86歳のお母様が朝起きない…介護と向き合うあなたが知っておきたいこと

この記事では、後期高齢のお母様の介護について、特に朝起きないという問題に焦点を当て、ご自宅での介護を続けるために役立つ情報を提供します。介護の専門家としての視点から、具体的なアドバイスや、ご家族が抱える不安を和らげるためのヒントを交えて解説します。ご自宅での介護を続けるために、何ができるのか、一緒に考えていきましょう。

後期高齢者の母（86歳）のことですが、3年前に大腿骨骨折してからは訪問リハビリとデイケアが日課ですが、痴呆があるため会話が余り無くなってきました。毎朝6時にトイレに行き、朝食の8時まで寝ます。朝食時が目が覚めたり、全然声をかけても目が開かず朝食を抜くこともあります。大腿骨骨折で自分から歩くことが出来ないので寝ているしかないのですが、睡眠は十分だと思っています。やはり年齢に関係があるのでしょうか？最後まで自宅で出来る事は子供としてやってあげたいと思っています。どうしようもない場合は最後の砦の老人ホームにお世話になるつもりです。朝なかなか起きないご老人をお持ちの方、良いアドバイスが有りましたらお教え下さい。疾病はありません。

ご相談ありがとうございます。86歳のお母様の介護、本当にお疲れ様です。特に、朝起きないという状況は、ご家族として非常に心配になることと思います。ご自宅での介護を続けたいというお気持ち、心から応援しています。今回の記事では、この問題について、具体的なアドバイスと、ご家族の心の負担を軽減するための情報を提供します。

1. なぜ朝起きないのか？原因を理解する

高齢者が朝起きない原因は、一つではありません。様々な要因が複合的に絡み合っている可能性があります。まずは、考えられる原因をいくつか見ていきましょう。

• 睡眠サイクルの変化: 高齢になると、睡眠の質が低下し、睡眠時間も短くなる傾向があります。また、体内時計のリズムが変化し、早朝に目が覚めやすくなることもあります。
• 生活習慣: 日中の活動量、食事の時間、就寝前の過ごし方など、生活習慣が睡眠に大きく影響します。特に、日中の活動量が少ないと、夜になかなか寝付けない、または睡眠が浅くなることがあります。
• 認知機能の低下: 認知症の症状として、昼夜逆転の生活になったり、睡眠と覚醒のリズムが乱れたりすることがあります。
• 身体的な問題: 大腿骨骨折後のリハビリや、その他の身体的な不調が睡眠に影響を与えることもあります。痛みや不快感があると、夜中に目が覚めてしまうことがあります。
• 薬の影響: 服用している薬によっては、眠気を誘うものや、逆に睡眠を妨げるものがあります。

これらの原因を理解することで、具体的な対策を立てるための第一歩となります。お母様の状況に合わせて、原因を探るようにしましょう。

2. 専門家への相談：何科を受診すべきか？

お母様の状況を詳しく把握するために、専門家への相談は非常に重要です。具体的に、どのような科を受診すれば良いのでしょうか？

• かかりつけ医: まずは、かかりつけ医に相談しましょう。これまでの病歴や服薬状況を把握しているため、適切なアドバイスをしてくれます。必要に応じて、専門医への紹介もしてくれます。
• 精神科または心療内科: 認知症の症状や、睡眠障害の可能性を考慮して、精神科または心療内科を受診することも検討しましょう。専門的な診断と治療を受けることができます。
• 神経内科: 脳血管疾患やパーキンソン病など、神経系の疾患が睡眠に影響を与えている可能性も考えられます。神経内科医に相談することで、詳細な検査を受けることができます。
• 睡眠専門医: 睡眠に関する専門的な知識を持つ医師です。睡眠検査などを行い、睡眠障害の原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。

専門医に相談することで、適切な診断と治療を受けることができ、より良い解決策を見つけることができます。

3. ご自宅でできること：具体的な対策

専門家への相談と並行して、ご自宅でもできることがあります。ここでは、具体的な対策をいくつかご紹介します。

3-1. 生活習慣の改善

• 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に起床し、就寝する習慣をつけましょう。特に、朝食は必ず食べるようにし、体内時計を整えることが重要です。
• 日中の活動量を増やす: 可能な範囲で、日中の活動量を増やしましょう。散歩や軽い体操など、無理のない運動を取り入れることが効果的です。
• 食事の工夫: バランスの取れた食事を心がけましょう。特に、朝食はしっかりと食べるようにし、夜食は控えめにしましょう。
• 就寝前のリラックス: 就寝前は、リラックスできる環境を作りましょう。温かい飲み物を飲んだり、軽いストレッチをしたり、アロマを焚いたりするのも良いでしょう。
• カフェインとアルコールの制限: カフェインやアルコールは、睡眠を妨げる可能性があります。就寝前の摂取は控えましょう。

3-2. 環境の整備

• 快適な寝室環境: 寝室の環境を整えましょう。室温や湿度を適切に保ち、静かで暗い空間を作ることが大切です。
• 光の活用: 朝は太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットし、夜間の睡眠を促すことができます。
• 音の対策: 騒音は睡眠を妨げる原因となります。静かな環境を保つように心がけましょう。

3-3. コミュニケーションの工夫

• 声かけ: 穏やかな口調で、優しく声をかけましょう。名前を呼んだり、話しかけたりすることで、安心感を与えることができます。
• スキンシップ: 触れ合いは、安心感を与え、精神的な安定をもたらします。手をつないだり、体をさすったりするのも良いでしょう。
• 回想法: 昔の思い出話を聞いたり、写真を見たりすることで、認知機能を刺激し、会話を促すことができます。

3-4. 介護用品の活用

• 体位変換クッション: 長時間寝ていると、床ずれのリスクが高まります。体位変換クッションなどを活用し、体位をこまめに変えるようにしましょう。
• 介護ベッド: 介護ベッドは、体位変換や起き上がりの補助に役立ちます。
• 見守りセンサー: 離床センサーや、睡眠モニターなど、見守り用の機器を活用することで、夜間の安全を確保することができます。

4. 家族の心のケア：負担を軽減するために

介護は、ご家族にとって大きな負担となります。一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用することが大切です。

• 相談窓口の活用: 地域包括支援センターや、介護保険サービスに関する相談窓口を利用しましょう。専門家からのアドバイスや、様々な支援を受けることができます。
• レスパイトケア: 短期入所や、日中のデイサービスなどを利用し、介護から一時的に離れる時間を作りましょう。
• 家族間の連携: 家族間で協力し、役割分担をすることで、負担を軽減することができます。
• 自分の時間を確保する: 介護から離れて、自分の時間を持つことも重要です。趣味を楽しんだり、休息をとったりすることで、心身のバランスを保ちましょう。
• 専門家への相談: 介護に関する悩みや不安は、専門家（医師、ケアマネージャー、カウンセラーなど）に相談しましょう。

介護は、一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用することが大切です。そして、ご自身の心と体の健康も大切にしてください。

5. 成功事例から学ぶ

実際に、ご自宅での介護を成功させている方の事例を見てみましょう。以下は、いくつかの成功事例です。

• 事例1：Aさんの場合
  Aさんは、認知症の母親の介護に直面し、朝起きないという問題に悩んでいました。そこで、かかりつけ医に相談し、睡眠導入剤を処方してもらうことにしました。また、日中は積極的に散歩に連れ出し、夜は決まった時間に就寝する習慣をつけました。その結果、母親の睡眠リズムが改善し、朝食を食べる回数が増えました。Aさんは、「専門家のアドバイスと、日々の努力が大切だと実感しました」と話しています。
• 事例2：Bさんの場合
  Bさんは、大腿骨骨折後の父親の介護をしていました。父親は、痛みと不安から夜中に何度も目が覚めてしまう状態でした。Bさんは、医師の指示のもと、痛み止めを適切に使用し、夜間の体位変換を頻繁に行いました。また、父親の好きな音楽を流したり、アロマを焚いたりして、リラックスできる環境を整えました。その結果、父親は安眠できるようになり、日中の活動量も増えました。Bさんは、「父親の笑顔が見られるようになり、本当に嬉しかった」と話しています。
• 事例3：Cさんの場合
  Cさんは、夫の介護で、朝起きないという問題に悩んでいました。Cさんは、地域包括支援センターに相談し、デイサービスを利用することにしました。夫は、デイサービスで他の利用者と交流し、日中の活動量が増えました。また、Cさんは、レスパイトケアを利用し、自分の時間を確保することで、心身の負担を軽減しました。Cさんは、「一人で抱え込まず、周囲のサポートを頼ることが大切だと学びました」と話しています。

これらの事例から、専門家への相談、生活習慣の改善、環境の整備、そして家族の協力が、ご自宅での介護を成功させるための重要な要素であることがわかります。

6. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスは、ご自宅での介護を支えるための重要なツールです。積極的に活用しましょう。

• 訪問介護: 訪問介護サービスを利用することで、ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの介助をしてくれます。
• 訪問看護: 訪問看護サービスを利用することで、看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行ってくれます。
• デイサービス: デイサービスを利用することで、日中の活動やレクリエーション、食事、入浴などのサービスを受けることができます。
• ショートステイ: ショートステイを利用することで、短期間、施設に入所し、介護を受けることができます。
• 福祉用具のレンタル: 介護ベッドや車椅子など、福祉用具をレンタルすることができます。

これらのサービスを組み合わせることで、ご自宅での介護をより快適に進めることができます。ケアマネージャーに相談し、適切なサービスを計画してもらいましょう。

7. 最後に：諦めないことの大切さ

高齢者の介護は、決して楽なものではありません。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことが大切です。今回の記事でご紹介した情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。

ご自宅での介護を続けることは、大変なことですが、かけがえのない時間でもあります。お母様との大切な時間を、大切に過ごしてください。そして、ご自身の心と体の健康も大切にしてください。何か困ったことがあれば、いつでもご相談ください。応援しています。

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