老健の理学療法士・作業療法士はレベルが低いって本当？病院との違いを徹底解説！

老健で働く理学・作業療法士は、病院で働く理学・作業療法士よりもレベルが低いというのは本当ですか。
私は病院で働く看護師ですが、老健の理学・作業療法士はレベルが低くやる気も無いのが多いとよく聞きます。確かに、病院でのリハビリでは療法士が1対1で40分～60分くらい密度の高いリハビリをしていますが、老健では、1対1もしくは10人まとめての集団リハとして20分程度で終わらせています。病院でのリハビリに比べて時間・質ともに低い気がします。最近、知り合いが東京都東大和市にある上北台駅近くの老健に中途採用の面接に行きました。彼は理学療法士ともう一つ医療系国家資格を持っており、大学院で修士号も持っており回復期病棟を含めた経験が20年近くありました。面接対応したのが、まだ若い作業療法士の女性主任でしたが、リハビリスタッフも全員若く経験が少ない女性職員ばかりでした。結果は不採用でしたが、その理由というのが、高学歴で勉強意欲が高く当然年齢も主任よりも高いため、主任も含めた他若い女性スタッフがついてこられないから採用できないとのことでした。一番、ついてこられないのが主任で、他スタッフのせいにしているところもありますが、要するに自分たちがその有能な新人と比べられるのは嫌だということです。確かにその女性主任は、作業療法士以外は住環境コーディネーター2級というとりあえずだれでも取れる資格しか保持していないようで、それを恥ずかしげもなく自慢しているような人物みたいです。病院では院長や医師が勉強熱心な医療職を歓迎するので、リハビリ職員の勉強意欲も高いですが、やはり老健では病院ではついてこられない理学・作業療法士が楽をするために集まってくる輩も多いのでしょうか。

この記事では、老健で働く理学療法士（PT）・作業療法士（OT）のレベルが病院勤務のそれよりも低いという噂の真相に迫ります。病院で働く看護師の方々が抱く疑問や不安を解消するため、老健と病院のリハビリの違い、キャリアパス、そして両者の働きがいについて、具体的な事例やデータに基づいて解説します。さらに、理学療法士や作業療法士がそれぞれの環境でどのようにキャリアアップを目指せるのか、スキルアップを図れるのかについても掘り下げていきます。

1. 老健と病院、リハビリの違いとは？

まず、老健と病院におけるリハビリテーションの目的と、それによって生じる違いを理解することが重要です。

1-1. 目的の違い

• 病院: 急性期の治療や、病状の安定化を目指します。リハビリは、早期の機能回復や社会復帰を目的とし、集中的かつ専門的な治療が行われます。
• 老健: 在宅復帰支援や生活の質の維持・向上を目的とします。リハビリは、日常生活動作（ADL）の維持・改善、生活の質の向上に重点が置かれ、長期的な視点での支援が特徴です。

1-2. リハビリ内容の違い

• 病院: 1対1のリハビリが多く、専門的な知識と技術を駆使した治療が行われます。最新の医療機器や設備が整っていることも多く、高度なリハビリが可能です。
• 老健: 集団リハや、個別リハでも短時間での実施が一般的です。生活に密着したリハビリが多く、食事、入浴、着替えなどの動作練習が中心となります。

1-3. 時間と質の違い

ご質問にもあるように、リハビリにかけられる時間や、提供されるサービスの質には違いが見られます。病院では、1回あたり40分～60分の個別リハビリが一般的ですが、老健では20分程度の集団リハや個別リハが中心です。
しかし、時間の長さだけが質の全てではありません。老健では、患者様の生活全体をサポートする視点が重要であり、多職種連携によるチーム医療が不可欠です。

2. 経験年数とスキルの関係性

「老健の理学療法士・作業療法士はレベルが低い」というイメージは、経験年数やスキルに関する誤解に基づいている可能性があります。

2-1. 経験年数とスキルの相関関係

経験年数は、必ずしもスキルの高さを保証するものではありません。
経験年数だけでなく、どのような経験をしてきたか、自己研鑽をどれだけ行ってきたかが重要です。
例えば、病院で高度な専門治療に携わってきた理学療法士・作業療法士は、特定の分野において高いスキルを持っている可能性があります。一方、老健で長年、多様な患者様を支えてきた理学療法士・作業療法士は、生活に密着したリハビリテーションに関する豊富な知識と経験を持っているでしょう。

2-2. スキルアップの機会

• 病院: 専門性の高い研修や、学会への参加機会が多く、最新の知識や技術を習得しやすい環境です。
• 老健: チーム医療の中で、多職種連携を学び、包括的な視点を養うことができます。また、地域包括ケアシステムに関する知識も深まります。

2-3. 資格と自己研鑽

資格取得や、自己研鑽の姿勢も、スキルの向上に大きく影響します。
病院、老健に関わらず、積極的に研修に参加したり、専門資格を取得したりすることで、スキルアップを図ることができます。
例えば、認定理学療法士や認定作業療法士などの専門資格を取得することで、専門性を高めることができます。

3. 老健で働く理学療法士・作業療法士のキャリアパス

老健で働く理学療法士・作業療法士にも、様々なキャリアパスがあります。

3-1. キャリアアップの例

• 主任・管理職: 経験を積むことで、主任や管理職として、組織運営に携わることができます。
• 専門分野のスペシャリスト: 特定の分野（例：認知症ケア、生活支援など）の専門家として、専門性を高めることができます。
• 教育・指導: 後輩の指導や、新人教育に携わることで、教育スキルを磨くことができます。
• 独立・開業: 経験を活かして、訪問リハビリや、自費リハビリなどの事業を立ち上げることも可能です。

3-2. スキルアップの方法

• 研修への参加: 専門的な知識や技術を習得するための研修に参加しましょう。
• 資格取得: 認定理学療法士、認定作業療法士などの資格を取得し、専門性を高めましょう。
• 学会への参加: 学会に参加し、最新の情報を収集し、他の専門家との交流を深めましょう。
• 多職種連携: チーム医療の中で、多職種との連携を深め、包括的な視点を養いましょう。

3-3. 病院から老健への転職

病院で培った経験を活かして、老健に転職する理学療法士・作業療法士も多くいます。
病院での経験は、老健でのリハビリテーションにおいても、大きな強みとなります。
例えば、急性期のリハビリテーションの知識や技術は、老健での患者様の状態変化に対応する上で役立ちます。
また、コミュニケーション能力や、チームワークも、多職種連携が重要な老健において、非常に重要なスキルです。

4. 働きがいとやりがい

病院と老健、それぞれの働きがいとやりがいについて考えてみましょう。

4-1. 病院での働きがい

• 高度な専門性: 最新の医療技術や設備に触れながら、専門性を高めることができます。
• 早期回復への貢献: 患者様の早期回復に貢献できる喜びがあります。
• スキルアップの機会: 研修や学会への参加機会が多く、スキルアップを目指せます。

4-2. 老健での働きがい

• 長期的な関わり: 患者様の生活全体をサポートし、長期的な視点での関わりを持つことができます。
• 多職種連携: チーム医療の中で、多職種と連携し、患者様を支えることができます。
• 地域貢献: 地域包括ケアシステムの一員として、地域社会に貢献できます。

4-3. 転職を考える際のポイント

転職を考える際には、自分のキャリアプランや、重視するポイントを明確にすることが重要です。
例えば、専門性を高めたい場合は、専門性の高い病院や、研修制度が充実している施設を選ぶと良いでしょう。
一方、患者様の生活全体をサポートしたい場合は、老健や、地域密着型の施設が適しているかもしれません。
また、給与や福利厚生、職場の雰囲気なども、重要な要素です。

5. 成功事例から学ぶ

実際に、病院から老健へ転職し、活躍している理学療法士・作業療法士の事例を見てみましょう。

5-1. 事例1：病院での経験を活かして、老健で活躍するAさん

Aさんは、病院で5年間、脳卒中リハビリテーションに従事していました。
その後、老健に転職し、現在はリハビリ主任として活躍しています。
病院での経験を活かし、早期からの介入や、多職種との連携を積極的に行い、入所者の在宅復帰を支援しています。
Aさんは「病院での経験は、老健でも必ず活かせます。
患者様の状態を多角的に評価し、最適なリハビリを提供することが重要です。」と語っています。

5-2. 事例2：老健でスキルアップを目指すBさん

Bさんは、老健で3年間、リハビリテーションに従事しています。
入所者の生活を支えるリハビリテーションにやりがいを感じ、さらにスキルアップを目指し、認知症ケアに関する研修を受講しました。
現在は、認知症ケア専門士の資格を取得し、認知症の入所者に対する専門的なリハビリテーションを提供しています。
Bさんは「老健でも、スキルアップの機会はたくさんあります。
自分の興味のある分野を追求し、専門性を高めることが大切です。」と話しています。

5-3. 事例3：多職種連携を強みに、チーム医療を牽引するCさん

Cさんは、老健で10年間、作業療法士として勤務しています。
入所者の生活を支えるために、多職種との連携を重視し、積極的に情報共有や意見交換を行っています。
また、地域包括ケアシステムに関する知識を深め、地域貢献活動にも積極的に参加しています。
Cさんは「チーム医療は、患者様のQOL（生活の質）を向上させるために不可欠です。
多職種と連携し、患者様を中心に考えたリハビリテーションを提供することが、私たちの使命です。」と語っています。

6. まとめ：それぞれの場所で輝くために

この記事では、老健で働く理学療法士・作業療法士のレベルに関する疑問について、様々な角度から解説しました。

• 老健と病院のリハビリテーションには、目的や内容に違いがあります。
• 経験年数やスキルは、自己研鑽や、研修への参加によって向上します。
• 老健でも、キャリアアップやスキルアップの機会は豊富にあります。
• 自分のキャリアプランや、重視するポイントを明確にし、最適な選択をしましょう。

老健で働く理学療法士・作業療法士は、病院勤務とは異なるやりがいや、働きがいを感じることができます。
患者様の生活を支え、地域社会に貢献できる素晴らしい仕事です。
それぞれの場所で、自分の強みを活かし、輝いてください。
もし、あなたが転職を考えているなら、自分のキャリアプランをしっかりと見つめ直し、最適な選択をしてください。
そして、積極的に情報収集し、様々な施設を見学してみることもおすすめです。
あなたのキャリアが、より良いものになることを願っています。