介護職の訪問介護でクレーム…もう辞めたい？状況を打開する３つのチェックリスト

介護職として訪問介護に従事されているあなた、日々の業務の中で、利用者の方とのコミュニケーションや、思わぬクレームに直面し、「もう辞めたい」と感じたことはありませんか？ 今回は、訪問介護の現場で起こりがちな問題とその解決策について、具体的な事例を基に掘り下げていきます。この記事を読むことで、あなたが抱える悩みの本質を見抜き、より良い解決策を見つけるためのヒントを得られるでしょう。

介護職をして６年めになります。今は小規模多機能に勤務していて、訪問介護をしているのですが、訪問に行ったときに、おむつをゴミ箱に捨て忘れたり、食事の準備をしようとしたのですが自分でしたからと言われたので、何を準備したか見てみるとからいもだけ、奥様に準備してありました。そこで、「いもだけではなくて、納豆やほかのおかずも準備させてもらっていいですか」と声掛けすると「いもだけでいいよ」と言われたのですが、「奥様がひょっとしたらほかのものも食べたいかもしれないから」と伝え、奥様に「イモだけでなくて、ほかのものも、食べたくないですか？」と尋ねてみました。そしたら次の日クレームがきてしまい、管理者から「しばらく訪問にはいかないでおこうか？」と言われました。「迷惑がかかるからやめたい」とおもいましたが、皆さんはこんな経験ありますか？

この質問にあるように、介護の現場では、利用者の方とのコミュニケーションの難しさや、ちょっとした言動がクレームにつながるリスクが常に存在します。特に、訪問介護では、利用者の方の生活に深く関わるため、細心の注意が必要です。今回の記事では、この事例を基に、訪問介護における問題解決のヒント、そして、あなたが「辞めたい」と感じる前にできることについて、具体的なステップとチェックリストを用いて解説していきます。

ステップ1：問題の本質を理解する

まずは、今回の事例で何が問題だったのか、その本質を理解することから始めましょう。単に「クレームが来た」という表面的な事象に目を向けるのではなく、その背後にある原因を探ることが重要です。

• コミュニケーション不足： 利用者の方とのコミュニケーションが不足していた可能性があります。相手の意向を十分に確認せず、自分の考えを押し付けてしまったことが、クレームにつながった可能性があります。
• 価値観の違い： 介護者と利用者の方との間で、食事に対する価値観や考え方に違いがあった可能性があります。例えば、利用者の方が「質素な食事で十分」と考えているのに対し、介護者が「栄養バランスの取れた食事を提供したい」と考えていた場合、すれ違いが生じやすくなります。
• 情報共有の不足： 介護者と、他の介護スタッフや管理者との間で、利用者の方に関する情報共有が不足していた可能性があります。例えば、利用者の方の既往歴や食事に関する特別な指示などを把握していなかった場合、適切なケアを提供することが難しくなります。

これらの問題を理解した上で、次のステップに進みましょう。

ステップ2：具体的な問題解決策を検討する

問題の本質を理解したら、具体的な解決策を検討しましょう。ここでは、3つの具体的なステップを紹介します。

1. コミュニケーションの改善

コミュニケーション不足が問題の原因の一つである場合、まずはコミュニケーションの改善を図りましょう。具体的には、以下の点を意識することが重要です。

• 傾聴： 利用者の方の話をよく聞き、相手の気持ちを理解しようと努めましょう。相手の言葉だけでなく、表情や仕草からも、相手の真意を読み取ることが大切です。
• 質問： 相手の意向を確認するために、積極的に質問をしましょう。ただし、一方的に質問するのではなく、相手が答えやすいように、オープンクエスチョン（はい・いいえで答えられない質問）を用いるなど、工夫が必要です。
• 説明： 自分の考えを伝える際には、相手に分かりやすく説明しましょう。専門用語を避け、相手が理解しやすい言葉で話すことが重要です。
• 共感： 相手の気持ちに寄り添い、共感の姿勢を示すことで、信頼関係を築くことができます。

事例の場合、「奥様がひょっとしたらほかのものも食べたいかもしれないから」という言葉は、相手への配慮のつもりだったかもしれませんが、相手にとっては「余計なお世話」と感じられた可能性があります。まずは、奥様の意向を丁寧に確認し、「何か食べたいものがあれば、遠慮なく言ってくださいね」など、相手に選択肢を与えるような声かけをすることが大切です。

2. 事前の情報収集と共有

情報共有の不足が問題の原因である場合、事前の情報収集と共有を徹底しましょう。具体的には、以下の点を意識することが重要です。

• 情報収集： 利用者の方に関する情報を、事前にしっかりと収集しましょう。既往歴、アレルギー、食事の好み、生活習慣など、必要な情報を把握しておくことが重要です。
• 情報共有： 収集した情報は、他の介護スタッフや管理者と共有しましょう。情報共有ツールを活用したり、定期的に情報交換の場を設けたりするなど、工夫が必要です。
• 記録： 介護記録を正確に記録しましょう。記録は、情報共有の重要な手段となります。

事例の場合、奥様の食事に関する情報（例えば、特定の食材が苦手、または、特定の食事制限があるなど）を事前に把握していれば、今回のクレームを防ぐことができたかもしれません。情報収集と共有を徹底することで、より適切なケアを提供できるようになります。

3. チームワークの強化

介護の現場では、チームワークが非常に重要です。問題が発生した場合は、一人で抱え込まず、チームで解決策を検討しましょう。具体的には、以下の点を意識することが重要です。

• 相談： 困ったことがあれば、すぐに同僚や管理者に相談しましょう。一人で悩まず、チームで問題を共有し、解決策を検討することが大切です。
• 連携： 他の介護スタッフや関係機関と連携し、情報交換や協力体制を築きましょう。
• 振り返り： 問題が発生した場合は、原因を分析し、再発防止策を検討しましょう。

事例の場合、クレームが発生した後、管理者に相談し、今後の対応について指示を仰ぐことが重要です。また、他の介護スタッフと情報交換し、同様の事例がないか、今後の対応について意見交換することも有効です。

ステップ3：チェックリストで自己診断

ここまでの内容を踏まえ、あなたが抱える問題がどこにあるのか、自己診断してみましょう。以下のチェックリストを使って、あなたの現状を客観的に評価し、改善点を見つけ出してください。

訪問介護における問題解決チェックリスト

以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてください。それぞれの回答に対するあなたの現状を把握し、改善点を見つけましょう。

• 
  利用者の話をよく聞き、相手の気持ちを理解しようと努めていますか？
  （はい / いいえ）
• 
  相手の意向を確認するために、積極的に質問をしていますか？
  （はい / いいえ）
• 
  自分の考えを伝える際には、相手に分かりやすく説明していますか？
  （はい / いいえ）
• 
  利用者の既往歴、アレルギー、食事の好みなどの情報を事前に把握していますか？
  （はい / いいえ）
• 
  収集した情報を、他の介護スタッフや管理者と共有していますか？
  （はい / いいえ）
• 
  介護記録を正確に記録していますか？
  （はい / いいえ）
• 
  困ったことがあれば、すぐに同僚や管理者に相談していますか？
  （はい / いいえ）
• 
  他の介護スタッフや関係機関と連携し、情報交換や協力体制を築いていますか？
  （はい / いいえ）
• 
  問題が発生した場合は、原因を分析し、再発防止策を検討していますか？
  （はい / いいえ）

このチェックリストの結果から、あなたの強みと弱みを把握し、具体的な改善策を立てましょう。例えば、「いいえ」の項目が多かった場合は、コミュニケーション能力や情報共有の改善に重点的に取り組む必要があります。

ステップ4：それでも「辞めたい」と感じたら

上記のステップを実践しても、どうしても「辞めたい」と感じてしまうこともあるかもしれません。そのような場合は、以下の選択肢を検討してみましょう。

• 転職： 介護業界には、さまざまな働き方があります。訪問介護だけでなく、施設での勤務や、他の職種への転職も可能です。
• 異動： 現在の職場内で、他の部署への異動を検討することもできます。
• キャリアコンサルタントへの相談： 専門家のアドバイスを受けることで、あなたのキャリアプランを具体的にし、最適な選択肢を見つけることができます。

転職を検討する際には、自分の強みや経験を活かせる職場を探すことが重要です。また、事前に情報収集を行い、職場の雰囲気や待遇などを確認することも大切です。異動を検討する場合は、上司や同僚に相談し、自分の希望を伝えることが重要です。

もし、あなたが介護職としてのキャリアに迷い、転職を考えているなら、ぜひ一度、専門家である私にご相談ください。あなたの経験やスキルを活かせる最適な職場を見つけるお手伝いをさせていただきます。

まとめ

今回の記事では、訪問介護の現場で起こりがちな問題とその解決策について、具体的な事例を基に解説しました。問題の本質を理解し、コミュニケーションの改善、情報共有の徹底、チームワークの強化に取り組むことで、より良いケアを提供し、クレームを減らすことができます。もしあなたが「辞めたい」と感じたとしても、転職や異動など、様々な選択肢があります。この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。

介護の仕事は、大変なことも多いですが、やりがいのある素晴らしい仕事です。あなたのこれからのキャリアが、より良いものになることを心から願っています。

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