がんについて:

乳がんの進行度合いや治療状況によって、余命は異なります。認知症と乳がんを併発している場合、それぞれの病状が互いに影響し合うこともあります。専門医による適切な治療とケアが不可欠です。

専門家への相談:

今後の見通しを立てるためには、以下の専門家への相談が不可欠です。

• 主治医（認知症専門医、乳腺外科医）: 母親の現在の状態を正確に把握し、今後の治療方針や予後について説明を受けましょう。
• ケアマネジャー: 介護保険サービスや、利用できる制度について相談し、今後の介護プランを立てましょう。
• 精神科医: 母親の精神的なケア、問題行動への対応について相談しましょう。
• ソーシャルワーカー: 介護に関する様々な相談、経済的な支援制度について情報収集しましょう。

3. 介護施設の選択肢

有料老人ホームからの退去を迫られている状況を踏まえ、今後の介護施設の選択肢について検討します。

1. 認知症対応型共同生活介護（グループホーム）:

• 認知症の症状がある方が、少人数で共同生活を送る施設です。
• 専門の介護スタッフが24時間体制で介護を提供します。
• 比較的、費用が抑えられる場合があります。
• 空き状況によっては、入居まで時間がかかることがあります。

2. 介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）:

• 原則として、要介護3以上の方が利用できる施設です。
• 24時間体制で、食事、入浴、排泄などの介護を受けられます。
• 費用は比較的安価ですが、入居待機期間が長い傾向があります。

3. 介護療養型医療施設:

• 医療ケアが必要な方が利用できる施設です。
• 医療機関が運営しているため、医療的なサポートが充実しています。
• 費用は、他の施設に比べて高くなる場合があります。

4. 精神科病院の認知症病棟:

• 認知症の症状が重く、医療的な管理が必要な場合に、長期入院が可能です。
• 精神科医や看護師による、専門的なケアを受けられます。
• 入院期間が長くなる可能性があります。

施設の選定ポイント:

• 母親の症状に合った施設: 認知症の進行度合い、健康状態、問題行動などを考慮して、適切な施設を選びましょう。
• 施設の雰囲気: 母親が安心して生活できる環境であるか、見学して確認しましょう。
• スタッフの対応: スタッフの専門性、対応の丁寧さなどを確認しましょう。
• 費用: 介護保険の利用、自己負担額などを考慮し、無理のない範囲で利用できる施設を選びましょう。
• 自宅からの距離: 面会や緊急時の対応を考慮し、アクセスしやすい施設を選びましょう。

4. 介護と仕事の両立支援

シングルマザーとして、仕事と介護を両立することは非常に困難です。しかし、適切な支援を活用することで、両立を目指すことができます。

1. 介護保険サービスの活用:

• 訪問介護（ホームヘルプサービス）: 自宅での生活を支援するために、食事、入浴、排泄などの介護サービスを利用できます。
• デイサービス: 日中に、食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受けられます。
• ショートステイ: 短期間、施設に入所し、介護を受けられます。
• 介護タクシー: 通院や外出の際に、介護タクシーを利用できます。

2. 職場の理解と協力:

• 介護休暇制度: 介護が必要な家族がいる場合、取得できる休暇制度を利用しましょう。
• 勤務時間の調整: 勤務時間の短縮、時差出勤など、柔軟な働き方を相談しましょう。
• テレワーク: 在宅勤務ができる環境であれば、テレワークを活用しましょう。
• 上司や同僚への相談: 介護の状況を理解してもらい、協力体制を築きましょう。

3. 家族や親族との連携:

• 役割分担: 家族や親族がいる場合は、介護の役割分担について話し合いましょう。
• 情報共有: 介護の状況を共有し、連携を密にしましょう。
• サポート体制の構築: 困った時に頼れる人を見つけておきましょう。

4. 経済的な支援制度の活用:

• 介護保険: 介護サービスを利用するための費用を、一部負担してもらえます。
• 高額介護サービス費: 介護サービスの利用料が高額になった場合、払い戻しを受けられます。
• 医療費控除: 医療費の一部を、所得から控除できます。
• 障害者控除: 認知症の症状によっては、障害者控除を受けられる場合があります。
• 生活保護: 経済的に困窮している場合は、生活保護を検討しましょう。

5. 今後の生活設計

今後の生活設計を立てることは、精神的な安定にもつながります。長期的な視点で、計画を立てましょう。

1. 介護費用の見積もり:

• 介護保険サービス、施設の費用、医療費など、今後の介護にかかる費用を概算で計算しましょう。
• 収入と支出を比較し、資金計画を立てましょう。
• 必要に応じて、専門家（ファイナンシャルプランナーなど）に相談しましょう。

2. 資産の見直し:

• 預貯金、保険、不動産など、保有している資産を見直しましょう。
• 資産を有効活用する方法を検討しましょう。
• 必要に応じて、専門家（税理士、弁護士など）に相談しましょう。

3. 就労の見直し:

• 現在の仕事の継続、転職、副業など、働き方を見直しましょう。
• 介護と両立しやすい働き方を探しましょう。
• キャリアコンサルタントに相談し、キャリアプランを立てましょう。

4. 精神的なケア:

• 休息: 疲れたときは、しっかりと休息を取りましょう。
• 趣味: 自分の好きなことや、気分転換になることをしましょう。
• 相談: 家族、友人、専門家などに相談し、悩みを共有しましょう。
• サポートグループ: 同じような境遇の人たちと交流し、情報交換や支え合いをしましょう。

6. 専門家への相談とサポート

一人で抱え込まず、専門家や支援機関に相談し、サポートを受けましょう。以下は、相談できる窓口の例です。

• 地域包括支援センター: 介護に関する相談、介護保険の手続き、様々なサービスの情報提供など、包括的な支援を受けられます。
• 市区町村の介護保険窓口: 介護保険に関する手続き、制度の説明、相談などを受けられます。
• 社会福祉協議会: 困窮している方の相談、生活支援、経済的な支援などを行っています。
• 弁護士: 法律問題、相続問題などについて相談できます。
• ファイナンシャルプランナー: 資産運用、保険、税金など、お金に関する相談ができます。
• キャリアコンサルタント: 仕事に関する相談、キャリアプランの作成、転職支援などを受けられます。

専門家への相談は、問題解決の糸口を見つけるだけでなく、精神的な負担を軽減するためにも重要です。

7. まとめと今後の行動計画

今回の相談内容を踏まえ、今後の行動計画を立てましょう。

1. 現状の把握: 母親の現在の状態、介護保険サービスの利用状況、経済状況などを正確に把握する。
2. 情報収集: 介護施設、介護保険サービス、経済的な支援制度など、必要な情報を収集する。
3. 専門家への相談: 主治医、ケアマネジャー、精神科医、ソーシャルワーカーなど、専門家に相談する。
4. 介護施設の検討: 母親の状況に合った介護施設を検討し、見学、入居の手続きを進める。
5. 介護と仕事の両立支援: 介護保険サービスの利用、職場の理解と協力、家族との連携などを進める。
6. 生活設計: 介護費用、資産、就労など、今後の生活設計を立てる。
7. 精神的なケア: 休息、趣味、相談など、精神的なケアを怠らない。

これらの行動計画を実行することで、現状の課題を解決し、今後の生活を安定させることができます。困難な状況ではありますが、諦めずに、一つずつ問題を解決していくことが大切です。そして、時には専門家の力を借りながら、自分自身を大切にし、前向きに進んでいきましょう。

“`