介護職のヒヤリハット事例から学ぶ！チームワークと自己防衛の両立

質問です。私は、今、介護職として働いています。ある日の出来事です。Aユニットの入居者の話になります。その方は認知症ありの徘徊する方です。日によりますが帰宅願望があり、朝方や夕方によく帰宅願望が見られる事が多々あります。その入居者が出ないように施錠をあらゆる箇所しました(各居室やキッチン、職員が出入りする所など)私は、その日、Bユニットにいました。私はBユニットの入居者の対応してました。その時、スタッフが出入りする入口の鍵が空いてたらしく(もしくは自分自身が開けたか)、出て1人でウロウロしてました。私も対応しきれなくて、とりあえず、内線で言ったら『後で行く』と言われました。今、来て欲しかったなと思いましたが…後で聞くと『帰ってきてない』と言われ…ちゃんと、所在確認したら、ベランダの所へ出てました。怪我なかったので大事にはなりませんでしたが、見守り不足でしたので、ミスなのはこちらの不足でした。私自身も対応しっかりとしとけばなと反省はしてます。ですが、Aユニット勤務のスタッフも、ちゃんと所在確認してほしかったなと思ってしまう自分がいます。リーダーに正直に言おうかと思いましたが言ったところで、悪い方向へ行くだろうなのと、その時いたスタッフと喧嘩になりそうな感じがあったので言えずでした。事故報告まで行かずともヒヤリハットを遅くなりましたが書きましたし、正直にそれを書いたので、周りから責められなかったです。正直に誰が悪いって訳ではありませんが、この経緯からどう思いますか？補足分かりづらかったらすいません。

この質問は、介護職として働く中で発生したヒヤリハット事例を報告し、自身の対応やチームワーク、そして職場における責任の所在について悩んでいる相談者からのものです。 具体的な状況、相談者の葛藤、そして職場環境の雰囲気までが詳細に語られており、介護職特有の責任感の重さや、チーム内での連携の難しさといった問題点が浮き彫りになっています。 この記事では、この事例を元に、介護職における「安全確保とチームワークの両立」「自己防衛と責任感のバランス」「ヒヤリハット報告の有効活用」といったテーマについて、具体的な解決策と専門家の視点からアドバイスを提供します。 特に、精神的な負担を抱えやすい介護職の皆さんにとって、この事例は決して他人事ではないでしょう。 同じような経験をした方、あるいはこれから介護職を目指している方にとって、役立つ情報が満載です。

1. 介護現場におけるヒヤリハット：なぜ起こるのか？

まず、今回の事例で起きたヒヤリハットの原因を分析してみましょう。 主な原因として考えられるのは以下の３点です。

• 人員不足による負担増加：Bユニットの対応に追われ、Aユニットの入居者への対応が遅れたこと。これは、介護現場で慢性的に問題となっている人員不足が背景にある可能性が高いです。一人ひとりの負担が大きくなれば、ミスやヒヤリハットにつながるリスクも高まります。
• 情報共有の不足：Aユニットの入居者の徘徊傾向や、施錠状況など、重要な情報がBユニットのスタッフに十分に伝わっていなかった可能性があります。チーム内での情報共有体制の構築が重要です。
• コミュニケーションの課題：内線で連絡をした際、「後で行く」という返答に対し、相談者は即時対応を期待していましたが、その期待が相手に伝わっていなかった可能性があります。また、リーダーへの報告をためらった背景にも、職場内のコミュニケーションの課題が潜んでいると考えられます。

これらの原因は、個人の責任だけでなく、組織的な問題も深く関わっていることを示唆しています。 個人のスキルアップも重要ですが、職場全体のシステムや文化を見直すことも必要不可欠です。

2. 相談者の対応：良かった点と改善点

相談者は、ヒヤリハットを報告書に正直に記載した点が良い点です。 これは、今後の安全対策に役立つ貴重な情報となります。 しかし、リーダーへの報告をためらった点については、改善が必要です。 リーダーへの報告は、問題解決のためだけでなく、自身の負担軽減にも繋がります。 一人で抱え込まず、上司や同僚と共有することで、より適切な対応策を検討できる場合があります。

リーダーへの報告をためらった理由として、「悪い方向へ行く」「喧嘩になりそう」といった不安が挙げられていますが、これは職場環境の問題を示唆しています。 建設的なフィードバックを受け入れられる雰囲気、そしてミスを隠蔽するのではなく、改善につなげる文化が職場に必要です。 もし、報告しにくい雰囲気があるならば、それは組織として改善すべき点です。

3. チームワークと自己防衛の両立：具体的な対策

介護現場では、チームワークと自己防衛の両立が非常に重要です。 相談者の事例から学ぶべきことは、以下の通りです。

• 明確な役割分担と情報共有システムの構築：誰がどの入居者を担当するのか、どのような情報が共有されるべきなのかを明確にする必要があります。 例えば、シフト交代時には、担当入居者の状況や注意事項を必ず口頭で確認する、記録に残すなどのルールを設けることが有効です。
• 定期的なチームミーティングの実施：ヒヤリハット事例の共有や、改善策の検討、チームメンバー間のコミュニケーション強化を目的とした定期的なミーティングを実施しましょう。 ミーティングでは、批判ではなく、建設的な意見交換を心がけることが大切です。
• リーダーシップの強化：リーダーは、チームメンバーからの報告を積極的に受け入れ、問題解決に導く役割を果たす必要があります。 メンバーが安心して報告できる環境を作るために、リーダーの適切な対応が不可欠です。 リーダー自身も、常に学び続ける姿勢を持つことが重要です。
• 自己防衛の意識：自分のキャパシティを超える業務を無理強いされないよう、断る勇気を持つことも重要です。 また、危険な状況を感じた場合は、躊躇せずに上司や同僚に助けを求めましょう。 これは自己防衛だけでなく、チーム全体の安全を守るためにも必要です。

4. ヒヤリハット報告の有効活用

ヒヤリハット報告は、単なる記録ではありません。 それは、将来の事故を未然に防ぐための貴重な情報源です。 相談者の事例のように、正直に報告することで、職場全体の安全意識を高め、改善に繋げることができます。 ヒヤリハット報告書は、単に事実を記載するだけでなく、なぜそのミスが起こったのか、どうすれば防げたのかといった分析を加えることで、より効果的になります。

また、報告されたヒヤリハットは、定期的なミーティングなどで共有し、チーム全体で学び、改善策を検討することが重要です。 報告した人が責められるような雰囲気ではなく、学びの機会として捉えることが大切です。

5. 結論：介護職の働き方改革に向けて

今回の事例は、介護職が抱える課題を改めて浮き彫りにしました。 人員不足、情報共有の不足、コミュニケーションの課題など、解決すべき問題は山積しています。 しかし、これらの問題を解決することで、より安全で働きやすい職場環境を実現し、介護の質の向上に繋げることが可能です。 個人の努力だけでなく、組織全体の取り組みが重要です。

相談者の方、そして同じような悩みを抱える介護職の皆さん、一人で抱え込まず、まずは信頼できる人に相談してみましょう。 そして、職場全体で改善に向けて取り組むことで、より安全で安心な介護現場を作っていきましょう。

この記事が、介護職の皆さんにとって少しでも役立つ情報となれば幸いです。