介護と仕事の両立：親族の介護問題に直面したあなたへ

この記事では、親族の介護問題に直面し、仕事との両立に悩むあなたへ、具体的な解決策と、利用できる制度について解説します。特に、親の介護と、施設に入所している親族の介護の両方を抱え、どのように対応していくべきか悩んでいる方に向けて、役立つ情報を提供します。

8年ほど前に、実家の母（70代）が自分の姉（80代後半）を引き取りました。子供がいない方で、夫が10年以上前に亡くなってから一人暮らしをしていましたが、痴呆症が進み、近所から苦情が来るようになって、兄弟で話し合って、一番若い母が引き取る事になりました。実家は父（70代）と母の二人暮らしです。

最初のうちは母が自宅で介護しながら暮らしていましたが、母の姉は痴呆による徘徊などがひどくなり、高齢者施設に入所することができました。施設では栄養状態や管理が良いこともあり、痴呆以外は問題はなく、現在要介護２です。

しかし、引き取った母自身が2年前に体をこわし、現在は体が不自由になったのですが、家の中でも転倒が増えて、進行性の難病で、今後介護が必要になることがわかりました。

そのため、母の介護申請を娘の私がしました。認定は要支援２でした。

ケアマネさんと相談しましたが、施設に入所しているとはいえ、母が姉を見ていくのは難しいという事で、他の兄弟にお願いしようと思いましたが、誰もが高齢で、自分や自分の配偶者が介護になっている状況で、自宅には引き取れないので、他の兄弟の近くの特養施設に転院ならと思ったところ、要介護2の場合、3か月更新の施設しか入れないそうで、特養などはかなりの順番待ちとのことです。

痴呆症はありますが、体は健康で問題はないため、特養には入れないので、このまま実家の母が出来る限り見ながらしばらく今の施設に入ったままになるかもしれません。

父は母の介護で食事から日常生活を世話しているので、私は出来るだけ、母の姉からの介護から手を引くことを思っています。

私自身は義両親がいる家に同居しており、親を引き取ることは出来ないので、通いながら両親を見ています。他の兄弟は遠方に住んでいます。引き取ることも介護などに関わることも無理です。

母の姉の事を今後どうしていくべきか、アドバイスをお願いしたいです。母は姉の成年後見人になっていて、介護施設の方も、衣類の交換や会議への出席、通院などを見てもらう人を母の代理に誰か選出してほしいと言います。

このように、施設に入っているものの介護するものが見ていくことが出来なくなり、他にも見る人がいない人はどのような方法があるのでしょうか？

上記のような状況は、現代社会において決して珍しいものではありません。核家族化が進み、高齢化社会の中で、介護と仕事の両立は多くの人が直面する課題です。この記事では、親族の介護問題に直面し、どのように対応していくべきか、具体的なアドバイスを提供します。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を整理し、抱えている問題点を明確にすることが重要です。今回のケースでは、以下の点が主な問題点として挙げられます。

• 親の介護： 母親（70代）が要支援2の認定を受け、介護が必要な状態。父親（70代）が介護を行っているが、限界が近づいている。
• 親族の介護： 施設に入所している叔母（80代後半）の介護。母親が成年後見人であり、施設との連携が必要。
• 家族の状況： 相談者自身は義両親との同居、他の兄弟は遠方に居住しており、介護に協力できる状況ではない。
• 経済的な問題： 介護にかかる費用や、今後の生活費に関する不安。

これらの問題点を整理することで、具体的な対策を立てやすくなります。

2. 介護保険制度の活用

介護保険制度は、介護が必要な高齢者を支えるための重要な制度です。まずは、この制度を最大限に活用することを考えましょう。

2-1. 介護サービスの利用

母親の介護について、訪問介護（ホームヘルプサービス）やデイサービスなどの介護サービスを利用することを検討しましょう。これにより、父親の負担を軽減し、母親の生活の質を向上させることができます。ケアマネージャーに相談し、適切なサービスを組み合わせて利用することが重要です。

2-2. 介護施設の検討

母親の介護が必要な状態が進行した場合、特別養護老人ホーム（特養）などの介護施設の利用も検討する必要があります。ただし、特養は入居待ちの期間が長くなることが多いため、早めに情報収集を行い、入居を希望する施設に相談しておくことが大切です。また、3か月更新の施設についても、積極的に情報収集を行いましょう。

2-3. 介護保険以外の制度の活用

介護保険制度以外にも、高齢者を支援するための様々な制度があります。例えば、

• 高額介護サービス費制度： 介護サービスの利用料が高額になった場合に、自己負担額を軽減する制度。
• 医療費控除： 介護保険サービス利用料や医療費の一部が、所得税の控除対象となる場合があります。

これらの制度についても、ケアマネージャーや自治体の窓口に相談し、利用できる制度がないか確認しましょう。

3. 施設入所中の親族への対応

施設に入所している叔母への対応についても、いくつかの方法があります。

3-1. 代理人の選定

母親が成年後見人である場合、施設との連絡や手続きを行う代理人を選定する必要があります。相談者であるあなたが代理人になることも可能ですが、仕事や家庭の事情で難しい場合は、以下の方法を検討しましょう。

• 親族への依頼： 他の兄弟や親族に、代理人を依頼できないか相談してみましょう。
• 専門家の活用： 弁護士や社会福祉士などの専門家に、代理人を依頼することもできます。
• 地域包括支援センターへの相談： 地域包括支援センターに相談し、適切な支援者を紹介してもらうことも可能です。

3-2. 施設との連携

施設との連携を密に保ち、叔母の状況を把握することが重要です。定期的に施設を訪問し、面会や情報交換を行いましょう。また、施設のスタッフとのコミュニケーションを密にすることで、安心して介護を任せることができます。

3-3. 経済的な支援

叔母の介護費用については、成年後見人として、叔母の財産から支払うことになります。しかし、財産が少ない場合は、生活保護などの制度を利用することも検討できます。自治体の窓口や、地域包括支援センターに相談し、適切な支援を受けましょう。

4. 家族間の協力体制の構築

介護は、一人で抱え込まず、家族全体で協力することが重要です。今回のケースでは、他の兄弟が遠方に住んでいるため、直接的な介護は難しいかもしれませんが、経済的な支援や、情報共有など、できる範囲で協力することを呼びかけましょう。

4-1. 家族会議の開催

定期的に家族会議を開催し、現状の状況や今後の対応について話し合いましょう。これにより、家族間の認識を共有し、協力体制を築くことができます。遠方に住んでいる兄弟とは、オンライン会議などを活用して、定期的にコミュニケーションを取るようにしましょう。

4-2. 情報共有

介護に関する情報を、家族間で共有することが重要です。ケアマネージャーとの連絡内容や、施設の状況などを、定期的に家族に報告しましょう。また、介護に関する情報を共有することで、家族全体の理解を深め、協力体制を強化することができます。

5. 相談者のためのサポート

介護と仕事の両立は、心身ともに大きな負担がかかります。相談者自身の心身の健康を保つために、以下のサポートを活用しましょう。

5-1. 専門家への相談

介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まずに、専門家に相談しましょう。ケアマネージャー、社会福祉士、精神科医など、様々な専門家がいます。専門家のアドバイスを受けることで、問題解決の糸口を見つけ、心の負担を軽減することができます。

5-2. 休息時間の確保

介護と仕事の両立は、心身ともに疲労が蓄積しやすいため、意識的に休息時間を確保することが重要です。週末は、趣味に時間を費やしたり、リフレッシュできるような活動を取り入れましょう。また、十分な睡眠時間を確保し、心身の健康を保つように心がけましょう。

5-3. 地域のサポート

地域には、介護者を支援するための様々なサービスがあります。例えば、

• 介護者交流会： 同じように介護をしている人たちが集まり、情報交換や悩み相談を行う場。
• レスパイトケア： 介護者の負担を軽減するために、一時的に介護を代行するサービス。

これらのサービスを利用することで、介護の負担を軽減し、心身の健康を保つことができます。地域の情報誌や、自治体のウェブサイトなどで、情報を収集しましょう。

6. 仕事との両立支援

介護と仕事を両立するためには、職場の理解と協力が不可欠です。会社には、介護休業や、時短勤務などの制度があります。これらの制度を活用し、仕事と介護の両立を目指しましょう。

6-1. 職場の理解を得る

上司や同僚に、介護の状況を説明し、理解と協力を求めましょう。介護に関する情報を共有し、困ったことがあれば、遠慮なく相談できるような関係性を築きましょう。また、会社には、介護に関する相談窓口がある場合があります。積極的に活用しましょう。

6-2. 介護休業・時短勤務の活用

介護休業や、時短勤務などの制度を活用し、介護と仕事の両立を図りましょう。これらの制度を利用することで、介護に費やす時間を確保し、仕事の負担を軽減することができます。制度の利用方法については、会社の担当部署に相談しましょう。

6-3. 柔軟な働き方の検討

テレワークや、フレックスタイム制度など、柔軟な働き方を検討することも有効です。これらの制度を利用することで、介護の状況に合わせて、働き方を変えることができます。会社の制度や、職種によっては、柔軟な働き方が難しい場合もありますが、上司と相談し、可能な範囲で検討してみましょう。

7. 成功事例の紹介

介護と仕事の両立に成功している人たちの事例を紹介します。これらの事例を参考に、自分自身の状況に合った解決策を見つけましょう。

7-1. 事例1：時短勤務を活用し、介護と仕事を両立

ある女性は、親の介護のため、時短勤務制度を利用し、介護と仕事を両立しています。午前中は、親の介護を行い、午後は、時短勤務で仕事をするというように、時間を有効活用しています。また、職場の理解と協力もあり、安心して仕事に取り組むことができています。

7-2. 事例2：テレワークを活用し、介護と仕事を両立

ある男性は、親の介護のため、テレワーク制度を利用し、介護と仕事を両立しています。自宅で仕事をすることで、介護の合間に、仕事をすることができ、時間の有効活用に繋がっています。また、上司や同僚とのコミュニケーションも密に行い、円滑に仕事を進めています。

7-3. 事例3：家族の協力と、地域のサポートを活用し、介護と仕事を両立

ある女性は、家族の協力と、地域のサポートを活用し、介護と仕事を両立しています。兄弟で、介護の分担を行い、週末は、地域の介護サービスを利用することで、自身の負担を軽減しています。また、職場の理解と協力もあり、安心して仕事に取り組むことができています。

8. 専門家の視点

介護と仕事の両立に関する専門家の視点を紹介します。介護支援専門員（ケアマネージャー）や、社会福祉士などの専門家は、介護に関する豊富な知識と経験を持っています。専門家のアドバイスを受けることで、問題解決の糸口を見つけ、より良い介護生活を送ることができます。

8-1. ケアマネージャーの視点

ケアマネージャーは、介護保険制度に関する専門家であり、介護に関する様々な相談に対応してくれます。ケアマネージャーに相談することで、介護保険サービスの利用方法や、介護に関する様々な情報を得ることができます。また、ケアマネージャーは、相談者の状況に合わせて、最適な介護プランを作成してくれます。

8-2. 社会福祉士の視点

社会福祉士は、介護に関する相談だけでなく、経済的な問題や、家族関係の問題など、様々な相談に対応してくれます。社会福祉士に相談することで、問題解決のための具体的なアドバイスや、必要な支援を受けることができます。また、社会福祉士は、地域の様々なサービスに関する情報も持っています。

9. まとめ：介護と仕事の両立に向けて

介護と仕事の両立は、容易なことではありませんが、適切な対策を講じることで、両立することは可能です。今回のケースでは、以下の点を意識して、対応していくことが重要です。

• 現状の整理と問題点の明確化： 抱えている問題を具体的に把握し、対策を立てやすくする。
• 介護保険制度の活用： 介護サービスや、介護施設の利用を検討する。
• 施設入所中の親族への対応： 代理人の選定や、施設との連携を密にする。
• 家族間の協力体制の構築： 家族会議の開催や、情報共有を行う。
• 相談者のためのサポート： 専門家への相談や、休息時間の確保、地域のサポートを活用する。
• 仕事との両立支援： 職場の理解を得て、介護休業や、時短勤務を活用する。

これらの対策を講じることで、介護と仕事の両立を目指し、より豊かな生活を送ることができるでしょう。困難な状況ではありますが、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことが大切です。

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