介護士の手首の痛み、原因と対策を徹底解説！移乗介助を楽にする方法とは？

この記事では、介護士として働くあなたが抱える手首の痛み、特に移乗介助の際に感じる痛みに焦点を当て、その原因、考えられる病名、具体的な対策について詳しく解説していきます。日常生活では問題ないのに、なぜ移乗介助の時だけ手首に痛みが生じるのか？その疑問を解決し、安心して介護の仕事に取り組めるように、専門的な知識と実践的なアドバイスを提供します。

高齢者施設で介護士をしています。半年くらい前から、手首の痛み（小指側、左のみ）が気になります。日常生活にはほぼ支障はないんです。普通に動かしたり、手首を回したり、重いものを持っても痛くないんです。（たまにですが、なにもしてなくても痛むこともあり）でも何故か、移乗介助の時だけ手首が痛み力が入りません。このような症状の当てはまるものはなにかありますか？

介護の現場で働く皆様、日々の業務、本当にお疲れ様です。利用者様の生活を支えるという、非常にやりがいのあるお仕事だと思います。しかし、その一方で、身体的な負担も大きいですよね。特に、移乗介助は、介護士にとって日常的に行う業務であり、手首への負担も大きくなりがちです。今回の記事では、手首の痛みに悩む介護士の皆様に向けて、その原因と具体的な対策を提示し、少しでもお役に立てれば幸いです。

1. 手首の痛みの原因を理解する

手首の痛みには、様々な原因が考えられます。まずは、ご自身の症状がどのような状況で起こるのかを把握し、原因を特定することが大切です。以下に、考えられる主な原因をいくつかご紹介します。

1-1. 繰り返しの動作による負担

介護の仕事では、手首を頻繁に使う動作が多くあります。特に、移乗介助や体位変換、食事介助など、手首をひねったり、曲げたりする動作は、手首への負担を大きくします。これらの動作を繰り返すことで、手首の腱や靭帯、関節に炎症が起こり、痛みを引き起こすことがあります。

具体的な例:

• 移乗介助：利用者様の体を支える際に、手首に大きな負荷がかかります。
• 体位変換：寝返りを打つ際に、手首をひねる動作が繰り返されます。
• 食事介助：食事を口に運ぶ際に、手首を曲げたり、回したりする動作を行います。

1-2. 筋肉の疲労とバランスの悪さ

手首の痛みは、手や腕の筋肉の疲労や、体のバランスの悪さとも関係があります。長時間の業務や、不自然な姿勢での作業は、特定の筋肉に負担をかけ、疲労を蓄積させます。また、体のバランスが悪いと、手首に余計な力が入ってしまい、痛みが生じやすくなります。

具体的な例:

• 長時間の作業：同じ姿勢での作業が続くと、筋肉が疲労しやすくなります。
• 不自然な姿勢：中腰での作業や、無理な体勢での介助は、手首への負担を増やします。
• 体のバランスの悪さ：片方の手ばかりで作業をすると、手首への負担が偏ります。

1-3. 考えられる病名

手首の痛みの原因として、いくつかの病気が考えられます。自己判断はせずに、医療機関を受診し、専門家の診断を受けることが重要です。以下に、考えられる主な病気をいくつかご紹介します。

• TFCC損傷（三角線維軟骨複合体損傷）：手首の小指側にあるTFCCという組織が損傷することで起こる痛みです。回旋動作や、体重をかけたときに痛みが出やすいのが特徴です。介護の仕事では、手首をひねる動作や、体重をかける動作が多いため、TFCC損傷が起こりやすいと考えられます。
• 手根管症候群：手首にある手根管というトンネルの中で、正中神経が圧迫されることで起こる病気です。手首や手の痺れ、痛み、指の感覚異常などが主な症状です。介護の仕事では、手首を酷使することで、手根管症候群を発症するリスクが高まります。
• 腱鞘炎：手首の腱を包む腱鞘が炎症を起こすことで起こる病気です。手首の痛みや腫れ、動かしにくさなどが主な症状です。介護の仕事では、手首を頻繁に使うため、腱鞘炎になりやすいと考えられます。
• ドゥケルバン病：親指側の腱鞘炎で、親指を動かすと痛みが生じます。

2. 痛みを軽減するための対策

手首の痛みを軽減するためには、原因に応じた対策を行うことが重要です。ここでは、すぐに実践できる具体的な対策をご紹介します。

2-1. 適切な姿勢と動作の習得

介護の仕事では、正しい姿勢と動作を意識することが、手首への負担を軽減するために非常に重要です。以下の点に注意して、日々の業務を行いましょう。

• 正しい姿勢：背筋を伸ばし、肩の力を抜き、自然な姿勢を保ちましょう。
• 体の使い方：手首だけでなく、体全体を使って介助を行いましょう。
• 介助技術の向上：専門的な研修を受け、正しい介助技術を身につけましょう。

2-2. 休憩とストレッチの習慣化

長時間の作業は、手首への負担を大きくします。定期的に休憩を取り、ストレッチを行うことで、筋肉の疲労を軽減し、痛みを予防することができます。

• 休憩：1時間に1回程度、休憩を取りましょう。
• ストレッチ：手首や腕、肩のストレッチを行いましょう。
• 温熱療法：お風呂に入ったり、蒸しタオルなどで温めると血行が良くなり、痛みの緩和に繋がります。

具体的なストレッチ例:

1. 手首を回すストレッチ：手首をゆっくりと回し、関節の可動域を広げます。
2. 手首を反らすストレッチ：手のひらを下に向けて、指先を手前に引き、手首を反らせます。
3. 腕を伸ばすストレッチ：片方の腕を前に伸ばし、反対側の手で指先を掴み、手前に引きます。

2-3. 適切な道具の使用

介護の現場では、様々な道具が使用されています。これらの道具を適切に使うことで、手首への負担を軽減することができます。

• 持ちやすい道具：持ち手が太いものや、滑りにくいものを選ぶと、手首への負担が軽減されます。
• リフトなどの活用：移乗介助には、リフトなどの補助具を活用しましょう。
• 自助具の活用：食事介助や入浴介助など、様々な場面で自助具を活用しましょう。

2-4. サポーターやテーピングの使用

手首のサポーターやテーピングは、手首を保護し、痛みを軽減する効果があります。ただし、使用方法を誤ると、逆効果になることもあるため、注意が必要です。

• サポーター：手首を固定し、動きを制限することで、痛みを軽減します。
• テーピング：手首を保護し、サポートすることで、痛みを軽減します。
• 専門家への相談：使用方法について、専門家（医師や理学療法士など）に相談しましょう。

3. 専門家への相談と治療

手首の痛みが続く場合や、症状が悪化する場合は、専門家（医師や理学療法士など）に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

3-1. 医療機関の受診

手首の痛みが続く場合は、整形外科を受診しましょう。医師の診察を受け、適切な診断と治療を受けることが大切です。必要に応じて、レントゲン検査やMRI検査などが行われることもあります。

3-2. 治療方法

手首の痛みの治療方法は、原因や症状によって異なります。主な治療方法としては、以下のようなものがあります。

• 薬物療法：痛み止めや、炎症を抑える薬が処方されることがあります。
• リハビリテーション：理学療法士によるリハビリテーションを行い、手首の機能回復を目指します。
• 手術：症状が重い場合は、手術が必要になることもあります。

3-3. 職場への相談

手首の痛みが仕事に影響する場合は、職場に相談することも大切です。労働環境の改善や、業務内容の調整など、必要なサポートを受けられる可能性があります。

4. 予防のための生活習慣

手首の痛みを予防するためには、日々の生活習慣を見直すことも重要です。以下の点に注意して、健康的な生活を送りましょう。

4-1. バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事は、体の健康を維持するために不可欠です。特に、骨や関節の健康に良い栄養素を積極的に摂取しましょう。

• カルシウム：骨を強くする。乳製品、小魚、緑黄色野菜などに多く含まれます。
• ビタミンD：カルシウムの吸収を助ける。魚、きのこなどに多く含まれます。
• タンパク質：筋肉や腱の修復に必要。肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれます。

4-2. 適度な運動

適度な運動は、筋肉の強化や血行促進に繋がり、手首の痛みを予防する効果があります。ウォーキングや水泳など、手首に負担のかからない運動を行いましょう。

4-3. ストレスの軽減

ストレスは、体の様々な不調を引き起こす原因となります。ストレスを溜め込まないように、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

• 休息：十分な睡眠をとる。
• 趣味：好きなことをする時間を作る。
• リラックス：入浴やアロマテラピーなどでリラックスする。

5. 介護士が働きやすい環境作り

介護の現場では、介護士が安心して働ける環境作りが重要です。職場全体で、手首の痛みを始めとする、身体的な負担を軽減するための取り組みを行いましょう。

5-1. 労働環境の改善

労働時間や休憩時間の確保、適切な人員配置など、労働環境を改善することで、介護士の負担を軽減することができます。

• 労働時間の見直し：長時間労働を避ける。
• 休憩時間の確保：定期的に休憩を取れるようにする。
• 人員配置の最適化：適切な人員配置を行い、一人あたりの負担を軽減する。

5-2. 研修制度の充実

介護技術や、身体の構造に関する研修を充実させることで、介護士のスキルアップを図り、負担を軽減することができます。

• 介助技術研修：正しい介助技術を習得するための研修を実施する。
• 身体構造に関する研修：体の構造や、手首への負担について学ぶ。
• メンタルヘルス研修：ストレスケアに関する研修を実施する。

5-3. 相談しやすい環境作り

介護士が、悩みや不安を気軽に相談できる環境を整えることが重要です。上司や同僚、専門家など、相談できる相手を明確にしておきましょう。

• 相談窓口の設置：悩みや不安を相談できる窓口を設置する。
• コミュニケーションの促進：上司や同僚とのコミュニケーションを活発にする。
• 専門家への相談：必要に応じて、医師や理学療法士などの専門家に相談できる体制を整える。

6. まとめ

介護士の手首の痛みは、適切な対策を行うことで、軽減することができます。今回の記事でご紹介した内容を参考に、ご自身の症状に合った対策を実践してみてください。そして、もし症状が改善しない場合や、悪化する場合は、必ず専門家（医師や理学療法士など）に相談してください。あなたの健康が、より良い介護に繋がります。

今回の記事が、手首の痛みに悩む介護士の皆様のお役に立てれば幸いです。