介護職員2年目の私が経験した、末期がん患者の夜間対応での苦悩と、そこから得た学び

この記事では、介護職員として働くあなたが直面する、患者さんの終末期ケアにおける精神的な負担と、そこからどのように学び、成長していくかについて掘り下げていきます。特に、夜勤中に直面する孤独感、知識不足への不安、そして患者さんの苦痛に対する無力感といった、具体的な悩みに焦点を当て、解決策を探ります。この記事を読むことで、あなたは自身の経験を肯定し、より良いケアを提供するための具体的な方法を理解し、自信を持って業務に取り組めるようになるでしょう。

相談させてください。

私は有料老人ホームにて介護職員(新卒2年目です)をしています。

とある利用者様のお話です。

その方は、今月の初め頃にすい臓がんの末期と診断されました。

高齢であること、認知症の為治療が難しいことを理由にご家族様は治療は行わず、当施設で最期を迎えることを選ばれました。

当施設の夜勤は、フロア(階)ごとに担当スタッフが決められており、基本的に各階を1人で見る形をとっています。

先日の夜勤は、その末期癌の利用者様がいる階担当でした。

お医者様より処方されている痛み止めのお薬は、痛み緩和目的の為空ける時間や血圧等関係なく、痛みが著明に顕れた時に内服して頂くよう指示を受けていました。

最初の定時巡回時(22時)、ご本人さまより痛みの訴えがあった為お薬を内服して頂きました。

その後は直ぐに落ち着かれて良眠されていたのですが、午前3時過ぎに再び痛みの訴えがありました。

22時に内服して頂いた時と違い、(こういった言い方が合っているかは分からないのですが)薬の効き目が遅く感じました。

それから痛みのせいで横になることも出来ず、お部屋の中を歩いたり、腹部の痛みのせいかトイレに何度も行ったり落ち着きがありませんでした。その間「痛い、痛い」と何度も仰っていました。

末期癌の方を目の当たりにするのが初めてで、言い方は悪いのですが、「この方はこのまま亡くなってしまうのではないか」と思うほど、辛そうな表情をされるのです。

恥ずかしながら、私に出来ることが思いつかず、とにかくご本人様に付き添って過ごすしかありませんでした。

しかし夜間見るのはこの方だけではありませんし、他スタッフも各担当階でナースコール対応や巡回に当たっています。

私の担当階でコールが鳴れば、痛みに苦しんでいるこの方をおいてそちらの対応に当たらなければなりません。

私が離れている間に、苦しみながら亡くなってしまったらどうしようと不安に押し潰されそうになりながらコール対応に向かいました。

結局、1時間程して薬が効いてきたのか落ち着かれて朝になれば笑顔が見られるまでになりました。

ですが、数日経った今でもその方をおいてコール対応に向かった罪悪感が抜けません。

結果的には薬が効いたのですが、もしあのまま…と思うと怖くて堪らなくなります。

その方が苦しんでいるのに、何も出来ない自分が悔しいです。勉強不足だったのかもしれません。なにかもっとしてあげることがあったのかもしれません。

お看取りをしたことがなく、必要以上に混乱したのかもしれません。

その場で他スタッフにも相談しましたが、薬が効くまで待つしかないという結論になりました。

私は、どうするべきだったんでしょうか？

この対応で良かったのでしょうか？

支離滅裂で申し訳ありません。ご意見や体験談をお聞かせ下さると嬉しいです。

本気で悩んでいます。冷やかし等はやめてください。

また、カテゴリ違いでしたら申し訳ありません。

1. 介護職員2年目のあなたが抱えるジレンマ

新卒2年目の介護職員として、あなたは非常に難しい状況に直面しています。末期がん患者のケア、特に夜勤という限られた時間の中で、一人で多くの入居者のケアをしなければならないという状況は、大きな精神的負担を伴います。今回のケースでは、患者さんの痛みに寄り添いたいという気持ちと、他の入居者のケアも同時に行わなければならないという現実との間で葛藤し、罪悪感や無力感を感じています。これは、介護職として働く上で誰もが経験しうる、非常に共感できる悩みです。

この章では、あなたが直面している問題の核心を理解し、具体的な解決策を見つけるための第一歩を踏み出しましょう。まず、あなたが感じている「罪悪感」や「無力感」が、なぜ生まれるのかを分析します。そして、この状況を乗り越えるために、どのような知識やスキルが必要なのかを具体的に解説します。

2. なぜ「罪悪感」を感じるのか？ 心理的要因の分析

罪悪感は、私たちが倫理的な規範や価値観に反する行動をとったと感じたときに生じる感情です。今回のケースでは、以下の要因が複合的に作用し、罪悪感を強めていると考えられます。

• 患者さんの苦痛への共感: 患者さんの痛みを目の当たりにし、その苦しみを理解しようとするあなたの優しさから、何とかしてあげたいという強い気持ちが生まれます。
• 無力感: 痛みを和らげるために、薬の投与以外にできることが限られていると感じることが、無力感を増幅させます。
• 知識・経験の不足: 末期がん患者のケアに関する知識や経験が不足していると感じることが、不安を煽り、適切な対応ができなかったという後悔につながります。
• 責任感: 夜勤という一人で多くの入居者をケアしなければならない状況で、自分の行動が患者さんの状態に影響を与える可能性があるという責任感が、罪悪感を強めます。

これらの要因が複雑に絡み合い、あなたは「あの時、もっと何かできたのではないか」という後悔の念に駆られています。しかし、この罪悪感は、あなたが患者さんのために最善を尽くしたいという、強い思いの表れでもあります。この感情を否定するのではなく、受け止め、次への行動につなげることが重要です。

3. 知識とスキルの習得：具体的なアクションプラン

罪悪感を乗り越え、より良いケアを提供するためには、知識とスキルの習得が不可欠です。以下に、具体的なアクションプランを提案します。

3-1. 疼痛管理に関する知識の習得

患者さんの痛みを理解し、適切に対応するためには、疼痛管理に関する知識を深める必要があります。

• 薬物療法: 医師から処方された鎮痛薬の種類、作用機序、副作用、投与方法について理解を深めましょう。特に、オピオイド系鎮痛薬の効果や注意点について学ぶことが重要です。
• 非薬物療法: 温罨法、冷罨法、体位変換、マッサージ、音楽療法など、痛みを緩和するための非薬物療法について学び、実践してみましょう。
• 痛みの評価: 患者さんの痛みを客観的に評価するための方法を学びましょう。痛みの種類、程度、部位、持続時間などを把握し、適切な対応につなげることが重要です。
• 関連書籍や研修の活用: 疼痛管理に関する専門書を読んだり、関連する研修に参加したりすることで、知識を深めることができます。

3-2. 終末期ケアに関する知識の習得

終末期ケアに関する知識を深めることで、患者さんの状態を理解し、より適切なケアを提供できるようになります。

• 終末期症状: 呼吸困難、倦怠感、食欲不振、便秘など、終末期に現れる様々な症状について学びましょう。
• 緩和ケア: 緩和ケアの目的、内容、チーム医療について理解を深めましょう。
• グリーフケア: 患者さんだけでなく、ご家族のグリーフ（悲嘆）を支えるための知識を学びましょう。
• 看取り: 看取りのプロセス、倫理的な問題、法的側面について理解を深めましょう。
• 専門家への相談: 医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、終末期ケアの専門家からアドバイスを受け、疑問点を解消しましょう。

3-3. コミュニケーションスキルの向上

患者さんとのコミュニケーションは、ケアの質を向上させる上で非常に重要です。以下のスキルを意識して、実践してみましょう。

• 傾聴: 患者さんの話をじっくりと聞き、共感的な態度で接しましょう。
• 共感: 患者さんの気持ちに寄り添い、理解しようと努めましょう。
• 非言語的コミュニケーション: 表情、身振り、視線など、非言語的なコミュニケーションにも気を配りましょう。
• 情報提供: 患者さんやご家族に、病状や治療に関する情報を分かりやすく説明しましょう。
• 質問: オープンクエスチョン（はい/いいえで答えられない質問）を活用し、患者さんの思いを引き出しましょう。

3-4. チームワークの強化

一人で抱え込まず、チームで協力してケアを提供することが重要です。以下の点を意識しましょう。

• 情報共有: 患者さんの状態やケアに関する情報を、他のスタッフと積極的に共有しましょう。
• 相談: 困ったことや疑問があれば、遠慮なく他のスタッフに相談しましょう。
• 連携: 医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、多職種と連携し、チームとしてケアに取り組みましょう。
• カンファレンスの活用: 定期的にカンファレンスを開催し、患者さんのケアについて話し合い、改善策を検討しましょう。

4. 実際のケーススタディ：より良い対応のためのヒント

今回のケースを例に、より良い対応をするための具体的なヒントを提案します。

• 事前の準備: 夜勤前に、担当患者さんの状態や必要なケアについて、日中のスタッフから詳しく情報を収集しましょう。
• 定期的な巡回: 定期的に巡回し、患者さんの状態を観察しましょう。バイタルサインの測定、痛みの有無の確認、排泄状況の確認などを行いましょう。
• 痛みの緩和: 痛みを訴える患者さんには、まず鎮痛薬の投与を検討しましょう。医師の指示に従い、適切なタイミングで投与することが重要です。
• 非薬物療法: 薬の効果が現れるまでの間、温罨法、体位変換、マッサージなど、非薬物療法を試してみましょう。
• 精神的なサポート: 患者さんの話を聞き、共感的な態度で接しましょう。不安や恐怖を感じている場合は、安心感を与える言葉をかけましょう。
• コール対応: 他の入居者のコール対応が必要な場合は、患者さんに「すぐに戻ります」と伝え、できるだけ早く戻るようにしましょう。
• 記録: 患者さんの状態や行ったケアについて、詳細に記録しましょう。記録は、他のスタッフとの情報共有や、今後のケアの改善に役立ちます。

5. 経験から学ぶ：成長のプロセス

今回の経験は、あなたにとって大きな学びの機会となったはずです。この経験を活かし、どのように成長していくことができるでしょうか？

• 振り返り: 自分の対応を振り返り、良かった点、改善点を見つけましょう。
• 反省: 罪悪感を感じたことは、あなたが真剣に患者さんのことを考えていた証拠です。反省を活かし、次への行動につなげましょう。
• 情報収集: 疼痛管理や終末期ケアに関する知識を積極的に学びましょう。
• 相談: 困ったことや疑問があれば、他のスタッフや専門家に相談しましょう。
• 自己肯定: あなたは、患者さんのために一生懸命努力しました。自分の努力を認め、自己肯定感を高めましょう。
• 継続的な学習: 介護の仕事は、常に新しい知識や技術が求められます。継続的に学習し、自己研鑽に励みましょう。

介護の仕事は、決して楽なものではありません。しかし、患者さんの笑顔や感謝の言葉は、あなたの心の支えとなり、やりがいを感じさせてくれるはずです。今回の経験を糧に、より良い介護を提供できるよう、一歩ずつ成長していきましょう。

6. 周囲のサポートを活用する

一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用することも重要です。以下に、具体的なサポートの活用方法を提案します。

• 同僚との連携: 同じ職場で働く同僚は、あなたの悩みや苦労を理解してくれるはずです。積極的にコミュニケーションを取り、情報交換や相談を行いましょう。
• 上司への相談: 上司は、あなたのキャリアをサポートする立場にあります。困ったことや悩みがあれば、遠慮なく相談し、アドバイスを求めましょう。
• 専門家への相談: 医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、終末期ケアの専門家は、あなたの専門的な知識やアドバイスを提供してくれます。積極的に相談し、疑問点を解消しましょう。
• 外部研修の活用: 終末期ケアに関する研修に参加することで、専門的な知識やスキルを習得することができます。
• メンタルヘルスケア: 精神的な負担が大きいと感じたら、専門家によるカウンセリングや、メンタルヘルスに関するサポートを受けましょう。

7. キャリアパスとスキルアップ

介護職員としてのキャリアパスは多岐にわたります。あなたの経験とスキルを活かし、キャリアアップを目指しましょう。

• 資格取得: 介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格を取得することで、専門性を高め、キャリアアップにつなげることができます。
• リーダーシップ: チームリーダーや主任などの役職に就くことで、リーダーシップを発揮し、チームをまとめ、より良いケアを提供することができます。
• 専門分野: 認知症ケア、看取りケアなど、特定の分野に特化することで、専門性を高めることができます。
• キャリアチェンジ: 介護業界での経験を活かし、医療機関や福祉施設など、他の分野で活躍することも可能です。
• スキルアップ研修: 専門知識を深めるための研修や、リーダーシップスキルを向上させる研修など、積極的に参加しましょう。

8. まとめ：一歩ずつ、成長していくために

新卒2年目の介護職員として、あなたは多くの困難に直面しながらも、患者さんのために最善を尽くそうと努力しています。今回の経験を通して感じた罪悪感や無力感は、あなたが成長するための貴重な糧となります。知識とスキルを習得し、周囲のサポートを活用しながら、一歩ずつ成長していくことが重要です。あなたの優しさと努力は、必ず患者さんの笑顔につながり、あなたのやりがいを支える力となるでしょう。

今回の経験を活かし、積極的に学び、成長し続けることで、あなたはより良い介護を提供できるようになります。そして、その過程で、あなた自身も成長し、介護職員としての誇りを持つことができるでしょう。あなたの今後の活躍を心から応援しています。

“`