介護施設で働く新人介護士さんへ：15秒で脈拍を測る！現場での疑問を解決し、自信を持って業務をこなす方法

この記事は、介護施設で働き始めたばかりの新人介護士のあなたが抱える疑問、「利用者の脈拍を15秒で測る」ことについて、具体的な方法と、その背景にある考え方を解説します。多忙な現場で、どのように効率よく正確に業務をこなしていくか、そして、あなたが介護のプロとして成長していくためのヒントをお届けします。

初就職で介護の施設で働いて一日目の卵です。利用者の脈を計るのに１５秒で確認して！と言われましたがどういうことですか？皆様忙しそうなので聞けません・・・・ 何か計算方法な気がしたのでこのカテで質問させてもらいました。

介護の現場では、利用者の健康状態を把握するために、バイタルサイン（体温、脈拍、呼吸数、血圧など）を測定することが不可欠です。その中でも、脈拍測定は心臓の健康状態を知る上で重要な指標となります。しかし、新人介護士のあなたにとっては、なぜ15秒で脈拍を測る必要があるのか、どのように測定すれば良いのか、疑問に思うこともあるでしょう。この記事では、その疑問を解消し、自信を持って業務に取り組めるように、具体的な方法と、その背景にある知識を分かりやすく解説します。

1. なぜ15秒で脈拍を測るのか？：効率性と正確性の両立

介護施設では、多くの利用者のケアを限られた時間で行う必要があります。そのため、一つ一つの業務を効率的にこなすことが求められます。脈拍測定もその一つであり、15秒という短い時間で測定することが推奨されるのは、以下の理由からです。

• 時間の節約: 1分かけて測定する場合と比較して、測定時間を大幅に短縮できます。これにより、他の業務に時間を割くことができ、全体の業務効率が向上します。
• 頻繁な測定: 短時間で測定できるため、必要に応じて頻繁に脈拍を測定し、利用者の健康状態をより詳細に把握できます。例えば、体調が急変した際など、迅速な対応が必要な場合に役立ちます。
• 現場の多忙さへの対応: 介護現場は常に忙しく、人手不足の場合も少なくありません。15秒という短い時間で測定することで、忙しい中でも正確な情報を得ることができ、業務の負担を軽減できます。

しかし、15秒で測定する場合、正確性を保つためには、いくつかの注意点があります。以下で詳しく解説します。

2. 15秒脈拍測定の具体的な方法：手順と注意点

15秒で脈拍を測定する際には、以下の手順に従いましょう。正確な測定を行うためには、正しい方法を理解し、実践することが重要です。

1. 準備:
   • 清潔な手: 測定前に必ず手を洗い、清潔な状態に保ちます。
   • 時計: ストップウォッチ機能付きの時計を用意します。
   • 記録用紙: 測定結果を記録するためのメモ用紙や記録ツールを用意します。
2. 測定部位の選択:
   • 橈骨動脈: 手首の内側、親指側の部分に指を当てて脈拍を感じます。
   • 頸動脈: 首の前面、喉仏の横あたりに指を当てて脈拍を感じます。
   • 足背動脈: 足の甲の中央あたりに指を当てて脈拍を感じます。

   測定しやすい部位を選びましょう。一般的には、手首の橈骨動脈がよく利用されます。

3. 脈拍の確認:
   • 指の当て方: 人差し指、中指、薬指の3本の指の腹を軽く当て、脈拍を感じます。強く押しすぎると、自分の指の脈拍を感じてしまうことがあるので注意しましょう。
   • 脈拍のリズム: 脈拍のリズムが規則的であるか、不規則であるかを確認します。不規則な場合は、1分間の脈拍数を測定する必要があります。
4. 15秒間の測定:
   • ストップウォッチ: ストップウォッチをスタートさせ、15秒間、脈拍数を数えます。
   • 正確なカウント: 15秒間の脈拍数を正確に数え、記録します。
5. 計算:
   • 4倍する: 15秒間の脈拍数に4を掛けます。これにより、1分間の脈拍数（1分間の脈拍数＝15秒間の脈拍数×4）を算出します。
   • 記録: 測定日時、脈拍数、測定部位、その他気になる点（例：脈のリズムが不規則など）を記録します。

注意点:

• 落ち着いた環境: 測定は、静かで落ち着いた環境で行いましょう。
• 体動: 測定前に、利用者が激しい運動や興奮状態にないことを確認します。
• 異常の確認: 脈拍数に異常がある場合（徐脈、頻脈など）、または脈のリズムが不規則な場合は、上司や医師に報告し、指示を仰ぎましょう。
• 記録の重要性: 測定結果は必ず記録し、変化を観察することで、利用者の健康状態を把握し、適切なケアに繋げましょう。

3. 脈拍数の正常値と異常値：知っておくべきこと

脈拍数の正常値と異常値を理解しておくことは、利用者の健康状態を把握する上で非常に重要です。以下に、一般的な脈拍数の基準を示します。

• 正常値: 成人の場合、安静時の脈拍数は1分間に60～100回程度が正常とされています。
• 徐脈: 脈拍数が1分間に60回未満の場合を徐脈といいます。原因としては、心臓疾患、薬剤の影響、体調不良などが考えられます。
• 頻脈: 脈拍数が1分間に100回以上の場合を頻脈といいます。原因としては、発熱、脱水、精神的な興奮、心臓疾患などが考えられます。

ただし、これらの数値はあくまで目安であり、個人差や年齢、体調によって変動します。例えば、アスリートは安静時の脈拍数が低い傾向にあります。また、高齢者は、加齢に伴い脈拍数が若干高くなることもあります。

異常値を発見した場合の対応:

• 観察: まずは、利用者の様子を観察し、他のバイタルサイン（体温、呼吸数、血圧など）を確認します。
• 報告: 異常値を発見した場合は、上司や医師に報告し、指示を仰ぎましょう。
• 記録: 測定結果と、利用者の状態を詳細に記録します。

4. 脈拍測定と介護記録：正確な記録の重要性

脈拍測定の結果は、介護記録に正確に記録することが重要です。正確な記録は、利用者の健康状態を把握し、適切なケアを提供するために不可欠です。また、多職種連携においても、重要な情報源となります。

記録のポイント:

• 測定日時: 測定した日時を正確に記録します。
• 脈拍数: 1分間の脈拍数を正確に記録します。
• 測定部位: 測定した部位を記録します（例：橈骨動脈）。
• 脈のリズム: 脈のリズムが規則的であったか、不規則であったかを記録します。
• その他: その他、測定時に気づいたこと（例：呼吸の状態、皮膚の色、本人の訴えなど）を記録します。
• 変化の記録: 脈拍数に変化があった場合は、その原因や経過を詳細に記録します。

記録の活用:

• 健康状態の把握: 記録を継続的に確認することで、利用者の健康状態の変化を把握し、早期発見に繋げることができます。
• ケアプランの見直し: 記録に基づいて、ケアプランを見直し、より適切なケアを提供することができます。
• 多職種連携: 記録は、医師、看護師、理学療法士など、多職種間の情報共有に役立ち、チーム全体で利用者をサポートすることができます。

5. 脈拍測定のスキルアップ：新人介護士が成長するために

新人介護士として、脈拍測定のスキルを向上させるためには、継続的な学習と実践が不可欠です。以下に、スキルアップのための具体的な方法を紹介します。

• 実践練習: 同僚や先輩介護士と練習し、正しい測定方法を身につけましょう。
• 記録: 測定結果を記録し、自分の測定方法を振り返り、改善点を見つけましょう。
• 知識の習得: 脈拍に関する専門知識を深め、異常値やその原因について理解を深めましょう。
• 先輩からのアドバイス: 先輩介護士に積極的に質問し、アドバイスを求めましょう。
• 研修への参加: 脈拍測定に関する研修やセミナーに参加し、知識と技術を向上させましょう。
• 自己学習: 関連書籍やインターネットを活用して、自己学習を行いましょう。

モチベーションを維持するために:

• 目標設定: 具体的な目標を設定し、達成感を味わいましょう。
• 自己肯定感: 自分の成長を認め、自信を持って業務に取り組みましょう。
• 仲間との連携: 同僚や先輩介護士と協力し、励まし合いながらスキルアップを目指しましょう。
• 情報交換: 他の介護士と情報交換を行い、知識や経験を共有しましょう。

新人介護士として、日々の業務の中で、積極的に学び、経験を積むことで、必ず成長できます。焦らず、一歩ずつスキルアップを目指しましょう。

6. 介護の現場で役立つその他の知識

脈拍測定以外にも、介護の現場で役立つ知識はたくさんあります。以下に、いくつか例を挙げます。

• バイタルサインの測定: 体温、呼吸数、血圧などの測定方法を習得し、利用者の健康状態を総合的に把握できるようにしましょう。
• 食事介助: 食事介助の基本を学び、安全に食事を提供できるようにしましょう。
• 入浴介助: 入浴介助の基本を学び、利用者の清潔を保ち、快適な入浴を支援できるようにしましょう。
• 排泄介助: 排泄介助の基本を学び、利用者の尊厳を守りながら、排泄を支援できるようにしましょう。
• 移乗介助: 移乗介助の基本を学び、安全に移乗できるようにしましょう。
• 認知症ケア: 認知症に関する知識を深め、認知症の利用者の特性に合わせたケアを提供できるようにしましょう。
• コミュニケーション: コミュニケーションスキルを向上させ、利用者との良好な関係を築き、信頼関係を深めましょう。
• 感染症対策: 感染症に関する知識を深め、感染予防対策を徹底しましょう。
• 褥瘡予防: 褥瘡（床ずれ）に関する知識を深め、褥瘡を予防するためのケアを行いましょう。
• 看取りケア: 看取りケアに関する知識を深め、終末期の利用者に寄り添い、安らかな時間を過ごせるように支援しましょう。

これらの知識を習得し、実践することで、あなたの介護士としてのスキルはさらに向上し、利用者の方々により質の高いケアを提供できるようになります。

介護の仕事は、大変なこともありますが、やりがいも大きい仕事です。利用者の笑顔や感謝の言葉は、あなたのモチベーションを高め、日々の業務を支える力となります。積極的に学び、経験を積み、素晴らしい介護士を目指してください。

“`