介護施設選びの最終決断：ストーマ・胆汁チューブがあっても安心できる施設の探し方

この記事では、介護施設に入所中のご家族の看病と、その後の施設選びという、非常に困難な状況に直面されている方々に向けて、具体的な情報とアドバイスを提供します。特に、ストーマや胆汁チューブといった医療的なケアが必要な状況でも、安心して入所できる施設を見つけるための方法に焦点を当てます。高齢者の介護施設選びは、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな決断です。この記事が、その決断を少しでもサポートできることを願っています。

介護施設で暮らしている母、数日前から黄疸があらわれ病院からは手術をすすめられています。わき腹から管をとおして胆汁を出す手術ですが、それを受ければ介護施設ではこれ以上受け入れができないと言われました。

4年ほど前、母は89歳の誕生日に大腸がんの手術をうけました。その後はストマーをつけてた状態です。ヘルパーさんのお世話をうけその後も一人住まいを続けていましたが、今年の3月に有料老人介護施設に入所しました。毎月の支払いは4～5０万程で、設備もよく介護士の方もとてもよく面倒をみてくださいます。でもこの手術をうけ、管が通った状態では管理が難しく、そちらではこれ以上受け入れはできないとのことです。

母は急に悪化した感じですが、このままでは良くても半年以内だそうです。高齢のうえ、大腸がんすい臓がん糖尿ですから、当然かもしれません。それでもほんの10日ほど前までは食欲旺盛で、実際私よりも旺盛でうなぎや肉をかかしませんでした。そんな母ですから、私達もあと数ヶ月といわれてもなかなか納得できず、やはり手術の選択をしました。でもその後の事を考えると、施設はだめ、かといって私達が世話をできるはずもありません。でも病院に入院させたままでは、あまりにも可愛そうです。ストマーや胆汁のチューブでも受け入れてもらえる施設はあるでしょうか？

ながながとした文章を読んでいただき、ありがとうございます。手術は11日(金曜）です。それまでになんとか次の終の棲家を 見つけたいと思っています。お詳しいかたのアドバイス、よろしくお願いいたします。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を整理し、抱えている問題点を明確にしましょう。今回のケースでは、以下の点が主な問題点として挙げられます。

• 介護施設からの受け入れ拒否: 手術後の処置（胆汁チューブ）が必要なため、現在の施設では受け入れが難しい。
• 時間的制約: 手術日が迫っており、新たな施設を探す時間的猶予が少ない。
• 医療的ケアの必要性: ストーマや胆汁チューブの管理が必要であり、高度な医療ケアに対応できる施設が必要。
• ご家族の負担: ご家族だけで介護を行うことが難しい。
• 費用の問題: 介護施設の費用が高額である。

これらの問題点を踏まえ、優先順位をつけながら、具体的な解決策を検討していく必要があります。

2. 医療的ケアに対応できる介護施設の種類

ストーマや胆汁チューブの管理が必要な場合、一般の介護施設では対応が難しいことがあります。しかし、以下の種類の施設であれば、医療的ケアに対応できる可能性が高まります。

• 特定施設入居者生活介護: 厚生労働大臣が定める基準を満たした特定施設（有料老人ホームなど）で、入浴、排せつ、食事などの介護や、機能訓練、療養上の世話を行います。看護師が常駐している施設も多く、医療的ケアに対応できる場合があります。
• 介護医療院: 病院と介護老人保健施設の中間に位置する施設で、医療ケアと生活介護を一体的に提供します。医療依存度の高い入居者も受け入れており、ストーマや胆汁チューブの管理も可能です。
• 介護老人保健施設（老健）: 在宅復帰を目的とした施設ですが、医療ケアも提供しています。看護師や医師が常駐しており、状態によっては受け入れが可能です。
• 療養病床: 病院の病床の一部で、長期療養が必要な患者を受け入れています。医療ケアが充実しており、ストーマや胆汁チューブの管理も可能です。ただし、生活の場というよりは治療の場としての色が濃い場合があります。

それぞれの施設には、入居条件や費用、サービス内容に違いがあります。ご自身の状況に合わせて、最適な施設を選ぶことが重要です。

3. 施設選びの具体的なステップ

限られた時間の中で、最適な施設を見つけるためには、以下のステップで行動しましょう。

1. 情報収集:
   • 地域の介護施設に関する情報を収集します。インターネット検索、市区町村の介護保険課、地域包括支援センターなどを活用しましょう。
   • ストーマや胆汁チューブの管理に対応している施設をリストアップします。
   • 施設のウェブサイトやパンフレットで、サービス内容、医療体制、費用などを確認します。
2. 施設への問い合わせ:
   • リストアップした施設に電話で問い合わせ、入居の可否や、医療的ケアの対応状況を確認します。
   • ストーマや胆汁チューブの管理経験、看護師の配置、緊急時の対応など、具体的な質問をしましょう。
   • 施設の雰囲気や、スタッフの対応なども確認しましょう。
3. 施設の見学:
   • 実際に施設を訪問し、施設の環境や設備、スタッフの様子などを確認します。
   • 入居者の様子や、日中の過ごし方なども観察しましょう。
   • 可能であれば、看護師や介護士と直接話をし、医療的ケアに関する詳細な情報を得ましょう。
4. 契約前の確認:
   • 契約内容をよく確認し、費用、サービス内容、医療体制などを理解しましょう。
   • 不明な点があれば、施設側に質問し、納得いくまで説明を受けましょう。
   • 入居後のトラブルを避けるためにも、契約書は慎重に確認しましょう。

4. 施設選びのポイントと注意点

施設を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

• 医療体制の充実度: 看護師の配置人数、医師との連携体制、緊急時の対応などを確認しましょう。
• ストーマ・胆汁チューブ管理の経験: 経験豊富な看護師がいるかどうか、具体的なケア方法などを確認しましょう。
• 施設の雰囲気: 入居者の表情や、スタッフの対応などから、施設の雰囲気を判断しましょう。
• 費用: 月額費用だけでなく、初期費用や、その他の費用（医療費、オムツ代など）も確認しましょう。
• 立地条件: ご家族の訪問のしやすさ、周辺環境なども考慮しましょう。
• 入居者の声: 可能であれば、入居者の声を聞き、施設の評判を確認しましょう。

また、以下の点も考慮すると良いでしょう。

• 退去条件: 病状が悪化した場合の対応や、退去に関する条件を確認しておきましょう。
• 面会時間: 面会時間や、面会方法を確認しておきましょう。
• 持ち込み: 持ち込み可能なものや、禁止されているものなどを確認しておきましょう。

5. 費用に関する考慮点

介護施設の費用は、施設の種類やサービス内容によって大きく異なります。費用の負担を軽減するために、以下の点を検討しましょう。

• 介護保険の利用: 介護保険サービスを利用することで、自己負担額を軽減できます。
• 高額介護サービス費: 所得に応じて、自己負担額の上限が設けられています。
• 医療費控除: 医療費控除を利用することで、税金の還付を受けられる場合があります。
• 施設の費用比較: 複数の施設の費用を比較し、ご自身の予算に合った施設を選びましょう。
• 減免制度: 施設によっては、所得の低い方に対する減免制度を設けている場合があります。

費用の問題は、介護施設選びにおいて非常に重要な要素です。事前にしっかりと情報収集し、ご自身の状況に合わせて、無理のない範囲で施設を選びましょう。

6. 緊急時の対応とサポート体制

手術後、容体が急変する可能性も考慮し、緊急時の対応について確認しておくことが重要です。

• 緊急時の連絡体制: 24時間対応の連絡体制があるか、緊急時の対応手順などを確認しましょう。
• 協力医療機関: 提携している医療機関があるか、緊急時の対応について確認しましょう。
• 家族への連絡: 緊急時の家族への連絡体制を確認しましょう。
• サポート体制: 施設内でのサポート体制（看護師、介護士の配置など）を確認しましょう。
• 看取り: 終末期医療や看取りに対応している施設を選ぶことも、選択肢の一つです。

これらの点を確認することで、安心して入居できる施設を選ぶことができます。

7. 家族ができること

ご家族は、施設選びだけでなく、入居後の生活を支えるために、様々なことができます。

• 情報共有: 施設のスタッフと積極的に情報共有し、入居者の状況を把握しましょう。
• 定期的な訪問: 定期的に施設を訪問し、入居者の様子を確認し、コミュニケーションを取りましょう。
• 相談: 施設スタッフや、必要に応じて専門家（医師、ケアマネージャーなど）に相談しましょう。
• 心のケア: 入居者の心のケアを行い、精神的なサポートを行いましょう。
• 家族間の連携: 家族間で情報を共有し、協力して入居者を支えましょう。

ご家族のサポートは、入居者の生活の質を向上させるために不可欠です。積極的に関わり、入居者を支えましょう。

8. 専門家への相談

今回のケースのように、医療的なケアが必要な状況で、施設選びに悩む場合は、専門家への相談も検討しましょう。

• ケアマネージャー: ケアマネージャーは、介護に関する専門家であり、施設選びの相談に乗ってくれます。
• ソーシャルワーカー: ソーシャルワーカーは、医療機関や介護施設で、相談業務を行っています。
• 医師: 医師は、病状や医療的ケアに関するアドバイスをしてくれます。
• 弁護士: 契約に関するトラブルや、法的問題について相談できます。

専門家のアドバイスを受けることで、より適切な施設選びができる可能性が高まります。

9. 事例紹介

以下に、ストーマや胆汁チューブの管理が必要な高齢者の介護施設入居に関する、成功事例を紹介します。

• 事例1: 85歳女性、ストーマ管理が必要。特定施設入居者生活介護の施設に入居。看護師が24時間常駐しており、ストーマ管理や健康管理をきめ細かく行い、安心して生活を送っている。
• 事例2: 90歳男性、胆汁チューブ管理が必要。介護医療院に入居。医師や看護師が連携し、医療ケアと生活介護を両立。定期的な往診や、緊急時の対応もスムーズに行われ、安定した生活を送っている。
• 事例3: 88歳女性、ストーマと褥瘡（床ずれ）のケアが必要。介護老人保健施設に入居。リハビリテーションと医療ケアを受けながら、在宅復帰を目指している。

これらの事例は、ストーマや胆汁チューブの管理が必要な高齢者でも、適切な施設とケアを受けることで、安心して生活できることを示しています。

10. まとめ

ストーマや胆汁チューブの管理が必要な高齢者の介護施設選びは、時間的制約や医療的ケアの必要性から、非常に困難な課題です。しかし、情報収集、施設への問い合わせ、見学、契約前の確認など、適切なステップを踏むことで、最適な施設を見つけることができます。

医療体制の充実度、ストーマ・胆汁チューブ管理の経験、施設の雰囲気、費用、立地条件などを考慮し、ご自身の状況に合った施設を選びましょう。また、ご家族は、情報共有、定期的な訪問、相談など、様々な形で入居者をサポートすることができます。専門家への相談も、有効な手段です。

今回の記事が、少しでもお役に立ち、ご家族が安心して過ごせる施設を見つけられることを心から願っています。

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