介護施設の費用問題：格安で入所する方法と家族ができること

介護に関する問題は、誰にとっても非常にデリケートで、心身ともに大きな負担を伴います。特に、経済的な問題は、介護を必要とする方と、その家族にとって大きな悩みとなるでしょう。今回の記事では、介護施設への入所を検討しているものの、経済的な理由から悩んでいる方に向けて、具体的な解決策と、家族としてできることを解説します。

介護施設について質問します。祖父のことなのですが、本当に困っています。目もほとんど見えていないしとにかくボケています。また全然歩けません。家に人がいなくなると何かしらをやっているのです。虫がいると言って床に洗剤をまいてしまったり、うちは団地で５階に住んでいるのですが階段に水をまいてしまったり、一日に何度もトイレにいってはトイレットペーパーを使って床を拭いたり壁をふいたり、誰もいない部屋に窓を開けっ放しでエアコンをつけたり、体がフラフラなのに布団をほして地上に落とすこともあります。その他ににも歩けないのに靴下やスリッパで外に勝手に行ったりと、にかくいたずらをするのです。また怒ったりするとはむかってきてヒドイときは包丁やハサミを手にすることもあります。そして自分がやったことを絶対に認めません。歩けるには歩けるのですが、フラフラで必ず何かにつかまらないと歩けなく、ひどい時ははっています。家族はみんなまいっています。しかしうちには老人ホームに入れられるお金は本当にありません。生活していくのがやっとで貯金もなくどうすることもできません。ひどい事を言っているのを承知の上で質問しています。格安で入れる施設に預けたいのですがどうしたら良いですか。うちは団地のため、うちだけではなく、他の家にまで迷惑(水や火事)がかかることが１番の問題です。

はじめに：現状の整理と問題の核心

ご相談ありがとうございます。おじい様の介護について、大変な状況であることが伝わってきます。まず、現状を整理し、問題の核心を理解することから始めましょう。おじい様の症状は、認知症によるものと推測されます。具体的には、視覚障害、歩行困難、徘徊、異食行動、攻撃性といった症状が見られます。これらの症状が、ご家族の精神的、肉体的負担を増大させているだけでなく、団地という環境下で、近隣住民への迷惑行為につながるリスクも抱えています。

経済的な問題も深刻です。老人ホームへの入所費用は高額であり、生活費を賄うのがやっとという状況では、選択肢が限られてしまいます。しかし、ご家族だけで抱え込まず、様々な制度やサービスを検討することで、解決策が見えてくるはずです。

ステップ1：現状把握と情報収集

まずは、おじい様の現在の状態を正確に把握し、利用できる制度やサービスについて情報を収集することから始めましょう。

1. 専門家への相談

認知症の診断と適切なケアプランを作成するために、専門家への相談は不可欠です。以下の専門家への相談を検討しましょう。

• かかりつけ医： まずは、かかりつけ医に相談し、認知症の診断と、今後の対応についてアドバイスを求めましょう。必要に応じて、専門医（精神科医、神経内科医など）への紹介を受けることもできます。
• 地域包括支援センター： お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、介護保険制度や利用できるサービスについて情報収集しましょう。ケアマネジャーを紹介してもらい、ケアプランの作成を依頼することもできます。
• ケアマネジャー： ケアマネジャーは、介護保険サービスを利用するための窓口となります。おじい様の状態やご家族の状況に合わせて、最適なケアプランを作成し、サービス事業者との調整を行います。

2. 介護保険制度の利用

介護保険制度は、介護が必要な高齢者の生活を支えるための重要な制度です。以下の手続きを行い、介護保険サービスを利用できるようにしましょう。

• 要介護認定の申請： お住まいの市区町村の窓口で、要介護認定の申請を行います。申請後、調査員による訪問調査や、主治医の意見書をもとに、要介護度が認定されます。
• 介護サービスの利用： 要介護度が認定されたら、ケアマネジャーと相談し、ケアプランを作成します。ケアプランに基づいて、訪問介護、デイサービス、ショートステイなどの介護サービスを利用することができます。

3. 経済的な支援制度の確認

経済的な負担を軽減するために、以下の支援制度を確認しましょう。

• 高額介護サービス費： 介護保険サービスの利用料には、所得に応じて上限が設けられています。上限を超えた分は、高額介護サービス費として払い戻されます。
• 特定入所者介護サービス費： 介護保険施設に入所する際の食費や居住費は、所得に応じて減額される場合があります。
• 生活保護： 経済的に困窮している場合は、生活保護の申請を検討することもできます。

ステップ2：格安で入所できる施設の選択肢

経済的な事情から、格安で入所できる施設を探すことは重要です。以下の選択肢を検討してみましょう。

1. グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。比較的費用が安く、家庭的な雰囲気の中で生活できます。ただし、入居には認知症の診断が必要であり、空き状況によっては入居までに時間がかかる場合があります。

2. 介護老人保健施設（老健）

老健は、病院と自宅の中間に位置する施設で、医療ケアやリハビリテーションを受けることができます。入所期間は原則として3ヶ月から6ヶ月ですが、在宅復帰を目指すための施設であり、比較的費用が抑えられています。

3. 介護医療院

介護医療院は、医療ケアと生活介護を兼ね備えた施設です。医療的なサポートが必要な高齢者向けの施設であり、比較的費用が安く、長期的な入所が可能です。

4. サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

サ高住は、生活支援サービスを提供する高齢者向けの住宅です。比較的自由度が高く、自立した生活を送れる高齢者向けの施設ですが、介護が必要な場合は、訪問介護などのサービスを別途契約する必要があります。費用は施設によって異なります。

5. 費用を抑えるための工夫

施設によっては、入居一時金や月額利用料が異なるため、複数の施設を比較検討することが重要です。また、以下の点に注意することで、費用を抑えることができます。

• 施設の立地： 地方の施設は、都市部の施設よりも費用が安い傾向があります。
• 部屋のタイプ： 個室よりも、多床室の方が費用が安くなります。
• サービスの選択： 必要のないサービスは利用しないことで、費用を抑えることができます。

ステップ3：家族ができること

経済的な問題だけでなく、介護は家族にとっても大きな負担となります。ご家族が抱える負担を軽減するために、以下のことを実践しましょう。

1. 家族間の連携

介護は、一人で抱え込まず、家族間で協力し合うことが重要です。役割分担を決め、定期的に話し合いの場を設け、情報共有を行いましょう。

2. 休息時間の確保

介護は、心身ともに疲労が蓄積しやすいものです。定期的に休息を取り、心身のリフレッシュを図りましょう。レスパイトケア（一時的な介護サービスの利用）などを活用することも有効です。

3. 相談できる相手を見つける

介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まず、誰かに相談しましょう。家族、友人、専門家など、信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。

4. 地域資源の活用

地域には、介護に関する様々なサービスや情報が提供されています。地域包括支援センターや、社会福祉協議会などに相談し、利用できる地域資源について情報を収集しましょう。

5. 精神的なケア

介護は、精神的な負担も大きいため、ご自身の心のケアも大切です。趣味を楽しんだり、気分転換になるような活動を取り入れたり、必要に応じて専門家のカウンセリングを受けることも検討しましょう。

ステップ4：具体的な行動計画

上記を踏まえ、具体的な行動計画を立てましょう。以下は、その一例です。

1. かかりつけ医に相談： まずは、かかりつけ医に相談し、認知症の診断と、今後の対応についてアドバイスを求める。
2. 地域包括支援センターに相談： お住まいの地域の地域包括支援センターに相談し、介護保険制度や利用できるサービスについて情報収集する。
3. ケアマネジャーを探す： 地域包括支援センターや、インターネットなどを利用して、信頼できるケアマネジャーを探す。
4. 要介護認定の申請： 介護保険の申請を行い、要介護度の認定を受ける。
5. ケアプランの作成： ケアマネジャーと相談し、おじい様の状態やご家族の状況に合わせたケアプランを作成する。
6. 施設の比較検討： グループホーム、老健、介護医療院など、格安で入所できる施設を比較検討し、見学や相談を行う。
7. 経済的な支援制度の申請： 高額介護サービス費、特定入所者介護サービス費などの、経済的な支援制度の申請を行う。
8. 家族間の連携と役割分担： 家族間で話し合い、介護に関する役割分担を決める。
9. 休息時間の確保と精神的なケア： 定期的に休息を取り、心身のリフレッシュを図る。必要に応じて、専門家のカウンセリングを受ける。

ステップ5：長期的な視点と心のケア

介護は、長期にわたる可能性があります。長期的な視点を持ち、無理のない範囲で介護を続けることが重要です。また、ご自身の心のケアも忘れずに行いましょう。

1. 介護保険サービスの継続的な利用

介護保険サービスは、状況に応じて変更することができます。定期的にケアマネジャーと相談し、おじい様の状態やご家族の状況に合わせて、最適なサービスを利用し続けましょう。

2. 家族の負担軽減

介護は、家族の負担が大きくなりがちです。定期的に家族間で話し合い、負担を軽減するための工夫を行いましょう。レスパイトケアなどのサービスを積極的に利用することも有効です。

3. 専門家との連携

介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まず、専門家（医師、ケアマネジャー、カウンセラーなど）に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、問題解決の糸口が見つかることもあります。

4. 情報収集と学習

介護に関する情報は、常に変化しています。最新の情報を収集し、介護に関する知識を深めることで、より適切な対応ができるようになります。インターネット、書籍、セミナーなどを活用して、積極的に情報収集を行いましょう。

5. ポジティブな心の持ち方

介護は、困難な状況に直面することもありますが、前向きな気持ちで取り組むことが大切です。おじい様の良い面に目を向け、感謝の気持ちを持つことで、心の負担を軽減することができます。また、ご自身の趣味や楽しみを見つけ、ストレスを解消することも重要です。

まとめ：希望を捨てずに、一歩ずつ

介護の問題は、非常に複雑で、解決が難しいと感じることもあるかもしれません。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。今回の記事でご紹介した情報を参考に、ご自身とご家族にとって最適な方法を見つけてください。そして、希望を捨てずに、一歩ずつ前進していきましょう。

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