70代の親の介護と病院の対応：転院すべき？専門家が教える判断基準

70代の親御さんの介護と、それを取り巻く医療現場の対応について、多くのご家族が抱える不安や疑問に寄り添い、具体的なアドバイスを提供します。今回の相談内容は、親御さんの病状悪化と、病院の対応に対する疑問、そして転院の可能性についてです。この状況を打開するために、どのような選択肢があり、どのように判断していくべきか、一緒に考えていきましょう。

70代半ばの親の事です。要介護3で糖尿病と慢性腎不全がありました。今年5月末に透析導入の為入院しました。入院は多く見積もって約４週間の予定でした。1週間後シャントの手術をしその1週間後にシャントから透析開始し３週間ほど問題なく月日が経ちました。入院して一ヶ月あたりして体温は元々３７度前半の微熱があったのですが血便が出たためファイバーで検査その時は特段問題ないと言われました。胃も内視鏡で検査問題ないと言われました。ただ熱の原因が大腸の一部のがんではない所から出ているとこの事で点滴を打つことになりました。それから約一か月後の７月初旬に医師に呼ばれ「ここ最近食事をとらなくなり薬も飲まなくなりせん妄のような状態になった」と言われました。そこで退院して家に戻ればせん妄状態は緩和するかもしれないと言われ退院したのですが家でも一人しゃべり続けるせん妄状態はありました。話す内容は医師や看護師に嫌な思いをさせられた事をしゃべり続けるのです。ただ食事は摂れました。ところがその退院翌日に上が７０台の低血圧と高い炎症反応が出てふらふらになり救急車で運ばれそのまま同じ病院へ再入院となりました。炎症反応は腎盂炎と膀胱炎という事でした。それからも熱が３８度後半もあったりすることが度々あり点滴などで収まったりぶり返すの繰り返しを続けています。さらに７月末頃から薬も食事も受け付けなくなったと主治医から言われ、このままでは命が危ないとこの事で中心静脈カテーテルによる栄養補給になりました。それでも食事とラコールも出されるのですが嚥下が怖いとのことで出されるものの看護師の積極的に食事介助はされませんでした。その後８月のお盆過ぎに担当医から左半分が動かなくなってるのでCTを撮ったところ、脳が以前より委縮し数か所動脈硬化（ラクナ梗塞）があるが若くはないので治らないので点滴の溶解処置はしない、リハビリだけ行うというのです。親は５月から6月に見せていた笑顔はすっかりなくなり、9月現在、いまや口をパクパクして息をしてわずかに見舞いの際に反応は見せてくれるもののしゃべることも水を飲むこともできず、点滴と透析だけが行われる、家族から見れば放置ともとれるような処置、看護です。ちなみに県内ではトップクラスと言われる大病院です。全て年のせい、長い入院のせいなのでしょうか？病院の対応も限界？妥当なんでしょうか？とにかく医師・看護師が物足りなく感じ、釈然としない毎日です。嚥下のリハビリもお願いしていますが進歩しません。脳への対応も疑問です。回復医療に力を入れる事ができるもう少し小さな病院に転院させた方がいいのでしょうか？やれることはまだあるように思えてなりません。補足よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。70代半ばの親御さんの病状悪化と、それに伴う病院の対応について、ご家族として非常にご心配な状況であると拝察いたします。今回の相談は、親御さんの病状、病院の対応、そして今後の選択肢という、複数の重要なポイントを含んでいます。以下、それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

1. 親御さんの現状と病状の理解

まず、親御さんの現在の状況を正確に把握することが重要です。要介護3であり、糖尿病、慢性腎不全、透析導入、血便、大腸からの発熱、せん妄、腎盂炎・膀胱炎、脳の萎縮とラクナ梗塞、嚥下困難など、複数の病状が複合的に絡み合っています。これらの病状が互いに影響し合い、症状を複雑化させている可能性があります。

• 糖尿病と慢性腎不全: これらは全身の血管に影響を与え、合併症を引き起こしやすくなります。
• 透析導入: 腎機能が低下しているため、透析は生命維持に不可欠ですが、体力消耗や合併症のリスクも伴います。
• 血便と大腸からの発熱: 原因の特定と適切な治療が必要です。がんの可能性も考慮し、精密検査を行うべきです。
• せん妄: 認知機能の低下や、薬剤の影響、感染症などが原因で起こることがあります。
• 腎盂炎・膀胱炎: 感染症は全身状態を悪化させ、せん妄を悪化させる可能性があります。
• 脳の萎縮とラクナ梗塞: 脳血管障害は、嚥下機能の低下や認知機能の低下を引き起こす可能性があります。
• 嚥下困難: 食事摂取が困難になり、栄養状態の悪化につながります。

これらの病状を総合的に評価し、それぞれの病状に対して適切な治療とケアを提供することが重要です。

2. 病院の対応と評価

次に、現在の病院の対応について評価します。相談者様が「医師・看護師が物足りなく感じ、釈然としない」と感じているとのことですが、その背景には、以下のような要因が考えられます。

• 情報共有の不足: 病状や治療方針について、十分な説明がない場合、患者や家族は不安を感じやすくなります。
• コミュニケーションの不足: 医師や看護師とのコミュニケーションが不足すると、疑問や不安を解消することが難しくなります。
• 積極的な治療の欠如: 病状の改善が見られない場合、治療方針に対する疑問が生じることがあります。
• リハビリテーションの遅れ: 嚥下リハビリや脳のリハビリが十分に行われていない場合、回復への希望が薄れてしまう可能性があります。
• 多忙な医療現場: 大病院では、医師や看護師が多忙で、個々の患者に十分な時間を割けない場合があります。

病院の対応を評価するためには、以下の点を確認することが重要です。

• 病状の説明: 医師から、病状、検査結果、治療方針について、わかりやすく説明を受けているか。
• 治療の選択肢: 複数の治療の選択肢がある場合、それぞれのメリットとデメリットについて説明を受けているか。
• コミュニケーション: 医師や看護師に、疑問や不安を相談しやすい環境があるか。
• リハビリテーション: 嚥下リハビリや脳のリハビリが、専門家によって適切に行われているか。
• チーム医療: 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士など、多職種が連携して治療にあたっているか。

3. 転院の可能性と判断基準

転院を検討する際には、以下の点を考慮することが重要です。

• 現在の病院の限界: 現在の病院では、親御さんの病状に対して十分な治療やケアを提供できない場合、転院を検討する必要があります。
• 回復への可能性: 転院先で、より専門的な治療やリハビリを受けることで、回復の可能性が高まる場合、転院を検討する価値があります。
• 家族の希望: 家族が、より良い医療やケアを求めている場合、転院を検討することが重要です。

転院先の候補としては、以下の選択肢が考えられます。

• 回復期リハビリテーション病棟: 脳血管障害や手術後の患者に対して、集中的なリハビリテーションを提供する病棟です。嚥下リハビリや、脳のリハビリに力を入れている病院を選ぶことが重要です。
• 療養型病院: 慢性期の患者に対して、医療と生活支援を提供する病院です。
• 在宅医療: 自宅での療養を希望する場合、訪問診療や訪問看護などの在宅医療サービスを利用することもできます。

転院を検討する際には、以下の手順で進めることがおすすめです。

1. 情報収集: 転院先の候補となる病院について、情報を収集します。病院のウェブサイトや、地域の医療機関紹介サービスなどを利用して、情報を集めましょう。
2. 相談: 現在の病院の医師や看護師に、転院について相談します。転院の必要性や、転院先の候補について、意見を聞きましょう。
3. 見学: 転院先の候補となる病院を見学し、施設の設備や、スタッフの対応などを確認します。
4. 検討: 収集した情報をもとに、転院のメリットとデメリットを比較検討し、最適な転院先を決定します。
5. 手続き: 転院先が決まったら、現在の病院に転院の手続きを行います。

4. 具体的なアドバイスと行動計画

親御さんの状況を改善するために、具体的なアドバイスと行動計画を立てましょう。

1. 情報収集と整理:
   • 現在の病院での治療内容、検査結果、今後の治療方針について、詳細な情報を収集し、整理しましょう。
   • 親御さんの病状に関する情報を、インターネットや専門書などで調べて、理解を深めましょう。
2. コミュニケーションの強化:
   • 医師や看護師に、親御さんの病状や治療に関する疑問や不安を積極的に質問しましょう。
   • 親御さんの状態を詳しく伝え、適切なケアを依頼しましょう。
   • 可能であれば、家族で話し合い、親御さんの希望や意向を確認しましょう。
3. 専門家への相談:
   • セカンドオピニオンを求め、他の医師の意見を聞いてみましょう。
   • 介護支援専門員（ケアマネージャー）に相談し、介護保険サービスの利用について検討しましょう。
   • 言語聴覚士に相談し、嚥下リハビリについてアドバイスを受けましょう。
4. 転院の検討:
   • 現在の病院の対応に不満がある場合や、回復の可能性を高めたい場合は、転院を検討しましょう。
   • 回復期リハビリテーション病棟や、療養型病院など、親御さんの病状に合った病院を探しましょう。
   • 転院先の病院を見学し、施設の設備や、スタッフの対応などを確認しましょう。
5. 介護保険サービスの利用:
   • 介護保険サービスを利用し、親御さんの生活を支援しましょう。
   • 訪問看護、訪問リハビリ、デイサービスなど、様々なサービスを検討しましょう。

これらのアドバイスを実行に移すことで、親御さんの状況を改善し、より良い介護を提供できる可能性が高まります。ご家族だけで抱え込まず、専門家や周囲の人々の協力を得ながら、親御さんのために最善の選択をしてください。

5. 専門家の視点と成功事例

この問題に対する専門家の視点と、同様の状況から改善へと繋がった成功事例を紹介します。

• 専門家の視点: 医療ジャーナリストのA氏は、「高齢者の複合的な病状は、専門的な知識と多職種連携によるチーム医療が不可欠です。現在の病院の対応に疑問を感じる場合は、セカンドオピニオンを求め、より適切な医療を提供できる病院を探すことが重要です」と述べています。
• 成功事例: 70代の男性Aさんの事例を紹介します。Aさんは、脳梗塞を発症し、リハビリテーション病院に転院しました。転院後、集中的なリハビリテーションと、言語聴覚士による嚥下リハビリを受けた結果、食事摂取が可能になり、徐々に回復しました。ご家族は、転院先の病院の丁寧な対応と、多職種連携によるチーム医療に感謝していました。

6. 転院後の注意点とサポート体制

転院を成功させるためには、事前の準備と、転院後のサポート体制が重要です。

• 事前の準備:
  • 転院先の病院について、事前に情報を収集し、施設の設備や、スタッフの対応などを確認しましょう。
  • 現在の病院の医師や看護師に、転院について相談し、紹介状や、これまでの診療情報を受け取りましょう。
  • 転院先の病院に、親御さんの病状や、これまでの治療経過について、詳しく説明しましょう。
• 転院後のサポート体制:
  • 転院先の病院の医師や看護師と、密にコミュニケーションを取り、親御さんの病状や、治療方針について、情報共有を行いましょう。
  • 転院先の病院のスタッフに、親御さんの性格や、生活習慣、これまでのケアについて、詳しく伝えましょう。
  • 必要に応じて、介護保険サービスや、その他のサポート体制を利用し、親御さんの生活を支援しましょう。

7. 家族としての心のケア

親御さんの介護は、ご家族にとって大きな負担となることがあります。ご自身の心身の健康を保ちながら、親御さんの介護を続けるためには、以下の点に注意しましょう。

• 休息: 睡眠を十分にとり、適度な休息を取りましょう。
• ストレス解消: ストレスをため込まないように、趣味や、運動など、自分なりのストレス解消方法を見つけましょう。
• 相談: 家族や友人、専門家などに相談し、悩みを共有しましょう。
• 情報収集: 介護に関する情報を収集し、知識を深めましょう。
• サポート体制の利用: 介護保険サービスや、その他のサポート体制を利用し、負担を軽減しましょう。

ご家族が心身ともに健康でいることが、親御さんの介護を続ける上で、最も重要です。ご自身の健康を大切にし、無理のない範囲で介護を続けていきましょう。

8. まとめ

親御さんの介護は、多くの困難を伴いますが、適切な情報収集、専門家への相談、そして、ご家族の協力によって、より良い状況へと改善することができます。今回の相談内容を参考に、親御さんのために最善の選択をしてください。そして、ご自身を大切にし、無理のない範囲で介護を続けていくことを願っています。

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