認知症の父の弄便行為と介護の限界…専門家による具体的な解決策と支援

弄便行為につき質問 認知症が極致に到達し毎日繰り返される徘徊や弄便行為(大便を家の中に擦り付ける)をしてる父(８１歳) 家の中がうんちの強烈な臭いでもう大変です＞＜； 壁はうんちが染み込んで洗っても染みたまま落ちませんし、畳みやカーテン、網戸、ガラスに至るまで破いたり割ったりしてあります。 この状態の父(要介護５)を、私一人だけで、２４時間寝ることも出来ず毎日毎日介護をしています。 訪問ヘルパーさんは、一日３回づつオムツ交換と体拭きをしてくださいますが 市役所に助けを求めても、ただ何人かの職員が見に来るだけで何一つとして改善策はありません。 そして、私は仕事へも行けず、父の介護に専念しているため経済的にも火の車です＞＜； この私も毎日毎日寝ずに認知症の父の介護をしていることが祟り、毎月救急車搬送が２～３回あります。 病院の先生は睡眠不足からくるものだと話していました。 何か良い方法はないものなのでしょうか。

深刻な状況におかれているとのこと、心よりお見舞い申し上げます。認知症による徘徊や弄便行為は、ご本人だけでなく、介護するご家族にとっても大きな負担となる非常に難しい問題です。しかし、解決策がないわけではありません。この記事では、介護のプロである私が、あなたの状況を改善するための具体的な方法、そして、利用できる支援制度について解説します。

１．弄便行為の原因と対策：認知症介護の専門家視点

まず、弄便行為の原因を探ることから始めましょう。認知症が進行すると、排泄のコントロールが難しくなるだけでなく、感覚の鈍麻や判断力の低下により、大便を触ったり、塗りつけたりする行為が、ご本人にとって何らかの満足感や安心感を与えている可能性があります。例えば、触感の刺激、臭いの刺激、あるいは、単なる無意識の行動かもしれません。

対策としては、以下の３つのアプローチが有効です。

• 環境調整：弄便行為の誘因となるものを極力排除します。例えば、大便が触れやすい場所へのアクセス制限、床材の変更（拭き取りやすい素材）、汚れが目立ちにくい色の選択などです。また、室内の明るさや温度、音なども影響する可能性がありますので、快適な環境づくりを心がけましょう。
• 行動療法：弄便行為をしたら、すぐに注意するのではなく、落ち着いてご本人の状態を観察し、なぜそのような行動をとったのかを推測します。そして、代替行動を促します。例えば、ぬいぐるみを触らせる、音楽を聴かせる、軽い体操をするなどです。専門の介護士やケアマネージャーと相談し、個々の状況に合わせた行動療法を計画することが重要です。
• 薬物療法：医師と相談の上、症状を軽減するための薬物療法を検討することもできます。抗精神病薬や抗不安薬などが用いられる場合がありますが、副作用にも注意が必要です。薬物療法はあくまで補助的な手段であり、環境調整や行動療法と併用することが重要です。

２．介護負担軽減のための具体的な支援策

あなたは現在、過剰な介護負担を抱えています。このままでは、あなたの健康が損なわれかねません。まずは、以下の支援策を積極的に活用しましょう。

• 介護保険サービスの活用：要介護５の認定を受けているとのことですので、介護保険サービスを最大限に活用しましょう。訪問介護だけでなく、デイサービスやショートステイなどを利用することで、一時的にでも介護の負担を軽減できます。特に、ショートステイは、数日間施設に父を預けることができ、休息とリフレッシュの機会を得られます。
• 地域包括支援センターへの相談：地域包括支援センターは、介護に関する様々な相談に対応してくれる窓口です。介護サービスの利用方法、介護用品の購入方法、経済的な支援制度など、幅広い相談ができます。あなたの状況を詳しく説明し、適切なアドバイスを受けましょう。
• 成年後見制度の利用：認知症が進行すると、ご本人が自分の判断や意思決定ができなくなる可能性があります。成年後見制度を利用することで、財産管理や介護に関する意思決定を支援してもらうことができます。
• 家族介護者支援：多くの自治体では、家族介護者のための支援制度があります。 respite care（一時預かり）や、介護者のための相談窓口、介護休暇制度など、利用できる制度を調べてみましょう。

３．経済的な支援策

介護は経済的な負担が大きいため、利用できる経済的な支援策を積極的に活用しましょう。

• 介護保険給付：介護保険サービスの利用には、自己負担分がありますが、一定の金額を超えると、高額介護サービス費の支給を受けられます。
• 障害年金：認知症は障害年金の対象となる場合があります。受給要件を満たしていれば、経済的な支援を受けられます。
• 生活保護：生活に困窮している場合は、生活保護制度の利用を検討しましょう。生活保護は、最低限の生活を保障するための制度です。
• 福祉サービス利用料減免制度：低所得世帯向けに、福祉サービス利用料の減免制度が設けられている自治体もあります。

４．成功事例と専門家のアドバイス

実際に、同様の状況にあるご家族が、これらの支援策を活用して状況を改善された事例が多くあります。例えば、ショートステイを定期的に利用することで、介護者の負担が軽減され、心身ともに健康な状態を維持できたケースや、地域包括支援センターの相談員との連携により、適切な介護サービスを選択し、生活の質を向上させたケースなどがあります。重要なのは、一人で抱え込まず、専門家や支援機関の力を借りることです。

専門家として、あなたにはまず、ご自身の健康を最優先に考えてほしいと思います。睡眠不足は、身体的にも精神的にも大きな負担となります。介護はマラソンです。息切れを起こさないように、適切な休息を取り、支援を積極的に活用して、長期的な視点で介護に取り組んでください。

※具体的な支援制度の内容は、自治体によって異なる場合があります。お住まいの地域の役所に確認することをお勧めします。

５．まとめ

認知症による徘徊や弄便行為は、非常に困難な問題ですが、適切な対策と支援を受けることで、状況を改善できる可能性があります。一人で抱え込まず、専門家や支援機関に相談し、あなた自身の健康と生活の質を守りながら、介護に取り組んでいきましょう。 この記事で紹介した方法を参考に、一歩ずつ進んでみてください。

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