訪問介護記録書の疑問を解決!ベテラン介護士が教える正しい記入方法と記録の質を上げる秘訣
訪問介護記録書の疑問を解決!ベテラン介護士が教える正しい記入方法と記録の質を上げる秘訣
この記事では、訪問介護記録書の記入方法について、介護の現場でよくある疑問を解決し、記録の質を向上させるための具体的なアドバイスを提供します。訪問介護の現場で働く介護士の皆さんが抱える記録に関する悩みや疑問に寄り添い、正確で分かりやすい記録作成をサポートします。
まず、今回寄せられた質問を見ていきましょう。
訪問介護記録書の記入方法について、よくわからないまま記入していますが、何点か疑問に思う事がありますので質問したいと思います。
- 利用者氏名が正式な表記で記入されていないものは記録として無効になるのか?
- 正式:大﨑 カツ子(仮)
- 「例」 大崎 カツ子 → 「﨑」が「崎」と漢字が違うものになっている
- 大﨑 カツコ → 「カツ子」が全て「カツコ」とカタカナ表記になっている
- 利用者又ヘルパーの捺印はシャチハタではいけないのか?
- 文章記入欄への記入内容について
- 見守りは介助として含まれますか?(一部介助が必要な方はいますが、見ていると自力でできており見守りだけでよい事が多いため)
- 文章的に記入または、箇条書きのように「何々をする」「何々を行う」のようにどちらでの記入が望ましいのか?
- サービス内容にバイタルの確認などが含まれているときは、特変時のバイタル測定を含め 数値の記入も当然必要ですよね?
また、記入方法を紹介した書籍やセミナーなどはありますか?サービス提供責任者関連に当たるのですかね?
1. 正確な記録作成の重要性:なぜ正確な記入が必要なのか
訪問介護記録は、介護サービスの質を保証し、利用者の安全を守るために不可欠です。正確な記録は、医療機関や関係機関との情報共有をスムーズにし、適切なケアプランの作成にも役立ちます。記録の正確性は、介護士の専門性を示すものであり、法的にも重要な意味を持ちます。
記録が不正確な場合、以下のようなリスクがあります。
- ケアの質の低下: 正確な情報がないと、利用者の状態を正しく把握できず、適切なケアを提供することが難しくなります。
- 事故のリスク増加: 記録の不備は、事故やトラブルの原因を見逃すことにつながり、利用者の安全を脅かす可能性があります。
- 法的リスク: 記録は、介護サービスの提供状況を証明する重要な証拠となります。不正確な記録は、法的紛争において不利になる可能性があります。
2. 氏名表記と捺印:記録の有効性を左右するポイント
記録の正確性を確保するために、氏名表記と捺印に関する疑問を解消しましょう。
2-1. 氏名表記のルール
氏名表記は、正式な表記(住民票や保険証に記載されているもの)で記入することが原則です。旧字体や異体字を使用する場合は、事前に利用者またはご家族に確認し、記録に注記するなどの対応が必要です。誤字脱字は、記録の信頼性を損なうだけでなく、情報伝達の妨げになる可能性があります。
- 正式な表記の確認: 利用者の氏名が正式な表記で記載されているかを確認するために、身分証明書(保険証、運転免許証など)を参照しましょう。
- 異体字や旧字体の対応: 﨑(崎)、髙(高)などの異体字や旧字体を使用する場合は、利用者またはご家族に確認し、記録に注記するか、正式な表記と併記するようにしましょう。
- カタカナ表記の統一: カタカナ表記も統一し、記録全体で一貫性を持たせましょう。
2-2. 捺印の種類
捺印は、記録の真正性を証明するために重要です。シャチハタ(インク浸透印)の使用は、インクが薄くなったり、消えやすいため、原則として避けるべきです。可能な限り、朱肉を使用する印鑑を使用しましょう。ただし、シャチハタしか使用できない場合は、記録に「シャチハタ使用」と明記し、インクの状態に注意を払いましょう。
- 印鑑の使用: 朱肉を使用する印鑑を使用することが推奨されます。
- シャチハタの使用: シャチハタを使用する場合は、記録に「シャチハタ使用」と明記し、インクの状態に注意を払い、記録が薄くならないように注意しましょう。
- 電子署名: 訪問介護記録を電子化している場合は、電子署名を使用することが一般的です。電子署名の法的効力については、事前に確認しておきましょう。
3. 記録内容の具体例:見守り、文章表現、バイタル測定
記録内容の具体例を通じて、記録の質を向上させるためのポイントを解説します。
3-1. 見守りの記録
見守りは、利用者の安全を確保するために重要なケアの一つです。見守りの記録は、単に見ているだけでなく、利用者の状態を観察し、変化に気づくためのものです。見守り中に発見したことや、利用者の行動、言動などを具体的に記録しましょう。
- 見守りの定義: 見守りは、利用者の安全を確保するために、利用者の状態を観察し、必要に応じて声かけや介助を行うことです。
- 記録のポイント: 見守り中に観察したこと(例:歩行状態、表情、言動など)、利用者の状態の変化、声かけの内容などを具体的に記録しましょう。
- 記録例:
- 「14:00~14:30 見守り。〇〇様、自力でトイレへ移動。歩行は安定しており、転倒の危険は見られなかった。排尿後、本人に確認したところ、問題なく済ませたとのこと。」
- 「15:00~15:30 見守り。〇〇様、居間でテレビを視聴。時々、咳き込む様子が見られたため、水分補給を促した。本人は『少し喉が渇いていた』と話していた。」
3-2. 文章表現と記録形式
記録は、客観的で分かりやすい文章で記述することが重要です。箇条書きと文章を適切に使い分け、簡潔で正確な記録を心がけましょう。
- 文章と箇条書きの使い分け:
- 文章: 利用者の状態や状況を詳細に説明する場合、文章で記述します。
- 箇条書き: 行ったケアの内容や、観察したポイントを簡潔にまとめる場合に、箇条書きを使用します。
- 客観的な表現: 主観的な表現(例:「とても元気そうだった」)は避け、客観的な事実を記述します(例:「食事を完食し、笑顔で話していた」)。
- 記録例:
- 文章: 「10:00 食事介助。〇〇様、食欲旺盛で、ご飯をほぼ完食した。嚥下状態も良好で、むせることもなかった。」
- 箇条書き: 「14:00 バイタル測定
- 体温: 36.5℃
- 脈拍: 72回/分
- 血圧: 120/80mmHg
」
3-3. バイタル測定の記録
バイタル測定は、利用者の健康状態を把握するために不可欠です。測定結果だけでなく、測定時の状況や、異常があった場合の対応についても記録しましょう。
- 測定項目の記録: 体温、脈拍、血圧、呼吸数、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)などを測定し、記録します。
- 数値の記録: 正確な数値を記録し、単位を明記します。
- 特変時の記録: 異常値が測定された場合は、その原因や対応(例:医師への連絡、体位変換など)を記録します。
- 記録例:
- 「16:00 バイタル測定。体温: 38.0℃、脈拍: 90回/分、血圧: 140/90mmHg。〇〇様、倦怠感を訴え、顔色が少し悪い。医師に連絡し、指示を仰ぐ。」
- 「10:00 バイタル測定。体温: 36.5℃、脈拍: 70回/分、血圧: 120/80mmHg。呼吸状態も安定しており、問題なし。」
4. 記録に関する書籍とセミナー:スキルアップを目指す
記録に関する知識を深め、スキルアップを目指すために、書籍やセミナーを活用しましょう。サービス提供責任者向けの研修や、記録に関する専門的なセミナーも存在します。
- 書籍: 介護記録に関する書籍は多数出版されています。記録の基本から応用まで、幅広く学ぶことができます。
- セミナー: 記録に関するセミナーや研修に参加することで、実践的なスキルを習得し、他の介護士との情報交換もできます。
- サービス提供責任者研修: サービス提供責任者向けの研修では、記録の重要性や具体的な記入方法について学ぶことができます。
- インターネット検索: 「介護記録 セミナー」「訪問介護記録 書き方」などのキーワードで検索すると、役立つ情報が見つかります。
5. 記録の質を向上させるためのヒント
記録の質を向上させるための具体的なヒントを紹介します。
- 記録の習慣化: 記録は、ケアが終わったらすぐに記録する習慣をつけましょう。時間が経つと、記憶があいまいになり、正確な記録が難しくなります。
- 記録の見直し: 記録を定期的に見直し、誤字脱字や表現の誤りがないか確認しましょう。
- 他の介護士との情報共有: 他の介護士と記録内容を共有し、意見交換することで、記録の質を向上させることができます。
- 上司や先輩への相談: 記録について疑問点がある場合は、上司や先輩に相談し、アドバイスをもらいましょう。
- 記録のテンプレート活用: 記録のテンプレートを活用することで、記録の効率化と質の向上を図ることができます。
6. 記録の電子化:効率化と情報共有
記録の電子化は、記録の効率化、情報共有、検索性の向上に役立ちます。電子記録システムを導入している場合は、システムの操作方法を習得し、積極的に活用しましょう。
- 電子記録システムの導入: 電子記録システムを導入することで、記録の効率化、情報共有、検索性の向上を図ることができます。
- システムの操作方法の習得: 電子記録システムの操作方法を習得し、積極的に活用しましょう。
- セキュリティ対策: 電子記録システムでは、個人情報の保護のために、適切なセキュリティ対策を行う必要があります。
- バックアップ: データのバックアップを定期的に行い、万が一の事態に備えましょう。
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7. まとめ:質の高い記録で、より良い介護を
訪問介護記録は、介護サービスの質を向上させるために不可欠です。正確な記録作成の重要性を理解し、氏名表記、捺印、記録内容の具体例、記録に関する書籍やセミナーなどを活用して、記録の質を向上させましょう。質の高い記録は、利用者の安全を守り、介護士の専門性を高め、より良い介護サービスを提供することにつながります。
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