自宅介護か施設入所か？認知症の母と、働くあなたを支える現実的な選択肢

自宅介護か施設入所で悩んでます。 認知症 要介護3の母が先日転倒して大腿骨骨折で入院、手術で一ヶ月近く経過しました。 現在リハビリ中ですが、認知症も若干進行しリハビリを拒む時があるので、このまま入院していても回復が望めないと病院側から退院の話が出ました。 自宅で介護するのか施設に入れるのかお返事下さいとの事です。まだ歩行器が無いと歩けない状態です。 バルーンカテーテルが入っていて自分で排泄も出来ない状態です。 攻撃的になる時もあるので施設入所も断られるかもしれません。と言われ、 自宅介護するにもバルーンを自分で抜くと大変な事になりますと言われ、尚且つ全介助でどうしたら良いのか悩んでいます。 母は私のこと電話口ですが、わかります。 でも自分が入院してる事は、わかりません。 私の事を分からなくなったら施設に入所させようと思ってました‥。 私はフルタイムで仕事をしているので、 入院前は、週6のデイサービスと、月2回のショートステイを利用し娘2人と介助してきました。 家での介助者は受験生の娘2人と私だけです。 家族で話し合ってもなかなか結論を出せずに悩んでます。長文で失礼しました。

この質問は、多くの介護を担うご家族が直面する、非常に切実な悩みを反映しています。フルタイムで働く中で、要介護3の認知症の母を自宅で介護するか、施設に入所させるか。さらに、母の認知症の進行、リハビリへの抵抗、そしてバルーンカテーテルなど、複雑な状況が重なり、決断を困難にしている様子が伝わってきます。この記事では、「高齢者の介護」と「働く人の時間管理」という二つのテーマを軸に、あなたの状況に最適な選択肢を探るお手伝いをします。具体的な解決策、そして専門家によるサポートについてもご紹介します。

1. 現状の分析：時間とリソースの制約

まず、あなたの現状を整理してみましょう。あなたはフルタイムで仕事を持ち、受験を控えた娘さん2人と、要介護3の認知症のお母様の介護を担っています。これは、時間的にも精神的にも大きな負担です。週6日のデイサービスと月2回のショートステイを利用していたとはいえ、お母様の状態が悪化した今、それだけでは十分とは言えません。 お母様は、リハビリを拒否したり、攻撃的になったりするなど、介護の難易度が高い状態です。バルーンカテーテルの使用も、自宅介護のハードルを高くしています。さらに、お母様はご自身の入院を認識していないため、状況説明や説得が難しい点も考慮しなければなりません。

2. 自宅介護の可能性と課題：現実的な準備とサポート体制

自宅介護を選択する場合、以下の点を綿密に検討する必要があります。

• 介護サービスの活用：デイサービスやショートステイだけでなく、訪問介護、夜間介護、ヘルパー派遣など、様々な介護サービスを組み合わせることで、負担を軽減できます。それぞれのサービスの利用時間や費用を比較検討し、あなたとご家族の状況に最適なプランを組み立てましょう。特に、バルーンカテーテルの管理は専門知識が必要となるため、訪問介護サービスの活用は必須です。
• 家族の役割分担：受験生である娘さん2人への負担を最小限にするため、具体的な役割分担を明確にしましょう。例えば、食事の準備や洗濯などは、可能な範囲で分担し、受験勉強に集中できる時間を確保することが重要です。家族会議を行い、それぞれの負担と能力を考慮した上で、現実的な役割分担を決定しましょう。
• 経済的な負担：介護サービスの利用には費用がかかります。介護保険の給付額や、その他の公的支援制度を調べ、経済的な負担を軽減する方法を検討しましょう。介護費用シミュレーションツールなどを活用し、将来的な費用についても予測しておくと安心です。また、介護による収入減を考慮した上で、経済的なプランを立てることも重要です。
• 精神的なサポート：介護は、肉体的だけでなく精神的な負担も大きいです。介護疲れを防ぐために、家族同士で支え合い、相談できる体制を整えましょう。必要に応じて、地域の相談窓口や専門機関に相談し、精神的なサポートを受けることも検討してください。また、介護者同士の交流会に参加するのも良い方法です。

自宅介護は、お母様にとってなじみのある環境で過ごせるというメリットがありますが、あなたの仕事と、受験生である娘さんたちの学業との両立は非常に困難です。現実的に可能な範囲で、介護サービスを最大限に活用し、家族で協力体制を築くことが不可欠です。

3. 施設入所のメリットとデメリット：適切な施設選びのポイント

施設入所を選択する場合、以下の点を考慮する必要があります。

• 施設の種類：特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど、様々な種類の施設があります。それぞれの施設の特徴、費用、サービス内容などを比較検討し、お母様の状態やあなたの希望に合った施設を選びましょう。施設見学を行い、実際にスタッフと話をしたり、他の利用者の方の様子を見学したりすることで、施設の雰囲気や介護レベルを把握することができます。
• 施設の選び方：施設を選ぶ際には、立地条件、医療体制、介護レベル、費用、雰囲気など、様々な要素を考慮する必要があります。認知症に対応できる専門知識と経験を持つスタッフがいる施設を選ぶことが重要です。また、面会時間や頻度、施設の雰囲気などもチェックポイントです。インターネットや地域包括支援センターなどを活用して、複数の施設を比較検討しましょう。
• 入所手続き：入所には、申請手続きや審査が必要です。必要書類を準備し、スムーズに手続きを進めるために、早めに相談窓口に問い合わせることが重要です。また、入所前に施設と面談を行い、お母様の状態や希望などを伝え、入所後の生活について話し合っておくことが大切です。
• 経済的な負担：施設入所にも費用がかかります。介護保険の給付額や、その他の公的支援制度を調べ、経済的な負担を軽減する方法を検討しましょう。施設によって費用が異なるため、事前に費用体系をしっかりと確認し、あなたの経済状況に合った施設を選択することが重要です。

施設入所は、あなた自身の負担を軽減できる可能性が高い一方、お母様にとっては環境の変化によるストレスや、寂しさを感じる可能性があります。適切な施設を選び、入所後の生活をサポートすることが重要です。

4. 最終的な意思決定：家族会議と専門家の意見

最終的な決定は、家族で話し合って行うことが大切です。それぞれの意見を尊重し、メリット・デメリットを比較検討しながら、お母様にとって最善の選択を探りましょう。 この過程で、介護相談窓口やケアマネージャーなどの専門家の意見を聞くことも有効です。彼らは、あなたの状況を客観的に評価し、適切なアドバイスをしてくれます。また、弁護士や社会福祉士などの専門家も、必要に応じて相談することができます。

5. 今後の展望：継続的なサポートと情報収集

自宅介護を選択した場合も、施設入所を選択した場合も、継続的なサポートと情報収集が重要です。介護サービスの利用状況を見直し、必要に応じてサービス内容を変更したり、新しいサービスを導入したりする必要があります。また、お母様の状態の変化に応じて、介護方法を調整することも大切です。地域の介護支援センターや、専門機関の情報などを活用し、最新の情報を収集し続けることで、より良い介護を実現できます。

介護は、決して一人で抱え込むべきものではありません。周りの人に相談したり、専門家のサポートを受けたりしながら、あなた自身も心身ともに健康を保ちながら、お母様と向き合っていきましょう。

まとめ

高齢者の介護、特に認知症を患う方の介護は、時間、体力、精神的な負担が非常に大きいです。 今回のように、仕事と介護の両立に悩む方は少なくありません。自宅介護と施設入所のどちらを選択するにしても、ご自身の状況と、お母様の状態を正確に把握し、適切な介護サービスを活用することが重要です。家族会議で話し合い、専門家の意見も参考にしながら、最善の選択をしてください。そして、どんな選択をしても、あなたは最善を尽くしているということを忘れないでください。