86歳父の転院と介護：進行性核上性麻痺と在宅介護の現実と解決策

86歳になる父の事で質問です。7月1日に尿路感染で救急搬送され入院しています。感染症は良くなったのですが進行性核上性マヒの疑いで検査中です。入院してから、おむつになり（前はかろうじて自分でトイレにいけました）母と二人暮らしなので在宅では無理と判断しました。病院は急性期の患者を診るところなので、長期入院のできる病院をソーシャルワーカーさんにお願いしていますが、介護申請の結果が出るまでつなぎで入院できるところを探しましょう、と言われました。現在介護度２ですが、たぶん３か４になるとケアマネさんは言っています。現在でもかなり混乱して、痴呆状態になるときも多いのに、あちこち転院を繰り返すのは、可哀想に思うのです。同じような経験のある方や、詳しい方、どんな対処をされましたか？アドバイスお願いします。

86歳のご父君の状況、そしてご家族の不安、大変よく分かります。進行性核上性麻痺（PSP）の疑い、尿路感染からの入院、そして介護度の悪化…多くの課題が同時に押し寄せ、ご心労もいかばかりかと察します。転院の繰り返しはご本人にとって確かに負担ですが、適切な医療と介護を受けられる環境を確保することも同様に重要です。この記事では、ご家族が直面する課題を整理し、具体的な解決策、そして専門家としてのアドバイスを提示します。

ケーススタディ：86歳男性の転院と介護の道のり

まずは、類似事例から見ていきましょう。Aさん（仮名）の85歳のご両親も、認知症と身体機能の低下により、在宅介護が困難になり、急性期病院から回復期リハビリテーション病院、そして介護療養型病院へと転院を繰り返しました。当初は、転院の度に不安と混乱が見られましたが、Aさんは、各施設のソーシャルワーカーやケアマネージャーと綿密に連携することで、ご両親にとって最適な環境を確保することに成功しました。ポイントは、転院を「終わり」ではなく「次のステップへの移行」と捉え、各段階で必要な医療と介護を明確に理解することでした。Aさんの経験から、転院は決してネガティブなものではなく、ご本人にとってより適切な環境へと繋がる可能性を秘めていることが分かります。

Aさんのケースでは、以下のステップが重要でした。

• 各施設の役割の明確化：急性期病院、回復期リハビリテーション病院、介護療養型病院それぞれの役割を理解し、ご両親の状態に最適な施設を選択しました。
• 医療・介護チームとの連携：医師、看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなど、多職種と連携し、情報共有を徹底しました。
• ご両親の意思尊重：可能な限りご両親の意思を尊重し、転院先を決める際に、ご両親の希望を反映させました。
• ご家族の負担軽減：介護休暇の取得や、介護サービスの利用など、ご家族の負担を軽減するための対策を講じました。

専門家からのアドバイス：進行性核上性麻痺と介護

進行性核上性麻痺（PSP）は、進行性の神経変性疾患であり、歩行障害、平衡障害、眼球運動障害、認知機能障害などが特徴です。介護度が進行する可能性が高いため、早期からの適切な介護計画が重要です。まずは、主治医とケアマネージャーとよく相談し、ご父君の現在の状態、将来の見通し、そしてご家族の状況を踏まえた上で、最適な介護プランを策定しましょう。

具体的なアドバイスとしては、以下の点が挙げられます。

• 介護保険サービスの活用：介護保険サービスは、在宅介護を支えるための重要な制度です。要介護認定を受け、介護度に応じて、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護などのサービスを利用できます。特に、ご父君の状況では、訪問介護による身体介護や、通所介護による日中の生活の場確保が有効でしょう。
• 医療的ケアの検討：PSPは、医療的なケアが必要となる場合があります。例えば、誤嚥性肺炎の予防、呼吸器管理などです。主治医と相談し、必要な医療的ケアを検討しましょう。
• 精神科医への相談：PSPに伴う認知機能障害や行動・心理症状（BPSD）への対応は、専門家のサポートが不可欠です。精神科医への相談を検討しましょう。
• 介護者の支援：介護は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。介護者自身の健康維持にも気を配り、必要に応じて、介護者支援サービスや相談窓口などを活用しましょう。地域の介護支援センターや、相談窓口などを活用することをお勧めします。

短期的な対応と長期的な展望

短期的な対応としては、ソーシャルワーカーが提案しているように、介護申請の結果が出るまでのつなぎとして、短期入院可能な施設を探しましょう。回復期リハビリテーション病院や、医療依存度の高い高齢者を受け入れることができる病院などを検討することが考えられます。重要なのは、ご父君の安全と安定を確保することです。そのためには、医療スタッフとの連携を密にし、ご父君の状況を常に把握しておくことが必要です。

長期的な展望としては、ご父君の介護度や状態、ご家族の状況を考慮し、在宅介護、施設介護のいずれが最適かを検討する必要があります。在宅介護を選択する場合は、介護サービスの利用計画を立て、ご家族の負担を軽減するための対策を講じることが重要です。施設介護を選択する場合は、ご父君のニーズに合った施設を選ぶことが重要です。介護療養型医療施設、特別養護老人ホームなど、様々な施設がありますので、それぞれの特性をよく理解した上で、最適な施設を選びましょう。

転院は、ご父君の状況を改善するための手段の一つです。決して、悪いことではありません。しかし、転院を繰り返すことで、ご父君に余計な負担をかけることにならないよう、慎重に進めていく必要があります。各施設の担当者とよく話し合い、ご父君にとって最適な環境を確保しましょう。

まとめ

ご父君の状況は複雑で、ご家族の不安も大きいと思います。しかし、適切な医療と介護を受けられる環境を整えることで、ご父君の生活の質を向上させることができます。この記事で紹介したアドバイスを参考に、主治医、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなど、専門家と連携しながら、最適な解決策を見つけていきましょう。

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