延命治療の自己負担化は本当に正しいのか？介護職の視点から考える、日本の未来と働き方

延命治療のあり方について。わたしは介護や葬儀に関わる仕事をしてきて、家族や本人が延命を選択し機械に繋がれ会話も食事も自力で呼吸もできない人、そして亡くなったご遺体に触れる機会が多数ありました。 特に葬儀の仕事では、給料も平均年収を超え不自由なく暮らせる賃金を頂いています。 介護職では、嚥下機能の低下で胃ろうに切り替える方をたくさん見ました。 施設にいても、入院して治療を受けても約10〜15万円の支払いで1ヶ月暮らせる方がほとんど。 どう見てもスパゲティ症候群、生きてるのではなく生かされてる老人。 この医療のあり方に疑問があります。 私は、延命治療は全額自己負担、払えないなら自然死を選択してもらいたいという考えをもち、そんな世の中になればいいと思っています。 愛する家族と1秒でも長く過ごしたい、生きていられるなら生きていて欲しいと思う気持ちはわかりますが、逆ピラミッドの日本、多すぎる老人に少ない若人。 自分が払っただけの年金は貰えるのか不安です。 ありがたいことに健康に生きてるわたしは、健康保険を使うこともあまりなく誰のために毎月何万円も支払っているのか。 子育て環境を良くすることはいい事ですが、それは少しずつ良くはなっていますよね？ 働いている世代の環境も少しは考えて貰いたい。 労働環境も大切だけど、遊ぶことはもっと大切で働くために生きてるのではなく、生きるために働いてるいる。 美味しいものを食べ、好きなところにいけることが当たり前の国にしてもらいたい。 政治家になるつもりはありませんし、この世の発言力や行動力のある方たちについて行き、今後も税金を納めていくつもりです。 ただ、延命治療は全額自己負担でという考え、世の中の皆さんはどう思いますか？ わたしは異常者でしょうか？

この記事では、介護・葬儀の現場で働く相談者の方の「延命治療の全額自己負担化」という強い意見を起点に、日本の高齢化社会における医療費負担、働き方、そして人生の価値観について、多角的に考察していきます。 相談者の方の葛藤、そして日本の社会構造の問題点を理解し、より良い未来へ向けた具体的な提案を提示します。

相談者様の強い思い：延命治療と日本の社会構造

相談者様は、介護・葬儀の現場で日々、延命治療を受けている高齢者の方々を目の当たりにし、その現状に強い疑問を抱いています。 「生きている」のではなく「生かされている」と感じる高齢者の方々、そして、その医療費負担の現状に、社会構造の問題点を見出しているのです。 高額な延命治療費用の全額自己負担化という提案は、一見極端なように見えますが、その背景には、日本の高齢化社会における医療費問題への深い危機感と、現役世代の生活水準向上への強い願いが潜んでいると考えられます。

相談者様の言葉から読み取れるのは、単なる医療費の問題だけでなく、以下のような複雑な感情と社会問題への懸念です。

• 高齢化社会の現実：少子高齢化が進む日本において、有限な医療資源の分配、年金制度の持続可能性への不安。
• 現役世代の負担：健康保険料などの負担感と、その対価としての社会保障への疑問。
• 人生の価値観：「生きる意味」や「豊かな人生」とは何か、延命治療の意義と限界への問い。
• 労働環境への不満：労働時間、労働環境、ワークライフバランスへの不満と、より充実した人生を送りたいという願望。

これらの複雑に絡み合った問題を解決するには、単なる「延命治療の自己負担化」という単純な解決策ではなく、より多角的なアプローチが必要です。

延命治療の現状と課題：医療費負担と倫理的な側面

日本の医療費は年々増加しており、その大きな部分を高齢者の医療費が占めています。 延命治療は高度な医療技術を必要とするため、費用も高額になります。 相談者様の指摘する「スパゲティ症候群」のような状態にある高齢者の方々への延命治療は、本当にその方の利益になっているのか、倫理的な観点からも議論が必要です。 単に「生きている」状態を維持することだけが目的になっているケースも多く、QOL（生活の質）を重視した医療のあり方が求められています。

一方、延命治療を全額自己負担にすることは、経済的な理由から適切な医療を受けられない人が出てしまう可能性があります。 特に低所得者層にとっては、大きな負担となり、社会的な不平等が生じる懸念があります。 また、家族の経済状況によって延命治療の選択が左右されることにも倫理的な問題が生じます。

多様な選択肢と社会保障制度の改革：未来への展望

延命治療のあり方について、全額自己負担という極端な意見だけでなく、より多様な選択肢を提供することが重要です。 例えば、終末期医療に関する情報提供の充実、緩和ケアの普及、アドバンス・ケア・プランニング（ACP）の推進などです。 ACPとは、自分自身の医療や介護について、事前に意思表示しておくことで、終末期における自分の希望を尊重した医療を受けられるようにする制度です。

さらに、社会保障制度の改革も不可欠です。 高齢化社会に対応するため、年金制度や医療保険制度の見直し、医療費の効率的な運用などが求められています。 現役世代の負担を軽減しながら、高齢者への適切な医療を提供できるシステムを構築することが重要です。

また、相談者様が訴えている「働く目的」についても、見直す必要があります。 働くことは、単に生活費を稼ぐためだけでなく、自己実現や社会貢献といった側面も持っています。 ワークライフバランスを重視し、労働環境の改善、余暇時間の充実を図ることで、より豊かな人生を送れるよう支援する必要があります。

具体的な解決策：個人の意思決定と社会全体の取り組み

延命治療の自己負担化という意見に対し、より現実的な解決策としては、以下の点が考えられます。

• 情報提供の充実：延命治療に関する情報を分かりやすく提供し、患者や家族が十分な情報に基づいて意思決定できるようにする。
• 緩和ケアの普及：痛みや苦痛を和らげる緩和ケアを充実させ、より尊厳のある最期を迎えることができるようにする。
• ACPの推進：アドバンス・ケア・プランニング（ACP）を普及させ、個人の意思を尊重した医療を提供する。
• 社会保障制度の改革：高齢化社会に対応した年金制度や医療保険制度の見直しを行う。
• 医療費の効率化：医療費の無駄を削減し、限られた医療資源を有効に活用する。
• ワークライフバランスの推進：労働環境の改善、余暇時間の充実を図り、より豊かな人生を送れるようにする。

これらの対策は、個人の意思決定を尊重しつつ、社会全体で取り組む必要がある課題です。 政府、医療関係者、国民一人ひとりが責任を持って取り組むことで、より良い未来を築いていくことができます。

専門家からのアドバイス：あなた自身のキャリアと人生を考える

相談者様は、介護・葬儀の仕事を通じて、人生の終わりについて深く考えていることが分かります。 その経験は、非常に貴重な財産です。 しかし、延命治療の自己負担化という強い意見は、社会全体への影響を十分に考慮する必要があります。 まずは、自身のキャリアパスについて、改めて考えてみることをお勧めします。 現在の仕事にやりがいを感じているのであれば、その経験を活かし、より良い医療・介護システムの構築に貢献できる道を探してみるのも良いかもしれません。

例えば、医療政策に関わる仕事、介護福祉士の資格取得、医療関連のNPO活動への参加など、様々な選択肢があります。 自分の経験と価値観を活かし、社会に貢献できる仕事を見つけることで、より充実した人生を送ることができるでしょう。

まとめ：多様な視点と未来への希望

延命治療の自己負担化という意見は、日本の高齢化社会における医療費問題、働き方、人生の価値観といった複雑な問題を浮き彫りにしています。 しかし、単純な解決策ではなく、個人の意思決定を尊重しつつ、社会全体で取り組むべき課題です。 緩和ケアの充実、ACPの推進、社会保障制度の改革、そしてワークライフバランスの推進など、多角的なアプローチによって、より良い未来を築いていくことが重要です。 相談者様の強い思いは、日本の社会システムを見つめ直すきっかけとなり、より良い社会の構築に繋がる可能性を秘めていると言えるでしょう。

この記事が、相談者様だけでなく、多くの読者の方々が日本の社会問題について深く考え、より良い未来に向けて行動を起こすきっかけとなれば幸いです。