介護職の夜勤における医療行為の範囲と責任：看護師不在時の対応

特別養護老人ホームで介護職(介護福祉士)として働いています。夜間帯に入居者様に何か異常があった際、施設看護師にオンコールをして指示を仰ぎ業務をしています。 ですが、最近になり看護師が大量に離職した為、オンコールを受ける職員がおらず施設長と生活相談員がやっています。施設長も生活相談員も看護師や医師の資格はありませんが指示された通り業務をしてもいいのでしょうか？ワセリンのような保湿剤を塗る程度は良いかと解釈してますがゲンタシンを塗ってガーゼ保護して等医療的指示を受けた場合も行って良いのでしょうか？

この記事では、介護職として特別養護老人ホームで働くあなたが、夜勤における医療行為の範囲と責任、特に看護師不在時の対応について、具体的な事例を交えながら解説します。 夜勤における緊急時対応、医療行為の範囲、そして法的責任の観点から、あなたが安心して業務を遂行できるよう、詳細な情報を提供します。 さらに、キャリアアップや働き方改革といった観点からも、現状の課題解決に向けた具体的なステップを提案します。

1. 看護師不在時の医療行為：許容範囲とリスク

まず、重要なのは、介護福祉士は医師や看護師ではないということです。 介護福祉士の業務範囲は、介護保険法で明確に定められており、医療行為は含まれません。ワセリンなどの一般的な保湿剤の塗布は、介護の範囲内と解釈されることが多いですが、ゲンタシンなどの医療用薬剤の使用や、ガーゼによる創傷処置などは、明確に医療行為に該当します。

施設長や生活相談員が看護師や医師の資格を持たずに医療行為を行うことは、医療法違反となる可能性があります。 たとえ、看護師からの指示があったとしても、その指示に従って医療行為を行った場合、あなたにも法的責任が問われる可能性があります。 これは、重大な事故やトラブルにつながるリスクを伴います。

具体例として、ゲンタシン塗布とガーゼ保護の指示があった場合、あなたはそれを実行すべきではありません。代わりに、速やかに医師または看護師の緊急対応を要請する必要があります。 入居者の状態を正確に記録し、状況を医師や看護師に的確に伝えることが非常に重要です。

2. 夜勤における緊急時対応：適切な手順と記録

夜勤中に緊急事態が発生した場合、まず冷静に状況を把握することが大切です。 入居者の容態を正確に記録し、可能な範囲で応急処置を行いながら、速やかに医師または看護師に連絡しましょう。 連絡先を事前に確認し、スムーズに連絡が取れるように準備しておくことが重要です。

記録には、以下の項目を正確に記載しましょう。

• 日時
• 入居者の氏名と状態
• 発生した事象
• 行った対応
• 医師または看護師への連絡状況

記録は、後々のトラブル発生時に重要な証拠となります。 正確かつ詳細な記録を心がけましょう。 また、施設には緊急時のマニュアルが整備されているはずです。 マニュアルの内容を熟知し、それに基づいた対応を行うことが重要です。

3. 看護師不足問題への対応：施設への働きかけとキャリアプラン

現在の看護師不足は、施設全体の問題です。 あなた自身だけで解決できる問題ではありません。 施設長や人事担当者に、現状の課題と改善策を提案することが重要です。 例えば、看護師の採用強化、夜勤体制の見直し、外部機関への委託などを提案してみましょう。

また、あなた自身のキャリアプランについても考える必要があります。 現状の職場環境に不安を感じるのであれば、転職を検討することも選択肢の一つです。 より充実した環境で、安心して業務に取り組める職場を探すことが重要です。 転職活動においては、自分のスキルや経験を客観的に評価し、求める条件を明確にすることが大切です。

4. スキルアップとキャリアアップ：専門性を高めるための努力

介護の現場では、常に新しい知識や技術が求められます。 資格取得や研修への参加を通じて、専門性を高める努力を続けることが重要です。 例えば、介護福祉士の資格に加え、介護支援専門員（ケアマネジャー）の資格を取得することで、キャリアアップの選択肢が広がります。 また、医療に関する知識を深めることで、緊急時にも適切な対応ができるようになります。

さらに、記録の正確性を高めるための研修や、コミュニケーションスキルの向上を目指した研修なども有効です。 これらのスキルアップは、あなた自身のキャリアアップだけでなく、施設全体の業務効率の向上にも貢献します。

5. まとめ：安心安全な介護環境の構築に向けて

夜勤における医療行為は、介護福祉士の業務範囲を超える可能性が高いため、看護師や医師の指示を仰ぐことが不可欠です。 看護師不在時は、緊急連絡体制の確立と、適切な記録の保持が重要です。 そして、施設全体で看護師不足問題への対応策を検討し、安全な介護環境を構築していく必要があります。 もし、現状の職場環境に不安を感じるのであれば、転職も視野に入れ、より働きやすい環境を探すことを検討しましょう。 あなたのキャリアプランをしっかり考え、安心して業務に取り組める環境を手に入れてください。

専門的な知識やスキルを身につけることで、あなたはより自信を持って業務に取り組むことができるでしょう。 そして、入居者の方々にとってより安全で安心できる環境づくりに貢献できます。 困難な状況ではありますが、諦めずに、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。