介護職一年目！車椅子からの移乗介助でスムーズな排泄介助を実現する方法

介護職一年目です。最近車いす量の方をトイレに連れて行っての排泄介助を任されるようになりました。そこで困ったことがあります。トイレまで行って便座に座る時の移乗が上手くいきません。一旦縦型手すりに掴まって立位をとるのですが、その後便座まで微妙に離れていて普通にやると便座の手前までしか乗りません。そのため一度座ってもらった後に、両脇を抱えて後ろにずらします。先輩にお手本を見せていただいた時は、そんなこともなくスッと移譲されてました。別に今のままでも問題はないと思いますが、自分にも利用者にも負担になると考えると先輩のようにやれるのがベストだと考えました。その利用者は右腕が不自由(麻痺ではない)で、手すりなどがあれば立位は可能です。ニチイで習ったようなやり方も試しましたが、足が上手く動かないようで中々方向転換ができません。YouTubeで類似例並びに模範的なやり方がないか検索しましたが、それらしいのはありませんでした。排泄介助におけるコツって何かないでしょうか？機会があればもう一度先輩のやり方を見てみたいのですが、他の利用者の対応をしていると入れないことが多くて。

この記事では、介護職一年目で車椅子からの移乗介助に悩むあなたに向けて、スムーズな排泄介助を実現するための具体的なコツと、先輩の技術を習得するための方法を解説します。利用者の方への負担軽減はもちろん、あなた自身の身体的負担を減らし、より安全で効率的な介護を実現するための実践的なアドバイスを、豊富な事例を交えながらお伝えします。

１．スムーズな移乗介助のポイント：身体の軸と重心の理解

まず、重要なのは利用者の方の身体の軸と重心を理解することです。先輩がスムーズに移乗できたのは、利用者の方の身体のバランスを的確に捉え、その動きに合わせて介助していたからでしょう。 あなたの現状では、利用者の方を一度便座に座らせてからずらしているため、利用者の方にも、そしてあなた自身にも負担がかかっています。これは、利用者の方の重心移動を適切にサポートできていないことが原因と考えられます。

具体的なコツとしては、以下の３点に注目してみましょう。

• ① 立位保持の安定化：

縦型手すりを使用することは良いですが、利用者の方が手すりにしっかり掴まり、安定した立位を保てるか確認しましょう。不安定な場合は、身体を支える補助として、あなたの腕や身体を適切に当てて、重心を安定させます。右腕が不自由な点を考慮し、左側に身体を寄せて、左腕でしっかり支えるなど、状況に応じたサポートが必要です。

• ② 重心移動の誘導：

立位から便座への移動は、利用者の方の重心移動を誘導することが重要です。単に「移動してください」と言うのではなく、言葉と身体動作の両方で誘導します。例えば、「ゆっくりと、私のほうに体重を移してください」と言いながら、利用者の方の腰や肩を優しく支え、ゆっくりと便座の方向に重心を移動させます。この時、利用者の方の足元にも注意を払い、つまづきを防ぎます。

• ③ 適切な体勢と力の入れ方：

あなたは、利用者の方の両脇を抱えて後ろにずらすと仰っていましたが、これはあなたの身体への負担が大きいです。代わりに、利用者の方の腰を支え、あなたの身体全体を使って、スムーズな重心移動をサポートするようにしましょう。腰を曲げすぎず、膝を軽く曲げて、重心を低く保つことで、腰への負担を軽減できます。また、急に力を加えるのではなく、ゆっくりと、かつ確実に力を加えることが大切です。

２．先輩の技術を学ぶための戦略

先輩の技術を学ぶことは、あなたのスキル向上に非常に有効です。しかし、他の利用者の対応で忙しい状況では、なかなか観察する機会を得られないのも現実です。

そこで、以下の戦略を提案します。

• ① タイミングを見つける：

休憩時間や業務の合間などを利用して、さりげなく先輩に相談してみましょう。「〇〇さんの移乗介助、とてもスムーズですね。もしよろしければ、今度お手本を見せていただけませんか？」と、素直な気持ちでお願いしてみましょう。忙しい時間帯を避ける配慮も大切です。

• ② 具体的な質問をする：

先輩に技術を見せてもらえる機会を得たら、具体的な質問をしましょう。「この時、利用者さんのどこに力を加えていますか？」「重心移動を誘導する際に、どのような言葉かけをしていますか？」など、具体的な質問をすることで、より深い理解を得られます。 また、「私のやり方では、どこが改善点でしょうか？」と、自分の介助方法についてフィードバックを求めることも効果的です。

• ③ 記録と実践：

先輩の技術を実際に見た後、メモを取ったり、動画を撮影する許可を得て記録しておきましょう。そして、記録を元に、何度も練習を繰り返すことで、徐々に技術を習得できます。最初はゆっくりとした動きから始め、徐々にスピードを上げていくと良いでしょう。そして、常に安全性を第一に考え、利用者の方の反応を見ながら介助を行うことが大切です。

３．その他の改善策と注意点

移乗介助をスムーズに行うためには、利用者の方の身体状況や特性を理解することも重要です。例えば、利用者の方が不安を感じている場合は、落ち着いて優しく声をかけることで、リラックスした状態を作り出すことが大切です。また、利用者の方の身体能力に合わせて、介助方法を調整することも重要です。必要であれば、福祉用具の活用も検討しましょう。

さらに、以下の点にも注意しましょう。

• 安全確保：常に安全性を第一に考え、介助を行う前に周囲の状況を確認しましょう。転倒防止のため、床が滑りやすい場合は、滑り止めマットなどを活用しましょう。
• 身体の負担軽減：無理な体勢での介助は、あなたの身体に大きな負担をかけます。適切な体勢を保ち、腰や膝への負担を軽減するために、必要であれば、腰痛ベルトなどを活用しましょう。
• チームワーク：困ったことがあれば、先輩や同僚に相談しましょう。チームとして協力することで、より安全で効率的な介護を実現できます。

４．成功事例：先輩介護士からのアドバイス

あるベテラン介護士は、次のように語っています。「スムーズな移乗介助は、経験と技術だけでなく、利用者さんとの信頼関係が不可欠です。常に利用者さんの気持ちを理解し、安心感を与えられるように心がけています。そして、日々の業務の中で、常に改善点を探し、より良い方法を模索することが大切です。」

この言葉からもわかるように、スムーズな移乗介助は、技術だけでなく、利用者の方とのコミュニケーションや、日々の努力が不可欠です。焦らず、一つずつ丁寧に技術を習得し、利用者の方との信頼関係を築くことで、よりスムーズで安全な介助を実現できるでしょう。

５．まとめ

この記事では、介護職一年目であるあなたが、車椅子からの移乗介助でスムーズな排泄介助を実現するための具体的な方法を解説しました。先輩の技術を学ぶための戦略、そして安全で効率的な介助を行うための注意点などを網羅的に説明しました。これらのポイントを踏まえ、日々の業務の中で実践することで、あなた自身のスキルアップはもちろん、利用者の方への負担軽減にもつながります。 しかし、それでも解決できない悩みや、もっと具体的なアドバイスが必要な場合は、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。