老健からサ高住への転居を迫られた！費用やサービスの質はどうなる？介護のプロが徹底解説

この記事では、介護施設に関するお悩みを抱える方に向けて、老健（介護老人保健施設）とサービス付き高齢者向け住宅（サ高住）の違いを、費用、サービス内容、そして転居という選択肢について、具体的な情報とアドバイスを提供します。特に、重度要介護者の方の施設選びにおける重要なポイントを、専門家の視点から分かりやすく解説します。

老健とサービス付き高齢者住宅の違いはどのようなものでしょうか。

親族が老健に入所していますが、施設側から「他に行く準備をしてください」と言われました。

現状ではサービス付き高齢者住宅か他の老健の二択と言われたのですが、その違いがイマイチ分かりません。

老健は、医師と看護師常駐、リハビリや衣食住の介助もしてくれるということは知っています。

サービス付き高齢者住宅は、看護師常駐で医師の診察は別途（病院に行くか、往診を利用）、リハビリは希望するならデイサービスなどに行く、衣食住の介助は老健と同じという説明を受けました。

ただ、デイ利用などを含めると老健と比べ費用が安くなるのか高くなるのか、サービスの質はどうなのか（本人は重度要介護者なので、衣食住の介助が無ければ何もできませんし、定期的な診察も必要です）、老健同様のサービスを求めているが大丈夫なのか等が分かりません。

「老健の相談員に直接聞けば良いのでは？」と思われるかもしれませんが、正直、今の老健職員は信用できません。強化型とからしく、施設の規定回転率以外は考えてない人しかおらず、”いかに出てってもらうように説明するか”ということばかり熱心という印象です。

何を聞いても「今と変わりません、大丈夫です」とか「ウチもいつまでもいられるとは限らない」とか、都合が悪い質問と思われるものは「状況による、ケースバイケース」などとはぐらかされてしまいます。

各介護施設利用者様等、ご意見などをお願い致します。補足要介護度は５です。サ高住でも長期では置いてもらえないと聞きましたが、高齢の障害持ちの家族に数か月の転居を強いるのも気が引けています。

老健とサ高住：基本の違いを理解する

老健（介護老人保健施設）とサービス付き高齢者向け住宅（サ高住）は、どちらも高齢者の生活を支援する施設ですが、その目的と提供するサービス内容には大きな違いがあります。これらの違いを理解することは、ご本人やご家族にとって最適な施設を選ぶ上で非常に重要です。

老健（介護老人保健施設）とは

老健は、病状が安定し、治療の必要性が少なくなった方が、在宅復帰を目指すための施設です。医師や看護師が常駐し、リハビリテーション、医療ケア、日常生活の支援を提供します。主な目的は、利用者の心身機能の維持・回復を図り、可能な限り自宅での生活を継続できるように支援することです。

• 目的: 在宅復帰支援、心身機能の維持・回復
• 医療体制: 医師、看護師常駐、医療ケア提供
• サービス内容: リハビリテーション、日常生活支援、食事・入浴介助
• 入所期間: 原則として入所期間は定められており、在宅復帰が目標

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）とは

サ高住は、高齢者が安心して生活できる住まいとして、バリアフリー設計や安否確認、生活相談などのサービスを提供します。医療サービスは、外部の医療機関との連携によって提供されることが多く、リハビリテーションは、デイサービスなどを利用することで受けることができます。主な目的は、自立した生活を送りながら、必要な介護サービスを受けられるようにすることです。

• 目的: 自立した生活の支援、生活の質の向上
• 医療体制: 看護師常駐、医療機関との連携
• サービス内容: 安否確認、生活相談、介護サービス（外部利用）
• 入所期間: 長期的な利用が可能

費用比較：老健とサ高住、どちらがお得？

費用は、施設を選ぶ上で非常に重要な要素です。老健とサ高住では、費用の構成や料金体系が異なります。ここでは、それぞれの費用の内訳と、費用を比較する際の注意点について解説します。

老健の費用

老健の費用は、介護保険の適用を受けることができます。費用の内訳は、以下の通りです。

• 介護保険自己負担分: 利用者の所得に応じて1割～3割負担
• 居住費: 個室利用の場合は高額になる傾向があります
• 食費: 1食あたり数百円程度
• その他: オムツ代、医療費、レクリエーション費など

老健は、リハビリテーションや医療ケアが充実しているため、費用は高めになる傾向があります。しかし、介護保険が適用されるため、自己負担額は所得によって異なります。

サ高住の費用

サ高住の費用は、家賃、共益費、サービス利用料、介護保険自己負担分などで構成されます。介護保険サービスは、外部の事業所を利用することになります。

• 家賃: 部屋の広さや設備によって大きく異なります
• 共益費: 共用部分の維持費など
• サービス利用料: 安否確認、生活相談などの費用
• 介護保険自己負担分: 外部の介護サービス利用料
• その他: 食費、医療費、日用品費など

サ高住は、家賃が高額になる傾向があります。介護サービスは、利用した分だけ費用が発生するため、必要なサービス量によって費用が変動します。

費用比較のポイント

費用を比較する際には、以下の点に注意しましょう。

• 総費用: 月々の費用だけでなく、初期費用やその他の費用も考慮する
• 介護保険適用: 介護保険でカバーされる範囲を確認する
• サービスの質: 費用だけでなく、サービスの質も考慮する
• 追加費用: オムツ代や医療費など、追加で発生する費用を確認する

費用だけでなく、サービスの質や内容も考慮し、ご本人にとって最適な施設を選ぶことが重要です。

サービスの質：重度要介護者にとっての重要性

重度要介護者にとって、サービスの質は非常に重要です。衣食住の介助、定期的な医療ケア、そして心のケアが、生活の質を大きく左右します。ここでは、老健とサ高住におけるサービスの質の違いと、重度要介護者にとっての注意点について解説します。

老健のサービスの質

老健は、医療ケアとリハビリテーションが充実しており、重度要介護者にとって必要なサービスが提供されやすい環境です。医師や看護師が常駐しているため、急な体調変化にも対応できます。また、専門職によるリハビリテーションは、心身機能の維持・回復に大きく貢献します。

• 医療ケア: 医師、看護師による24時間体制の医療ケア
• リハビリテーション: 専門職によるリハビリテーションプログラム
• 日常生活支援: 食事、入浴、排泄などの介助
• 心のケア: 相談員によるカウンセリングやレクリエーション

サ高住のサービスの質

サ高住は、生活支援に重点を置いており、介護サービスは外部の事業所を利用することになります。看護師は常駐していますが、医療ケアのレベルは施設によって異なります。重度要介護者の場合、外部の介護サービスの利用が不可欠であり、質の高いサービスを選べるかが重要になります。

• 生活支援: 安否確認、生活相談、食事の提供など
• 介護サービス: 外部の訪問介護やデイサービスを利用
• 医療連携: 医療機関との連携が必要
• 個別対応: 個々のニーズに合わせたサービスの提供が重要

重度要介護者にとっての注意点

重度要介護者の場合、以下の点に注意して施設を選ぶ必要があります。

• 医療体制: 24時間対応の医療体制があるか
• 介護サービスの質: 質の高い介護サービスを提供しているか
• 人員配置: 介護職員の人数や経験年数
• 連携体制: 医療機関や訪問看護ステーションとの連携
• 個別対応: 個々のニーズに合わせたサービスを提供できるか

重度要介護者の場合、医療ケアと介護サービスの質が非常に重要です。施設の情報を収集し、ご本人にとって最適な環境を選びましょう。

転居を迫られた場合の対応

老健から転居を迫られた場合、まずは落ち着いて状況を整理し、適切な対応をとることが重要です。ここでは、転居を迫られた場合の対応と、その後の選択肢について解説します。

状況の整理と情報収集

まず、なぜ転居を迫られたのか、その理由を施設側に確認しましょう。施設の経営状況、本人の状態の変化、他の入居者の状況など、様々な要因が考えられます。理由を明確にすることで、今後の対応方針を立てやすくなります。

次に、転居先の候補となる施設について、情報収集を行いましょう。サ高住だけでなく、他の老健や特別養護老人ホームなど、様々な選択肢があります。それぞれの施設の情報を集め、比較検討することが重要です。

施設との交渉

転居を迫られた理由によっては、施設との交渉も可能です。例えば、本人の状態が改善し、在宅復帰が可能になった場合、転居ではなく、自宅での生活を支援するサービスを利用することもできます。施設側と話し合い、本人の意向や希望を伝えることが重要です。

転居先の選択肢

転居先の選択肢は、本人の状態や希望、費用の問題などによって異なります。主な選択肢としては、以下のものがあります。

• サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）: 生活支援と介護サービスを受けながら、自立した生活を送ることができる
• 他の老健: リハビリテーションや医療ケアを継続できる
• 特別養護老人ホーム: 終身利用が可能で、手厚い介護を受けられる
• 自宅での生活: 訪問介護やデイサービスを利用し、自宅での生活を継続する

それぞれの選択肢について、メリットとデメリットを比較検討し、ご本人にとって最適な場所を選びましょう。

転居後のサポート

転居後も、様々なサポートが必要となる場合があります。例えば、新しい施設での生活に慣れるための支援、医療機関との連携、介護サービスの利用などです。家族や親族、ケアマネージャーなどと協力し、必要なサポート体制を整えましょう。

転居後の生活を成功させるために

転居後の生活を成功させるためには、事前の準備と、入居後の継続的なケアが重要です。ここでは、転居後の生活を成功させるためのポイントを解説します。

事前の準備

転居前に、以下の準備を行いましょう。

• 施設の選定: 本人の状態や希望に合った施設を選ぶ
• 情報収集: 施設の情報を収集し、見学や体験入居をする
• 契約: 契約内容をよく確認し、不明な点は質問する
• 持ち物の準備: 生活に必要なものをリストアップし、準備する
• 関係者への連絡: ケアマネージャー、主治医、家族などに転居を伝える

事前の準備をしっかり行うことで、転居後の生活をスムーズにスタートできます。

入居後の継続的なケア

入居後も、以下のケアを継続的に行いましょう。

• 本人の状態の確認: 体調や生活の様子を定期的に確認する
• 施設との連携: 施設職員とコミュニケーションを取り、情報共有する
• 医療機関との連携: 定期的な診察や、必要な医療ケアを受ける
• 介護サービスの利用: 必要な介護サービスを適切に利用する
• 心のケア: 相談員や家族とのコミュニケーションを通じて、心のケアを行う

継続的なケアを行うことで、本人の生活の質を維持し、安心して生活を送ることができます。

まとめ：最適な選択のために

老健とサ高住の違いを理解し、ご本人にとって最適な施設を選ぶためには、以下のポイントが重要です。

• 目的の明確化: 在宅復帰を目指すのか、終の棲家とするのか
• 費用の比較: 費用だけでなく、サービスの質も考慮する
• サービスの質の確認: 医療ケア、介護サービス、生活支援の質
• 情報収集: 施設の情報を収集し、比較検討する
• 相談: 専門家や関係者に相談する

ご本人の状態や希望、費用、サービスの質などを総合的に考慮し、最適な選択をしましょう。そして、転居後も、継続的なケアを行い、安心して生活できる環境を整えましょう。

この記事が、老健からサ高住への転居を検討されている方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。ご自身の状況に合わせて、最適な選択をしてください。

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