医療過誤？医師の責任を問えるケースを徹底解説！【弁護士監修】

この記事では、医療過誤に関する複雑な問題について、具体的な事例を基に、法的責任の可能性や、今後の対応策を詳しく解説していきます。医療現場での問題は、患者とその家族にとって非常に深刻な問題です。今回のケースを通して、医療過誤が疑われる場合の法的側面、専門家への相談方法、そして同様の状況に直面した際の具体的な行動について、理解を深めていきましょう。

医療関係、法律関係の方に質問です。長文で失礼します。以下のような場合、医師や病院に何らかの責任を問えるのでしょうか？

腎臓病で、N病院付属、SクリニックのA医師に母（65歳）を診ていただいていました。

肺に水が溜まっているので、水を抜くためにA医師の治療方針で1年以上、利尿剤を使っていました（医師の見立てでは腎臓の不調からくる水とのこと）。状 態 は改 善せず、おかしいねと首を捻りつつも、利尿剤（腎臓が悪化するリスクがある）は継続。腎臓の数値は少し悪化しているとのこと。このままで 大丈夫なの か？と尋ねても、少しずつ良くなってはいるので、検査をしつつ様子を見ましょうと言われてきました。（母は向精神薬を服用しており、そちらの影響を疑っていたようです）

体調の悪化があり、変調をA医師に訴えても、「検査結果は悪くないんですけどね。様子をみましょう」のひと言。週末を過 ぎても容態改善せず。不信感が拭えず、週明けにSクリ ニックの他の内科医に診ていただいたところ、血液検査の結果、腎臓の数値に明らかな異常があるので主治医と相談して検査入院の手続きをとるように と指示されまし た。

① A医師に検査入院の相談をすると「入院はお勧めしません。来週まで様子をみて決めましょう」と昨日の血 液 検査の結果を見ただけで受け付けず。この時、初めて利尿剤の使用停止の指示。今まで腎臓が良くなってきていると いっていたが、悪くなっているとの発言あり。

② 母の容態が悪化したので、N病院へ緊急搬送されました。 （普段はN病院付属のSクリニックの内科、脳外科、整形外科に一年ほどお世話になっています。実質的に同じ病院の別棟のような扱いです）
（訪問介護の看護師が本人の状態をみて、状態が悪いので短期入院して診てもらった方が良いとの判断をして、入院する方向でN病院に話をし ていただきました。傾眠傾向、脱水、脱力、立ち上がれない状態等）

③ N病院で検査の結果、Sクリニックより取り寄せたカルテを診ても特に異常はない。軽い脱水だろうとの救急の医師の見立て。 検査入院のお話もしましたが、ADLも問題な いので帰ってください。どうし ても入院した いのであれば差額ベッドし か空いていませんとのこと。仕方なく点滴を受けただけで本人を連れて戻りました。

④ ③の時、導尿しなければ尿を出せない状態で、尿も濁っていたので泌尿器科を受診するように指示を頂いていたので、N病院の泌尿器科を受診しまし た。Sクリニックより取り寄せた血液検査の結果（二日前の血液検査の結果）を見た泌尿器の医師はあまりに腎臓と肝臓の数値 が酷いので、すぐにもう一度内科に診てもらうようにとの指示をくださいました。この時、導尿のパックを装着し、肺の水の原因は膀胱がうまく機能していな かったせいであること。こ の状態で利尿剤を使うことまずいと指摘もあり。

⑤Sクリニックで検査結果を診て頂いたところ（いつものかかりつけ医ではない方）こちらも腎臓と肝臓の数値が酷いので即入院をするようにと、N病 院での入院 手続きをとってくださいました。この時、泌尿器科の医師と同様の投薬のまずさを指摘される。

結局、主治医以外の内科医２人、泌尿器科の医師１人が腎臓の数値が異常で危険な状態にある、という見立てで 緊急入院することになりました。

以上が今回の一件の流れです。このような医師の治療で状態が悪化したことが許せません。

医療過誤とは何か？

医療過誤とは、医師や医療従事者が、医療行為を行う際に、注意義務を怠ったために患者に損害を与えた場合に発生する法的責任のことです。具体的には、診断の誤り、治療の選択ミス、手術の失敗、投薬ミスなどが挙げられます。医療過誤は、患者の健康状態を悪化させ、時には生命を脅かす可能性もあるため、非常に重要な問題です。

今回のケースにおける問題点

今回のケースでは、いくつかの問題点が考えられます。まず、長期間にわたる利尿剤の使用が、腎臓の悪化を招いた可能性があります。利尿剤は、腎臓に負担をかける場合があり、腎機能が低下している患者には慎重な使用が求められます。次に、症状の悪化に対して適切な対応が取られなかった点も問題です。検査結果の異常や体調の変化を訴えているにも関わらず、「様子を見ましょう」という対応は、患者の健康状態を軽視していると見なされる可能性があります。

さらに、緊急搬送後の対応も不適切だったと言えるでしょう。緊急性があるにも関わらず、検査や入院がスムーズに行われなかったことは、患者の救命を遅らせる原因となりかねません。これらの点から、医師の診断や治療に過失があった可能性が考えられます。

法的責任を問える可能性

今回のケースで、医師や病院の法的責任を問える可能性は十分にあります。法的責任を問うためには、以下の3つの要素を証明する必要があります。

• 過失：医師が、医療水準に照らして注意義務を怠ったこと。
• 因果関係：医師の過失と、患者の損害（健康状態の悪化など）との間に因果関係があること。
• 損害：患者に実際に損害が発生したこと。

今回のケースでは、利尿剤の長期使用や、症状悪化に対する不適切な対応が、過失にあたる可能性があります。また、これらの過失が、患者の腎機能の悪化や、体調不良を引き起こしたと証明できれば、因果関係も認められるでしょう。さらに、患者が入院治療を余儀なくされたことや、精神的な苦痛など、損害が発生していることも事実です。

弁護士への相談の重要性

医療過誤の問題は、専門的な知識が必要となるため、弁護士への相談が不可欠です。弁護士は、医療記録を精査し、専門医の意見を聞きながら、過失の有無や因果関係を判断します。また、損害賠償請求の手続きを代行し、患者の権利を守ります。弁護士に相談することで、法的観点からの適切なアドバイスを受け、今後の対応策を立てることができます。

証拠収集の重要性

医療過誤を立証するためには、証拠収集が非常に重要です。具体的には、以下の証拠を収集する必要があります。

• 診療録：医師の診断や治療内容が記録されたもの。
• 検査データ：血液検査や画像検査の結果など。
• 看護記録：患者の体調や看護内容が記録されたもの。
• カルテ：患者の病状や治療経過が詳細に記録されたもの。
• 医師の意見書：専門医に意見を求める場合、その意見書。

これらの証拠を基に、弁護士は過失の有無や因果関係を立証するための準備を進めます。証拠収集は、医療過誤訴訟において非常に重要な役割を果たします。

今後の対応策

今回のケースでは、以下の対応策を検討することが重要です。

1. 弁護士への相談：まずは、医療過誤に詳しい弁護士に相談し、法的アドバイスを受けましょう。
2. 証拠収集：診療録や検査データなど、関連する証拠を収集しましょう。
3. 医療機関との交渉：弁護士を通じて、医療機関との交渉を行い、損害賠償を請求しましょう。
4. 訴訟の提起：交渉がうまくいかない場合は、訴訟を提起し、裁判で争うことも検討しましょう。

医療過誤を防ぐために

医療過誤を防ぐためには、患者自身もできることがあります。まず、医師の説明をよく聞き、疑問点があれば積極的に質問しましょう。また、自分の体調の変化を正確に伝え、異変を感じたらすぐに医師に相談しましょう。セカンドオピニオンを求めることも有効です。複数の医師の意見を聞くことで、より適切な治療を受けることができます。

医療機関を選ぶ際の注意点

医療機関を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

• 医師の専門性：自分の病気に合った専門医がいるか確認しましょう。
• 医療設備の充実度：最新の医療設備が整っているか確認しましょう。
• 患者への対応：医師や看護師が親身になって対応してくれるか確認しましょう。
• 口コミや評判：他の患者の口コミや評判を参考にしましょう。

まとめ

医療過誤は、患者とその家族にとって非常に深刻な問題です。今回のケースを通して、医療過誤が疑われる場合の法的側面、専門家への相談方法、そして同様の状況に直面した際の具体的な行動について、理解を深めていただきました。もし、同様の状況に直面した場合は、諦めずに、弁護士に相談し、適切な対応を取ることが重要です。医療過誤の問題は複雑ですが、正しい知識と適切な行動によって、患者の権利を守ることができます。

よくある質問（Q&A）

Q1: 医療過誤の定義は何ですか？

A1: 医療過誤とは、医師や医療従事者が、医療行為を行う際に、注意義務を怠ったために患者に損害を与えた場合に発生する法的責任のことです。具体的には、診断の誤り、治療の選択ミス、手術の失敗、投薬ミスなどが挙げられます。

Q2: 医療過誤があった場合、どのような法的責任が問われますか？

A2: 医療過誤があった場合、医師や医療機関は、民事上の損害賠償責任（治療費、慰謝料など）や、刑事上の責任（業務上過失致死傷罪など）を問われる可能性があります。

Q3: 医療過誤を疑う場合、まず何をすれば良いですか？

A3: まずは、医療過誤に詳しい弁護士に相談し、法的アドバイスを受けることが重要です。次に、診療録や検査データなど、関連する証拠を収集しましょう。

Q4: 医療過誤の証拠として、どのようなものが有効ですか？

A4: 診療録、検査データ、看護記録、カルテ、医師の意見書などが有効です。これらの証拠を基に、弁護士は過失の有無や因果関係を立証するための準備を進めます。

Q5: 医療過誤の訴訟を起こすには、どのくらいの期間がかかりますか？

A5: 医療過誤の訴訟は、証拠収集や専門家の意見聴取など、多くの時間と労力を要するため、通常は1年から数年かかることがあります。事案の内容や、争点の数によっても異なります。

Q6: 医療過誤の損害賠償請求は、どのような費用がかかりますか？

A6: 損害賠償請求には、弁護士費用、訴訟費用、鑑定費用などがかかります。弁護士費用は、着手金、報酬金、日当などがあり、事案の内容や、弁護士事務所によって異なります。

Q7: 医療過誤の裁判で勝訴する確率はどのくらいですか？

A7: 医療過誤の裁判は、専門的な知識が必要となるため、勝訴率は一概には言えません。しかし、十分な証拠と、弁護士の適切なサポートがあれば、勝訴の可能性を高めることができます。

Q8: セカンドオピニオンは、医療過誤を防ぐために有効ですか？

A8: セカンドオピニオンは、複数の医師の意見を聞くことで、より適切な治療を受けることができるため、医療過誤を防ぐために有効です。また、患者自身が納得して治療を受けることにもつながります。

Q9: 医療機関との交渉は、どのように進められますか？

A9: 弁護士が、医療機関に対して、損害賠償請求を行います。交渉がうまくいかない場合は、訴訟を提起し、裁判で争うことになります。

Q10: 医療過誤の時効はありますか？

A10: 医療過誤の損害賠償請求には、時効があります。一般的には、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年です。時効が成立すると、損害賠償請求ができなくなるため、早めに弁護士に相談することが重要です。

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