グループホームの現場で働くあなたへ:ホーム長の考えに疑問を感じたら
グループホームの現場で働くあなたへ:ホーム長の考えに疑問を感じたら
この記事では、認知症対応グループホームで働くあなたが抱える、ホーム長の考え方に対する疑問や、入居者様のケアに関するジレンマに焦点を当て、具体的な解決策を提示します。日々の業務で直面する倫理的な問題、安全管理への不安、そしてキャリアパスへの影響について、一緒に考えていきましょう。
認知症対応グループホームで働いているのですが、職場の職員がホーム長の考え方に疑問をもってます。なにかあったとき責任を持つのはホーム長だし、イヤなら他に移るしかないとはわかってます。分かってるうえでの質問です。なんで辛辣なご意見はご勘弁を・・・
まず1つめなんですが、嚥下障害の入居者様がいるんですけど、認知症はあまり進んでなく、この方の身内の方が面会の時に「食べさせて下さい」とお菓子を持ってくるんですが、他入居者さんがいるなかでは自由に食べさせられないので、ホーム長は夜間時、入床してから食べさせています。一袋ずつなくなったら職員が補充する感じです。この入居者さんはパーキンソン病で傾きもひどく居室に帰るときは横になるときなんですけど、この場合寝たまま食べ物を食べさせるのはどうかと思うのです。ちょくちょく様子を見に行けば良いのでしょうが、夜勤帯1人勤務のため、そうそうこの方だけにかかりっきりにもなれず、時には夜中や朝方に食べてるみたいで、この間は口から出た飴が枕のところに転がっていました。
起こり得る事故は未然に防ぐ、私はこう習いましたし、ホーム長に「やはり夜勤帯に寝ながらお菓子を食べさせるのは危ないのではないか?」と相談しましたところ、「ここはあくまでも入居者様の家なのだから自由であって、それを奪うのはこちら側の勝手な言い分だ」と耳を貸しません。それと便の掃除のことなのですが、今は他に移られた入居者様なのですが、弄便が始まりあちらこちらに便をなすりつけるため、職員は掃除、消毒しますよね?それを「みんなして神経質に便を掃除する」と言うので、「便を掃除、消毒するのは当たり前だと思います。他入居者様に何らかの菌が遷る可能性もあるんじゃないですか?」と言うと、「ここの方は菌なんかないです、菌を持ってくるのは言ってみれば私たち職員です」とこんな感じです。確か人には腸内菌というものがあると思いますが・・・・
この間は夜勤帯に転倒した入居者様で、私の夜勤の日で、他入居者様のトイレ介助の際に起こった事故です。痛みがあり動けないようなのでホーム長に連絡して来たんですけど、普通、立てない時点で救急車ですよね?なのに様子を見てくれの一点張りで夜中、その入居者様が「吐きそう」と言うのでまたホーム長に電話をしたら「たぶん痛みとショックからだろうからまたバイタルが下がったり吐いたら電話をちょうだい」と簡単に考えてるので、さすがに「そうなってからでは遅いんじゃないですか!!今すぐ来て下さい!!」と呼びました。結局朝8時に救急車が来て病院に行きましたが、なんと12時間の放置!!ほんとにこのホーム長は大丈夫なのかと思います。皆さんはどうお考えですか?
問題の本質:安全と倫理、そしてキャリアへの影響
ご相談ありがとうございます。認知症対応グループホームでの勤務、大変お疲れ様です。ホーム長の考え方との相違から、日々の業務で多くの葛藤を感じていらっしゃる様子が伝わってきます。今回の問題は、単にホーム長の個人的な考え方にとどまらず、入居者様の安全、倫理観、そしてあなたのキャリアパスに深く関わっています。
具体的には、以下の3つの側面から問題点を探り、解決策を提案します。
- 入居者様の安全管理:嚥下障害のある方への対応、転倒時の対応など、具体的な事例を通して、安全管理における課題を明確にします。
- 倫理観と価値観の衝突:「入居者様の自由」と「安全確保」のバランス、職員としてのジレンマについて考察します。
- キャリアパスへの影響:現在の状況が、あなたのキャリア形成にどのような影響を与える可能性があるのか、そして、どのように対応していくべきかを探ります。
1. 入居者様の安全管理:具体的なリスクと対策
ご相談内容から、入居者様の安全管理に関するいくつかの重要な問題点が浮き彫りになりました。以下、具体的なリスクと、それに対する対策を解説します。
1-1. 嚥下障害のある入居者様への対応
パーキンソン病をお持ちで嚥下障害のある入居者様への、夜間の菓子提供は、誤嚥のリスクを非常に高めます。寝たまま食べ物を摂取することは、窒息や肺炎を引き起こす可能性があり、非常に危険です。
- リスク:誤嚥性肺炎、窒息、窒息による死亡
- 対策:
- 専門家への相談:医師、看護師、言語聴覚士に相談し、適切な食事形態(ペースト食など)や、摂取時の姿勢(座位を保つ、または30度以上の角度で上半身を起こす)について指導を仰ぎましょう。
- 記録の徹底:食事の摂取状況、体調の変化(咳、呼吸困難など)、口腔内の状態を詳細に記録し、情報共有を徹底します。
- 夜間帯の工夫:夜間にお菓子を提供するのではなく、日中の適切な時間帯に、安全な方法で提供することを検討しましょう。どうしても夜間に提供する場合は、少量のゼリーなど、誤嚥しにくい形態のものを、覚醒している状態で摂取してもらうようにします。
1-2. 転倒時の対応
転倒した入居者様への対応が遅れたことは、非常に問題です。転倒による骨折や頭部外傷は、早期の適切な処置が不可欠です。
- リスク:骨折、頭部外傷、容態悪化、死亡
- 対策:
- マニュアルの整備:転倒時の対応に関するマニュアルを整備し、全職員が内容を理解し、徹底できるようにします。マニュアルには、バイタルサインの確認、救急搬送の判断基準、家族への連絡などが明記されている必要があります。
- 救急搬送の優先:転倒して自力で動けない場合は、原則として救急車を呼ぶことを徹底します。ホーム長に判断を仰ぐのではなく、まずは救急車を要請し、医師の指示を仰ぐようにしましょう。
- 情報共有の徹底:転倒に関する情報を、速やかに、かつ正確に記録し、関係者間で共有します。
1-3. 感染症対策
弄便による感染リスクへの認識の甘さも、問題です。感染症は、入居者様の健康を脅かすだけでなく、他の入居者様や職員への感染拡大のリスクもあります。
- リスク:感染症の蔓延、入居者様の健康悪化、職員の負担増加
- 対策:
- 標準予防策の徹底:手洗いの徹底、個人防護具(手袋、マスク、エプロンなど)の適切な使用、環境の清掃・消毒など、標準予防策を徹底します。
- 感染症に関する知識の向上:感染症に関する研修を実施し、職員の知識と意識を高めます。
- 専門家への相談:感染症対策について、医師や看護師などの専門家と連携し、適切な対策を講じます。
2. 倫理観と価値観の衝突:ジレンマへの向き合い方
ホーム長の「入居者様の自由」を優先する考え方は、一見すると入居者様の尊厳を尊重しているように見えますが、安全管理をないがしろにしているようにも捉えられます。このジレンマに、どのように向き合えば良いのでしょうか。
2-1. 倫理的ジレンマの整理
まずは、倫理的なジレンマを整理し、問題の本質を明確にすることが重要です。
- 対立する価値観:入居者様の「自由」と「安全」という、相反する価値観の間で葛藤が生じています。
- 職員としての責任:入居者様の安全を守る責任と、ホーム長の指示に従うことの狭間で、板挟みになっています。
- 組織文化の影響:ホーム長の考え方が、組織全体の価値観を形成し、個々の職員の行動に影響を与えています。
2-2. 解決策の模索
ジレンマを解決するためには、以下のステップを踏むことが有効です。
- 情報収集:関連する法律やガイドライン、倫理綱領などを調べ、根拠に基づいた判断ができるようにします。
- 関係者との対話:ホーム長、同僚、上司などと積極的に対話し、問題意識を共有し、解決策を模索します。
- 記録の活用:問題点や改善策を記録し、客観的な証拠として活用します。
- 外部への相談:必要に応じて、第三者機関(弁護士、行政など)に相談し、アドバイスを求めます。
3. キャリアパスへの影響:現状から抜け出すために
現在の状況は、あなたのキャリアパスに様々な影響を与える可能性があります。この状況から抜け出し、より良いキャリアを築くためには、どのような行動をとるべきでしょうか。
3-1. 現状がキャリアに与える影響
- 精神的な負担:倫理的な葛藤や、安全管理への不安は、精神的な負担となり、燃え尽き症候群を引き起こす可能性があります。
- スキルアップの阻害:安全管理や倫理観に関する問題が放置されると、専門的な知識やスキルを習得する機会が失われる可能性があります。
- キャリアの停滞:問題が解決されないまま放置されると、昇進や異動の機会が失われる可能性があります。
3-2. キャリアアップのための具体的な行動
- 自己分析:自分の価値観やキャリアプランを明確にし、どのような働き方をしたいのかを考えます。
- 情報収集:介護業界の動向や、キャリアパスに関する情報を収集し、自分の将来像を描きます。
- スキルアップ:専門的な知識やスキルを習得するための研修や資格取得に挑戦します。
- 資格取得:介護福祉士、ケアマネージャー、認知症ケア専門士などの資格を取得することで、専門性を高め、キャリアアップの道が開けます。
- 研修への参加:安全管理、感染症対策、倫理に関する研修に参加し、知識とスキルを向上させます。
- 転職の検討:現在の職場での問題が解決しない場合は、転職も視野に入れ、より良い環境を探します。
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4. 具体的なアクションプラン:今日からできること
問題解決に向けて、今日からできる具体的なアクションプランを立てましょう。
4-1. 記録の開始
まずは、日々の業務で感じた問題点や、改善点などを記録することから始めましょう。記録は、客観的な証拠となり、関係者との対話や、外部への相談の際に役立ちます。
- 記録内容:
- 入居者様の状況(食事、排泄、転倒など)
- ホーム長の指示内容
- 自分の考えや疑問点
- 問題が発生した日時、場所、状況
- 対応内容
- 記録方法:
- 手帳、ノート
- パソコン、スマートフォン
- 業務日報
4-2. 関係者との対話
ホーム長や同僚と積極的に対話し、問題意識を共有しましょう。対話を通じて、互いの考えを理解し、解決策を模索することができます。
- 対話のポイント:
- 相手の意見を尊重し、冷静に話を聞く
- 自分の考えを明確に伝える
- 具体的な事例を挙げて説明する
- 解決策を一緒に考える
- 対話の相手:
- ホーム長
- 同僚
- 上司
4-3. 専門家への相談
必要に応じて、専門家(医師、看護師、弁護士など)に相談し、アドバイスを求めましょう。専門家の視点から、問題解決のヒントが得られる可能性があります。
- 相談先:
- 医師、看護師
- 弁護士
- 行政機関(介護保険課など)
- 労働組合
- 相談の準備:
- 問題の経緯を整理する
- 記録をまとめる
- 相談したい内容を明確にする
5. 成功事例から学ぶ:他の施設の取り組み
他のグループホームや介護施設では、どのような取り組みが行われているのでしょうか。成功事例から学び、自施設での改善に役立てましょう。
5-1. 誤嚥対策の徹底
あるグループホームでは、嚥下障害のある入居者様に対して、以下の対策を徹底しています。
- 専門職との連携:医師、看護師、言語聴覚士と連携し、入居者様の状態に合わせた食事形態や、摂取方法を検討しています。
- 食事記録の徹底:食事の摂取量、体調の変化、口腔内の状態を詳細に記録し、情報共有を徹底しています。
- 研修の実施:職員向けの嚥下に関する研修を定期的に実施し、知識とスキルを向上させています。
5-2. 転倒予防への取り組み
別のグループホームでは、転倒予防のために、以下の取り組みを行っています。
- 環境整備:床の段差をなくし、手すりを設置するなど、安全な環境を整備しています。
- 運動プログラムの実施:転倒予防のための運動プログラムを実施し、入居者様の筋力やバランス感覚を維持しています。
- リスク評価:入居者様の転倒リスクを評価し、個別の対策を講じています。
5-3. 倫理的な意思決定支援
多くの施設で、倫理的な問題に直面した際に、多職種で構成される倫理委員会を設置し、問題解決を図っています。委員会では、事例検討、情報共有、アドバイスなどを行い、より良いケアの提供を目指しています。
まとめ:あなたの行動が、未来を創る
今回の問題は、あなた一人で抱え込むには大きすぎるかもしれません。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことで、より良い職場環境を築き、入居者様の安全と尊厳を守ることができます。そして、あなたのキャリアアップにも繋がります。
まずは、記録を始め、関係者との対話、そして専門家への相談から始めてみましょう。あなたの行動が、未来を創ります。
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