【80歳寝たきり父への対応】覚悟と現実、そしてできる限りのサポート

もうだめなのでしょうか？ 来年80になる父。 3年前に胃の部分切除手術をしたのち体力筋力とも落ちて自宅周辺を歩く程度になりました。 2年前、リンパに癌が転移していることが判明。手術はせず。 徐々に行動範囲が狭まり、この一年は家の中のみになっていました。 12月頭、父の姉が97にて永眠。姉思いだった父にはそれがショックだったらしくその翌日から本当に寝たきりに。 首を持ち上げることも出来なくなり、食物が食べられなくなりました。 水分は取れます。 今は、毎日往診で栄養注射を打ってもらっています。（腕に点滴針が入らないほどやせてしまっているため） ここに来て、ようやく介護認定が降りそうです。（今までは降りなかった） 寝ている時間が多いものの、おきているときは「のどが渇いた」などの意思表示は出来るし、人の判別も出来ています。 でも、全くの寝たきりかつ栄養注射のみです。 もう、後はそおっとしておくべきなのでしょうか? 自分自身が3人目を身ごもっていて、いざというときに身軽に動ける自信がないので、 せめて覚悟だけは決めておきたいのです。 あと、ほかに何かすべきこと、出来る事がないかご示唆いただきたいです。 私は一人っ子ですし、身よりもいないので、出来うるうちに手を打っておきたいのです。

この質問は、80歳で寝たきりとなり、余命が短い可能性のある父親を介護する、妊娠中の娘さんの切実な悩みを表しています。 経済的な不安、精神的な負担、そして自身の妊娠による体力的な限界など、多くの困難を抱えていることが読み取れます。この記事では、高齢者の終末期ケア、特に寝たきり状態での介護について、具体的なアドバイスと、専門家としての見解を交えながら、ご自身の状況に寄り添った対応策を探っていきましょう。 「覚悟」を決めること、そして「できる限りのサポート」を行うことの両立を目指します。

1. 現在の状況の整理と介護認定の活用

まず、ご父親の現在の状態を改めて整理してみましょう。 胃癌の転移、姉の死によるショック、そして寝たきり状態… これらはご父親にとって大きな精神的・肉体的な負担となっているはずです。 しかし、意思表示や人の判別ができるということは、まだご自身の存在を認知し、周囲の状況を理解されている可能性を示唆しています。 これは、ご父親にとって非常に重要なポイントです。

介護認定が下りるという朗報は、今後の介護を大きく前進させるものです。 認定結果に基づき、適切な介護サービスを受けられるようになります。 具体的には、訪問介護、デイサービス、ショートステイなどの利用を検討しましょう。 訪問介護では、身体介護（食事介助、排泄介助など）や生活援助（掃除、洗濯など）のサポートを受けられます。 デイサービスは、日中一時的に施設で過ごせるサービスで、ご自身の負担軽減にも繋がります。 ショートステイは、一時的に施設に入所できるサービスで、緊急時やご自身の休息のために有効です。 これらのサービスを利用することで、ご自身の妊娠による体力的な負担を軽減し、ご父親へのケアを継続することが可能になります。

2. 医療面でのサポート

栄養注射のみの状態とのことですが、医師や看護師と綿密に連携を取り、ご父親の栄養状態や痛みの管理について相談することが重要です。 ご父親の苦痛を軽減するための鎮痛剤や、栄養状態の改善のためのサポートについて、医療チームとよく話し合いましょう。 また、嚥下機能の評価を行い、もし可能であれば経口摂取への移行も検討する価値があります。 専門家である医師や看護師の指示に従い、最善の医療ケアを提供するように努めましょう。

さらに、緩和ケアの導入も検討しましょう。 緩和ケアは、病気の治療だけでなく、患者さんの身体的、精神的、社会的な苦痛を軽減することを目的としたケアです。 余命が短い場合でも、可能な限り快適な生活を送れるようサポートしてくれます。 緩和ケア専門医に相談することで、ご父親に最適なケアプランを立てることができます。

3. 精神的なケア

ご父親だけでなく、ご自身も精神的なケアが必要です。 妊娠中という状況で、介護の負担は想像以上に大きいでしょう。 ご自身の精神状態を常にチェックし、必要であれば、産婦人科医や精神科医に相談しましょう。 また、地域の相談窓口や、介護支援専門員（ケアマネジャー）に相談することで、様々なサポートを受けることができます。 一人で抱え込まず、周囲の助けを借りながら、ご自身もケアをすることが重要です。

ご父親への精神的なケアも大切です。 穏やかな声かけ、優しく触れること、好きな音楽を聴かせることなど、できる範囲でコミュニケーションを取りましょう。 写真を見せたり、昔話をするのも良いでしょう。 ご父親の気持ちに寄り添い、穏やかな時間を過ごせるようにサポートすることが大切です。 もし、ご父親が痛みや不安を抱えているようであれば、医師や看護師に相談し、適切な対応を検討しましょう。

4. 具体的な行動計画

介護認定の結果を元に、具体的な行動計画を立てましょう。 訪問介護やデイサービスなどの利用計画を立て、スケジュールを調整します。 また、ご自身の妊娠状況を踏まえ、無理のない範囲で介護を行うように心がけましょう。 家族や友人、近隣住民など、周囲の協力を得ることも検討しましょう。 特に、妊娠後期は体力的にも負担が大きくなるため、周囲の協力を得ながら介護を進めることが重要です。

また、経済的な負担についても、介護保険サービスの利用や、公的支援制度の活用を検討しましょう。 介護保険サービスは、介護費用の一部を公費で負担してくれる制度です。 また、低所得世帯向けの介護支援制度なども活用できます。 ケアマネジャーに相談することで、適切な支援制度を紹介してもらえます。

5. 「覚悟」と「サポート」の両立

「覚悟」を決めることは、大切なことです。 しかし、「覚悟」とは、諦めることではありません。 残された時間を、ご父親と、そしてご自身と、大切な人たちと過ごすための準備をすることです。 ご父親にできる限りのサポートを行い、穏やかな最期を迎えられるよう、精一杯努めましょう。

妊娠中という状況は、ご自身の体力的、精神的な負担を大きくします。 しかし、ご父親への愛と、ご自身の健康の両方を大切にすることが重要です。 無理をせず、周囲の協力を得ながら、できる範囲でサポートを行いましょう。 ご自身の健康状態を常にチェックし、必要であれば、医療機関に相談することを忘れないでください。

まとめ

80歳で寝たきりになった父親の介護は、特に妊娠中のあなたにとっては大きな負担です。 しかし、介護認定の活用、医療・精神的なケア、そして周囲の協力を得ながら、できる限りのサポートを行うことで、ご自身とご父親にとって最善の道を歩むことができます。 「覚悟」を決めることは、諦めることではなく、残された時間を大切に過ごすための準備です。 一人で抱え込まず、専門家や周囲の力を借りながら、この困難を乗り越えていきましょう。

もし、この記事だけでは不安が残るようでしたら、専門家への相談を検討しましょう。 より具体的なアドバイスや、ご自身の状況に合わせたサポートを受けることができます。