訪問介護事業所のサービス提供責任者（サ責）の限界？退職を考える前にできること

この記事では、訪問介護事業所のサービス提供責任者（サ責）として、多忙な業務と精神的な負担から「退職」を考えているあなたに向けて、具体的な解決策と、より良い働き方を見つけるためのヒントを提供します。 状況を改善するための具体的なステップ、退職を考える前に試せること、そしてキャリアパスの選択肢について、あなたの状況に寄り添いながら解説していきます。

訪問介護事業所のサ責です。

４月に開設のサ高住内にある訪問介護事業所にてサ責をしています。

登録は私と常勤（サ高住の受付業務がメイン）と管理者（サ高住施設長兼務）です。

利用者が７名、近々あと２名増える予定ですが全訪問を私が担当しています。

専従がどれだけ募集しても来ないようです。

毎日、訪問ばかりで汗だく、サ責の仕事が何もできない状態

こんなんでは、もうそろそろ限界です。

サ高住の介護職員の常勤は４人もいます。

夜勤をするためにサ高住配属だそうですが正直、そこまで忙しいかといわれたらそうではないようです。

体力的よりも精神的にしんどいです。

管理者が手伝ってくれるわけでもないし、声もかけてもらえない。

休憩ができないことなんてよくあります。

人員配置基準に市からの指摘はあるようですが詳しく教えてもらえません。

サ高住職員がゆっくり座っているのを見たり、管理者が早々に帰宅しているのを見ると情けなくなります。

これは退職すべきなのか？

何度か意見はしているのですが改善の余地がみられません。

退職を考えるレベルってどれくらいのものなのか

いろんな意見が聞きたいので教えていただけたら嬉しいです。

現状の課題を整理する

まずは、あなたが抱えている問題点を具体的に整理し、現状を客観的に把握することから始めましょう。 問題を明確にすることで、解決策を見つけやすくなります。

• 業務過多： 訪問介護の業務を一人で担当し、サ責としての本来の業務（計画作成、シフト管理、関係機関との連携など）に手が回らない。
• 人員不足： 専従のスタッフが採用できず、業務負担が増加。
• 精神的な負担： 業務量の多さに加え、管理者からのサポートが得られず、孤独感や不公平感を感じている。
• 労働環境の悪さ： 休憩が取れない、人員配置基準に関する情報が開示されないなど、労働環境が劣悪。
• 将来への不安： このままの状況が続くと、心身ともに限界が来るのではないかという不安。

退職を考える前に試せること

退職は最終的な選択肢として、まずは現状を改善するための努力をしてみましょう。 以下のステップを試すことで、状況が改善する可能性があります。

1. 管理者との具体的な話し合い

まずは、管理者と具体的な問題点について話し合い、改善を求めることが重要です。 話し合いの際には、感情的にならず、具体的な事実とデータに基づいて、問題点を説明しましょう。 例えば、以下のような点を伝えてみましょう。

• 業務負担の現状： 訪問件数、サ責業務に割ける時間、具体的な業務内容などを具体的に伝える。
• 人員不足の問題： 募集状況、採用の課題、人員配置基準への影響などを説明する。
• 労働環境の改善要望： 休憩時間の確保、業務分担の見直し、管理者からのサポートなどを求める。

話し合いの際には、具体的な解決策を提案することも効果的です。 例えば、

• 人員増強の具体的な提案： 募集方法の見直し、求人広告の改善、紹介制度の導入などを提案する。
• 業務分担の見直し： サ高住の介護職員との連携、事務作業のアウトソーシングなどを提案する。
• 労働時間の見直し： シフトの調整、休憩時間の確保などを提案する。

話し合いの結果を記録し、改善が見られない場合は、さらに次のステップに進む必要があります。

2. 労働条件の見直し

労働条件を見直すことも、現状を改善するための一つの方法です。 以下の点について、改めて確認してみましょう。

• 労働時間： 実際の労働時間が、契約内容と一致しているか確認しましょう。 残業時間が多い場合は、残業代が適切に支払われているか確認しましょう。
• 休憩時間： 休憩時間が適切に確保されているか確認しましょう。 休憩が取れない場合は、その理由を明確にし、改善を求めましょう。
• 休暇： 有給休暇が取得できるか、取得できる場合は、どの程度取得できるか確認しましょう。
• 給与： 給与が適正に支払われているか確認しましょう。 昇給や賞与の制度についても確認しましょう。
• 福利厚生： 社会保険、雇用保険、退職金制度などの福利厚生が整備されているか確認しましょう。

労働条件に問題がある場合は、会社に改善を求めることができます。 労働基準法に違反している場合は、労働基準監督署に相談することもできます。

3. 記録と証拠の収集

問題解決のためには、客観的な証拠を収集することが重要です。 以下の情報を記録しておきましょう。

• 労働時間： 出退勤時間、休憩時間、残業時間などを記録しましょう。
• 業務内容： 1日の業務内容、サ責業務に割ける時間などを記録しましょう。
• 管理者とのやり取り： 話し合いの内容、改善要求に対する回答などを記録しましょう。 メールや書面でのやり取りは、証拠として保管しておきましょう。
• 人員配置： 介護職員の配置状況、利用者の状況などを記録しましょう。
• 体調の変化： 体調不良や精神的なストレスを感じた場合は、記録しておきましょう。 医師の診断書も、証拠として有効です。

これらの記録は、会社との交渉や、退職を検討する際の判断材料として役立ちます。

4. 外部機関への相談

会社との話し合いや、労働条件の見直しだけでは問題が解決しない場合は、外部機関に相談することも検討しましょう。 以下の機関が、あなたの力になってくれる可能性があります。

• 労働基準監督署： 労働基準法違反について相談できます。 労働条件に関する問題、未払い残業代、不当解雇などについて相談できます。
• ハローワーク： 職業相談や、求人情報の提供を受けられます。
• 弁護士： 労働問題に詳しい弁護士に相談できます。 会社との交渉、訴訟など、法的手段についてアドバイスを受けられます。
• 労働組合： 労働組合に加入し、会社との交渉をサポートしてもらうことができます。
• 介護支援専門員（ケアマネージャー）： 介護保険制度や、介護に関する相談ができます。

退職を判断する基準

上記の努力をしても状況が改善しない場合、退職も選択肢の一つとして検討する必要があります。 退職を判断する際には、以下の点を考慮しましょう。

• 心身への影響： 精神的なストレス、体調不良が続いている場合は、心身への影響を最優先に考えましょう。
• 改善の見込み： 会社側の対応、今後の改善策などを考慮し、状況が改善する見込みがあるか判断しましょう。
• キャリアプラン： 退職後のキャリアプランを考え、次の仕事を見つけるための準備をしましょう。
• 経済的な状況： 退職後の生活費、転職活動にかかる費用などを考慮し、経済的な安定を確保しましょう。

退職を決意する前に、専門家や信頼できる人に相談し、客観的な意見を聞くことも重要です。

退職後のキャリアパス

退職を決意した場合、次のキャリアパスを考える必要があります。 介護業界には、さまざまな働き方があります。 あなたの経験やスキル、希望に応じて、最適なキャリアパスを選択しましょう。

1. 他の訪問介護事業所への転職

訪問介護の経験を活かして、他の訪問介護事業所に転職することもできます。 転職先を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

• 労働条件： 労働時間、休憩時間、給与、福利厚生などを確認しましょう。
• 事業所の規模： 大規模な事業所、小規模な事業所、どちらがあなたの希望に合っているか考えましょう。
• 事業所の理念： どのような理念に基づいた介護を提供しているか確認しましょう。
• 人間関係： 職場の雰囲気、人間関係などを確認しましょう。
• 研修制度： スキルアップのための研修制度が充実しているか確認しましょう。

2. 介護施設への転職

介護施設への転職も、一つの選択肢です。 介護施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど、さまざまな種類があります。 施設の種類によって、業務内容や労働条件が異なります。 あなたの希望に合った施設を選びましょう。

• 特別養護老人ホーム： 入居者の日常生活を支援する業務が中心です。
• 介護老人保健施設： 入居者の在宅復帰を支援する業務が中心です。
• 有料老人ホーム： 入居者の生活をサポートする業務が中心です。

3. ケアマネージャーへのキャリアチェンジ

サービス提供責任者としての経験を活かして、ケアマネージャー（介護支援専門員）にキャリアチェンジすることもできます。 ケアマネージャーは、利用者のケアプランを作成し、関係機関との連携を行います。 ケアマネージャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務経験を積む必要があります。

4. 独立・起業

経験とスキルを活かして、独立・起業することも可能です。 訪問介護事業所を立ち上げたり、ケアマネジメント事務所を開業したりすることができます。 独立・起業には、リスクも伴いますが、自分の理想とする介護を提供できる可能性があります。

5. 関連職種への転職

介護業界に関連する職種への転職も可能です。 例えば、

• 福祉用具専門相談員： 福祉用具の選定や、利用者の相談に対応します。
• 介護事務： 介護保険に関する事務業務を行います。
• 介護講師： 介護に関する知識や技術を教えます。

あなたの経験やスキル、興味関心に合わせて、最適な職種を選びましょう。

転職活動の準備

退職後の転職活動をスムーズに進めるために、以下の準備をしておきましょう。

• 自己分析： 自分の強み、弱み、興味関心、キャリアプランなどを明確にしましょう。
• 情報収集： 転職先の求人情報を収集し、業界の動向を把握しましょう。
• 履歴書・職務経歴書の作成： 自分の経験やスキルをアピールできる履歴書、職務経歴書を作成しましょう。
• 面接対策： 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、回答を準備しましょう。
• 資格取得： スキルアップのために、関連資格の取得を検討しましょう。

転職活動は、一人で行うこともできますが、転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談することもできます。 専門家のアドバイスを受けることで、より効果的に転職活動を進めることができます。

まとめ

訪問介護事業所のサービス提供責任者（サ責）として、多忙な業務と精神的な負担から「退職」を考えているあなたへ。 まずは、現状を客観的に把握し、問題点を整理することから始めましょう。 管理者との話し合い、労働条件の見直し、記録と証拠の収集、外部機関への相談など、退職を考える前に試せることはたくさんあります。 退職を判断する際には、心身への影響、改善の見込み、キャリアプラン、経済的な状況などを考慮し、専門家や信頼できる人に相談することも重要です。 退職後のキャリアパスも、あなたの経験やスキル、希望に応じて、さまざまな選択肢があります。 転職活動の準備をしっかりと行い、あなたのキャリアをより良いものにしていきましょう。

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