「施設退所」を迫られた！親の介護と仕事の両立、どうすればいい？ 専門家が教える、冷静な対応と解決策

この記事は、親の介護と仕事の両立に悩み、特に介護施設からの退所を迫られて困っているあなたに向けて書かれています。親の健康状態の変化、施設の対応、そして自身の仕事とのバランスに苦慮している状況は、非常に精神的な負担が大きいものです。この記事では、そのような状況を打開するための具体的な対応策、法律的な知識、そして心の持ち方について、専門家の視点からアドバイスを提供します。

父が施設を追い出されそうです。8年ほど前、父が脳梗塞で倒れ右半身麻痺で、現在特別養護老人ホームでお世話になって5年目です。最近、父が自力でオシッコができなくなり、尿道にカテーテルを付けて出してる状態です。膀胱の機能事態が低下しているようで、月に一度病院で薬をもらい、カテーテルの交換をしています。

リハビリで身体を動かし、薬で膀胱の働きを良くするしか治療法がないようです。

施設の相談員の方から、「カテーテルが取れないのであれば、施設を退所してもらうしかない！」と言われました。今と同じ施設料金であれば、施設が替わるのも仕方が無いと諦め、今の施設の方に探してもらっていたのですが、なかなか見つからないと言われました。

そして、通院を今の病院から○○病院へ変わってもらえないかと言われ、承諾しました。その病院に電話したところ火曜日しか、泌尿器科外来がやっていないので、仕事の関係上、病院を替わるのは無理だと相談員の方に説明したのですが、分かってもらえずに

「ご家族が、その病院に連れて行けないのであれば退所してもらうしかない！」

「何かあった時に、ご家族が直ぐに対処できないなら退所してもらうしかない！」

「もし、腎不全でもなったら当然、退所してもらいます！」（医者から、腎不全になる恐れがあるなんていわれてません。）

「私も、現場の人間（看護師、介護師など）と、あなた方ご家族の間に立って大変なんです！」

「今度、現場の人間数名と、話し合いをしてくれ」と言われました。

父を強制的に、退所に追い込みたいのが明らかです。その話し合いの時、家族で参加できるのは、年老いた母と私だけになりそうです。

話し合いの時、退所に追い込まれないためには、どの様な対応を取ればいいのか？ 不安です。そして、強制的に退所させることが法律的に可能なんでしょうか？ 特別養護老人ホームって、こんなにも冷たいところなんでしょうか？

皆様のお知恵を拝借いたしたく、投稿させて頂きました。どうぞ、よろしくお願い致します。今まで通院していた病院には、月一回土曜日に連れって行ってました。施設にまかせっきりには、してません。こちらができる事は、しています。

今回、病院を替われといわれて仕事の関係上、毎月火曜日に休みを取るのが困難なんです。と言ったら、今回の様な対応をされたのが、理不尽に思います。

はじめに：状況の整理と問題点の明確化

ご相談ありがとうございます。お父様の介護と、それを取り巻く状況について、大変なご心労をお察しいたします。まず、現状を整理し、問題点を明確にすることから始めましょう。

• お父様の状況: 脳梗塞による後遺症で、現在特別養護老人ホームに入所中。カテーテルを使用しており、膀胱機能の低下が見られる。
• 施設側の対応: カテーテルが外れないことを理由に退所を迫っている。通院先の変更を要求し、それができない場合は退所をほのめかしている。
• ご家族の状況: 仕事との両立が難しく、通院日の変更に対応できない。退所させられることへの不安、そしてその対応に困っている。

今回の問題は、大きく分けて以下の3点に集約されます。

1. 退所の可能性: 施設側が退所を迫る法的根拠の有無。
2. 家族の負担: 仕事との両立、そして今後の対応。
3. 施設の対応: 相談員や施設の対応に対する不信感。

これらの問題に対して、具体的な解決策を提示していきます。

ステップ1：退所を迫る施設の法的根拠を理解する

まず、施設が退所を迫る法的根拠について理解することが重要です。特別養護老人ホームは、介護保険法に基づいて運営されており、入所の継続には一定の条件があります。しかし、施設側の主張がすべて正当とは限りません。

1. 契約内容の確認

入所時に締結した契約書を再度確認しましょう。契約書には、退所に関する条項が記載されているはずです。どのような場合に退所となるのか、その手続きはどうなっているのかを確認します。例えば、以下のような条項があるか確認しましょう。

• 利用者の状態の変化: 介護度が著しく低下した場合、または医療的な処置が必要となり、施設での対応が困難になった場合。
• 利用料の未払い: 利用料の支払いが滞った場合。
• 契約違反: 施設内のルールに違反した場合。

契約書に記載されている退所条件に、お父様の状況が該当するかどうかを慎重に検討しましょう。

2. 介護保険法の確認

介護保険法では、施設が一方的に退所を決定できるケースは限定されています。例えば、利用者の状態が著しく悪化し、施設での対応が不可能になった場合などが挙げられます。しかし、カテーテルを使用していることだけで、直ちに退所の理由になるとは限りません。

厚生労働省の通知や、介護保険に関する法令を確認し、施設側の主張が法的に正しいかどうかを判断しましょう。必要であれば、弁護士や介護保険に詳しい専門家に相談することも検討しましょう。

3. 弁護士への相談

法的根拠の有無について判断が難しい場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、契約書や関連法規に基づき、施設側の対応が法的に問題ないかどうかを判断してくれます。また、今後の対応について、具体的なアドバイスを受けることができます。

弁護士への相談は、今後の交渉を有利に進めるためにも、非常に有効な手段です。

ステップ2：施設との話し合いに臨むための準備

施設との話し合いに臨む前に、しっかりと準備をすることが重要です。感情的にならず、冷静に、そして論理的に話を進めるために、以下の点を準備しましょう。

1. 事実の整理

これまでの経緯を時系列で整理し、事実関係を明確にしておきましょう。具体的に、以下の点をまとめます。

• お父様の病状: 脳梗塞の発症時期、現在の症状、カテーテルの使用状況、通院状況。
• 施設の対応: 相談員とのやり取り、退所を迫られた具体的な理由、通院先の変更要求。
• ご家族の対応: これまでのサポート内容、仕事との両立状況、通院への協力体制。

事実を整理することで、話し合いの際に、論理的に自分の主張を伝えることができます。

2. 証拠の収集

話し合いの際に、証拠となるものを準備しておきましょう。具体的には、以下のものが考えられます。

• 契約書: 入所時に締結した契約書。
• 診療情報提供書: 医師からの診断書や、これまでの治療経過がわかる書類。
• 相談記録: 相談員とのやり取りを記録したメモやメール。
• 通院記録: これまでの通院状況がわかる記録。

証拠を提示することで、自分の主張の信憑性を高めることができます。

3. 伝えたいことの明確化

話し合いで、何を伝えたいのかを明確にしておきましょう。具体的には、以下の点を意識しましょう。

• 退所を希望しない理由: お父様の状況、家族のサポート体制、現在の施設への満足度など。
• 通院に関する問題点: 仕事との両立の難しさ、現在の病院への通院の継続希望など。
• 今後の希望: 施設との協力体制の構築、お父様の生活の継続など。

伝えたいことを明確にすることで、話し合いの目的を達成しやすくなります。

4. 介護保険サービスと仕事の両立に関する情報収集

介護保険サービスを利用することで、仕事との両立を支援できる場合があります。例えば、訪問看護や訪問介護を利用することで、施設での看護や介護を補完することができます。また、ショートステイを利用することで、一時的に施設に入所し、家族の負担を軽減することも可能です。

地域の介護保険サービスに関する情報を収集し、どのようなサービスが利用できるのか、費用はどのくらいなのかなどを調べておきましょう。これにより、施設との交渉の際に、代替案を提示することができます。

ステップ3：施設との話し合いの進め方

話し合いでは、冷静さを保ち、感情的にならないことが重要です。以下の点に注意して、話し合いを進めましょう。

1. 目的の明確化

話し合いの目的を明確にしましょう。今回の話し合いの目的は、退所を回避し、お父様の生活を継続することです。その目的を達成するために、どのような交渉をするのかを事前に決めておきましょう。

2. 相手の意見を傾聴する

相手の意見をしっかりと聞き、理解しようと努めましょう。施設側の立場や、抱えている問題点などを把握することで、建設的な話し合いを進めることができます。相手の意見を尊重する姿勢を示すことで、相手もこちらの意見に耳を傾けやすくなります。

3. 自分の意見を明確に伝える

自分の意見を、論理的に、そして具体的に伝えましょう。感情的な言葉遣いは避け、事実に基づいた説明を心がけましょう。退所を希望しない理由、通院に関する問題点、今後の希望などを明確に伝えましょう。

4. 解決策の提案

問題解決のために、具体的な解決策を提案しましょう。例えば、以下のような提案が考えられます。

• 通院に関する代替案: 家族が通院に同行できない場合は、訪問看護師の同行や、タクシーの手配などを提案する。
• 医療的なサポートの強化: 施設内で、カテーテルの管理や、その他の医療的な処置に対応できる体制を整えることを提案する。
• 介護保険サービスの活用: 訪問看護や訪問介護などの介護保険サービスを活用し、施設との連携を強化する。

解決策を提案することで、建設的な話し合いを進めることができます。

5. 記録を残す

話し合いの内容を、記録に残しておきましょう。話し合いの日時、参加者、話し合った内容、合意事項などを記録しておきます。記録を残しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

ステップ4：退所を回避するためのその他の対策

施設との話し合いがうまくいかない場合や、さらなる対策が必要な場合は、以下の方法を検討しましょう。

1. 外部機関への相談

介護に関する相談窓口や、専門機関に相談しましょう。例えば、以下のような機関があります。

• 地域包括支援センター: 高齢者の介護に関する相談窓口。介護保険サービスに関する情報提供や、専門家への橋渡しをしてくれます。
• 弁護士: 法的な問題について、専門的なアドバイスを受けることができます。
• 社会福祉協議会: 福祉に関する相談窓口。介護保険サービスに関する情報提供や、生活困窮者への支援などを行っています。
• 消費者センター: 介護サービスに関するトラブルについて、相談することができます。

これらの機関に相談することで、専門的なアドバイスを受けたり、問題解決のためのサポートを受けることができます。

2. 施設の変更も視野に

現在の施設との関係が改善しない場合、施設の変更も検討しましょう。他の施設を探すことで、より良い環境で、お父様の介護を継続できる可能性があります。

施設の情報を収集し、見学に行き、施設の雰囲気や、スタッフの対応などを確認しましょう。また、入所条件や、費用なども確認し、比較検討しましょう。

3. 家族内での協力体制の構築

親族間で、介護に関する情報を共有し、協力体制を構築しましょう。家族間で役割分担を決め、互いにサポートし合うことで、介護の負担を軽減することができます。例えば、通院のサポート、施設の訪問、金銭的なサポートなど、それぞれの得意分野を活かして協力し合いましょう。

定期的に家族会議を開き、現状の問題点や、今後の対応について話し合い、情報共有をすることで、より円滑な介護体制を築くことができます。

4. 精神的なサポート

介護は、心身ともに大きな負担がかかります。一人で抱え込まずに、周囲の人に相談したり、専門家のサポートを受けたりすることで、精神的な負担を軽減しましょう。

例えば、以下のような方法があります。

• カウンセリング: 専門家によるカウンセリングを受けることで、心の悩みやストレスを解消することができます。
• 介護者の交流会: 同じような境遇の人たちと交流することで、情報交換をしたり、悩みを共有したりすることができます。
• 趣味や休息時間の確保: 自分の時間を持ち、趣味を楽しんだり、休息をとることで、心身のバランスを保つことができます。

ステップ5：仕事との両立を支援する制度の活用

仕事と介護の両立を支援する制度を活用することで、仕事への影響を最小限に抑えながら、介護を続けることができます。以下に、主な制度を紹介します。

1. 介護休業制度

介護休業制度は、要介護状態にある家族を介護するために、最長93日まで休業できる制度です。一定の条件を満たせば、雇用保険から介護休業給付金を受け取ることができます。この制度を利用することで、仕事の負担を軽減し、介護に専念することができます。

会社の人事担当者に、介護休業制度について相談し、手続きを進めましょう。

2. 介護休暇制度

介護休暇制度は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために、年次有給休暇とは別に取得できる休暇制度です。半日単位や時間単位で取得できる場合もあります。この制度を利用することで、急な用事や、通院などに柔軟に対応することができます。

会社の人事担当者に、介護休暇制度について相談し、取得方法を確認しましょう。

3. 勤務時間の変更

勤務時間の変更を、会社に相談してみましょう。例えば、始業時間や終業時間をずらしたり、テレワークを活用したりすることで、仕事と介護の両立を支援することができます。

上司や人事担当者に相談し、どのような働き方ができるのか、検討してみましょう。

4. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを利用することで、仕事と介護の両立を支援することができます。例えば、訪問介護やデイサービスを利用することで、日中の介護をサポートしてもらうことができます。また、ショートステイを利用することで、一時的に施設に入所し、家族の負担を軽減することができます。

地域の介護保険サービスに関する情報を収集し、利用できるサービスを検討しましょう。

まとめ：冷静な対応と情報収集が、未来を切り開く

お父様の介護と、施設からの退所問題、そして仕事との両立は、非常に困難な状況です。しかし、冷静に状況を分析し、適切な対応をとることで、必ず解決の道が開けます。今回の記事で提示したステップを参考に、まずは現状を整理し、関係各所との連携を図りましょう。そして、諦めずに、お父様とご自身の未来のために、最善の選択をしてください。

最後に、今回の問題解決のために重要なポイントをまとめます。

• 法的知識の習得: 契約内容の確認、介護保険法の理解、弁護士への相談。
• 情報収集: 事実の整理、証拠の収集、解決策の検討。
• コミュニケーション: 施設との建設的な話し合い、家族内での協力体制の構築。
• 制度の活用: 介護休業制度、介護休暇制度、勤務時間の変更、介護保険サービスの利用。
• 精神的なサポート: カウンセリング、交流会への参加、趣味や休息時間の確保。

これらのポイントを意識し、一つずつ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。頑張ってください。応援しています。

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