85歳認知症の母を介護拒否する娘…あなたにできることとは？専門家が教える解決策

この記事では、85歳の一人暮らしのおばあ様が認知症を患い、介護を必要としているにも関わらず、娘さんが介護を拒否しているという深刻な状況について、具体的な解決策を提示します。介護問題は、高齢化が進む現代社会において避けて通れない課題です。特に、家族間の関係性や、行政の対応など、複雑な要素が絡み合い、問題解決を困難にすることが少なくありません。この記事では、介護に関する専門知識と、実際のケーススタディを通して、あなたができること、そして取るべき行動を具体的に解説します。

近所に85歳で一人暮らしのおばあさんがいます。認知症のうえ足腰も弱り日常生活もままならない状況です。認知症は徐々に進んでいます。

娘さんが近隣市にいますがお母さんの世話をしようとしません。

民生委員、包括支援センター、在宅介護センター、近所の人なんかが時々訪問しておばあさんに異常のないことを確認しています。

介護認定がおりてないため介護サービスは受けていません。

介護認定を受けるには医師の診断書と認定審査が必要ですが、本人が病院に行くことを拒むため、診断書ができず介護認定の申請ができません。

娘さんにお母さんを病院に連れて行ってくれるようお願いしても動こうとしません。

最近では民生委員や包括支援センターが娘さんに電話しても電話にでないそうです。

おばあさんの認知症はだんだんとひどくなり、先日は夜に徘徊し他人にクルマで送ってもらったという事もありました。

今は、いつ何が起こってもおかしくない状態です。

行政に言わすと「娘さんが動かないのだからどうしようもない、、」と消極的です。そうは言ってもこのままにしておくわけにもいかず、強制的にでもどうにかできないものでしょうか？

補足

ご意見ありがとうございます。

やはり、娘さんに情報を伝えたという事実の証拠をとっておくのが有効みたいですね。

ただ包括支援センターは「何をするにも娘さんに相談し了解を得なければ、こちらで勝手に動く事はできない」という考えです。

包括支援センターが先日、娘さんと話した時には「私が仕事を休んで病院に連れて行きます」という事だったのですが、そのままです。

おばあさんは健康保険証も行方不明、先日配布されたマイナンバーカードも行方不明になっているようです。再発行手続きは娘さんに伝えてあるそうですがそのままです。

認知症もひどくなってきております。踏切がおばあさん宅の近くにあり、徘徊を頻繁にするようになると心配です。

この問題は、介護現場でよく見られる複雑なケースの一つです。娘さんの介護拒否、本人の認知症、行政の対応の遅れなど、多くの課題が絡み合っています。しかし、諦める必要はありません。専門家として、この状況を打開するための具体的なステップと、法的手段、そして関係機関との連携について解説します。この記事を読めば、あなたは何をすべきか、そしてどのように行動すれば良いのかが明確になるはずです。

1. 現状の正確な把握：情報収集と記録の重要性

問題解決の第一歩は、現状を正確に把握することです。この段階では、以下の点を中心に情報収集を行いましょう。

• おばあ様の健康状態の詳細: 認知症の進行度合い、身体的な状態、既往歴などを詳しく把握します。可能であれば、かかりつけ医や訪問看護師から情報を得ましょう。
• 娘さんの状況: 介護拒否の背景には、仕事、経済状況、家族関係など、様々な要因が考えられます。娘さんの置かれている状況を理解することで、適切なアプローチが見えてくるかもしれません。
• 関係機関との連携状況: 民生委員、包括支援センター、地域包括支援センターなど、既に関わっている機関との連携状況を確認します。それぞれの機関がどのような支援を提供しているのか、そして、どのような課題を抱えているのかを把握しましょう。

情報収集と並行して、記録も重要です。具体的には、以下の点を記録しておきましょう。

• 日時、場所、状況: いつ、どこで、何が起きたのかを具体的に記録します。例えば、「〇月〇日〇時、自宅にて、おばあ様が徘徊し、近隣住民に発見された」といったように、詳細に記録します。
• 関係者の言動: 娘さん、民生委員、包括支援センターなど、関係者の言動を記録します。会話の内容や、対応の様子などを詳細に記録することで、後々の問題解決に役立ちます。
• 写真や動画: 可能であれば、おばあ様の様子を写真や動画で記録しておきましょう。認知症の進行状況や、生活環境などを客観的に記録することができます。

これらの記録は、後々、関係機関との交渉や、法的手段を検討する際に、非常に重要な証拠となります。記録を怠らず、正確な情報を蓄積することが、問題解決への第一歩です。

2. 介護認定の申請と医師の診断

介護サービスを利用するためには、まず介護認定を受ける必要があります。しかし、おばあ様が病院に行くことを拒否しているため、診断書が得られないという問題があります。この問題を解決するために、以下のステップを踏みましょう。

• 医師との連携: まずは、おばあ様のかかりつけ医に相談し、訪問診療や往診を依頼できないか検討しましょう。医師が自宅に訪問し、診断を行うことができれば、介護認定の申請に必要な診断書を作成してもらうことができます。
• 娘さんとの協力: 娘さんに、おばあ様を病院に連れて行くよう説得することが重要です。娘さんの負担を軽減するために、送迎や付き添いをサポートする体制を整えることも有効です。例えば、タクシーの手配や、訪問介護サービスの利用などを提案してみましょう。
• 包括支援センターの活用: 包括支援センターは、介護に関する様々な相談に対応してくれます。娘さんとの面談をセッティングしてもらい、介護の必要性や、利用できるサービスについて説明してもらうのも良いでしょう。
• 緊急時の対応: おばあ様の健康状態が急変した場合、救急車を呼ぶことも検討しましょう。救急隊員が、おばあ様の状況を医師に伝え、適切な医療を提供してもらうことができます。

介護認定の申請には、様々な書類が必要となります。これらの書類の準備や、申請手続きについても、包括支援センターや、地域の相談窓口に相談することができます。専門家のサポートを受けながら、手続きを進めていくことが重要です。

3. 関係機関との連携と情報共有

介護問題は、一人で抱え込まず、関係機関と連携しながら解決していくことが重要です。具体的には、以下の機関との連携を強化しましょう。

• 民生委員: 地域住民の相談に応じ、必要な支援を行うのが民生委員です。おばあ様の状況を共有し、定期的に訪問してもらうなど、見守り体制を強化しましょう。
• 包括支援センター: 介護に関する専門的な知識や、様々なサービスに関する情報を提供してくれます。娘さんとの面談をセッティングしたり、介護保険サービスの利用を支援したりするなど、積極的に活用しましょう。
• 地域包括支援センター: 地域の高齢者の生活を支援する拠点です。介護予防教室や、健康相談など、様々なサービスを提供しています。おばあ様の状況に合わせて、利用できるサービスを探しましょう。
• 訪問看護ステーション: 訪問看護師が、自宅に訪問し、健康管理や、医療処置を行います。おばあ様の健康状態に合わせて、適切な看護サービスを提供してもらいましょう。
• ケアマネージャー: 介護保険サービスの利用計画を作成し、サービス事業者との連絡調整を行います。介護認定を受けた後、ケアマネージャーと連携し、適切なサービスを利用できるようにしましょう。

これらの機関と連携し、情報を共有することで、多角的な視点から問題解決に取り組むことができます。定期的な情報交換を行い、おばあ様の状況を常に把握しておくことが重要です。

4. 娘さんとのコミュニケーションと説得

娘さんの介護拒否は、問題解決を困難にする大きな要因です。娘さんの気持ちを理解し、根気強くコミュニケーションを続けることが重要です。具体的には、以下の点を意識しましょう。

• 娘さんの状況を理解する: 娘さんの置かれている状況を理解し、共感の姿勢を示すことが重要です。仕事、経済状況、家族関係など、様々な要因が、介護拒否の背景にある可能性があります。娘さんの話をよく聞き、理解しようと努めましょう。
• 介護の負担を軽減する提案: 娘さんの負担を軽減するために、具体的な提案をしましょう。例えば、訪問介護サービスの利用、ショートステイの利用、デイサービスの利用など、様々なサービスを提案し、娘さんの負担を軽減する工夫をしましょう。
• 情報提供: 介護に関する正確な情報を提供することも重要です。介護保険制度や、利用できるサービスについて、詳しく説明し、娘さんの理解を深めましょう。
• 専門家の意見: 専門家の意見を聞くことも、娘さんの考えを変えるきっかけになるかもしれません。包括支援センターの職員や、ケアマネージャーなど、専門家と一緒に、娘さんと話し合い、介護の必要性について説明しましょう。
• 感情的なサポート: 娘さんの感情的な負担を軽減することも重要です。辛い気持ちを理解し、励ます言葉をかけたり、相談に乗ったりすることで、娘さんの心の負担を軽減しましょう。

娘さんとのコミュニケーションは、一朝一夕に解決できるものではありません。根気強く、粘り強く、コミュニケーションを続けることが重要です。焦らず、時間をかけて、娘さんの気持ちに寄り添いながら、問題解決を目指しましょう。

5. 法的手段の検討

様々な努力にも関わらず、状況が改善しない場合は、法的手段を検討することも必要です。具体的には、以下の手段が考えられます。

• 成年後見制度: 認知症などで判断能力が低下した方の財産管理や、身上監護を支援する制度です。家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人を選任してもらうことができます。成年後見人には、親族だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家も選任されます。
• 介護保険サービスの利用促進: 介護保険サービスを利用するためには、介護認定を受ける必要があります。娘さんが協力的でない場合でも、成年後見制度を利用することで、介護保険サービスの利用を促進することができます。
• 虐待の通報: おばあ様が、身体的虐待や、ネグレクトを受けている場合は、虐待として通報することができます。虐待の事実が確認された場合、行政が介入し、必要な保護措置が講じられます。
• 緊急時の対応: おばあ様の生命や身体に危険が及ぶ場合は、緊急的な保護が必要となります。警察や、救急隊に相談し、必要な措置を講じてもらいましょう。

法的手段は、最終的な手段であり、慎重に検討する必要があります。弁護士や、司法書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けながら、手続きを進めていくことが重要です。

6. 事例紹介：成功への道筋

ここでは、同様の状況から、問題解決に至った事例を紹介します。この事例を参考に、あなた自身の状況に合わせた解決策を見つけてください。

事例：80代女性Aさんのケース

Aさんは、認知症の夫と二人暮らし。長男は遠方に住んでおり、介護に協力できない状況でした。夫は、介護サービスを拒否し、自宅での生活を希望していましたが、認知症の症状は進行し、日常生活に支障をきたすようになっていました。

解決までのステップ：

1. 情報収集と記録: 近隣住民がAさんの自宅を訪問し、夫の様子を記録。認知症の症状、生活状況、介護拒否の理由などを詳細に記録しました。
2. 関係機関との連携: 民生委員、地域包括支援センターに相談し、情報共有。専門家の意見を聞きながら、問題解決に取り組みました。
3. 娘さんとのコミュニケーション: 長男と協力し、Aさんの夫の状況を説明。介護の必要性を理解してもらうため、根気強くコミュニケーションを続けました。
4. 介護サービスの導入: 夫の同意を得るために、様々な工夫をしました。デイサービスの見学に行き、他の利用者との交流を通して、介護サービスへの抵抗感を和らげました。
5. 成年後見制度の活用: 夫の判断能力が低下したため、成年後見制度を申請。成年後見人を選任し、財産管理や、身上監護をサポートしてもらいました。

結果：

Aさんの夫は、介護サービスを利用するようになり、自宅での生活を継続することができました。長男は、定期的に実家に帰り、Aさんをサポート。地域包括支援センターや、成年後見人のサポートを受けながら、穏やかな生活を送ることができました。

この事例から、以下の点が重要であることがわかります。

• 情報収集と記録: 状況を正確に把握し、記録することで、問題解決の糸口を見つけることができます。
• 関係機関との連携: 専門家のサポートを受けることで、適切な解決策を見つけることができます。
• 家族とのコミュニケーション: 家族の理解と協力を得ることで、問題解決をスムーズに進めることができます。
• 柔軟な対応: 状況に合わせて、柔軟に対応することで、最善の結果を得ることができます。

この事例はあくまで一例ですが、あなたの状況に合わせた解決策を見つけるためのヒントとなるはずです。諦めずに、一つずつステップを踏み、問題解決に向けて進んでいきましょう。

7. まとめ：あなたができること、そして未来への希望

85歳のおばあ様が認知症を患い、介護を必要としているにも関わらず、娘さんが介護を拒否しているという状況は、非常に困難なものです。しかし、諦める必要はありません。この記事で解説したように、あなたには、できることがたくさんあります。

まずは、現状を正確に把握し、情報収集と記録を行いましょう。そして、関係機関との連携を強化し、専門家のサポートを受けながら、問題解決に取り組みましょう。娘さんとのコミュニケーションを重ね、介護の必要性を理解してもらう努力を続けましょう。法的手段を検討することも、選択肢の一つです。

介護問題は、一人で抱え込まず、周囲の人々と協力しながら解決していくことが重要です。あなたの努力が、おばあ様の笑顔を取り戻し、より良い未来へと繋がることを信じています。

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