グループホームにおける医療連携の強化：新米管理者への具体的なアドバイス

介護について詳しい方、教えてください。母は４月開設のグループホームの管理者をしています。保有資格は、ケアマネジャー、介護福祉士、管理者です。介護者はヘルパー2級の中途採用の初心者が多く、医療連携をとっているためパートの70代ベテラン看護師です。介護職員は入居者さんの状態の変化を看護師に伝え、看護師が主治医に相談し指示を仰ぎ、看護師からどのように行うか介護者が指示を受け、介護者が支援するのが当然だと思っていました。そこで教えていただきたい事は、介護に不慣れな職員たちと看護婦の間で医療行為の連携を上手く取り、入居者が安全で快適に暮らせるか教えていただきたく思います。看護師はケアマネとの連携も上手くいかず、主治医との連絡もあまり取らず、自分の経験上で指示を出したり他者の塗り薬を使用したりします。介護者が利用者の状態の変化を看護師に伝えているが、様子を見てみましょうと主治医に相談せず重症になってから夜間に救急病院へ走ったり、受診する頃には入院や骨折者が出ているのが現状です。介護者としては防ぎたいのですが、看護師は酷くなってからじゃないと動いてくれません。施設長に相談しても良い回答が得られず困っています。管理者としては看護婦と介護者が連携をとりつつ自分たちの役割をしっかりと果たして、入居者さんたちに元気に暮らして欲しいのですが…どうか、新米管理者としてご教授いただけたらうれしく思います。よろしくお願いします。

現状分析と課題の明確化

まず、現状を整理してみましょう。貴施設では、経験の浅い介護職員とベテラン看護師、そしてケアマネジャーが連携して介護サービスを提供しています。しかし、看護師の対応に課題が見られます。具体的には、主治医への連絡不足、独断での判断や処置、そして介護職員からの報告に対する対応の遅れなどが挙げられます。これらが、入居者の安全と快適な生活を脅かす要因となっています。

これらの問題は、単に個人の問題ではなく、チームとしての連携不足、情報共有の不徹底、そして役割分担の曖昧さが原因である可能性が高いです。特に、看護師の経験と知識に頼りすぎる体制は、リスク管理の観点から非常に危険です。

具体的な解決策：チーム医療の構築と明確な役割分担

解決策は、チーム医療の構築と明確な役割分担にあります。 以下に、具体的なステップを示します。

1. 定期的なチーム会議の実施

• 目的：情報共有、課題共有、解決策の検討
• 参加者：看護師、介護職員、ケアマネジャー、管理者（貴方自身）
• 頻度：週1回以上
• 内容：入居者の状態報告、医療処置に関する情報共有、課題の洗い出し、解決策の検討、今後のケアプランの策定
• 記録：会議の内容を記録し、全員で共有する

会議では、看護師の行動に関する懸念事項を、具体的な事例を挙げて丁寧に伝えましょう。感情的にならず、事実関係を冷静に共有することが重要です。例えば、「〇〇さんの血圧が急上昇した際、看護師Aさんは『様子を見ましょう』と言われましたが、その後、夜間救急搬送となりました。このようなケースを減らすために、どのような連携体制を構築できるか、ご意見を伺いたいです。」といった伝え方が効果的です。

2. 看護師への教育と指導

• 目的：医療行為における倫理と法令遵守、チーム医療への理解促進
• 方法：研修会への参加、マニュアルの作成、管理者からの個別指導
• 内容：医療行為に関する法令遵守、他者の薬剤使用の禁止、主治医への適切な連絡方法、介護職員との連携方法、チーム医療の重要性

看護師の経験豊富なスキルは活かしつつ、チーム医療の重要性を理解させ、法令遵守を徹底させる必要があります。必要であれば、外部の専門家（医療コンサルタントなど）に相談し、研修プログラムを作成してもらうのも有効です。

3. 介護職員への教育と育成

• 目的：観察力・報告力の向上、医療行為への理解促進
• 方法：OJT、研修会への参加、マニュアルの作成
• 内容：入居者の状態変化の観察ポイント、正確な報告方法、医療用語の理解、医療行為への関与と限界

介護職員には、入居者の状態変化を的確に把握し、適切なタイミングで看護師やケアマネジャーに報告する能力が求められます。定期的な研修やOJTを通じて、観察力と報告力の向上を図りましょう。

4. ケアマネジャーとの連携強化

• 目的：ケアプラン作成における情報共有、医療機関との連携強化
• 方法：定期的な情報交換、合同カンファレンス
• 内容：入居者の状態、ケアプランの内容、医療機関との連携状況

ケアマネジャーは、医療機関との連携の中心的な役割を担います。看護師との連携がうまくいっていない現状をケアマネジャーに伝え、協力体制を築くことが重要です。

5. 記録の徹底

• 目的：情報共有の円滑化、責任の明確化、法的根拠の確保
• 方法：電子カルテの活用、記録フォーマットの統一
• 内容：入居者の状態、医療処置の内容、医師との連絡内容、会議の内容

記録は、後々のトラブルを防ぐために非常に重要です。正確で詳細な記録を心がけ、電子カルテなどを活用して情報共有をスムーズに行いましょう。

成功事例：チーム医療による効果的な医療連携

あるグループホームでは、上記のような取り組みを実施した結果、医療機関との連携が強化され、入居者の転倒事故が減少しました。定期的なチーム会議を通じて、早期発見・早期対応が可能になり、重症化を防ぐことに成功しています。

まとめ

グループホームにおける医療連携は、入居者の安全と快適な生活に直結する重要な課題です。チーム医療の構築、明確な役割分担、そして定期的な情報共有を徹底することで、看護師と介護職員間の連携を強化し、入居者の安全と安心を確保することができます。 困難な状況ではありますが、諦めずに一つずつ改善を進めていきましょう。

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