介護職のパートで起きたトラブル…ビニール袋紛失事件から学ぶ、介護現場のコミュニケーションとリスク管理

介護職のパートをしています。お風呂での介助中の話です。私が介助していた方はバルーンの方でした。バルーンにビニール袋が、ついており、そのビニール袋の中にバルーンのチューブが入っていました。お風呂に入るので私がその方のビニール袋をはずして、その方のカゴに入れました。それからその方には自立されているので「脱げますよね？」と言って、他の方の介助に入りました。それからその方には介助に入ってません。それからそのビニール袋が行方不明みたいです。それにご家族の方が怒ってるみたいなんです。私が無くしたみたいになっています。しょうがないのかもしれないですが、私は絶対にその方のカゴに入れたんです。なんかこんなに頑張ってるのに悪者扱いされるんだなあ…ってショックです。私はパートなので社員さんが対応してくださって、それも申し訳ないです。介護現場で働く方、こんな経験ありますか？

介護職のパートとして日々献身的に業務に取り組んでいらっしゃるにも関わらず、利用者様のバルーンチューブのビニール袋紛失というトラブルに巻き込まれ、ご家族から責められ、ショックを受けている…そんなお気持ち、痛いほどよく分かります。このQ&Aでは、あなたの経験を元に、介護現場で起こりがちなトラブルとその対処法、そして何より、あなたがこの経験から何を学び、今後どのように仕事に取り組んでいけば良いのかを、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。 介護現場におけるコミュニケーションの重要性、そしてリスク管理の必要性について、深く掘り下げていきましょう。

１．介護現場における「見える化」の重要性：防犯カメラと記録の徹底

まず、今回のケースで最も重要なのは、証拠の欠如です。あなたがビニール袋をカゴに入れたと主張していても、それを裏付ける証拠がないため、ご家族の怒りは当然かもしれません。介護現場では、このようなトラブルを防ぐために、「見える化」が非常に重要になります。具体的には、以下の対策が考えられます。

• 防犯カメラの設置：浴室など、プライバシーに配慮しつつも、記録を残せる場所への防犯カメラの設置は、トラブル発生時の証拠として有効です。もちろん、プライバシー保護に関する法令や倫理規定を遵守する必要があります。
• 詳細な記録システム：介助記録には、日付、時間、利用者氏名、行った介助内容、使用した物品、そして特に重要なのは、物品の保管場所を明確に記録する必要があります。電子記録システムの導入も検討しましょう。紙媒体の場合でも、誰が見ても分かるように、丁寧で正確な記録を心がけてください。今回のケースでは、「〇〇様のバルーンチューブのビニール袋を、〇〇様の専用カゴに入れた」と、日付と時間まで具体的に記録していれば、状況は大きく変わっていたでしょう。
• 物品の管理システム：バルーンチューブのような重要な物品は、専用の保管場所を設け、誰がいつ、どの物品を保管・使用したかを記録するシステムを導入することで、紛失リスクを軽減できます。さらに、物品のチェックリストを作成し、毎日の業務終了時に確認を行うことで、紛失に早期に気づき、対応できる可能性が高まります。

２．コミュニケーションの改善：丁寧な説明と共感の重要性

今回のトラブルは、コミュニケーション不足も原因の一つと言えるでしょう。「脱げますよね？」という発言は、一見すると利用者様への配慮のように見えますが、状況説明が不足しており、かえって誤解を招いた可能性があります。 ご家族への説明においても、あなたの誠実な気持ちは伝わっていても、事実関係が明確に伝えられていなければ、誤解は解けません。

具体的な改善策としては、以下の点を心がけましょう。

• 状況説明の徹底：介助前、介助中、介助後に、利用者様やご家族に対して、何をしたのか、何をどこに置いたのかを、丁寧に、具体的に説明する必要があります。専門用語を避け、分かりやすい言葉を使うことが大切です。今回のケースであれば、「〇〇様のお風呂介助を終え、バルーンチューブのビニール袋を〇〇様の専用カゴに丁寧に収納しました」と、簡潔に伝えるべきでした。
• 共感と謝罪：ご家族の怒りの感情を理解し、共感する姿勢を示すことが重要です。たとえあなたが責任がないとしても、「ご心配をおかけして申し訳ございませんでした」と謝罪することで、ご家族の怒りを鎮める効果があります。同時に、事実関係を冷静に説明し、誤解を解く努力が必要です。
• 積極的な情報共有：何か問題が発生した際は、すぐに上司や同僚に報告し、適切な対応を相談しましょう。一人で抱え込まず、チームとして解決策を探ることが大切です。パートだからと遠慮せずに、社員の方々に相談し、サポートを受けるべきです。

３．介護現場特有のリスクとリスク管理：想定外の事態への備え

介護現場では、様々なリスクが潜んでいます。今回のビニール袋紛失も、想定外の事態の一つと言えるでしょう。このようなリスクを最小限に抑えるためには、日頃からリスク管理を意識することが重要です。

• リスクアセスメントの実施：日々の業務の中で、どのようなリスクがあるかを洗い出し、そのリスクを軽減するための対策を検討しましょう。例えば、バルーンチューブの管理方法の見直し、物品の紛失防止策の検討などです。
• マニュアルの作成と遵守：業務手順を明確に示したマニュアルを作成し、全職員で共有・遵守することで、ミスを減らすことができます。マニュアルには、物品の管理方法、トラブル発生時の対応手順なども含めるべきです。
• 定期的な研修：リスク管理やコミュニケーションスキルに関する研修を定期的に実施することで、職員のスキルアップを図り、トラブル発生率を低減できます。

４．あなた自身のメンタルケア：自己肯定感を高める方法

今回の出来事で、あなたは大きなショックを受け、自己肯定感が下がっているかもしれません。しかし、あなたは決して悪者ではありません。誠実に仕事に取り組んでいたにも関わらず、このような状況に陥ってしまったことは、非常に残念ですが、決してあなたの責任だけではありません。 大切なのは、この経験から学び、今後同じようなトラブルを繰り返さないようにすることです。

自己肯定感を高めるために、以下の方法を試してみてください。

• 客観的な評価：今回の出来事を客観的に分析し、何が原因でトラブルが発生したのかを冷静に考えましょう。そして、改善すべき点を見つけることで、今後の業務改善に繋げることができます。
• 自己肯定感を高める言葉：「私は一生懸命頑張っている」「私は良い介護士だ」など、自分の良い点を意識し、自己肯定感を高める言葉を心の中で繰り返してみましょう。
• 相談：信頼できる上司や同僚、友人、家族などに相談し、自分の気持ちを吐き出すことで、心の負担を軽減することができます。必要であれば、専門機関に相談することも検討しましょう。

５．結論：経験から学び、成長する機会に

今回の経験は、決して無駄ではありません。この苦い経験から多くのことを学び、より良い介護士として成長する機会と捉えましょう。 防犯カメラの設置、詳細な記録システムの導入、丁寧なコミュニケーション、そしてリスク管理の徹底…これらの対策を講じることで、同様のトラブルを未然に防ぎ、安心して業務に取り組める環境を作ることができます。そして、何よりも大切なのは、あなたの頑張りをきちんと評価し、サポートしてくれる職場環境を見つけることです。

あなたは素晴らしい介護士です。この経験を活かし、さらに成長していきましょう。