介護職1年目の疑問を解消！キャリアアップと働き方改革への道標

介護職1年目です。いくつかの質問があります。①デイサービスや在宅介護、養護より特養のスタッフの方が偉い？(能力(スキル)や知識、ノウハウという面で) ②例えば、正社員の人数、全体の1/3の場合、契約社員に問題がある？ ③利用者の通院の付き添いは正社員じゃないと駄目な理由は？ ④以前、契約社員でも通院の付き添いをしてたスタッフがいました。その理由は何だと思いますか？ ⑤正社員より出来ない業務がある(限られている)という理由で、課長や主任が契約社員を軽視するのはハラスメント？(通院の付き添い等)

この記事では、介護職1年目のあなたが抱える、職場における役割、正社員と契約社員の違い、そしてハラスメントに関する疑問を丁寧に解説します。介護業界特有の職場の構造や、キャリアアップ、働き方改革といった観点からも、具体的な解決策と、今後のキャリアプランを考えるためのヒントを提供します。 経験豊富な転職コンサルタントの視点から、あなたの不安を解消し、より働きやすい環境を築くための方法を探っていきましょう。

1. 介護現場における役割と「偉い」という概念

まず、①の質問「デイサービスや在宅介護、養護より特養のスタッフの方が偉いのか？」についてですが、これは単純に「はい」もしくは「いいえ」と答えることはできません。 介護の現場では、施設の種類によって業務内容や求められるスキルが大きく異なります。特養（特別養護老人ホーム）では、重度な介護が必要な利用者が多い一方、デイサービスでは日中の介護とレクリエーションが中心です。在宅介護では、利用者の自宅へ訪問し、個々のニーズに合わせたケアを提供します。養護老人ホームは、特養とデイサービスの中間的な存在と言えるでしょう。

それぞれの施設で求められるスキルや知識は異なり、特養で培ったスキルがそのままデイサービスで活かせるわけではありません。例えば、特養では医療的な知識や高度な介護技術が必要となるケースが多く、一方、デイサービスではコミュニケーション能力やレクリエーションの企画力などが重要になります。そのため、「偉い」という概念は、それぞれの施設で求められる役割と、その役割をどれだけ高いレベルで遂行できるかによって決まるべきであり、施設の種類だけで判断することはできません。 重要なのは、それぞれの職場で求められる専門性と、あなたがそこでどれだけ貢献できるかです。

スキルアップのポイント： 異なる施設での実習や研修に参加することで、様々な介護スキルを習得し、自身のキャリアパスを広げることができます。それぞれの施設の強みや弱みを理解することで、自身の強みを活かせる職場選びも可能になります。

2. 正社員と契約社員の比率と職場環境

次に、②の質問「正社員の人数、全体の1/3の場合、契約社員に問題があるのか？」についてです。正社員と契約社員の比率だけで、職場環境に問題があるとは断言できません。しかし、正社員が全体の1/3というのは、やや低い比率と言えるでしょう。 この比率が低い背景には、人材不足や採用戦略、予算の問題など、様々な要因が考えられます。

問題となるのは、この比率の低さが、契約社員の待遇や労働環境に悪影響を及ぼしているかどうかです。例えば、契約社員が過剰な業務負担を強いられたり、正社員との間に不公平な待遇があったりする場合には、問題視する必要があります。 契約社員の意見が反映されにくい、キャリアアップの機会が少ない、といった状況も懸念材料となります。

改善策の提案： 職場環境を改善するためには、まずは現状の課題を明確にすることが重要です。契約社員の意見を聞き取る機会を設け、労働時間や業務内容、待遇に関するアンケートを実施するなど、具体的な改善策を検討することが必要です。 労働組合や人事部などに相談することも有効です。

3. 利用者の通院付き添いに関するルール

③と④の質問「利用者の通院付き添いは正社員じゃないと駄目な理由、契約社員が通院付き添いをしていた理由」についてです。通院付き添いが正社員のみに限定されている場合、その理由は施設の内部規定や、責任の所在、緊急時の対応能力などに関係している可能性があります。正社員は、契約社員に比べて、より多くの研修を受けている、責任ある立場にある、といった理由から、緊急時の対応能力や判断力がより高いと判断されているケースが多いです。

しかし、以前契約社員が通院付き添いをしていたという事実から、必ずしも正社員のみが担当しなければならない業務ではない可能性も示唆されます。 これは、施設の体制や人員配置、個々の契約社員の能力、そして、その当時の状況によって柔軟に対応されていた可能性が高いです。 重要なのは、安全に利用者を病院へ送迎し、必要なサポートを提供することです。正社員・契約社員に関わらず、適切な研修と指導があれば、契約社員も通院付き添いを担当できる可能性は十分にあります。

改善提案： 通院付き添いの担当者を正社員のみに限定する理由を明確化し、契約社員にも機会を均等に与えるための制度設計が必要でしょう。 安全な送迎のための研修プログラムを充実させ、契約社員にも参加機会を提供することで、より公平な体制を構築できます。

4. 契約社員軽視とハラスメント

⑤の質問「正社員より出来ない業務があるという理由で、契約社員を軽視するのはハラスメントか？」についてですが、これは明確にハラスメントにあたると言えます。 業務内容の制限は、契約内容に基づいて正当な範囲で行われるべきです。しかし、単に正社員と契約社員の区別を理由に、業務を制限したり、軽視したりする行為は、パワーハラスメントに該当する可能性が高いです。 特に、通院付き添いなど、利用者の安全に直結する業務を、能力があるにもかかわらず、契約社員という理由だけで制限することは、重大な問題です。

対処法： このようなハラスメントを受けた場合は、まずは記録を残すことが重要です。日付、時間、場所、具体的な発言内容などを詳細に記録しておきましょう。 その後、人事部や労働組合などに相談し、適切な対応を求めるべきです。 必要であれば、弁護士に相談することも検討しましょう。 黙認せず、適切な対応を取ることで、あなた自身の権利を守り、職場環境の改善に繋げることが可能です。

5. キャリアアップと働き方改革

ここまで、あなたの具体的な疑問点について解説してきましたが、根本的な問題として、介護業界全体の人材不足と、働き方改革の遅れが挙げられます。 正社員と契約社員の格差、業務の偏り、ハラスメントといった問題は、これらの問題と密接に関連しています。 あなたがキャリアアップを目指し、より働きやすい環境を手に入れるためには、これらの問題を理解し、積極的に改善活動に参加することが重要です。

具体的なステップ：

• 自身のスキルアップ：専門性の高い資格取得を目指したり、研修に参加したりすることで、キャリアアップの選択肢を広げましょう。
• 職場環境改善への参加：労働組合活動に参加したり、人事部などに意見を伝えたりすることで、職場環境の改善に貢献しましょう。
• 転職の検討：現状の職場環境に改善が見られない場合は、転職も一つの選択肢です。転職活動では、自身のスキルやキャリアプランを明確にし、より働きやすい職場を選びましょう。

まとめ

介護職1年目にとって、職場環境やキャリアパスに関する不安は当然のことです。 この記事で解説した内容を参考に、自身の状況を客観的に分析し、具体的な行動を起こすことで、より働きやすい環境を築き、キャリアアップを目指していきましょう。 そして、もしこの記事だけでは解決できない悩みを抱えているなら、専門家のサポートを受けることを検討してみてください。 一人で抱え込まず、相談することで、新たな視点や解決策が見えてくるかもしれません。