88歳のおばあ様の介護とリハビリ：家族ができること、専門家のアドバイス

この記事では、88歳のおばあ様の介護とリハビリに関するご相談にお答えします。誤嚥性肺炎と脳梗塞を患い、現在も療養中のご家族が、どのようにサポートできるのか、具体的な方法を掘り下げていきます。リハビリの専門家としての視点と、介護経験者の声も交えながら、ご家族が抱える不安を解消し、より良い介護を実現するためのヒントを提供します。

88歳の祖母について、質問させて下さい！

⑴誤嚥性肺炎＋脳梗塞の祖母を座らせてもいいのか？

⑵私達素人ができるリハビリはないか？

⑶横向き寝の状態でできるセルフリハビリはないか？

9月初旬に誤嚥性肺炎で入院。そこで脳梗塞を発症しました。当初は半身不随の状態でしたが、現在は片方の手が動かないだけで、麻痺のあった方の足も20cm位自力で持ち上げられます。肺炎も改善されておりますが、まだ点滴だけで生活しております。

しかし、ずっと床擦れ予防のベッド（フワフワのマットなので寝返りが自分では困難）に寝かされたままなのが気になります。

1日1回のリハビリで歩行練習をしているそうですが、連休中はリハビリがないので心配です。

リハビリに対して本人は非常に真面目でやる気も度が過ぎるほどあり、ベッドの中で積極的に足は動かしているのですが、上半身を全く使っておらず、着替えさせるのも一苦労です。便秘もひどく、坐薬利用が開始されました。

私達家族は誰かは1日1〜2時間程度付き添うことが可能ですので、何とか現状を良くしたいと思っております。

何かお知恵を貸して頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。

1. 状態の把握と専門家への相談

まず、おばあ様の現在の状態を正確に把握することが重要です。誤嚥性肺炎と脳梗塞の後遺症、そして現在の体力レベルを考慮し、安全にリハビリを進める必要があります。ご家族だけで判断するのではなく、必ず専門家の意見を仰ぎましょう。

• 主治医との連携: 肺炎の治療状況、脳梗塞による麻痺の程度、嚥下機能などを確認し、今後の治療方針やリハビリ計画について相談しましょう。
• 理学療法士（PT）や作業療法士（OT）との連携: リハビリの専門家であるPTやOTは、おばあ様の身体機能に合わせたリハビリメニューを作成し、指導してくれます。連休中のリハビリがない期間でも、自宅でできる運動や注意点についてアドバイスをもらいましょう。
• 言語聴覚士（ST）との連携: 嚥下機能に問題がある場合は、STに相談し、安全な食事の摂取方法や嚥下訓練について指導を受けましょう。

2. 座らせることの可否と注意点

「誤嚥性肺炎＋脳梗塞の祖母を座らせてもいいのか？」というご質問ですが、これは非常に重要なポイントです。座ることは、呼吸機能の改善や嚥下機能の促進に繋がる可能性がありますが、安全に行うための注意点があります。

• 医師の指示: まずは、主治医に座らせることの可否を確認し、許可を得ましょう。
• 体位の調整: 座らせる際は、背もたれのある椅子を使用し、クッションなどで姿勢を安定させましょう。頭部を支えるクッションや、体幹を支えるクッションも有効です。
• 呼吸状態の観察: 座っている間の呼吸状態を注意深く観察し、呼吸困難や咳が出た場合は、すぐに横に寝かせましょう。
• 嚥下機能の確認: 座っている間に、嚥下機能が改善しているかを確認しましょう。食事の前に、少量の水分を飲み込めるか試してみるのも良いでしょう。
• 時間と頻度: 座る時間は短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。1日に数回、短い時間座るのが理想的です。

3. 素人でもできるリハビリ

「私達素人ができるリハビリはないか？」というご質問に対しては、ご家族でもできるリハビリはたくさんあります。ただし、無理のない範囲で、おばあ様の状態に合わせて行うことが重要です。

• 関節可動域訓練（ROM訓練）: 麻痺のある側の手足の関節を、ゆっくりと動かす運動です。関節の拘縮を防ぎ、血行を促進する効果があります。
• 方法: 腕や足の関節を、ゆっくりと曲げたり伸ばしたりします。痛みが出ない範囲で行いましょう。
• 回数: 各関節につき、10回程度繰り返しましょう。
• 体位変換: 床ずれを予防するために、2〜3時間おきに体位を変えましょう。
• 方法: 仰向け、右向き、左向きなど、様々な体位をとらせます。
• 注意点: 体位変換の際は、皮膚を摩擦しないように優しく行いましょう。
• 呼吸訓練: 呼吸筋を鍛え、呼吸機能を改善するための訓練です。
• 方法: 深呼吸をしたり、風船を膨らませたりする運動です。
• 回数: 1日に数回行いましょう。
• 食事介助: 安全に食事を摂取できるように、姿勢を整え、一口量を調整し、嚥下しやすい食事形態にするなどの工夫をしましょう。

4. 横向き寝の状態でできるセルフリハビリ

「横向き寝の状態でできるセルフリハビリはないか？」というご質問ですが、横向き寝でもできるリハビリはあります。特に、麻痺のある側の腕や足を動かす運動は、重要です。

• 腕の運動: 麻痺のある側の腕を、ベッドの上に置いたクッションやタオルなどで支え、肩や肘を動かす運動を行います。
• 方法: 腕を前後に動かしたり、外側に開いたりする運動です。
• 注意点: 痛みが出ない範囲で行いましょう。
• 足の運動: 麻痺のある側の足を、ベッドの上に置いたクッションやタオルなどで支え、膝や足首を動かす運動を行います。
• 方法: 膝を曲げたり伸ばしたり、足首を上下に動かしたりする運動です。
• 注意点: 痛みが出ない範囲で行いましょう。
• 体幹の安定: 横向き寝の姿勢を保つために、体幹を意識する運動を行います。
• 方法: お腹を凹ませたり、背筋を伸ばしたりする運動です。
• 注意点: 無理のない範囲で行いましょう。

5. 便秘への対策

便秘は、高齢者によく見られる症状であり、おばあ様の生活の質を低下させる要因となります。便秘への対策も、積極的に行いましょう。

• 水分補給: 水分不足は便秘の原因となります。こまめな水分補給を心がけましょう。
• 食事: 食物繊維を多く含む食品（野菜、果物、海藻など）を積極的に摂取しましょう。
• 運動: 適度な運動は、腸の蠕動運動を促進し、便秘を改善する効果があります。
• マッサージ: お腹を優しくマッサージすることも効果的です。
• 薬物療法: 便秘が改善しない場合は、医師に相談し、便秘薬の使用を検討しましょう。

6. 家族のサポート体制

ご家族が1日1〜2時間程度付き添えるとのことですので、この時間を有効活用しましょう。おばあ様の状態を観察し、リハビリや日常生活のサポートを行い、コミュニケーションを図ることが大切です。

• コミュニケーション: 話しかけたり、一緒にテレビを見たりすることで、おばあ様の精神的な安定を図りましょう。
• 励まし: リハビリへの意欲を維持するために、積極的に励ましの言葉をかけましょう。
• 情報共有: 医師やリハビリスタッフと連携し、おばあ様の状態に関する情報を共有しましょう。
• 休息: 介護は体力的に負担が大きいため、ご家族だけで抱え込まず、他の家族や外部のサービス（訪問介護など）を利用して、休息をとることも重要です。

おばあ様の介護は、長期にわたる可能性があります。ご家族だけで抱え込まず、専門家や外部のサービスを積極的に活用し、無理のない範囲でサポートを続けることが大切です。そして、何よりもおばあ様の気持ちに寄り添い、笑顔で接することを心がけましょう。

7. 成功事例と専門家の視点

ここでは、介護に関する成功事例と、専門家の視点をご紹介します。これらの情報が、皆様の介護のヒントになれば幸いです。

• 成功事例1: 脳梗塞後、半身不随だった80代の男性が、リハビリと家族のサポートにより、歩行器を使って自宅内を移動できるようになった。
• ポイント: 早期からのリハビリ開始、家族の積極的なサポート、本人の強い意欲。
• 成功事例2: 誤嚥性肺炎を繰り返していた90代の女性が、言語聴覚士による嚥下訓練と食事形態の工夫により、誤嚥のリスクを減らし、経口摂取を継続できるようになった。
• ポイント: 専門家による適切な指導、食事形態の工夫、家族の協力。
• 専門家の視点: 理学療法士Aさん「リハビリは、本人の意欲と家族のサポートが不可欠です。無理のない範囲で、継続的に行うことが大切です。」
• 専門家の視点: 介護福祉士Bさん「介護は、一人で抱え込まず、専門家や外部のサービスを積極的に活用することが重要です。家族の負担を軽減し、より質の高い介護を提供できます。」

8. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスは、介護を必要とする高齢者とその家族を支援するための重要な制度です。積極的に活用しましょう。

• 訪問介護: 介護ヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介助を行います。
• 訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。
• 通所リハビリテーション（デイケア）: 施設に通い、リハビリやレクリエーションを行います。
• 短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間、施設に入所し、介護サービスを受けます。
• 福祉用具のレンタル: 車椅子や介護ベッドなどの福祉用具をレンタルできます。

これらのサービスを利用することで、ご家族の負担を軽減し、より質の高い介護を提供することができます。お住まいの地域の介護保険サービスに関する情報を収集し、積極的に活用しましょう。

9. 今後の展望と心構え

おばあ様の介護は、長い道のりになるかもしれません。しかし、諦めずに、できることを一つずつ積み重ねていくことが大切です。そして、何よりもおばあ様の気持ちに寄り添い、笑顔で接することを心がけましょう。

• 情報収集: 介護に関する最新情報を収集し、常に学び続ける姿勢を持ちましょう。
• 相談: 困ったことがあれば、遠慮なく専門家や他の家族に相談しましょう。
• 休息: 介護は体力的に負担が大きいため、適度に休息を取り、心身ともに健康を保ちましょう。
• 感謝: おばあ様への感謝の気持ちを忘れずに、接しましょう。

おばあ様が、少しでも快適な生活を送れるように、ご家族一丸となってサポートしていきましょう。

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