介護費用、月20万円は本当？60歳からの介護施設入居と費用のリアル

この記事では、60歳を過ぎた方が、ご家族での介護が難しくなり、介護施設への入居を検討する際の費用に関する不安を解消します。介護費用の現実、介護保険の仕組み、そして将来の費用に対する具体的な対策について、比較検討形式で詳しく解説します。介護施設の種類、費用相場、介護保険の適用条件、さらには費用を抑えるための方法まで、具体的な情報を提供し、読者の皆様が安心して介護施設選びを進められるようサポートします。

認知症で介護施設に入ったら月20万円ほど実費でかかるのでしょうか。

60歳は超えてますが、家族で見るのが限界になりそうなので、

徘徊はまだしてません。

また徘徊をしだしてからなら、介護保険が余分にでて、負担が楽になるのでしょうか。

今後どのくらい費用がかかるのかと思うと夜も眠れません。

よろしくお願いします。

介護施設入居にかかる費用：月20万円は現実的なのか？

介護施設への入居を検討する際、まず気になるのは費用ですよね。月20万円という金額が現実的なのか、それとももっと高額になるのか、あるいはもっと安く済むのか、不安に思われる方も多いでしょう。結論から言うと、介護にかかる費用は、施設のタイプ、介護度、そして利用するサービスによって大きく変動します。月20万円という金額は、場合によっては現実的な範囲内ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。

介護施設の費用を理解するためには、まず費用の内訳を知ることが重要です。主な費用としては、以下のものが挙げられます。

• 入居一時金： 施設に入居する際に支払う一時的な費用です。施設によっては、この費用が不要な場合もあります。
• 月額利用料： 家賃、食費、管理費、そして介護サービス費が含まれます。この月額利用料が、介護施設にかかる費用の大部分を占めます。
• その他費用： 個別の医療費、おむつ代、理美容代、レクリエーション費など、個人の状況に応じて発生する費用です。

これらの費用を具体的に見ていきましょう。

介護施設の種類と費用相場

介護施設には、様々な種類があります。それぞれの施設によって、費用やサービス内容が異なります。主な介護施設の種類と、それぞれの費用相場を見てみましょう。

• 特別養護老人ホーム（特養）： 介護保険が適用される施設で、原則として要介護3以上の人が入居対象です。費用は比較的安く、月額10万円～15万円程度が目安です。ただし、入居待機者が多く、すぐに入居できるとは限りません。
• 介護老人保健施設（老健）： 病院と自宅の中間に位置する施設で、リハビリテーションに重点を置いています。費用は特養と同程度ですが、入居期間は原則として3ヶ月～6ヶ月と定められています。
• 介護付き有料老人ホーム： 24時間体制で介護サービスを提供する施設です。費用は高めで、月額20万円～40万円程度が一般的です。入居一時金が必要な場合もあります。
• 住宅型有料老人ホーム： 介護サービスは外部の事業所と契約して利用します。費用は介護付き有料老人ホームよりは安く、月額15万円～30万円程度が目安です。
• グループホーム： 認知症の人が少人数で共同生活を送る施設です。費用は月額15万円～25万円程度です。

上記の費用相場はあくまで目安であり、施設の立地条件、設備、サービス内容によって変動します。例えば、都市部にある施設や、個室が多い施設は、費用が高くなる傾向があります。

介護保険の仕組みと費用負担

介護保険は、介護が必要な高齢者の生活を支えるための重要な制度です。介護保険を利用することで、介護サービスの費用を軽減することができます。

介護保険を利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、介護が必要な度合いを7段階に区分するもので、要支援1・2、要介護1～5があります。要介護度が高いほど、利用できる介護サービスの種類や量が増え、自己負担額も増えます。

介護保険の自己負担額は、原則として費用の1割～3割です。所得に応じて自己負担割合が決定されます。例えば、所得が低い場合は1割負担、所得が高い場合は2割または3割負担となります。

介護保険でカバーされるサービスには、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、施設サービスなどがあります。これらのサービスを組み合わせることで、自宅での生活を継続したり、介護施設での生活をサポートしたりすることができます。

徘徊と介護保険の関係

ご質問の中にあった「徘徊をしだしてから介護保険が余分に出て、負担が楽になるのか」という点について解説します。徘徊は、認知症の症状の一つであり、介護保険の利用に影響を与える可能性があります。

徘徊がある場合、介護保険の利用において、以下のような影響が考えられます。

• 介護度の悪化： 徘徊があることで、介護度が重くなる可能性があります。介護度が重くなると、利用できる介護サービスの種類や量が増え、自己負担額も増える可能性があります。
• 特定疾病の加算： 徘徊によるリスクを軽減するために、見守りや夜間の対応が必要となる場合、特定疾病の加算が適用されることがあります。
• 施設選びへの影響： 徘徊がある場合は、24時間体制で対応できる介護付き有料老人ホームや、認知症ケアに特化したグループホームなど、入居できる施設の選択肢が限られる場合があります。

ただし、徘徊があるからといって、必ずしも介護保険の負担が楽になるわけではありません。介護保険の利用は、個々の状況によって異なり、介護度や利用するサービスによって費用が変動します。重要なのは、ご本人の状態に合った適切なサービスを利用し、費用とサービスのバランスを考慮することです。

介護費用を抑えるための対策

介護費用は高額になる可能性がありますが、いくつかの対策を講じることで、費用を抑えることができます。

• 介護保険を最大限に活用する： 介護保険で利用できるサービスを積極的に利用しましょう。ケアマネジャーと相談し、ご本人の状態に合った適切なケアプランを作成することが重要です。
• 施設の費用を比較検討する： 複数の施設の費用を比較検討し、ご自身の予算に合った施設を選びましょう。入居一時金や月額利用料だけでなく、サービス内容や設備なども考慮して、総合的に判断することが大切です。
• 公的扶助制度を利用する： 低所得者の場合は、生活保護や介護保険の特定入所者介護サービス費（食費・居住費の減額）などの公的扶助制度を利用できる場合があります。お住まいの市区町村の窓口に相談してみましょう。
• 民間保険を活用する： 介護保険に加えて、民間の介護保険や医療保険に加入している場合は、保険金を受け取ることができます。保険の内容を確認し、必要な場合は見直しを行いましょう。
• 家族で協力する： 家族で協力して介護を行うことで、外部のサービス利用を減らし、費用を抑えることができます。役割分担を決め、無理のない範囲で協力しましょう。

将来の費用に対する備え

介護費用は、将来にわたって発生する可能性があります。将来の費用に備えるためには、早めの対策が必要です。

• 資産の有効活用： 不動産や預貯金などの資産を有効活用し、介護費用に充てられるように準備しましょう。
• 保険の見直し： 民間の介護保険や医療保険の内容を見直し、必要な保障を確保しましょう。
• 専門家への相談： 介護に関する専門家（ケアマネジャー、ファイナンシャルプランナーなど）に相談し、将来の費用に関するアドバイスを受けましょう。
• 情報収集： 介護に関する情報を収集し、最新の制度やサービスを理解しておきましょう。

将来の費用に対する備えは、早ければ早いほど、選択肢が広がります。ご自身の状況に合わせて、計画的に準備を進めましょう。

まとめ：介護費用への不安を解消するために

介護費用は、介護施設の種類、介護度、利用するサービスによって大きく変動します。月20万円という金額は、場合によっては現実的な範囲内ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。介護保険を最大限に活用し、施設の費用を比較検討し、公的扶助制度や民間保険も活用することで、費用を抑えることができます。将来の費用に備えるためには、早めの対策が必要です。資産の有効活用、保険の見直し、専門家への相談、情報収集などを通して、安心して介護施設選びを進めましょう。

介護に関する悩みは、一人で抱え込まず、専門家や家族、友人など、周囲の人々と共有することが大切です。そして、ご自身の状況に合った最適な選択肢を見つけるために、積極的に情報収集し、行動を起こしましょう。

“`