障害を持つお子さんの介護と、理解を得られない母親との関係…どうすれば良い？

今回の記事では、進行性の病気を患い寝たきりの息子さんを介護しながら、実母との関係に悩むお母様からのご相談にお答えします。仕事への復帰、キャリア形成、そして家族との関係性という、多くの人が直面する可能性のあるテーマについて、具体的なアドバイスを提供します。

障害児(15歳♂)を持つ母子家庭の母です。子育ての事で私の実母との意見が全く合わず、困っています。

我が子は3年前に、進行性の病気を患い、現在寝たきりで、全介助を必要とします。それまでは、元気で健康な子で、今でも信じられない気持ちを抱えながら、自宅介護をしています。必ず治ると信じて。

家族は12歳の娘との3人暮らし。仕事は、3年前から休職中です。お給料は、基本給のみ支給して頂いています。

実母とは、別々に暮らしており、60歳ですが、現役で老人介護師の仕事をしています。母とは、仕事が不規則の為、疲れているだろうと思い、めったに連絡や会ったりしません。しかし、時には、連絡したりする必要もあり、話をすると、決まって話は、私達の今の生活の事になり、とても不満のようで、理解してもらえない状況です。

と言うのも、私が働かず、子供にベッタリな事が気に入らないらしく、「息子は施設に預けて、あなたは働くべき」「病気は治らないし、人はいずれ、いつか壊れていくものだから、諦めも必要」「子供のベッタリなあなたはおかしい」「今はそれで良いかもしれないが、先々困るようになる」・・・・・などと言います。息子がお世話になっている、福祉関係の方にもそう言い切ります。

実際、母には何にも迷惑かけていません。親子3人で何とか息子の回復を信じて、生活しています。母は介護職で現実的なのはわかります。しかし、我が子を、施設にまで預ける事には、とても抵抗があり、かえって心配なのです。子供との時間を大事にしたい、私は出来る限りの事を息子にしてあげたい。どう話しても母には解ってもらえません。先日も電話口で口論となり、母の電話、携帯は、着信拒否されています。ここまでする必要あるのか、疑問です。

今回初めてみなさんの意見をお伺いしたく、どうすれば母への理解を得られるのか、御教唆いただければと思います。

このご相談は、非常にデリケートな問題を含んでいます。進行性の病気を持つお子さんの介護、経済的な不安、そして親としての葛藤。さらに、実母との意見の相違による精神的な負担。これらの要素が複雑に絡み合い、解決への道を困難にしています。この記事では、これらの問題に対して、多角的な視点からアプローチし、具体的な解決策を提示します。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を整理し、問題点を明確にすることから始めましょう。ご相談者様の抱える問題は、大きく分けて以下の3点に集約されます。

• お子さんの介護と、それに伴う経済的な問題: 進行性の病気により、24時間体制の介護が必要な状況です。休職中のため、収入も限定されています。
• 実母との価値観の相違: 母親は、お子さんの施設入所と、ご相談者様の就労を強く推奨しています。その価値観の違いが、対立を生んでいます。
• 精神的な負担: 介護の負担に加え、実母からの理解が得られないことによる孤独感、精神的なストレスが大きくなっています。

これらの問題は、それぞれが複雑に絡み合い、解決を困難にしています。しかし、一つずつ丁寧に紐解き、具体的な対策を講じることで、状況を改善することは可能です。

2. 実母とのコミュニケーション戦略

実母との関係改善は、ご相談者様にとって非常に重要な課題です。しかし、感情的な対立が続いている現状では、建設的な話し合いを持つことは難しいでしょう。まずは、以下のステップでコミュニケーション戦略を立てましょう。

ステップ1: 感情的な距離を置く

現在、実母との関係は非常に緊迫しています。まずは、感情的な距離を置き、冷静さを取り戻すことが重要です。具体的には、

• 連絡の頻度を減らす: 必要以上に連絡を取らないようにしましょう。特に、感情的になりやすい話題は避けるべきです。
• 会話の内容を制限する: お子さんのことや、ご自身の状況について話すことは避け、一般的な話題に留めましょう。
• 自分の感情を整理する時間を持つ: 介護や実母との関係で感じている感情を、ノートに書き出すなどして整理しましょう。

ステップ2: 相手の立場を理解しようとする

実母の言葉は、ご相談者様にとって非常に傷つくものかもしれません。しかし、彼女の言葉の背景には、彼女なりの考えや価値観が存在します。彼女の立場を理解しようと努めることで、対話の糸口が見つかる可能性があります。例えば、

• 介護職としての経験: 介護のプロである彼女は、現実的な視点から、お子さんの将来やご相談者様の生活を心配しているのかもしれません。
• 愛情の表現方法の違い: 彼女は、ご相談者様を心配するあまり、自分の考えを強く押し付けてしまっているのかもしれません。
• 世代間の価値観の違い: 彼女の世代では、病気に対する考え方や、子育てに対する価値観が、現代とは異なる可能性があります。

ステップ3: 建設的な対話のための準備

感情的な距離を置き、相手の立場を理解しようと努めたら、建設的な対話のための準備を始めましょう。具体的には、

• 対話の目的を明確にする: 最終的に、実母に何を理解してほしいのか、具体的に考えましょう。例えば、「私の気持ちを理解してほしい」「私の選択を尊重してほしい」などです。
• 伝えたいことを整理する: 自分の気持ちや考えを、簡潔かつ分かりやすくまとめましょう。感情的な言葉遣いは避け、冷静に伝えることが重要です。
• 対話の場を設ける: 電話ではなく、直接会って話す機会を設けましょう。対面でのコミュニケーションは、感情が伝わりやすいため、誤解を招きにくいです。

ステップ4: 対話の実践と注意点

準備が整ったら、いよいよ対話の実践です。以下の点に注意しながら、実母とのコミュニケーションを図りましょう。

• 自分の気持ちを正直に伝える: 感情的にならず、冷静に自分の気持ちを伝えましょう。「私は、息子の回復を信じています」「私は、息子との時間を大切にしたいのです」など、率直な気持ちを伝えてください。
• 相手の意見に耳を傾ける: 相手の意見を否定せず、まずは耳を傾けましょう。相手の言葉の裏にある、本当の気持ちを理解しようと努めてください。
• 妥協点を探る: 互いの意見を尊重し、妥協点を探る努力をしましょう。例えば、一時的にでも、専門家のアドバイスを聞いてみるなど、第三者の意見を取り入れることも有効です。
• 期待しすぎない: すぐに理解を得られるとは限りません。焦らず、時間をかけて、関係を築いていくことが大切です。

3. キャリアプランの検討と、仕事復帰への道

お子さんの介護と並行して、ご自身のキャリアプランを検討することも重要です。経済的な安定は、ご相談者様の精神的な負担を軽減し、将来への希望を持つためにも不可欠です。以下に、キャリアプランを検討する上でのポイントと、仕事復帰への道筋を示します。

ステップ1: 自己分析と目標設定

まずは、ご自身のスキル、経験、興味関心、そしてライフスタイルを考慮し、キャリアの目標を設定しましょう。具体的には、

• これまでの経験の棚卸し: これまでの職務経験を振り返り、培ってきたスキルや知識を整理しましょう。
• スキルの可視化: 自分の強みや弱みを客観的に分析し、どのようなスキルを持っているのかを明確にしましょう。
• 興味関心の明確化: どのような仕事に興味があるのか、どのような働き方をしたいのかを考えましょう。
• ライフスタイルの考慮: 介護の状況、経済的な事情、家族との関係などを考慮し、現実的な目標を設定しましょう。

目標設定の際には、以下の点を意識しましょう。

• 長期的な視点: 将来的なキャリアプランを考え、長期的な目標を設定しましょう。
• 柔軟性: 状況の変化に対応できるよう、柔軟性のある目標を設定しましょう。
• 実現可能性: 自分の能力や環境を考慮し、実現可能な目標を設定しましょう。

ステップ2: スキルアップと情報収集

目標が決まったら、スキルアップと情報収集を行いましょう。具体的には、

• 必要なスキルの習得: 目標とする職種に必要なスキルを習得するために、資格取得、研修受講、オンライン講座の受講などを検討しましょう。
• 情報収集: 興味のある職種や業界に関する情報を収集しましょう。求人情報、企業情報、業界動向などを調べ、自分に合った仕事を見つけましょう。
• 人脈作り: 同じような目標を持つ人たちと交流し、情報交換や情報共有を行いましょう。

スキルアップと情報収集の際には、以下の点を意識しましょう。

• 効率的な学習: 自分のペースで、効率的に学習できる方法を見つけましょう。
• 最新情報の入手: 常に最新の情報を入手し、変化に対応できるようにしましょう。
• ネットワークの活用: 人脈を広げ、情報収集の幅を広げましょう。

ステップ3: 仕事復帰への準備

スキルアップと情報収集を進めながら、仕事復帰に向けた準備を始めましょう。具体的には、

• 求人情報の検索: 自分のスキルや経験、希望する働き方に合った求人情報を探しましょう。
• 応募書類の作成: 履歴書や職務経歴書を作成し、応募書類の質を高めましょう。
• 面接対策: 面接対策を行い、自信を持って面接に臨めるようにしましょう。
• 家族との協力体制の構築: 介護と仕事の両立に向けて、家族との協力体制を構築しましょう。

仕事復帰の際には、以下の点を意識しましょう。

• 無理のない範囲で: 自分の体力や精神的な負担を考慮し、無理のない範囲で仕事を選びましょう。
• 柔軟な働き方: 在宅勤務、時短勤務、パートなど、柔軟な働き方を選択肢に入れましょう。
• 周囲の理解: 家族や職場の同僚に、自分の状況を理解してもらい、協力体制を築きましょう。

4. 専門家への相談とサポートの活用

一人で抱え込まず、専門家への相談や、利用できるサポートを積極的に活用しましょう。専門家のアドバイスやサポートは、問題解決の糸口を見つけ、精神的な負担を軽減する上で非常に有効です。

専門家への相談

以下のような専門家への相談を検討しましょう。

• キャリアコンサルタント: キャリアプランの相談、仕事探しのアドバイス、応募書類の添削、面接対策など、就職活動全般をサポートしてくれます。
• カウンセラー: 精神的な悩みやストレスについて相談し、心のケアを受けることができます。
• 弁護士: 法律的な問題や、権利に関する相談ができます。
• ファイナンシャルプランナー: 経済的な問題や、将来の資金計画について相談できます。

利用できるサポート

以下のようなサポートを活用しましょう。

• ハローワーク: 求人情報の提供、職業相談、職業訓練など、就職に関する様々なサポートを提供しています。
• 地域包括支援センター: 高齢者の介護に関する相談や、様々なサービスの情報提供を行っています。
• 障害者自立支援協議会: 障害のある方とその家族を支援する相談窓口です。
• NPO法人: 介護や子育てに関する様々なサポートを提供しているNPO法人もあります。

専門家への相談やサポートの活用は、以下の点を意識しましょう。

• 積極的に情報収集: どのような専門家やサポートがあるのか、積極的に情報を収集しましょう。
• 複数の意見を聞く: 複数の専門家から意見を聞き、自分に合った方法を見つけましょう。
• 遠慮なく相談: 困ったことがあれば、遠慮なく専門家に相談しましょう。

5. まとめと、未来への一歩

今回の相談は、非常に困難な状況にある方が、将来への希望を見出すための道を探るものでした。お子さんの介護、実母との関係、そしてご自身のキャリア形成。これらの課題を乗り越えるために、以下の点を提案しました。

• 現状の整理と問題点の明確化: 問題を具体的に把握し、解決への第一歩を踏み出す。
• 実母とのコミュニケーション戦略: 冷静さを保ち、相手の立場を理解し、建設的な対話を目指す。
• キャリアプランの検討と、仕事復帰への道: 自己分析を行い、スキルアップを図り、無理のない範囲で仕事復帰を目指す。
• 専門家への相談とサポートの活用: 専門家のアドバイスやサポートを受け、問題解決を加速させる。

これらの提案は、あくまでも一般的なアドバイスです。ご相談者様の置かれている状況は、非常に複雑であり、個別の事情に合わせて、柔軟に対応していく必要があります。しかし、これらのステップを踏むことで、必ず状況は改善に向かいます。焦らず、一歩ずつ、未来への希望に向かって進んでいきましょう。

最後に、ご相談者様の心からの願いが叶い、お子様が笑顔で過ごせる日々が来ることを、心から願っています。そして、ご相談者様が、ご自身のキャリアを築き、充実した人生を送れるよう、心から応援しています。

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