グループホームでの窒息事故!介護職員が知っておくべき緊急時の対応と備え
グループホームでの窒息事故!介護職員が知っておくべき緊急時の対応と備え
この記事では、グループホームで働く介護職員のあなたが直面した、入居者の窒息事故という緊急事態を乗り越えるために必要な知識と具体的な対策を解説します。事故発生時の対応から、再発防止のための準備、そして日々の業務におけるリスク管理まで、包括的にサポートします。安全な介護環境を構築し、入居者の安心を守るために、ぜひ最後までお読みください。
認知症グループホームで働いています。
先日、食事中に窒息事故が起きました。
今回は、救急車を要請し、レスキュー隊の対応で詰まったものはとれましたが、入居者さんは入院し、現在、ICUにいます。
つまったものは、里芋でした。
事故にあった入居者さんは、69歳で、ADLはほぼ自立、軽度の認知症(物忘れ、金銭管理が不確実など)くらいで、食事も普通食を食べており、咀嚼や嚥下に問題はありませんでした。
事故後、入居者さんは意識回復したので、その時の状況を聞いたところ、噛もうと思ったらつるりと喉に入ってしまった、とのことでした。
グループホームなので、医師はもちろん看護師も常駐していません。
看護師さんは、近くの訪問看護ステーションから定期的に来てはくれますが、緊急事態に早急にかけつけてくれるとは限りません。
今後、このような事故が起きた場合にそなえ、最低限の物品を施設で準備しておきたいと考えています。
介護職がやってはいけない医療処置はもちろんあると思うのですが、緊急事態の場合には救急措置として行ってもいいようなので出来るだけのことをやりたいと思うのですが、具体的にはどのような物品や器具をそろえておけば良いでしょうか?
病院で痰を吸う「吸引器」は、誤嚥や窒息の場合は有効ですか?
ちなみに今回、家庭用掃除機は全く使い物になりませんでした。
レスキュー隊の方は、舌圧子で舌を押さえて、喉頭鏡と開口器で口を大きく開けさせて気道を確保していたようですが、そのような器具は素人でも使用できますか?(救急処置の研修で使用したことはあります)。
そのような医療器具を使わずに身近なもので対応するにはどのようなものが有効ですか?
お正月に、お餅やおせち料理を提供するので、十分に気をつけるつもりですがリスクがあります。
よろしくお願いします。
1. 窒息事故発生!まずは冷静な初期対応を
グループホームでの窒息事故は、入居者の命に関わる重大な事態です。事故発生時には、冷静さを保ち、迅速かつ適切な初期対応を行うことが重要です。
1-1. 事故発生時の基本ステップ
- 意識の確認: まずは、入居者の意識レベルを確認します。声をかけ、肩を叩くなどして反応をみます。
- 応援の要請: 周囲の職員に助けを求め、119番通報を依頼します。
- 異物の除去を試みる: 意識があり、咳ができる場合は、咳を促します。意識がない場合は、異物除去の処置を行います。
- 救急隊への引き継ぎ: 救急隊が到着したら、状況を正確に伝え、指示に従います。
1-2. 窒息時の応急処置:具体的な方法
窒息時の応急処置は、入居者の状態によって異なります。以下に、具体的な方法を解説します。
- 意識がある場合:
- 背部叩打法: 入居者の肩を支え、背中の肩甲骨の間に手のひらの付け根で力強く叩きます。
- 腹部突き上げ法(ハイムリック法): 入居者の後ろに回り、おへその少し上に手を当て、上方に向かって圧迫します(※妊婦や肥満体型の方には行わない)。
- 意識がない場合:
- 胸骨圧迫: 心肺蘇生法(CPR)を行います。
- 異物確認と除去: 口の中に異物が見える場合は、指で取り除きます(奥に押し込まないように注意)。
2. 施設で準備しておきたい物品と器具
緊急時に備えて、施設には以下の物品と器具を準備しておくことが推奨されます。これらの準備は、入居者の安全を守るために不可欠です。
2-1. 必須の物品
- 吸引器: 痰や異物を取り除くために必要です。
- 酸素吸入器: 酸素投与が必要な場合に備えます。
- 口腔ケア用品: 異物除去後の口腔内のケアに使用します。
- 救急セット: 絆創膏、ガーゼ、消毒液、包帯など、基本的な応急処置に必要なものを揃えます。
- 連絡先リスト: 医師、看護師、家族などの連絡先をすぐに確認できるようにしておきます。
- 吸引カテーテル: 吸引器と組み合わせて使用します。
- 潤滑剤: カテーテル挿入をスムーズにするために使用します。
2-2. あると便利な器具
- 舌圧子: 口を開ける際に使用します。
- 開口器: 口を大きく開けるために使用します。
- エアウェイ: 気道確保に使用します。
- パルスオキシメーター: 血中酸素飽和度を測定します。
注意点: これらの器具の使用方法については、事前に研修を受けることが重要です。また、医療行為に該当する可能性があるため、医師や看護師の指示のもとで使用するようにしましょう。
3. 吸引器の使用について
吸引器は、誤嚥や窒息時に有効な場合がありますが、使用方法には注意が必要です。
3-1. 吸引器の役割
吸引器は、気道内の痰や異物を取り除き、呼吸を確保するために使用します。特に、意識がない場合や、自力で咳をすることができない場合に有効です。
3-2. 吸引器の使用方法
- 準備: 吸引器をセットし、吸引カテーテルを接続します。
- 挿入: カテーテルを気道内に優しく挿入します。
- 吸引: カテーテルを回転させながら、吸引を行います。吸引時間は1回あたり10~15秒程度とします。
- 観察: 呼吸状態や酸素飽和度を観察し、必要に応じて吸引を繰り返します。
注意点: 吸引は、気道を傷つける可能性があるため、慎重に行う必要があります。吸引前には、必ず医師や看護師に相談し、指導を受けてください。
4. 医療器具の使用と研修
舌圧子や開口器などの医療器具は、救急処置の際に役立ちますが、使用には注意が必要です。
4-1. 医療器具の使用に関する注意点
- 研修の受講: 医療器具の使用方法については、事前に救急救命講習などの研修を受講し、知識と技術を習得することが重要です。
- 医師や看護師の指示: 医療行為に該当する可能性があるため、医師や看護師の指示のもとで使用するようにしましょう。
- 自己判断の禁止: 医療知識がない場合は、自己判断で使用することは避け、専門家の指示を仰ぎましょう。
4-2. 救急救命講習の重要性
救急救命講習では、心肺蘇生法(CPR)やAEDの使用方法、異物除去の方法など、緊急時に必要な知識と技術を学ぶことができます。定期的に受講し、知識と技術を維持することが重要です。
5. 身近なものでの対応
医療器具がない場合でも、身近なものでできる応急処置があります。
5-1. 身近なものでの対応例
- 体位変換: 異物が気道に詰まっている場合は、体位変換を行い、重力で異物を排出させます。
- 叩打: 背部叩打法を行い、異物の排出を促します。
- 呼吸の確認: 呼吸の状態を確認し、必要に応じて人工呼吸を行います。
注意点: 身近なものでの対応は、あくまで応急処置であり、根本的な解決にはなりません。救急隊の到着を待ち、専門家の指示に従いましょう。
6. 食事中の窒息事故を防ぐために
食事中の窒息事故を防ぐためには、日々の業務で様々な工夫が必要です。
6-1. 食事前の準備
- 食事形態の確認: 入居者の嚥下機能に合わせた食事形態を提供します(刻み食、ペースト食など)。
- 食事環境の整備: 落ち着いて食事ができる環境を整えます。
- 口腔ケア: 食事前に口腔ケアを行い、口の中を清潔に保ちます。
6-2. 食事中の観察
- 食事中の見守り: 食事中は、入居者の様子を注意深く観察し、異常がないか確認します。
- 咀嚼・嚥下の確認: 咀嚼や嚥下の状態を確認し、異常があれば声をかけ、必要に応じて食事を中断します。
- 食事の形態調整: 食事の進み具合に合わせて、食事の形態を調整します。
6-3. 食事中の注意点
- 一口量の調整: 一口量を少なくし、ゆっくりと食べてもらうように促します。
- 食べ方の指導: 食べ方について、必要に応じて指導を行います。
- 水分補給: 食事中に水分を摂取し、嚥下を助けます。
7. 正月のお餅やおせち料理のリスクと対策
お正月には、お餅やおせち料理など、窒息のリスクが高い食品を提供することがあります。十分な注意を払い、事故を未然に防ぐための対策を行いましょう。
7-1. お餅のリスクと対策
- 小さく刻む: お餅は、小さく刻んで提供します。
- とろみをつける: 飲み込みやすくするために、あんや汁物などと一緒に提供します。
- 代替食品: 嚥下機能が低下している入居者には、代替食品(ゼリーなど)を提供します。
7-2. おせち料理のリスクと対策
- 食材の工夫: 固い食材(栗、豆など)は、柔らかく調理するか、避けるようにします。
- 調理方法の工夫: 刻み食やペースト食にするなど、嚥下しやすいように調理します。
- 注意喚起: 入居者や家族に、食事中の注意点について説明します。
8. 事故後の対応と再発防止
事故が発生した後は、適切な対応と再発防止策を講じることが重要です。
8-1. 事故後の対応
- 状況の把握: 事故の状況を詳細に把握し、原因を特定します。
- 関係者への報告: 施設長や家族、関係機関に報告します。
- 入居者のケア: 入居者の心身の状態をケアし、必要に応じて専門家のサポートを受けます。
8-2. 再発防止策
- 原因分析: 事故の原因を分析し、再発防止策を検討します。
- マニュアルの作成・見直し: 事故対応マニュアルを見直し、改善します。
- 研修の実施: 職員向けの研修を実施し、知識と技術の向上を図ります。
- 情報共有: 職員間で情報を共有し、問題意識を高めます。
9. チームワークと情報共有の重要性
グループホームでの安全な介護を実現するためには、チームワークと情報共有が不可欠です。
9-1. チームワークの重要性
チームワークが良く、連携がスムーズに行われることで、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能になります。日頃からコミュニケーションを密にし、協力体制を築きましょう。
9-2. 情報共有の重要性
入居者の状態や変化に関する情報を共有することで、早期発見や適切な対応につながります。申し送りや記録などを活用し、情報共有を徹底しましょう。
10. まとめ:安全な介護環境の構築に向けて
グループホームでの窒息事故は、決して他人事ではありません。この記事で解説した知識と対策を参考に、日々の業務に取り組み、安全な介護環境を構築しましょう。緊急時の対応、準備、そして日々のリスク管理を徹底することで、入居者の安心を守り、より質の高い介護を提供することができます。
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