おばあちゃんの心の健康を支えるには？介護のプロが教える、寄り添い方と具体的なサポート

この記事では、ご家族の介護に関するお悩みにお答えします。特に、ご高齢のおばあ様の心身の不調と、それに対する具体的なサポート方法に焦点を当てています。介護の現場で長年培ってきた経験と専門知識をもとに、ご家族が抱える不安を解消し、おばあ様がより豊かな生活を送れるよう、具体的なアドバイスを提供します。

私の家には80歳を超えるお婆ちゃんがいます。最近体の不調を訴え、病院には1週間に2回ほど行っています。ですが、検査の結果は血圧、血糖値、心電図すべて異常なしで、むしろとても健康的な人の数値です。病院に行くと本当に何も異常がないのに何回も何回も来るので受付の人も先生も呆れています。

病院に夫婦で仲良く来ている姿を見たり、息子と2人で来ているのを見ていいねぇと言ったりします。まだおじいちゃんも生きているし決して家族は冷たくしているわけではありません。

看護婦の方が「お婆ちゃん食べられてる？食べられてなくても水分だけはちゃんと取らないとダメよ」と優しい言葉をかけてくださりました。お婆ちゃんは私の周りにはそんな優しい言葉をかけてくれる人はいないみたいな雰囲気を出しながら家族の話をしていました。少し屈辱的な気持ちになりました。

家に居ても出掛けることがなく、楽しみはないと思います。だから出掛けに行こうかと誘っても私が留守番していた方がいいでしょうと買い物以外外に出たがることはありません。買い物に行くと腰が曲がっているにもかかわらず私よりすたすたと早く歩き、とても生き生きしてるように感じます。

どうしても遅刻してはいけないときに出掛けてくるねと言いに行った際、本当に吐いてるか分からないのに吐いちゃったと言われ、心配し色々していたところ遅刻しかけたり、最近色々大変です。

おそらく体の問題ではなく、うつなどの精神的なもので体調不良を訴えているのだと思います。記憶はちゃんとしてるし、夜中出歩いたりするような変わった行動もないので認知症などではないはずです。

老人ホームに入れることは少し可哀想に感じますが、デイサービスなどで気晴らしに行ったほうがお婆ちゃんも好きだろうし楽しいのではないのかと思います。ですが私からは言いづらいです。

私はお婆ちゃんに何をしてあげればよいのでしょうか？よかったらアドバイスいただけたらと思います…。

おばあ様の心と体の健康を支えるための第一歩

ご相談ありがとうございます。80歳を超えるおばあ様の健康状態について、ご家族として心配されているお気持ち、大変よく分かります。検査結果に異常がないにも関わらず、体調不良を訴え、病院への通院を繰り返すという状況は、ご本人にとってもご家族にとっても、不安が大きいものです。今回は、そのような状況をどのように理解し、対応していくか、具体的なアドバイスをさせていただきます。

1. 状況の正確な理解：心と体の繋がり

まず、現在の状況を多角的に理解することが重要です。おばあ様の訴える体調不良が、検査結果に現れない場合、それは必ずしも「異常がない」ということではありません。高齢者の場合、身体的な不調と精神的な問題が密接に結びついていることが多くあります。例えば、孤独感、退屈、喪失感といった感情は、食欲不振や倦怠感といった身体的な症状を引き起こすことがあります。また、身体的な不調を訴えることで、周囲の関心を引きつけたいという心理が働くこともあります。

• 身体的な問題の可能性： 検査結果に異常がなくても、加齢に伴う体の変化や、初期の病気が見過ごされている可能性も考慮しましょう。かかりつけ医と連携し、定期的な健康チェックを行うことが大切です。
• 精神的な問題の可能性： うつ病や不安障害など、精神的な問題が身体症状として現れることもあります。専門医（精神科医や心療内科医）に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
• 社会的な要因： 家族とのコミュニケーション不足、社会とのつながりの減少、生活の張り合いの欠如などが、心身の不調を引き起こすことがあります。

2. コミュニケーションの重要性：寄り添う姿勢

おばあ様とのコミュニケーションは、状況を改善するための重要な鍵となります。一方的に話を聞くだけでなく、おばあ様の気持ちに寄り添い、共感することが大切です。

• 傾聴： おばあ様の言葉に耳を傾け、辛い気持ちや不安を理解しようと努めましょう。否定的な言葉や批判的な態度は避け、共感的な言葉をかけるように心がけましょう。例えば、「それは辛かったですね」「大変でしたね」といった言葉は、相手の気持ちを受け止める効果があります。
• 質問： 「何か困っていることはありますか？」「最近、どんなことが楽しいですか？」など、オープンな質問をすることで、おばあ様が自分の気持ちを表現しやすくなります。
• 非言語的コミュニケーション： 笑顔で接したり、優しく触れたりすることで、安心感を与えることができます。
• 家族間の連携： 家族全体で、おばあ様を支える姿勢を示すことが重要です。役割分担をし、それぞれができる範囲でサポートすることで、おばあ様の安心感を高めることができます。

3. 生活の質の向上：楽しみを見つける

おばあ様の生活に、楽しみや生きがいを見つけることは、心身の健康を維持するために非常に重要です。

• 外出の機会を増やす： 買い物だけでなく、公園散歩や地域のイベントへの参加など、外出の機会を積極的に作りましょう。
• 趣味や興味を活かす： 昔の趣味を再開したり、新しい趣味に挑戦したりする機会を提供しましょう。例えば、手芸、園芸、絵画、音楽鑑賞など、様々な趣味があります。
• 社会とのつながりを維持する： 近所の人との交流や、地域のボランティア活動への参加を促しましょう。
• デイサービスの活用： デイサービスは、専門的なケアを受けられるだけでなく、他の高齢者との交流やレクリエーションを通して、生活の質を向上させる効果があります。

4. 専門家への相談：プロの力を借りる

ご家族だけで抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。

• かかりつけ医： 定期的な健康チェックや、体調不良の原因を特定するための相談をしましょう。
• 精神科医・心療内科医： うつ病や不安障害などの精神的な問題を抱えている場合、専門的な診断と治療を受けることができます。
• ケアマネージャー： 介護保険に関する相談や、適切な介護サービスの利用についてアドバイスを受けることができます。
• 訪問看護師： 自宅での療養をサポートし、健康管理や服薬管理、日常生活の援助などを行います。

5. デイサービスの活用：新たな一歩

デイサービスは、おばあ様にとって、新たな生活の楽しみを見つける良い機会となる可能性があります。しかし、ご本人に「行きたくない」という気持ちがある場合、無理強いは逆効果になることもあります。そこで、以下の点を考慮しながら、デイサービスへの導入を検討しましょう。

• 情報提供： デイサービスについて、どのようなサービスが提供されているのか、どのような活動ができるのか、具体的に説明しましょう。パンフレットや写真を見せたり、他の利用者の体験談を紹介したりするのも良いでしょう。
• 体験利用： まずは体験利用から始めることをお勧めします。実際にデイサービスを体験することで、雰囲気を知り、不安を軽減することができます。
• 本人の意向を尊重： デイサービスに行くかどうかは、最終的にはおばあ様本人の意思を尊重することが大切です。無理強いせず、本人の気持ちに寄り添いながら、ゆっくりと進めていきましょう。
• 家族のサポート： デイサービスに通い始めた後も、家族として積極的にサポートすることが重要です。送迎を手伝ったり、デイサービスでの出来事について話を聞いたりすることで、おばあ様の安心感を高めることができます。

6. 家族のケア：負担を軽減する

介護は、ご家族にとって大きな負担となることがあります。ご家族の心身の健康を守るために、以下の点に注意しましょう。

• 休息： 十分な休息を取り、心身の疲れを癒しましょう。
• 気分転換： 趣味や運動、友人との交流など、気分転換になる時間を作りましょう。
• 相談： 家族や友人、専門家などに悩みや不安を相談しましょう。
• 介護サービスの利用： 訪問介護やショートステイなど、介護サービスを利用して、負担を軽減しましょう。
• 情報収集： 介護に関する情報を収集し、知識を深めることで、より適切な対応ができるようになります。

7. 具体的な行動計画：今日からできること

最後に、今日からできる具体的な行動計画を立てましょう。

• かかりつけ医との連携： おばあ様の体調について、かかりつけ医に相談し、定期的な健康チェックの頻度や内容について話し合いましょう。
• コミュニケーションの強化： おばあ様との会話の時間を増やし、積極的に話を聞き、共感する姿勢を示しましょう。
• 生活の質の向上： おばあ様の興味や関心に基づき、外出や趣味の機会を増やしましょう。
• 専門家への相談： 必要に応じて、精神科医やケアマネージャーなどの専門家に相談しましょう。
• 家族間の連携： 家族で話し合い、役割分担を決め、協力して介護に取り組みましょう。

まとめ：寄り添い、支え合う介護

おばあ様の心と体の健康を支えるためには、多角的な視点と、ご家族の温かいサポートが不可欠です。検査結果に異常がないからといって、体調不良を無視するのではなく、おばあ様の気持ちに寄り添い、共感することが大切です。コミュニケーションを密にし、生活の質を向上させるための工夫をすることで、おばあ様はより豊かな生活を送ることができるでしょう。そして、ご家族もまた、専門家の力を借り、無理なく介護を続けることができるはずです。

この情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。頑張ってください。

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