誤診による母親の死…損害賠償請求の訴額と、自分でできること

この記事では、誤診によって母親を亡くされた方が、損害賠償請求を検討されている状況について、法的側面と精神的側面の両方からサポートするための情報を提供します。ご自身の状況に合わせた具体的な訴訟準備の方法や、精神的な負担を軽減するためのアドバイス、そして専門家への相談の重要性について解説します。ご自身の置かれた状況を整理し、今後の行動へと繋げるためにお役立てください。

母親が誤診が主要因で死亡しました。この場合の損害賠償を訴えたいと思います。訴訟費用はわずかなんですが、弁護士を頼むと１００万円とか取られるから自分で訴訟を起こしたいと思います。この場合の訴額をいくらくらいにすべきか迷っております。誤診の内容は、実際は逆流性食道炎だったのですが、食道がんと誤診。おかげで３週間何も食べないで、点滴、酸素吸入のみ。一度輸血をされました。おかげで、母は激ヤセ。左足だけぶよぶよに膨れ上がってしまいました。他の病院のセカンドオピニオンを貰いたいと院長に言ったら、「点滴も、酸素も外して、即退院ですな！」とえらい剣幕！！結局は救急車で他の病院へ運びました。他の病院では胃カメラで即・逆流性食道炎と診断。２種類の薬を２週間飲めば治るんですよ。と言われました。しかしながら、それまで杖は突いてはいたのですが、歩けていた母は立ち上げることもできなくなり、寝たっきりで１年後に亡くなりました。・・・

1. 訴訟を起こす前に：現状の整理と情報収集

まずは、ご自身の置かれている状況を客観的に整理することから始めましょう。感情的になっているかもしれませんが、冷静に事実関係を把握することが、訴訟を成功させるための第一歩です。以下の点を整理し、記録に残しておきましょう。

• 医療記録の収集: 誤診を証明するためには、詳細な医療記録が必要です。これには、診断書、検査結果、治療経過、看護記録などが含まれます。まずは、誤診を行った病院と、セカンドオピニオンを受けた病院の両方から、これらの記録を取り寄せましょう。開示請求の方法や、記録の取得にかかる費用については、各病院の窓口で確認してください。
• 時系列での出来事の整理: 母親の病状が悪化していく過程を、時系列で整理します。いつ、どのような症状が現れ、どのような検査や治療が行われたのかを詳細に記録します。この記録は、訴状を作成する際や、裁判で事実を主張する際に非常に役立ちます。
• 証拠の収集: 誤診を裏付ける証拠を収集します。例えば、他の医師の意見書（セカンドオピニオンの結果など）、医学論文、専門家の証言などが有効な証拠となり得ます。
• 損害の算出: 損害賠償請求の対象となる損害を具体的に算出します。これには、治療費、入院費、葬儀費用、慰謝料などが含まれます。それぞれの項目について、領収書や請求書などの証拠を保管しておきましょう。

2. 訴額の決定：何を請求できるのか？

訴額を決定するにあたっては、請求できる損害の内容を理解することが重要です。一般的に、医療過誤訴訟で請求できる損害には、以下のようなものがあります。

• 治療費: 誤診によって不必要な治療が行われた場合、その治療にかかった費用を請求できます。
• 入院費: 誤診によって入院期間が長くなった場合、その入院にかかった費用を請求できます。
• 交通費: 病院への通院にかかった交通費も、損害として請求できる場合があります。
• 葬儀費用: 誤診が原因で死亡した場合、葬儀費用を請求できます。
• 逸失利益: 母親が亡くなったことによって、将来得られるはずだった収入（遺族の生活費など）が失われた場合、その損失を請求できます。
• 慰謝料: 精神的な苦痛に対する慰謝料を請求できます。慰謝料の金額は、事件の深刻さや、被害者の状況などによって異なります。

これらの損害を合計し、訴額を決定します。ただし、訴額はあくまでも目安であり、裁判所の判断によって増減する可能性があります。ご自身の状況に合わせて、適切な訴額を設定しましょう。

3. 訴状の作成と提出：自分でできること

弁護士に依頼せずに訴訟を起こす場合、ご自身で訴状を作成し、裁判所に提出する必要があります。訴状には、以下の内容を記載する必要があります。

• 原告と被告の特定: 原告（あなた）と被告（病院または医師）の氏名、住所などを記載します。
• 請求の趣旨: どのような判決を求めているのかを具体的に記載します。例えば、「被告は原告に対し、金〇〇円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。」といった形で記載します。
• 請求の原因: 誤診の内容、それによって生じた損害、損害賠償を請求する根拠などを具体的に記載します。事実関係を時系列で整理し、証拠に基づいて説明することが重要です。
• 証拠の提出: 医療記録や、その他の証拠を提出します。証拠のリストを作成し、それぞれに番号を付して、訴状に添付します。

訴状の作成には、専門的な知識が必要となります。裁判所のウェブサイトや、法律に関する書籍などを参考にしながら、慎重に作成しましょう。また、裁判所の窓口で、訴状の書き方に関する相談を受けることも可能です。

4. 裁判手続きの流れ：何が起こるのか？

訴状を提出すると、裁判所から被告に訴状が送達され、被告は答弁書を提出します。その後、裁判所は、当事者双方の主張と証拠に基づいて、審理を行います。主な手続きの流れは以下のとおりです。

• 訴状の提出: 原告が訴状を裁判所に提出します。
• 訴状の送達: 裁判所が被告に訴状を送達します。
• 答弁書の提出: 被告が、訴状に対する反論を記載した答弁書を裁判所に提出します。
• 弁論準備手続き: 裁判官と、原告・被告の双方が、争点や証拠について整理します。
• 証拠調べ: 証拠を提出し、証人尋問などを行います。
• 判決: 裁判所が、提出された証拠に基づいて判決を下します。
• 控訴: 判決に不服がある場合、控訴することができます。

裁判手続きは、複雑で時間がかかる場合があります。裁判所の指示に従い、期日を守り、適切に対応することが重要です。

5. 精神的なサポート：心のケアも大切

大切な家族を亡くされた悲しみは、計り知れません。訴訟を進める過程で、精神的な負担を感じることもあるでしょう。心のケアも大切にし、一人で抱え込まずに、周囲の人々に相談したり、専門家のサポートを受けたりしましょう。

• 家族や友人とのコミュニケーション: 気持ちを打ち明け、支え合うことで、心の負担を軽減できます。
• 専門家への相談: 精神科医やカウンセラーに相談し、専門的なサポートを受けることも有効です。
• 休息とリフレッシュ: 訴訟に集中することも大切ですが、適度に休息を取り、気分転換を図ることも重要です。
• サポートグループへの参加: 同じような経験をした人たちが集まるサポートグループに参加し、情報交換や心のケアを行うこともできます。

ご自身の心の健康を第一に考え、無理のない範囲で訴訟を進めていくことが大切です。

6. 専門家への相談：弁護士の活用

訴訟を有利に進めるためには、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、法的知識や経験に基づいて、あなたの訴訟をサポートしてくれます。弁護士に相談するメリットは、以下のとおりです。

• 法的アドバイス: 訴訟の進め方や、請求できる損害の範囲などについて、専門的なアドバイスを受けることができます。
• 書類作成のサポート: 訴状や、その他の裁判書類の作成をサポートしてくれます。
• 証拠収集のサポート: 証拠収集の方法や、証拠の有効性について、アドバイスを受けることができます。
• 交渉: 相手方との示談交渉を代行してくれます。
• 裁判での代理: 裁判でのあなたの代理人として、法廷で主張を代弁してくれます。

弁護士費用はかかりますが、訴訟を有利に進めるためには、必要な投資と考えることもできます。まずは、複数の弁護士に相談し、ご自身の状況に合った弁護士を選びましょう。弁護士費用については、相談時に確認し、納得した上で依頼するようにしましょう。

7. 医療過誤訴訟の成功事例と、そこから得られる教訓

医療過誤訴訟は、非常に複雑で、専門的な知識を要する分野です。しかし、過去には、誤診によって被害を受けた患者が、損害賠償を勝ち取った事例も存在します。これらの成功事例から、いくつかの教訓を得ることができます。

• 証拠の重要性: 医療過誤訴訟では、証拠が非常に重要になります。医療記録、医師の証言、専門家の意見書など、あらゆる証拠を収集し、裁判所に提出することが、勝訴への鍵となります。
• 専門家の協力: 弁護士や、医療専門家（医師など）の協力を得ることが、訴訟を有利に進めるために不可欠です。専門家の知識と経験は、訴訟の行方を大きく左右します。
• 粘り強い姿勢: 医療過誤訴訟は、時間がかかる場合があります。途中で諦めずに、粘り強く訴訟を続けることが重要です。
• 情報収集: 医療過誤に関する情報を収集し、知識を深めることが、訴訟を成功させるために役立ちます。

これらの教訓を参考に、ご自身の訴訟に役立ててください。

8. まとめ：前向きな一歩を踏み出すために

誤診によって大切な家族を亡くされたことは、計り知れない悲しみです。損害賠償請求は、その悲しみを癒すものではありませんが、責任の所在を明らかにし、今後の生活を支えるための一助となる可能性があります。この記事で提供した情報が、あなたの訴訟準備の一助となり、前向きな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

まずは、現状を整理し、必要な情報を収集することから始めましょう。そして、専門家である弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。心のケアも忘れず、周囲の人々に支えられながら、訴訟を進めていきましょう。

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