介護職のスキルアップと働き方改革：喀痰吸引、経管栄養、浣腸に関する疑問を解消

①喀痰吸引の研修をしています。 介護士なので、咽頭の手前まで…と決められているはずですが、痰を引けなかったら意味がないので、引けるところまで入れていい…と言われています。 これって本当はアウトですよね？施設の判断でやっていい事なのでしょうか？ ②経管栄養、喀痰吸引実施後、異常がなければその都度報告しなくていい…と言われています。翌日ナースが出勤してきたらまとめて報告すればいい…と。この解釈も施設の判断でいいのでしょうか？ ③40mlを超える浣腸を介護職がやっています。 施設内の研修をクリアしたら、120mlまでやっています。 これも施設判断でいいのでしょうか？ 浣腸に関しては、管轄する市役所の福祉課？とかに問い合わせたら、厚生労働省やらいろいろたらい回されて最終的には警察に医師法違反で告発してください。行政側では判断が出来ません。と言われたことがありました。 これらって、車の運転免許証がないのに施設の運転研修でOKもらったら、運転免許証がないのに利用者を乗せて送迎してもいい…って言ってるのと同じようなことですよね？ 福祉施設を管轄する行政側は何も言えないのでしょうか？ ①②③それぞれの解釈？違法行為？なのかお答えいただけたらうれしいです。

この記事では、介護職として働くあなたが抱える、喀痰吸引、経管栄養、浣腸に関する不安や疑問を解消します。 特に、医療行為の範囲や報告体制、そして行政の関与について、具体的な事例を交えながら、法律や倫理の観点から丁寧に解説していきます。 あなたのキャリアアップと、より安全で安心な介護現場の実現に役立つ情報を提供します。

1. 喀痰吸引：咽頭の手前まで？それとも…

まず、喀痰吸引についてですが、「咽頭の手前まで」という指示は、医療行為の範囲を明確にするための重要な指針です。 介護士は、医師や看護師の指示に基づき、医療行為の一部を補助的に行うことができますが、その範囲を超える行為は法律違反となる可能性があります。 痰が吸引できないからといって、無理に深く挿入することは、気管支への損傷や感染症のリスクを高める危険性があり、絶対に避けるべきです。

あなたの施設での指示は、医療行為の範囲を超えている可能性が高いです。 痰の吸引が不十分であれば、看護師に報告し、適切な処置を依頼することが重要です。 これは、利用者の安全を守るためだけでなく、あなた自身の法的リスクを軽減するためにも不可欠です。 施設の判断だけで医療行為の範囲を広げることは、決して許される行為ではありません。

具体的な対応策：

• 吸引が困難な場合は、直ちに看護師に報告する。
• 吸引の技術向上のため、適切な研修を受ける。
• 施設の指示に疑問を感じたら、上司や責任者に相談する。
• 必要であれば、外部の専門機関に相談する。

2. 経管栄養と喀痰吸引の報告：その都度？それともまとめて？

経管栄養や喀痰吸引後、異常がなければ翌日まとめて報告するという施設の指示も、問題があります。 医療行為における報告は、利用者の状態を的確に把握し、迅速な対応を可能にするために非常に重要です。 異常がないからといって報告を遅らせることは、万一の事態発生時に適切な対応を遅らせる可能性があり、重大な結果を招く危険性があります。

医療行為の後には、必ずその都度、記録を残し、必要に応じて看護師や医師に報告する必要があります。 これは、医療事故を防ぎ、利用者の安全と権利を守る上で不可欠な手順です。 施設の判断だけで報告体制を簡略化することは、医療現場の安全管理体制を著しく損なう可能性があります。

具体的な対応策：

• 経管栄養や喀痰吸引後、必ず記録を残す。
• 異常の有無に関わらず、速やかに看護師に報告する。
• 報告システムに問題がある場合は、上司や責任者に改善を要望する。
• 記録の保管方法や報告手順について、改めて確認する。

3. 浣腸：40ml超え、120mlまで？

40mlを超える浣腸を介護職が行うこと、そして施設内研修で120mlまで実施しているという状況は、非常に危険です。 浣腸は、医療行為であり、医師の指示に基づいて、看護師など適切な資格を持つ者が行うべきです。 介護職が、特に大量の浣腸を行うことは、腸管の損傷や感染症のリスクを著しく高めます。 あなたの指摘の通り、これは重大な医療事故につながる可能性があります。

行政機関が対応に難色を示すのは、医療行為に関する責任の所在が曖昧になるためです。 施設内研修だけで医療行為の資格が得られるわけではないことを理解する必要があります。 もし、あなたがこのような行為に関わっている場合、すぐに施設側に改善を要求し、必要であれば、外部の専門機関に相談することを強くお勧めします。 あなたの安全と、利用者の安全を守るために行動を起こすことが大切です。

具体的な対応策：

• 浣腸は医師の指示に基づき、看護師が行うべきであることを改めて認識する。
• 施設に、浣腸に関する手順や責任の所在を明確にするよう求める。
• 行政機関への相談も視野に入れ、法的根拠を調査する。
• 必要であれば、弁護士などの専門家に相談する。

4. 行政の役割とあなたの権利

あなたの例えのように、車の運転免許なしに運転することは違法行為です。 同様に、適切な資格や研修なしに医療行為を行うことは、法律違反となる可能性があります。 行政機関が対応に難色を示す場合もあるかもしれませんが、それは行政の責任放棄ではありません。 医療行為に関する責任の所在を明確にし、適切な対応をとるために、関係各所との連携が必要となる複雑な問題だからです。 しかし、それはあなたが医療行為の違法性について声を上げない正当な理由にはなりません。

あなたは、安全な職場環境で働く権利があります。 そして、利用者は、安全で適切な医療を受ける権利があります。 もし、あなたの施設で違法な医療行為が行われていると感じたら、まずは上司や責任者に相談し、改善を求めるべきです。 それでも改善が見られない場合は、外部の専門機関や行政機関に相談することを検討してください。

5. まとめ：あなたのキャリアと安全を守るために

介護職は、利用者の生活を支える重要な役割を担っています。 しかし、その仕事には、医療行為に関連するリスクも伴います。 今回の質問のように、医療行為の範囲や報告体制、そして行政の関与について、常に正しい知識と理解を持つことが重要です。 疑問や不安を感じたら、すぐに相談し、適切な対応を取ることで、あなた自身のキャリアを守り、利用者の安全にも貢献できます。 そして、より良い介護現場の実現に向けて、積極的に行動を起こしていくことが大切です。

この記事が、あなたのキャリアアップと、より安全で安心な介護現場の実現に少しでも役立つことを願っています。 もし、さらに詳しい情報や専門家の意見が必要な場合は、ぜひ上記のLINE相談をご利用ください。